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従来のハンディターミナルの約 5 分の 1 のハードウェア コストで、店舗用商品管理ソリューションを導入。「リアルタイムでの店舗間在庫確認」や「展示会情報の共有」など新たな利便性を獲得。
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今も変わらぬ人気で、安定した出店ペースを保ち、ビジネスを展開している株式会社トリヰ。同社では、2002 年に導入した店舗管理システムを活用し続けていましたが、利用していたハンディターミナルの製造中止を契機として、システムのアップグレードを検討。しかし、新システム導入費用は想定外の高値でした。そこで同社では、過剰な投資を避けるとともに、今まで以上の利便性を確保するためのソリューション選びを開始。そして、選ばれたのが、Windows Phone を活用したソリューション「TenpoMaster」でした。
<導入の背景とねらい>
「店舗間の在庫確認」、「展示会情報の速やかな共有」など、さまざまなニーズに対応する端末を
株式会社トリヰ (以下、トリヰ) は、1952 年、銀座に初めて洋装店を開店して以来、3 代にわたりデザインによってブランドを守り続けてきました。ファッションデザイナー 鳥居ユキ氏が 1975 年にパリ コレクションに参加して以来、30 余年連続して参加し続けたパリ コレクションや、東京のコレクションのクリエーションは毎シーズン女性たちに人気を博し、変わらぬ支持を受けています。また、百貨店不況が叫ばれた近年の市場にあって、着実に店舗数の拡大を実現。
銀座の旗艦店のほか、全国 70 の百貨店に出店しています。
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株式会社トリヰ
総務部
システム開発 係長
斉藤 一夫 氏
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株式会社トリヰ
総務部
部長 田邊 光夫 氏
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こうして全国に広がるトリヰの各店舗では、2002 年 7 月に導入した店舗管理システムを活用。月に一度の棚卸などの商品管理を、専用のハンディターミナルで行ってきました。
しかし、同型のハンディターミナルが製造中止を迎え、2009 年には、店舗管理システムそのものをアップグレードする必要が生じてしまいました。ここで、大きな障壁となったのが、「システム導入コストの大幅な増加」です。
システムの選定から展開・導入を指揮した、トリヰ 総務部 システム開発 係長 斉藤一夫氏は次のように振り返ります。
「ハンディターミナルは、壊れにくく、タフで良かったのですが、製造中止になってしまいました。しかし、新しく買い替えるにしても、従来メーカー品をフルセットで購入する場合 1 セット 25 万円ぐらい必要でした。他のメーカー品でも、やはり 17 〜 18 万円くらい必要です。全国に70 店ありますからハードウェアだけで 1,000 万円以上の費用がかかることになります。そうなると、肝心のソフトウェア開発にまわす費用がなくなってしまいます。そこで、新しいソリューションの検討を行っていました」
こうして、検討を続けていた斉藤氏が最終的に選んだのが、Windows Phone をフロントエンド端末として活用する、店舗管理システム「TenpoMaster」 (株式会社富士通マーケティングと有限会社デジャヴが提供) でした。
斉藤氏はしかし、このソリューション導入が始まったのは「偶然から」と、笑顔で振り返ります。
「実は、よいソリューションが見つからず、一度は諦めかけていました。そうした時に、ちょうど富士通マーケティングさんから営業を受けまして、『実はデジャヴさんが作ったソフトで Windows Phone を利用してできるものがありますよ』と。実際に見せてもらったら、それがなかなか面白かったのです。Windows Phone という OS だからこそ、開発がしやすいという話でした。
さらに、ほぼ同時期に、ソフトバンク モバイルさんの営業をされている株式会社ベルパークの中西さんから電話営業を受けまして、端末とシステム、そして回線まで、一気に話がつながっていったのです」
斉藤氏は続けます。
「最初に 25 万円必要だと言われた端末が、Windows Phone であれば数万円で済んでしまいます。
しかも、ソフトバンク同士であれば通話が無料であるから、固定電話にかかる費用を削減できます。さらに、メールでの連絡もできますし、パリ コレクションなどの動画や、商品写真をメールや Web を通じて全国の店舗に流すことができます。このシステムを使っていくといろんなメリットがでてくるのではないか、ということで、話は進んでいきました」
<導入の経緯とシステム概要>
Window Phone の良さを最大限に活かした機能
