ワールドトラベルシステム株式会社 / 株式会社アジェンダ

掲載日: 2005 年 2 月 18 日
大手に負けない中小旅行会社のための B to B サービス。
海外航空券市場を変えてゆく
総合旅行業支援システム (B to B)。


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ソリューション概要

プロファイル
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ワールドトラベルシステム株式会社: 1988 年設立の海外航空券専門ホールセラー。東京本社と大阪営業部に従業員約 100 名を擁し、約 30 社の仕入れ航空会社と国内約 1,500 社の旅行会社との間で、格安航空券利用の周遊旅程などを含むチケット卸売り、および SkyRep サービスの提供を行っている。
株式会社アジェンダ: 札幌市に本社を置き、ホーム ユース主体のパッケージ ソフトウェア開発、販売、コンピュータ関連機器の開発、製作、販売、情報処理システム開発やコンサルティングを行っている。1990 年設立、従業員数 53 名 (2004 年 12 月)。SkyRep サービスの提供と、ホールセラー向けの基幹システムである「NAVI システム」、旅行会社向け業務支援ソフト「SkyGlobe」の提供も行っている。

シナリオ
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複数 CRS (航空券予約システム) を結ぶ予約業務効率化のための旅行会社向け ASP サービスの開発
ホールセラーとソフトウェア会社との協業によるサービスの開発と提供

ソフトウェアとサービス
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Microsoft® Windows 2000 Server
Microsoft SQL Server 2000 Standard Edition

メリット
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旅行会社でインターネット接続するだけで国際航空券予約が可能になる ASP サービスを実現し、業務負荷を軽減、中小/中堅旅行会社の航空券の販売量増加に貢献しました。また、業界で初めて世界的規模で展開している複数の航空券予約システム (CRS) と相互接続を実現し、複数都市周遊プラン作成も容易に行える特長から、旅行会社のより幅広いビジネス展開と、それによる売り上げ増が図れます。さらに ASP ライセンス料金による収益、システム開発に伴って得たノウハウによるビジネスの広がりも見逃せません。

ユーザーコメント
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「(チケットを) 売るまでの時間を凝縮できたこと、準備、用意が大幅に省けたことがまず第 1 の成果。2 番目は国内旅行も手がける旅行会社でも海外格安航空券を販売できる簡単な操作性が実現できたことです」。

ワールドトラベルシステム株式会社
取締役営業本部長
神田 貴宏 氏 談

「私たちは旅行業においてはトップ エンジニアになりたいという思いがあります。情熱があって利益にも結びついて、ある程度の技術的な満足感も得られると、プロジェクトはまとまります」。

株式会社アジェンダ
社長
松井 文也 氏 談

格安航空チケットを利用した世界周遊旅行。海外旅行に慣れ親しんだ「通」でなければできなかったこんな旅行でも、今では身近な街の旅行会社でプランに沿った航空チケット予約が簡単に行えます。その秘密は旅行会社が利用している Web ASP サービスによる海外航空券予約システムの「SkyRep」です。SkyRep は複雑な旅程でも瞬時に最適な商品を選び出し、Web 上での即時予約を可能にした旅行会社向けの B to B システムです。この SkyRep を共同で開発、提供しているのがワールドトラベルシステム株式会社と株式会社アジェンダの 2 社。両社が持つノウハウと技術を高度に融合させて作り上げたこの B to B システムは、現在 400 社以上の旅行会社で活用されています。

