東邦薬品株式会社

掲載日: 2009 年 5 月 28 日
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ソリューション概要

プロファイル
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2008 年に創立 60 周年を迎えた東邦薬品株式会社leave-ms は、「すべては健康を願う人々のために」をスローガンに、患者、顧客、社員、社会、株主の 5 つとの「信頼と共感」を価値観 (core value) として、医薬品および検査薬の提供、コンサルティング サービス、医療機器や医療材料の提供だけでなく、業務を効率化して患者の満足度を高めるシステムも提供してきました。2009 年 4 月には東邦ホールディングス株式会社として生まれ変わり、より高品質なサービスの提供や社会貢献を行っていきます。

シナリオ
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PDA を利用していた業務支援システムを、スマートフォンを利用したシステム (第 5 世代システム) へ移行することを計画。
PDA 上の業務処理システムをそのまま活かし、低コストかつ短期間でのシステム移行が可能となった。
以前の PDA によるシステムに比べて、営業報告の音声入力など、音声通信を活かした機能が付加され、大幅な業務改善が実現できた。
PDA と携帯電話、無線 LAN と DoPa を併用していたころに比べ、スマートフォンのみを利用する今回のシステムは、導入コストおよび運用コストの大幅な削減が見込まれる。

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Windows Mobile 5.0

メリット

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Microsoft Windows CE ベースの旧システムの業務処理システムを、基本的にはそのまま Windows Mobile 上で利用できるため、コストと工数を抑えて約 3 か月で新システムに移行できました。
NTTドコモの協力の下、SMS-PUSH メールを活用した通達確認システムや、メモリの消去およびロック機能も搭載し、情報共有やセキュリティ強化も行うことができます。
音声認識システムと連動することによって、効率的かつ確実な医薬品メーカーへの情報提供を行うことにも成功し、市場調査などにも役立てることができます。
1つの端末に機能が集約しているため、複数の端末を持ち歩く必要がなく、業務効率の大幅な向上と機器導入費や通信費などのコストの大幅な削減が実現できます。

ユーザー コメント
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「Windows Mobile を選択することによって、非常に短い期間でマイグレーションすることができました。新システム MEISSA によってデータベースの更新を 1/3 の時間で処理でき、音声認識システムと連動させて 1 日約 1 時間の業務短縮も期待できます。また、端末導入単価を約 45%、通信コストを約 10%、端末設定時間を約 80% 削減できたことも大きなメリットでしょう。今ある業務系システムを継続して使うことを考えれば、ハードウェアや特定のベンダーに頼らずに利用できる Windows Mobile もしくはそれに親和性の高いプラットフォームをベースとしたシステムを今後も使い続けると思います」

株式会社東邦システムサービス
オープンシステム部
システム2課
課長
田森 隆行 氏
新たな医薬品営業支援システムに Microsoft Windows Mobile を採用。
旧システムからのスムーズなマイグレーションを実現し、さらなる業務効率化も実現。

* *東邦薬品株式会社
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東邦薬品株式会社
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東邦薬品株式会社 (以下、東邦薬品) は、医療薬品の卸売販売業として、1983 年から MS (Medical Marketing Specialist) を支援するシステムを開発し続けてきました。2006 年から利用してきた同社の第 5 世代にあたる MS 支援システム「MEISSA」は、Windows Mobile 5.0 を搭載した HTC 社製の「hTc Z」を採用し、「MCPC award 2008」のモバイル テクノロジー賞を受賞しました。同社では、MEISSA によって MS の業務効率を向上させるだけでなく、導入および運用コストの大幅な削減も実現しています。


<導入背景と狙い>
新たな MS 支援システム構築のため PDA に代わる携帯端末を模索する


田森 隆行 氏
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株式会社東邦システムサービス
オープンシステム部
システム2課
課長
田森 隆行 氏

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2009 年 4 月に東邦ホールディングス株式会社としてホールディングス化を行う東邦薬品では、以前から「共創未来グループ」として関連子会社を含む 16 社での提携を行っており、グループ内でシステムの共同利用や共同仕入れなどを行ってきました。株式会社東邦システムサービス オープンシステム部 システム2課の課長である田森隆行氏が「私たちは、お客様に喜んでいただくように業務を改善するためのシステム開発に力を入れてきました」と話すように、価格競争ではなくツールを提供することで、病院や薬局などの顧客をトータルでサポートするようにしてきたことも東邦薬品の大きな特徴の 1 つです。これまでも、調剤薬局向けの医薬品発注・情報端末機「ENIF」を開発し、全国の調剤薬局を中心に約 25,000 軒に利用されています。

東邦薬品 では、MCA (Multi-Channel Access) 無線、カプラ音声通信方式の端末を使った業務処理システムを 1983 年から開発し、その後も MS の業務を支援するシステムを作ってきました。田森氏は、同社のシステム開発の特徴を「先進的な試みが多く、“新しもの好き”」と話し、初代の MS 支援システムを次のように説明します。「1983 年に開発した MS 支援システムは、世界で初めて MCA 無線をデータ通信で使った画期的なものでした。また、25 年以上前から在庫処理をリアルタイムに行っているという点でも特徴のあるシステムでした」。

