| はじめに | |
| Systems Management Server って? | |
| Microsoft Operations Manager って? | |
| Visio との連携 | |
| 最後に |
前回は Visio のデータ連携機能の概要をお届けしました。Visio の可能性を知ると欲が出てきます。そこで今回は情報システム部門の方のお仕事で苦心なさっていると思われる管理運用しているクライアント PC やサーバーの「見える化」の実現に役立ちそうな情報をご紹介してみたいと思います。
Visio との連携に入る前に少し予備知識としてマイクロソフトのシステム運用管理を行う用途でご利用いただけるサーバー製品をいくつかご紹介していきます。
Systems Management Server 2003 (SMS2003) は PC の構成管理のニーズを解決するためのマイクロソフトのサーバー製品です。簡易化された確実なソフトウェア展開、ソフトウェア資産の把握、ソフトウェアの利用状況の把握、企業のセキュリティ更新配布による保護、モバイル ワーカーの支援などが主な機能ですが、無償でダウンロードできる Feature Pack と呼ばれる拡張機能群を使うともっと色々なことができます。その一例として OS Deployment Feature Pack では OS をイメージ配布する機能をも持ちます。この点は構成の変更ではなく新規展開にあたりますが、ITIL をベースにしたマイクロソフトの運用フレームワーク、Microsoft Operations Framework (MOF) におけるシステムの運用サイクルを開発陣がきちんと考慮し、サイクルが始まる展開機能も作りこんだ背景があります。
Microsoft Systems Management Server ページ
http://www.microsoft.com/japan/smserver/default.mspx
SMS2003 の Feature Pack の掲載ページ
http://www.microsoft.com/japan/smserver/default.mspx
Microsoft Operations Framework
http://www.microsoft.com/japan/technet/itsolutions/techguide/mof/default.mspx
http://www.microsoft.com/technet/itsolutions/cits/mo/mof/default.mspx (英語最新情報)
ご参考までにですが、先ごろ発表された SMS2003 の後継バージョンはサーバー製品名が変わり、System Center Configuration Manager 2007 になります。構成管理に関わる機能をさらに強化し、マイクロソフトのシステム運用製品ブランドである System Center を冠したということです。
Microsoft Management
http://www.microsoft.com/japan/management/default.mspx
ITIL ベースの包括的なシステム管理を実現する System Center 製品ファミリーを発表
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2690
Microsoft Operations Manager 2005 (MOM2005) は一言で言えば組織に存在する PC の運用監視を行うマイクロソフトのサーバー製品です。IT サービスで頻繁に発生する問題をサーバー製品開発部門が提供する「知識」をベースに解決するヒントと実際に回復するための操作を提供します。各開発部門が運用上で頻繁に問題になる可能性のある事柄の「知識」を管理パックと呼ばれる無償ダウンロードできる追加ソフトウェアとして開発します。この管理パックを MOM2005 に組み込むことで該当製品の「知識」を拡張できます。
ある有名な映画で現実の世界とコンピュータの中の擬似的な世界を表したものがありましたが、擬似的な世界の中では瞬時に空手を覚えたり柔術を身につけたりできました。極端な比喩ですが、アプリケーションを開発したチームの「知識」が運用の現場まで管理パックとして届くというのはその位の意味を持つと考えていいと思います。ただ管理パックの機能アップは継続的に行われており、現段階で「二段」の技まで使えるようになったと例えると、将来的には管理パックの向上によりいきなり「五段」くらいの技が使えるようになってくるかもしれません。
すごい比喩でしたがこうした試みにより、IT インフラストラクチャ環境の管理に伴う複雑さを軽減し、IT 業務の効率を高め、人件費を含む運用コストを削減することを狙っています。そしてもちろんシステム運用から開放された方はもっと新しいタスクに時間を割いていただけるようになる訳です。
Microsoft Operations Manager ページ
http://www.microsoft.com/japan/mom/default.mspx
管理パックと管理パック ガイド一覧
http://www.microsoft.com/japan/mom/techinfo/maintain/default.mspx
なお、現在マイクロソフトの各製品開発部門では Common Engineering Criteria というお約束をお客様にさせていただくことになっています。その中に MOM2005 で利用可能な管理パックを必ず作ることを義務付けています。このことにより、マイクロソフト サーバー製品はすべて MOM2005 でより便利にかつ効率的に管理することができるわけです。以下のリンクからどんなお約束が含まれているのか、どの製品がどこまで対応できているのかを表形式でご覧いただけます。
Common Engineering Criteria Report (英語)
http://www.microsoft.com/windowsserversystem/cer/report.mspx
また、MOM2005 の後継バージョンは System Center Operations Manager 2007 という名前で開発中です。
SMS ・ MOM ともに PC の資産管理のためのデータや監視している状態データを蓄積する構造になっています。それらを集約して Visio の図面で表すとどう便利なのか見ていきたいと思います。
国内にのみ活動拠点を持つ企業を例に考えたいと思います。資産を図面で表したい場合にはもちろん各拠点の名称を図面の名前にしてもいいのですが、それこそ日本地図で拠点の存在する県を色で表現できたら便利じゃないでしょうか。ここまでは Visio の普通の作図ですね。例えば東京にある拠点のサーバーで何か問題があったとします。いきなり東京が赤くなったら問題があるところを特定しやすくていいと思いませんか?