<導入の背景と狙い>
難しかった海外個人旅行用の航空券予約にチャレンジ


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ワールドトラベルシステム株式会社
取締役営業本部長
神田 貴宏 氏
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航空チケットは航空会社が「つくる」もの。それを仕入れて旅行会社に販売するのが「ホールセラー」と呼ばれる海外航空券卸売業者です。ワールドトラベルシステム株式会社 (以下 WTS と表記) は、1988 年創業の海外航空チケット専門のホールセラー。現在は約 100 名の従業員を擁し、約 30 社のメジャーな航空会社と仕入れ契約を行い、1,500 社を超える旅行会社にチケットを販売しています。
「海外航空チケットは時価なんです」と語るのは、WTS の取締役営業本部長、神田貴宏氏。「成田発着便だけでも航空会社は 50 以上、目的地も多様で商品は 500 も 1,000 もあります。取り扱う旅行会社は、その商品情報をまず入手して、動向を確認しながら適正な市場価格として値付けして販売しなければなりません」。ただでさえ難しい海外航空チケット ビジネスですが、なかでもあまり手間がかからず販売しやすいパッケージ ツアーの需要は年々伸び悩み、次第に自由なプランで旅する個人旅行が普及する時代へと変わってきています。それに伴い大手旅行会社は個人旅行の領域にも積極的な事業展開を図るようになり、市場の寡占化が危惧されるようになりました。
特に訪問先の多い周遊旅程のためのチケット予約は国内外の多数の航空会社が販売する多種多様な価格体系のチケットの種類を知り、顧客の条件に応じて最適な組合せで予約を行わなければなりません。いわば「既製品」の販売から「オーダーメイド」の商品販売への転換を迫られるわけで、大手の進出に対抗する中小 / 中堅旅行会社にとっては、こうした個人旅行の需要に適切に応えられるかどうかが死活問題ともなってきたのです。
「この旅行会社の悩みを解消しなければ」。旅行会社の悩みはとりも直さず WTS の課題です。WTS にとっても、これまでどおりのビジネス モデルでは生き残りが難しい環境になってきたのです。そこで神田氏が考えたのが、周遊旅程を含む個人旅行にも迅速に対応できる、IT を利用したシステムづくりです。

業務効率化システム開発に実績あるアジェンダとの「協業」体制

言うは簡単ですが、実際の航空チケットの運賃体系はきわめて複雑なものです。国内外を含め多数の航空会社の膨大な数に及ぶチケット種類から、顧客の条件に沿って最適なものを短時間で選び、購入可否の判断や予約ができなければなりません。航空チケットの予約システムはいくつもありますが、全世界の航空会社と連携して最適チケットを求める仕組みはこれまで世界でも例がありませんでした。
神田氏が IT を利用すれば実現の見込みありと考えたのは、同社に IT 化で大幅な効率改善を実現した実績があったからです。海外航空券の予約には、世界規模で展開している複数の業務用予約システムが従来から利用されてきました。これは CRS (Computerized Reservation System) と呼ばれ、多くの旅行会社で利用されていますが、WTS では CRS による予約や情報取得を行なうばかりでなく、自社内でも予約情報を登録、管理しなければなりません。従来は CRS への入力のあと、社内の管理システムへの同じ内容の入力を行なうという、 2 重の手間がかかっていました。このプロセスでは手間がかかるばかりでなく、ミスも誘発してしまいます。
そこで同社では 1 度の入力で必要な処理が行えるよう、社内システムと CRS との連携を行なうためのシステムを 1993 年から開発していました。そのシステムは「NAVI」システムと名付けられて 94 年に稼働を始め、同社の社内業務である予約、発券、精算などの業務を大幅に効率化してきたのです。
NAVI システムによる社内業務効率化の成功を目の当たりにしてきた神田氏は、IT を利用すれば、旅行会社のための業務効率化サービスも可能になるのではないか、と考えました。しかし確信はありません。神田氏は NAVI システム開発の先頭に立っていた同社の取締役管理本部長の田中真司氏にまず相談しました。神田氏が可能性を問うと、田中氏は「できる、やろう」と即答しました。田中氏の念頭にあったのが、前回のシステム導入で信頼を築いたソフトメーカーの存在でした。
そのソフトメーカーが、札幌市に本拠をもつ株式会社アジェンダでした。アジェンダは、パッケージ ソフトの開発、販売を主力にしつつ、ビジネス システムの受託開発も柱の 1 つとして業績を伸ばしている会社です。田中氏は、厚い信頼を寄せていたアジェンダの担当者、千葉均氏に可能性を問いました。「WTS さんのシステム開発で得たせっかくの航空業界のノウハウを、できれば新しいビジネスにしていきたい」と考えた千葉氏はさっそく同社の松井文也社長に相談しました。そして得た結論は、「協業」体制を前提にしたシステム開発でした。
「提案された新システムの実現可能性への確証はありませんでした。しかし、一方には、当社の問題としてパッケージ ソフトだけでは生き残れない現状があり、他方には競争力の源になりうる貴重な航空業界のノウハウ蓄積がありました」(松井氏)。その最も高度なノウハウがある分野にこそ、リソースをつぎ込むべきだと、田中氏と松井氏は考えたのです。
WTS にとってもアジェンダにとっても、新システムの開発は大きなチャレンジでした。実際の海外航空チケットの規則のノウハウを知る WTS と、その仕組みづくりに必要な技術力を持つアジェンダ。両社はお互いの得意領域の力を合わせ、リスクも両社が持ち合い、成果を両社がともに享受する協業プロジェクトとして、システム開発を行うことになったのです。