時代とともに MS 支援システムをアップグレードさせてきた東邦薬品では、2003 年に Microsoft Windows CE ベースの PDA を使った第 4 世代のシステムに切り替えています。「第 3 世代までは専用端末を使っていたのですが、専用端末ではコストがかかりすぎること、多くの機能を盛り込んでしまったために処理が重くなってしまったことなどから、ハードが老朽化してきた 2003 年ごろから東芝製の GENIO を使った第 4 世代のシステムを利用するようになりました。MCA 無線も下火になってきていましたし、オープンなプラットフォームを使ったしくみにしたいという考えもあったので、Pocket PC を利用しようと考えたのです。当然、ノート PC も検討しましたが、起動時間や持ち運びの利便性、セキュリティ面などを考えると、当時は PDA が最も適していると考えました」 (田森氏) 。

しかし、2006 年ごろになると PDA 自体の利用が少なくなり、新たなシステムを構築する必要が出てきたと田森氏は話します。「今回の MEISSA と呼ばれる第 5 世代のシステムへ切り替える必要が出てきた最も大きなポイントは、PDA が少なくなり入手コストが高くなったことに加え、後継機種の選択肢も狭くなってきたことです。また、営業ツールとして携帯電話が不可欠となってきた中で、MS は DoPa の通信カード、PDA 本体、携帯電話の 3 つを持ち歩かなければならず、それぞれの基本料金などのコストもかさむことになります。PDA 本体についても、バッテリの持ちの問題もあり、リソースの問題から新たな機能を作れないという課題を抱えていました」。


<導入の経緯>
工数やコストを大幅に抑えつつ、スムーズに Windows Mobile へ移行


複数の端末ではなく、携帯電話だけで MS を支援できないかと考えた東邦薬品では、さまざまな選択肢がある中で最終的に hTc Z を採用し、Windows Mobile を利用することを決断しました。しかし、その過程の中では、携帯電話独自のアプリケーション プラットフォームを利用することも検討していました。

「他の事業者から提案された端末ではメモリなどの容量も少なかったため、データベースをローカルに置くことができなかったことが問題となりました。Windows Mobile だと、商品マスターなどで約 20 万件あるデータベースを端末側に置けるうえ、処理速度も向上できるということが、hTc Z を採用した最大の理由ですね。また、当時の通常の携帯電話に比べて、hTc Z は画面が大きかったことも気に入りました。無線 LAN などと連携できる点も選択のポイントとなったと思います」 (田森氏) 。

中村 幸弘 氏
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株式会社NTTドコモ
法人事業部
第二法人営業部
第二営業
グループリーダー
中村 幸弘 氏

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MEISSA の開発当時は SE としてプロジェクトに参加し、現在は東邦薬品の担当営業である株式会社NTTドコモ 法人事業部 第二法人営業部 第二営業 グループリーダーの中村幸弘氏は、hTc Z を採用した経緯を次のように話します。「当初は、Windows Mobile 以外の携帯電話向け OS を使ったシステムを考え、Windows CE からシームレスに移行できるようにマルチ OS 対応の開発プラットフォームを用意していたのですが、納得できるシステムにはなりませんでした。そのうちに hTc Z が発売となり、田森さんからも、これを使えないかという問い合わせがありました」。

さっそく hTc Z のデモ機で旧システムの Windows CE ベースのアプリケーションを使ってみたところ、すぐに動作することができたため、Windows Mobile を採用することになったと両氏は話します。Windows CE と互換性の高い Windows Mobile を採用することによって、移行作業がスムーズに行えたことは大きなメリットです。東邦薬品では hTc Z の製品版発表後 1 か月で、九州の営業拠点から導入を開始しています。移行にかかる工数やコストが低く抑えられたことを、中村氏は次のように話します。「ゼロから開発していったとすれば数千万円単位の開発費がかかったと思います。しかし、業務処理などのシステムの移行に必要な開発は、PDA の縦表示から hTc Z の横表示にインターフェイスを変更するといったものだけでした」。

続けて、田森氏も「もちろん、細かな検証などを行う必要はありましたし、インターフェイスの変更も行いましたが、 非常に短い期間でマイグレーションすることができました。2008 年の夏ぐらいから各営業所で PDA から hTc Z への入れ替えを行ってきましたが、受発注などの業務処理についての操作はほぼ今までどおりの操作で行えるので、まったく説明していません」と、移行がスムーズであったことを説明します。

ハードウェアの提供とシステムの開発を行った中村氏は、今後の提供体制を考えても、Windows Mobile という選択は正しかったと感じているようです。「最初に提案した携帯電話向け OS は、限られた端末で利用されていたものであるため、将来的に数世代先まで提供できるという保証はできないものでした。その点、Windows Mobile であれば、後継機を出していく予定もあり、継続して提供することができます」。


