「鹿児島県十島村」と聞いてすぐに場所が思い浮かぶ方は、もしかすると少ないかもしれません。そんな、まだまだ知られざる十島村について考えていきます。 特殊な事情を持つ島「十島村 (トカラ列島)」
全長 160 km にわたって有人 7 島、無人 5 島が点在する、多島 1 村の十島村。離島であることに加え、同じ村でありながらも島同士が遠く離れているために、その行き来は村営の船だけで行われ、生活に必要な学校や診療所、出張所、港などが、それぞれ 7 島に必要であるという離島としても特殊な事情を持った島です。各島にある診療所には看護士しかおらず、医者は全島で 1 名、また島の子どもの数が減っていることから、小中学校が複式学級、そして中学校の専門教師は不在というのが現状です。それらの理由から、人員的にも財政的にも島としては、大きな負担をかかえていると言えます。 村の生命線とも言える、村営船
前述の通り、多島 1 村の十島村では島と島を行き来する村営の船が、島外への唯一の移動手段。鹿児島市内の本港南埠頭から奄美大島の名瀬までを、各島を経由しながら結んでいます。島外への移動にはもちろん、鹿児島市内から各島への物資の調達にも使われているこの船は、いわば村の生命線。そのため、村での生活には絶対に欠かすことのできないものです。しかし、村営船の運営や維持のほか、港の整備などには多額の費用がかかってしまい、日々財政を圧迫するという厳しい状況にあります。 交通が不便でも、情報はリアルタイムで
島と島を結ぶ村営船は、月曜と金曜の週 2 回、鹿児島間を運行しています。毎日運行しているわけではないので、一般的な交通手段としては大変不便な路線だと言えるかもしれません。しかし村で暮らす人々は、それ以上に、本土からの情報が遅れて入ってくることによる情報格差に不便さを感じ、改善を求めています。島にいながらでも、さまざまな情報をリアルタイムで受信、また逆に発信ができることはもちろん、ゆくゆくは医師のいない島への遠隔治療など、ブロードバンド環境の整備が、村の暮らしを豊かにする切り札となることを望んでいるのです。 |