<導入システムの特徴と導入の経緯>
世界に複数ある航空会社系列の予約システムと接続しマルチシティ (周遊旅程) 対応を実現


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ワールドトラベルシステム株式会社
取締役管理本部長
田中 真司 氏
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システムの開発は、WTS とアジェンダの 2 人 3 脚で進捗していきました。 WTS とアジェンダは、ときには 1 日に数百通にも及ぶ電子メールのやり取りをしながら、システム化を進めたのです。
新システムのポイントは、社内システムではなく旅行会社の業務効率化支援を目的とするところです。これにはもちろん NAVI システム開発によって得たノウハウが大きく役立ちました。そのノウハウをベースにして、世界規模に展開している複数の航空券予約システムの相互接続に成功したことは、世界初のエポック メイキングな成果でした。しかし、それだけでは足りません。データベースの仕組みづくりや情報の提供の仕方も問題になりました。両社は「航空券の規則をすべて理解している会社 (WTS) と、技術的に仕組みとして作れる会社 (アジェンダ) が協業して、同じ業界のプロ (旅行会社) が活用できるシステム、しかも人に尋ねて口で応えてもらうのと同じような操作性のものを作りたい」(神田氏) という思いを一致させ、開発を推進していきました。
開発の途中には、他社が似たような B to C のサービス提供を始めていました。しかし、両社は「旅行会社の収益を上げるためのサービス」をめざし、また複数の予約システムを接続することによるマルチシティ (周遊旅程) 対応をめざしている点を堅持することにより、他社動向に迷うことなく、神田氏の最初のイメージどおりのシステム実現へと邁進していったのです。

フロント エンドはブラウザだけですべてが行えるシステム

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株式会社アジェンダ
トラベルシステム開発部 部長
千葉 均 氏
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当時、爆発的な普及を始めたインターネットと、低コストになりはじめたブロードバンド通信は、このシステムに好適な基盤となりました。また。将来の運用や、コスト面での検討の結果、システムのベースは Windows® システムにすることに決まり、4 CPU のサーバー マシンが 1台、データベースには SQL Server 2000 Standard Edition および Windows 2000 Server が導入されました。この基盤上に、自社オリジナルのアプリケーションを組み上げていったのです。
各地に点在する旅行会社に対応するために、提供するサービスはインターネット経由とし、それを使うためのシステムは Internet Explorer だけにしました。フロントエンドをブラウザにすることにより、誰でも簡単な操作性でこのシステムを利用することができるようになります。このような形のサービス提供を ASP (Application Service Provider) サービスといいます。神田氏は「ブロードバンドで通信ができるインフラが整った」ことを、このサービス実現の要因の 1 つと見ています。豊富な情報量を極めてスピーディにやり取りできる基盤ができたことにより、全国各地、距離を問わずに均質なサービスを提供できるようになり、しかも契約料金を低く抑えることにも成功したのです。

