Active Directory でプリンタの場所を展開するための推奨事例
Microsoft Corporation
発行 : 2003 年 3 月
概要
Microsoft® Windows® 2000 は、 クライアントが Microsoft Active Directory® サービスに公開されたプリンタを検索できる新しい機能を導入しました。 Windows Server 2003® Active Directory サービスでも、 プリンタのこの場所を引き続きサポートしています。 ユーザーがこの機能を利用し、 名前、場所、およびその他の条件に基いてプリンタを容易に検索できるように、 ユーザーの印刷構成で一貫性のある場所スキーマを作成する必要があります。 この資料では、Windows プリント サーバーの計画、展開、または管理を行うシステム インテグレータ、 管理者、および設計者にとって、 役に立つ場所スキーマを作成し、管理するための推奨事例を概説します。
トピック
はじめに
ネットワーク環境では、 大部分のユーザーはファイル、データベース、 または Web サイトの物理的な場所を認識する必要はありません。 ただし、プリンタなどのハードウェア デバイスの物理的な場所は認識しておく必要があります。 Microsoft® Windows® 2003 のプリンタの場所の監視機能は、 Microsoft Active Directory® サービスにプリンタの実際の場所を格納することにより、 ユーザーがプリンタを検索するのを支援します。 この機能を有効にすると、プリンタごとに場所の文字列が自動的に表示されます。
この機能を使用するには、 ネットワーク環境が次の特性を持つ必要があります。
| • | Windows 2000 または Windows 2003 ドメイン コントローラ (定義により、Active Directory を実行します)、 と可能であれば複数のサブネット。 |
| • | 企業の物理的なレイアウトにほぼ対応している、 ネットワーク IP アドレス指定スキーマ (必須ではありませんが、非常に有効です)。 |
| • | ディレクトリ サービスにクエリできるクライアント コンピュータ。 |
| • | サイトごとにサブネット オブジェクト。 サブネット オブジェクトは、Active Directory サイトとサービスを使用して作成できます。 |
| • | プリンタの場所に関する独自の名前付け規則。 |
| • | プリンタ サーバーでプリンタの場所フィールドを設定するための管理者特権、 およびその場所フィールドを設定するために、ドメイン コントローラでサイト/サブネットを作成するアクセス許可。 |
グループ ポリシーにより、[コンピュータの場所] ポリシーと [プリンタの検索場所を先に設定する] ポリシーを使用して、 コンピュータのグループに対してプリンタの場所の監視を構成させます。
注意
これらのポリシーの詳細については、 それぞれのポリシーの [説明] タブか、 Windows Server 2003 リソース キット グループ ポリシー リファレンス (Gp.chm) を参照してください。
プリンタの場所の監視をセットアップする手順については、 Windows 2003 Server ヘルプとサポート センターのインデックスで 「プリンタの場所の監視」 と入力してください。
場所の検索機能は、 組織内のすべてのプリンタがユーザーが検索できる一貫性のあるスキーマを使用する限り、 クライアントにとって非常に役に立つ可能性があります。 プリンタに対して使用される場所スキーマは、 印刷構成全体で使用することになるので、 展開前に徹底的に計画しておく必要があります。 この資料では、 役に立つ場所スキーマを作成および管理するためのいくつかの推奨事例を概説します。
この作業に含まれる主な手順は以下のとおりです。
1. | プリンタ名とそのサブネットを確認します。 ワークシートやデータベースでこの情報を管理し、 定期的に更新することをお勧めします。 この情報はプリント サーバーのアップグレードや一般的な保守に役立ちます。 |
2. | 場所のツリー構造を定義します。 |
3. | プリンタの場所を構成します。 |
4. | プリンタの場所の監視ポリシーを有効にします。 |
5. | 最終的なセットアップをテストします。 |
場所スキーマの作成
ここまで説明してきたように、 ユーザーが場所を検索できるように、 まず、場所スキーマの作成と管理を行う必要があります。 場所スキーマは、展開する前に注意深く検討することが重要になります。 プリンタを設置できるすべての場所を記述するのに、十分な柔軟性を持たせるようにします。 このスキーマは組織全体で使用されるので、 適切にデザインする時間をあらかじめ取っておくようにしてください。