図 1 : 地図での拠点表示 – 問題発生拠点が赤くなる
そして例えば東京を指定すると事業所のフロア レイアウトがリンクされて表示されると便利じゃないですか。東京をダブルクリックすると図 2 が表示されるとしましょう。

図 2 : 東京拠点のフロア レイアウト表示 – 問題発生ラックが赤くなる
これで東京拠点のフロアのどこのラックのサーバーに問題があるかまで「見える」のでかなり迅速に問題発生地点を発見できます。もう一つ掘り下げてみましょう。今度はラックをダブルクリックします。

図 3 : ラックの中でのサーバー表示 – 問題発生ノードが赤くなる
どのサーバーかまで特定できました。おまけにサーバーの付随情報を図 4 のようにカスタム プロパティとして登録しておけばサーバーの運用会社と連絡先まで一気に数十秒で突き止めることができてしまうというこんな仕組み、どうでしょうか?

図 4 : サーバーのカスタム プロパティ表示 – 連絡先やマシン詳細情報
あるいはプログラムで作りこんで (アドオン開発かな) 図 5 のようにサーバーを右クリックした時のメニューに MOM を呼び出して監視状態を見てもっと具体的な問題の特定を行ったり、SMS を呼び出してより詳細な資産情報 (OS 詳細バージョンやドライバなど) を確認したりできると一覧の作業がかなり自動化されませんか?

図 5 : MOM や SMS との直接連携を作りこむ
という具合に Visio の図を使って問題発生場所・サーバーの特定をし、サーバーのサポート詳細を確認した上でさらに問題の詳細確認を MOM で行い、SMS で資産情報などを確認するというシナリオをご紹介しましたが、私はこれを初めてコンセプトとして見せられた時に本当にすごいと思いました。専用のツールではなくて、Visio とプログラム開発の組合せでここまでできるとは!
このシナリオに関してはもうすぐより詳細なドキュメントが Visio のホームページに掲載される予定です。お楽しみに。
今回は SMS あるいは MOM というマイクロソフトのシステム運用管理サーバー製品を前段でご紹介しつつ、Visio との連携によって企業における Windows クライアントやサーバーの「見える化」を行うためのヒントをご紹介させていただきました。今回ご紹介した Visio 連携機能は残念ながら製品の構造を利用した仕組みではあるものの、標準機能ではありません。しかし、こういう「よく見える」管理は便利だなと感じられた方は 是非 Visio とマイクロソフトのサーバー製品が収集するデータの連携もお考えください。
4 回シリーズでお届けして参りましたが、次回がひとまず最終回になります。次回は最近ガバナンスにおいて重要さを増している ID 管理、アクセス管理を行う際にマイクロソフトが推奨している Windows Server に付属するディレクトリ機能である Active Directory と Visio の連携を取り上げていきます。
IT Pro エバンジェリスト
奥主 洋
http://blogs.technet.com/hirookun