旅行会社の業務効率化に大きく貢献、ビジネスの幅も広がる

2002 年にカットオーバーしたこのシステムは、両社の予想を超えた反響を呼びました。サービスの契約数はこれまでの 2 年間で 330 社に及び、契約 ID 数は 800 を超えました。1 社で 80 ID を契約した会社もありました。「旅行会社で海外航空券の扱いを増やしてもらうことが一番大事な目的」(神田氏) であったこのサービスは、狙いどおり旅行会社に歓迎されたようです。SkyRep により可能になったインターネットでの海外航空券予約システムは、およそ次の 3 つの効用をもたらしました。

(1) 予約業務が 24 時間 365 日可能になり、いつでも即時に答えが得られる「即応性」が実現した。
いち早く SkyRep サービスを導入した旅行会社、株式会社旅人舎の濱谷社長は 「お客さまに即刻瞬時に席がとれるかどうかがお答えできる。それも正確に。これは当社の営業に十分貢献しています」と語ります。たとえ休日であれ、大晦日であれ、いつでもお客さまへの対応が適切にできる裏づけがもてることは、旅行会社にとって大きな安心と自信につながります。

(2) 旅行会社の業務が効率化し、パワーシフトが実現した。
濱谷氏は、こうも語ります。「電話は毎日たくさんかかりますが、一方はお客さまから、他方は卸問屋さんなどからのものです。まず取りたいのはお客さまからの電話。業者間でのやりとりは別の形でしたい。それが実現できました」。顧客対応がスムーズになり、複雑な周遊経路のチケットであっても運賃計算とともに座席が手に入るなど、顧客の満足度向上に大きな力となっているようです。また旅行会社に入る電話の本数は、会社によっては毎日数千本といいます。サービスの質を落とさず、電話の数が減ることだけをとっても、人件費の削減、あるいはパワー シフト効果は明らかです。

(3) ビジネスの領域拡大を支援。
さらに、従来の業務効率化にとどまらず、ビジネス拡大効果も生んでいます。「旅行会社は得意な領域、例えば韓国に強い、台湾に強い、秘境に強い、など特長があります。ところが SkyRep を入れると、アメリカやヨーロッパのチケットも売れるようになったと、言っていただいています」(神田氏)。ノウハウが不足しがちな海外航空券業務でも、不安なく適切なチケットが探せる SkyRep は、旅行会社の「守備範囲」を大きく広げることになりました。従来は国内旅行を専門に扱っていた旅行会社であっても、海外航空券を適切に扱えるようになり、新しく海外航空券の扱いを行なうようになった旅行会社もあります。
さらに、SkyRep の評判が高まるにつれ航空会社からも「SkyRep」用の商品を提供してもらえるようにもなっており、旅行会社の業務効率向上効果を超えたビジネス拡大効果を生んでいます。


「経革広場」の会員向け海外航空券予約サービス (フリーバード) もスタート

一方、同じエンジンを利用した B to C サービスもスタートしました。マイクロソフト社のビジネス ポータルサイトである「経革広場」で提供されている海外航空券予約サービス「フリーバード」です。マイクロソフトからの働きかけがあったとき、WTS には旅行会社の手前、葛藤もあったといいます。しかし、ビジネスが拡大した結果、仕入れ量が増えれば旅行会社への卸価格もいかばかりかは低くすることができる見込みがありました。また「経革広場」の会員が中小企業のオーナーもしくは総務、経理部門と限定され、不特定多数ではない対象へのサービスとなるところから、旅行会社の理解が得られるとの判断で参入に踏み切ったといいます。このサービスのためのシステム開発も、もちろんアジェンダが行いました (受託開発)。

すでに大きな果実を手にしたといえるこのシステムですが、今後への両社の思いは同じです。「スタートラインにやっと立てた。本当のビジネスはここから始まるんだという思いです」(千葉氏)。「ホテル予約や顧客管理、さらなるスピードアップなど、これからの課題があります」(田中氏)。
両社が取り組んだ画期的な海外航空チケット予約システムは、ワンテーブル サービス、ワントゥワン サービス、ワンストップ サービスなどという、インターネット経由のサービスのキーワードに該当する仕組みを、それと意識することなく、ただ旅行会社の負担軽減を追求することによって実現してきたことが特徴的です。ASP サービスの拡大、拡充をはじめ、両社の IT を利用したチャレンジは今後も続きそうです。



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