トリヰが導入した、TenpoMaster には、下記のような機能が揃えられています。
● 品番バーコード読取 & 送信機能 (売上・取置・客注・移動・棚卸)
● 入荷・返品・移動実績照会
● 売上実績照会 (前年比・予算比)
● 自店在庫・他店在庫検索機能
● 掲示板機能 (業務連絡・雑誌掲載・Web 展示会)
品番バーコード読み取りには、小型のスキャナーを利用。スキャナーにデータをためてから、Bluetooth 接続で Windows Phone にデータを送信。Windows Phone 上で、金額小計などが確認できるようになっています。
TenpoMaster 導入に際し、一番大きなポイントとなっているのが、「他店在庫検索機能」です。
従来のシステムでは、店舗間でリアルタイムに在庫を確認することができず、全国の店舗から営業本部に問い合わせが届き、本部が各店の在庫を確認したうえで、連絡を取り持つという仕組みになっていました。
しかし、それでは連絡にタイムラグが生じるため、お客様のご来店中に確認が行うことができず、我が子の「入園・入学」や「パーティー」など、スケジュールの決まった行事に対して服をお求めのお客様のニーズに間に合わなくなってしまう可能性もありました。
この TenpoMaster では、営業本部のサーバーと同期した Web サーバーに接続しており、他店の在庫状況もすべて確認できるようになっています。
そして、必要な商品が見つかれば、画面上のボタンを押すだけで、そのまま通話ができるようになっています。これもまた、Windows Phone を端末として活用しているからこそのメリットであると、斉藤氏は言います。
「単純に言って、便利ですよね。在庫が見えて、そのまま問い合わせの電話もできる。
私は実はスマートフォンが大好きで、プライベートでは複数台所有しているのですが、正直な話、業務用の端末として活用できるとは考えていなかったのです。でも、それは少し想像力が足りませんでしたね (笑)」
しかし、斉藤氏の話す通り、Windows Phone という新しい端末が、店舗において本当に有効に機能するか、議論はあったと、同社 総務部
部長 田邊光夫氏は説明します。
「私たちの世代の感想として正直に言えば、画面が小さいですよね。私は、画面の大きなソフトバンクの X02T を利用していますが、それでもメールなどは目が疲れます。電話としても、皆、携帯電話の操作にはもう慣れていますが、タッチパネルのこの Windows Phone を使用するのは初めてです。全国の店長さんたちも、私たちと同じような世代ですから、新しい道具には戸惑うでしょう。
そういう懸念はありました。しかし、それ以上に機能面、実用面において従来のシステムから、格段の進歩があったから、導入が決まったということです」
<導入効果>
ハードウェア コストが約 5 分の 1 に。その分をシステム開発に充てて充実の機能を実現
Windows Phone を活用した TenpoMaster が導入されてから、まだ日が浅いのですが、すでに月次の棚卸を 2 回経験した、銀座トリヰ 店
長である真鍋まどか氏は、「間違いも少なくなり、作業全体がスムーズになった」と説明します。
「棚卸のときには、店内の棚を『ここは A 』、『ここからここまでは B 』という風に区切って商品の数を数えていくのですが、今までは結局、ハンディターミナルにすべての棚を一気に登録していくほかありませんでした。どこかで商品点数が合わなくなった場合、印字されたジャーナルをたどって確認するのですが、ハンディターミナルの中に棚の区分けが登録されている訳ではありませんから、すべての文字を 1 つ 1 つ根気よく読んでいくしかありませんでした。
しかし、今は違います。システムの中でも同じように『ここは A』、『ここはB 』というように棚を区切って登録できるようになっています。ですから、数が合わなくても、棚ごとに確認できるのですね。その分手戻りも少なく、作業はスムーズです。憂鬱な棚卸が、少し楽になりましたね。しかも、今のシステムでは合計金額までその場で確認できます。今までは、集計結果を本部に送信して、翌日に返信があるまでは金額が合っているかどうかまでわかりませんでしたから、これは大きな変化です」
また、Windows Phone としての機能を活用した情報共有も、店舗に変化をもたらしつつあります。
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株式会社富士通マーケティング
首都圏営業本部
流通ソリューション統括営業部
流通ソリューション第二営業部
(ファッション・専門店)
小海 早苗 氏
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有限会社デジャヴ
中野 正彦 氏
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株式会社ベルパーク
営業本部
法人営業グループ
新規開拓第1グループ
中西 誠司 氏
