参加者の職種: 企業内情報システムの導入・運用・管理、ポリシー制定、企画等
基調講演
Tech·Ed の基調講演といえば、業界のリーダー企業のトップとして、今後ユーザーのコンピューティング経験がどのように変わっていくのか、近い将来のワークスタイルやシステム管理のスタイル、そしてそれを実現するために、どのようなテクノロジーを提供し、どのように展開していくのかという、大きなビジョン、我々をどうやって、どこに連れて行こうとしているのか、というスピーチを期待していた。
しかし、Darren Huston 社長のスピーチにはわくわくするようなビジョンや、業界のリーダーとしてのマイクロソフトの任務に関するような事柄はまったくなく、一般的な IT 業界の過去の振り返りと現状分析に終始してしまい、Tech·Ed の最初を飾るという意味では期待はずれであった。
引き続き行われた五十嵐氏のスピーチやデモには (投入間近の製品ではあるが) ポテンシャルを秘めた製品の名前が続々と言及されており、テクニカルセッションで Vista や Virtual Server の管理方法にがいかに素晴らしいものになるか紹介されていただけに、「ネタ」には事欠かないはずであったと思うのだが……。
テクニカルセッション
T2-405: Windows Vista における新しいクライアント PC の管理技術
Vista は雑誌記事やベータのデモなどでは、見てすぐに感じる「見栄え」、つまり斬新な UI やガジェットについて、次いでいまや関心の的であるセキュリティ機能などについて取り上げられることが多く、その程度の知識でインストールしたベータ版を使っていても気づいていなかったのだが、具体的なセキュリティの目玉である UAC についての解説や、Group Policy の拡充、ADMX/ADML 、WR Management やイベントビューア、タスクスケジューラの機能拡張などなど目の当たりにし、目から鱗が落ちた思いがした。
IT Pro、つまり企業内システム管理者としては、この管理機能 (ディスクイメージと配布あたりの機能も含めて) だけでも、Vista 導入の価値はあると思う。これだけ管理機能が充実するなら、技術書を製品発売前に是非刊行して IT Pro が準備できるように (そして早期導入意欲が高まるように) してほしいものだと思った。その期待は、これらの機能を当然搭載するであろう Longhorn への期待にもつながるのだから。よくまとまっており、学びやすく満足度の高い、非常に良いセッションだった。
スペシャルプログラム
Microsoft CPLS Hands-on Lab (HOL-17)
「HOL-17 Business Desktop Deployment を使った Windows Vista/the 2007 Microsoft Office system の展開手法」を受講。今までは Sysprep の 3rd party 製のディスククローニングツールでの展開、そして昨年の Tech·Ed で学んで以来、SMS OSD での展開を行ってきたが、Vista について製品の Launch 前に Handsp-on で演習する機会を持てたお蔭で、最初から展開が非常に容易になる。
昨年の SMS OSD は通常のテクニカルセッションであったため、Speaker の方は優秀であったのだが、実際に使用するコツをつかむまでにはラボ環境でのかなりの試行錯誤が必要だった。今回は Vista での展開の流れと資料を頂いたので、これで実際の展開手順の策定も大幅に楽になる。システム管理者としては、Vista の導入に非常に前向きになるきっかけになったセッションであった。
会場が広くなり、受講のチャンスが増えたことは大いに歓迎できるが、スキルのあるインストラクターが一人しかおらず、「操作手順以外の質問」、実際の企業内での展開に関わる応用的な作業の質問であるとか、手順書で省略されてしまっている部分についての質問は唯一の詳しい講師を捕まえなければならず、質問の機会がかなり制限されてしまった。
Community and Networking
PeerTalk Lunch
Microsoft の技術者と実際に話をするよい機会であることは間違いないのだが、Tech·Ed 初日の昼であるだけに、質問する事項をまだ持たない。これが終盤に用意されていれば、Ask the speaker で聞き損ねた質問や、複数セッションにまたがる内容についての質問もしやすいので助かるのだが……。
また、会場がどうも狭すぎる。これは Peer Talk Lunch だけでなく、Attendee Party でもそうだったのだが、あまりに混んでいて、食べ物を確保し、食べる場所を見つけるのに一苦労した。立食とはいえ、人の流れのあるところに立ち止まって食べるわけにも行かないので……。今年はランチが複数の日程で組まれていたため、例年ほど Queens やランドマークプラザの飲食店の混み具合がひどくなかった。昨年までは「並んで待つために午後のセッションを諦めるか、昼は空いている店を見つけて、好みに関わらずとにかく「栄養摂取」して戻るかの 2 者択一を迫られるケースも多かったので、これは評価できる。
来年は、たとえば IT Pro 向けのランチと Developer 向けのランチを別な会場で同じ時刻に組むとか、MCP/MVP 向けのランチを企画するなどして、狭い会場でも個々人が様々なコミュニケーションを取れるような形態を検討してはいかがであろうか。単なる「同じ会社の人たちが集まって飲み食いする」という風景を多少なりとも変えられるのではないかと思うのだが……。