場所の名前を使用するのはエンド ユーザーなので、 認識いやすい、単純な名前にする必要があります。 管理を容易にするためだけに特殊な名前を使用することは避けてください。 読み取りやすくするためには、 名前に特殊文字を使用することは避け、 ユーザー インターフェイスに名前の文字列全体を表示できるように、 最大 32 文字までの名前にします。 名前は次の特性に準拠する必要があります。
| • | 場所の名前は name/name/name/name/... の形式にします (分割文字をスラッシュ (/) にする必要があります)。 |
| • | スラッシュ (/) 以外の任意の文字で名前を構成します。 |
| • | 1 つの名前に対するレベル数の上限を 256 までにします。 |
| • | 名前の最大長は 32 文字にします。 |
| • | 場所の名前全体の最大長は 260 文字にします。 |
特に、将来、組織で変更できるように、スキーマに十分な柔軟性を持たせる必要があります。 理想的には、(地域に基づくサブネット階層を持つと想定すれば) スキーマは組織のサブネット レイアウトに従うことができます。 それは、その後、そのサブネットに基づいて、すべてのプリンタの場所フィールドを自動的に設定するスクリプトを作成できるためです。
たとえば、 北アメリカおよびヨーロッパに複数の場所を持つ組織を考えます。 その組織の命名手法は次のようになります。
NorthAmerica | | | |
| NewYork | | |
| | HQ | |
| | | Floor1 |
| | | Floor2 |
| | Buffalo | |
| | | Design |
| | | Plant |
| | | Admin |
| Vancouver | | |
| | Building1 | |
| | Building2 | |
| Dallas | | |
Europe | | | |
| Paris | | |
| | Design | |
| London | | |
| | ... | |
| Madrid | | |
このツリーの深さは、 組織の複雑さや IP ネットワークで利用できる詳細度によって変化することに注意してください。 この例の名前付け規則は、 1 つの都市または 1 つのビルに所在するより小規模な組織にとっては、 必要よりも多くのレベルを含んでいます。 ニューヨークのバッファローに所在するデザイン部門のフル ネームは、 NorthAmerica/NewYork/Buffalo/Design になります。 パリのデザイン部門のフル ネームは、Europe/Paris/Design であり、 さらに小規模なダラスのオフィスは NorthAmerica/Dallas という名前になります。
プリンタの場所の構成と場所ポリシーの設定
プリンタの場所の監視を有効にし、自動的なプリント設定ポリシーを設定するには、次の操作を行います。
1. | Active Directory サイトとサービスを開きます。 |
2. | 目的のサイトがまだ存在していない場合は、作成します。 |
3. | サイトとサブネットの関連付けをまだ行っていない場合は、新しく作成したサイトにサブネットを関連付けます。 |
4. | 作成した各サブネットを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。 |
5. | [場所] タブをクリックし、 場所の名前付け規則を基づいて、次の形式でサブネットの場所を入力して、[OK] をクリックします。
location/location
|
6. | [グループ ポリシー] タブを使用して、 [プリンタの検索場所を先に設定する] ポリシー設定をダブルクリックします。 次に、そのポリシーを有効にするために [有効] をオンにします。 次の例は、 そのプリンタを使用するユーザーのグループ (Active Directory の用語では組織単位) にそのポリシーを設定する方法を例示しています。 ただし、適切な Active Directory ユーティリティを使用して、そのポリシーを異なるオブジェクトに設定できます。 1. | Active Directory ユーザーとコンピュータから [グループ ポリシー] を開始します。 | 2. | そのポリシーを適用する組織単位を右クリックして、[プロパティ] をクリックします。 | 3. | [グループ ポリシー] タブをクリックし、[新規] をクリックして新しいオブジェクトを作成します。 新しいオブジェクトの名前を入力して、[OK] をクリックします。 | 4. | 新しく作成したオブジェクトを選択して、[編集] をクリックします。 | 5. | [コンピュータの構成] 、[管理用テンプレート]、[プリンタ] の順に展開します。 | 6. | ポリシー設定の [プリンタの検索場所を先に設定する] をダブルクリックして、 有効にするために [有効] をオンします。 プリンタをディレクトリ サービスで検索するときは、 [サブネットのプロパティ] ページの [場所] タブで指定された値を使用して、 場所フィールドにその値を設定します。 このポリシーが無効 (既定値) の場合、その場所は空欄になります。 |
注意 グループ ポリシーにより、コンピュータごとに手動で場所を設定することもできます。 |
7. | [プリンタと FAX] を開きます。 |
8. | プリンタを右クリックして、[プロパティ] をクリックします。 |
9. | 使用しているスキーマに基づいてプリンタの場所を入力するか、 [参照] をクリックしてプリンタの場所を検索します。 おそらく、サブネットの場所よりもプリンタの場所を記述することにより、より正確にしたいと考えるでしょう。 たとえば、サブネットの場所の NorthAmerica/Dallas の場合は、 NorthAmerica/Dallas/Floor42/Room4207 と入力できます。 |
10. | Active Directory 内のプリンタごとに、最後の 2 手順を繰り返します。 |
リソース キットに同梱している prnadmin.dll ユーティリティを使用することにより、 手順 7 から手順 10 までをスクリプトにすることをお勧めします。 このユーティリティを使用するには、 プリンタとその場所の既存のワークシートやデータベースを参照する必要があります。 その後、各プリンタのプロパティを開いて場所を設定するのではなく、 このツールを使用し、入力した情報に従って、プリンタの場所を設定できます。
次の例は、prnadmin.dll を使用して場所を設定する方法を示しています。 コマンド プロンプトに「cscript prncfg.vbs /?」と入力すると、この例が表示されます。
cscript prncfg.vbs -s -b PrinterName -l "Building A/Floor 100/Office 1"
PrinterName を UNC 名にできます。
注意
Active Directory サイトとサービスを開くには、 [スタート] をクリックし、[プログラム]、[管理ツール] の順にポイントし、[Active Directory サイトとサービス] をクリックします。
プリンタの場所の監視が無効の場合の標準の設定
前述のように、 プリンタの場所の監視が無効であっても、プリンタのプロパティ ページの [全般] タブの [場所] に情報を追加できます。 ただし、潜在的な問題が発生します。 ユーザーが 10 階にあるプリンタを検索する場合、 [スタート] をクリックして、[検索] から [プリンタ] をクリックしたときに、 [プリンタを検索します] プロパティ ページに何を入力するかを正確に知っておく必要があります。 また、"*" (アスタリスク) などのワイルドカードを使用すれば、 正確な、あるいは完全な場所の名前がわからなくても、プリンタの検索に役立つ場合があります。 プリンタの場所の監視が有効な場合は、[プリンタを検索します] プロパティ ページの [場所] フィールドは自動的に設定されます。
まとめ
前のセクションで説明したように、 ユーザーが検索できる一貫性のあるスキーマを組織内のすべてのプリンタで使用している限り、 場所の検索機能はクライアントにとって非常に役に立ちます。 この資料の推奨事項に従えば、 印刷構成全体に展開できる、一貫性のある、有用なスキーマの作成に役立ちます。
関連リンク
詳細については、以下のリソースを参照してください。
印刷での Active Directory の使用に関する詳細については、 http://www.microsoft.com/technet/solutionaccelerators/wssra/raguide/FileandPrintServices/default.mspx で「Active Directory and Printing」 (英語) リンクをクリックします。
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