<システムの概要>
音声認識システムとの連携や PUSH メールも活用、
業務効率の向上と大幅なコスト削減を実現


東邦薬品では、MEISSA を徐々に全国で展開させながら、機能強化と機能追加を行ってきました。2009 年 3 月時点で、システムを共同利用している共創未来グループ各社を含めて約 2,600 台の hTc Z を導入し、ホールディング化後の 2009 年夏までには約 3,000 台に増やしていく予定です。

PDA から移行させた業務処理のシステムだけでなく、MEISSA では SMS-PUSH メールによる通達確認のシステムを導入してきました。これは、コール センターからのメールを MS が確認したかどうか、メール本文の URL をクリックすることで確認するものです。この PUSH メールのシステムは旧システムでも実現していましたが、ユーザーの利用率が低く、今回の導入によって利用率が高まりました。また、通常の携帯メールではなく SMS (Short Message Service) であることもメリットとなっています。万が一スマートフォンを紛失した場合のセキュリティ対策として、SMS-PUSH を利用して端末のコントロールを行い、メモリの消去やロックを行えるようにもなっています。

さらに、株式会社アドバンスト・メディアの提供する音声認識システム、「AmiVoice」との連携も行っています。「MS の業務の 1 つに、医療機関のお客様を訪問して医薬品メーカーさんのアンケートや市場調査を行い、医薬品メーカーさんにフィードバックするというものがあります。これまでは、イントラネット上で入力したり、指定の用紙に手書きで FAX したりするという方法でやり取りをしていたのですが、膨大な量の情報となるために医薬品メーカーさんが有効に活用できないという課題があったのです。そこで、音声自動認識を使えないかと考えました」 (田森氏) 。

訪問先の医療機関で得た情報を、空いた時間や移動時間に音声自動認識システムに口頭で入力し、医薬品メーカーの担当の MR (Medical Representatives) や本部にその内容がメールで送信されるようにしたシステムを構築しました。それによって MS の業務時間を短縮することも可能となったと田森氏は言います。「音声認識システムで入力された情報は、オリジナル市場データベースに格納されるので、東邦薬品の企画部門などがこれらのデータを利用することも可能になります。以前は、これらの報告を営業を終えて会社に戻ってから行わなければならなかったため、MS の残業時間が増えていたのですが、今後は 1 日約 1 時間の業務短縮を期待できると思います」。

また、PDA よりも多くのリソースを使えるハードウェアを利用することによって、データの更新速度の向上というメリットも生まれました。田森氏によれば、20 万件のデータを更新するために、PDA では約 45 分かかっていたところ、hTc Z では約 15 分で行えるようになったと言います。これらの処理速度が向上したことによって、MS の作業効率や負担が大幅に軽減されることは間違いありません。

複数の機器を 1 台の hTc Z に集約することによって、コスト面のメリットも非常に大きなものとなりました。旧システムでは、MS ごとに PDA と携帯電話、無線 LANと DoPa を用意しなければなりませんでしたが、MEISSA では hTc Z だけを用意すればよいため、端末導入価格が約 45% 削減できます。また、携帯電話と DoPa の通信費がかかっていた旧システムに比べ、hTc Z の通信費のみとなり、約 10% の通信コスト削減を行えると言います。さらに、端末の設定時間についても、PDA に比べて hTc Z は約 80% 時間短縮ができるようになりました。

MS 支援システム MEISSA の概要
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MS 支援システム MEISSA の概要[拡大図]



<今後の展望>
今後も Windows ベースのプラットフォームで MS 支援システムを開発していく


東邦薬品では、今後も MS を支援する次世代のシステムを開発していく予定です。「今ある業務系システムを継続して使うことを考えれば、ハードウェアや特定のベンダーに頼らずに利用できる Windows Mobile もしくはそれに親和性の高いプラットフォームをベースとしたシステムを今後も使い続けることになると思います」と田森氏は話します。

中村氏は、開発者の目から見た Windows Mobile に対する期待と要望を次のように語ります。「今後 Windows Mobile もバージョンアップしていくと思いますが、数千台利用しているような大規模なところでも、スムーズにマイグレーションできるような形で機能を向上させていってほしいですね。また、バグ解析やトラブルシューティングなどの情報は非常に重要です。開発環境として Microsoft .NET Framework 上でさまざまなツールを作成したことは、今回の開発のポイントとなりました。今後もデベロッパー向けの情報提供やサポートを更に充実してくれると心強いと思います」。

今後の開発の展望について田森氏は、「業務システムのベースの部分はできあがってきているので、今後はシステムの使い勝手などを利用者の声を聞きながら高めていきたいですね。利用者の声を聞くと、携帯電話に慣れた人が多いため、スマートフォンに違和感を持つ人も少なくありません。今回のシステムでも、電話としての使いやすさを求める声が出てきています。携帯電話とスマートフォンの使い勝手が近づいていくかどうかが、今後のポイントになると思いますね」と話してくれました。

大規模な営業支援システムを支えるためにも、Windows Mobile は、開発や移行が行いやすく、ビジネス ユースの利便性の高いプラットフォームへと今後も進化し、新たな使い方も提案していきます。

今後も、東邦薬品は、最新技術をいち早く導入しながら、健康を願う人々のためによりよいサービスを提供し続けていくことでしょう。



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