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「私たちのビジネスでは、展示会の情報や、メディアへの露出情報の共有は重要です。展示会の情報など、本当は全国の店長さんを招集できればいいのですが、全国 70 店舗から隈なく東京に来てもらうことは、なかなか難しいです。
しかし今は、この Windows Phone を使って写真も動画も確認できます。TenpoMaster の掲示板機能を活用して展示会での商品の動きなども伝えられますし、TV で誰それが新作を着て出演されていました、といった情報もすぐに全国に共有できます。
そうすることで、お客様からの問い合わせにもスムーズにお答えできるようになってきていると思います」(斉藤氏)
真鍋まどか氏は、実際の活用方法として、「お客様の試着された姿を付属カメラで撮影することも」と明かします。
「お客様が迷われて、何着か試着されてご自宅で検討される場合など、改めていらっしゃった時に、お客様が商品を忘れてしまわれても、私たちまで忘れてしまってはいけませんから。そうした時にお許しをいただいてメモとして撮影させていただく場合があります。
また、この旗艦店には ノート PC も置いてありますから、撮影させていただいた画像をハガキに印刷してお送りさせていただくこともございます。
その時は、喜んでいただけましたね」
このほか、TenpoMaster のさまざまな機能を活用しているトリヰですが、その機能の多くに、斉藤氏のアイデアに基づくカスタマイズが施されていると言います。
たとえば、「他店在庫検索機能」では、それぞれの在庫データの横に、○ △ × の表示が付されています。
「この ○ △ × は、その在庫を、他店に譲ることができるかどうかを表したものです。店舗によって、持つべき在庫の量、棚の厚みが違いますから、単純に在庫数だけでは判断できないのです。たとえば、同じ新作を入荷したとして、A 店では、すぐに売れてしまったので在庫が、すぐにでも欲しい。そんな時、B 店にはまだ 10 着以上ある、と。それだけあれば分けて欲しい、と思いますよね。しかし、B 店では、その商品を入荷したばかりで、これから売っていこうとしているかも知れません。そうした情報を、電話をかけるまでもなく共有できるように作りこみました」
こうした作りこみの背景には、「接客している最中に、あまり頻繁に電話が鳴っても困る」という現場のニーズも反映されています。
「私たちはやはり、お客様に対して、時間をかけて接客させていただいております。その最中に、頻繁に電話に出るわけにもいきませんから、『電話するまでもなく状況がわかる』というのは、お互いにとって便利です」と真鍋まどか氏も声を揃えます。
こうした作り込みは、「ハードウェア コストを抑えることができたからこそ」と、斉藤氏は強調します。
「ハンディターミナルだけを入れ替えても、多額な投資に対する意味がほとんどありません。IT に投資するならば、それ相応の効果が求められます。そして、業務に応じて結果を出すためには、ソフトウェアが重要ですよね。
初めにお話しさせていただきましたが、ハードウェアコストが当初の予定の約 5 分の 1 にまで削減できましたので、その分をソフトウェア開発に充てることができました」
<今後の展望>
全国の店舗でのさらなる活用を促進するために
「まだ、電話としての Windows Phone に慣れていない人もいるでしょう」と前置きして、斉藤氏は今後の活用について、次のように話します。
「導入にあたって、通信キャリア 4 社――そのうちの 1 社は高額でしたのですぐに候補から外してしまいましたが、比較した中では、すぐにソフトバンクに決めましたね。通信コストを下げることは重要ですから。電波の問題については、ベルパークの中西さんに協力していただいて、全国の店舗にテスト機を回して、実機で確認していきました。中には、電波状況の悪い場所も何か所かあるのですが、今、店舗向け小型基地局 (フェムトセル) をお願いしていますので、それも改善していくでしょう。
そうやってインフラが整えば、また活用が進むでしょうし、通信コストも下がっていくと期待しています。Windows Phone そのものにはゆっくりと慣れてもらえればいいんです」
電話とメールを活用するための端末としての Windows Phone にはゆっくりと慣れていけばいい―― 斉藤氏のこの言葉には、システム導
入の目的のほとんどがねらい通りに進んでいるという確証に支えられています。
「実際、全国での棚卸の状況を見ても、特にトラブルもなく、スムーズに進行しています。確実に使ってもらうために作り込んだシステムはしっかりと活用してもらっていますから、プロジェクト自体は予想以上にうまくいっています。
今後は、各店からの要望などを整理して、ジャーナルのプリンターを追加するなどして、利便性を向上できればいいですね」
最後に斉藤氏と田邊氏は、「Windows Phone も、今後より使いやすく、より便利に進化していくでしょう。期待しています」と声を揃えます。
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