このペーパーでは、ユニバーサル シリアル バス (USB) ストレージ デバイスからの、Microsoft Windows ファミリ オペレーティング システムのブートに関する情報を提供します。また、USB ブート対応製品をを共同開発する、BIOS メーカー、ハードウェア メーカー、および OEM 向けのガイドラインを提供します。
| はじめに | |
| USB ストレージ デバイスからブートするシナリオ | |
| ブート デバイスに対する Windows の要件 | |
| BIOS メーカー向けの要件と推奨事項 | |
| マザーボード メーカーと OEM 向けの推奨事項 | |
| USB ストレージ デバイスの要件と推奨事項 | |
| Windows ロゴ プログラムに関する問題点 | |
| 「パートナーの皆様へ」およびリソース |
USB Mass Storage Working Group は、USB からのブートに業界内で対応するため、USB デバイスのブートに関する仕様を準備しています。USB からのブートは、非常に要求される機能となりました。USB フラッシュ ドライブ (UFD) と USB CD-ROM ドライブはどちらも、USB での新しいブート機能の方法を確立しようとしています。ユーザーが UFD や USB CD-ROM からブートできるようにするには、これらのデバイスで優れたユーザー エクスペリエンスを保証するため、業界全体の協力が必要です。
USB デバイスからのブートの最も興味深い応用領域は、オペレーティング システムの展開、システム回復、およびシステム メンテナンスです。以下に示す主なシナリオについて、このドキュメントで取り上げていきます。
| • | オペレーティング システムのインストール/展開シナリオ |
| • | フロッピー ディスク ドライブの代わり |
| • | システム診断ツール |
| • | ディスク複製/操作 (例 : パーティション分割やフォーマットを行うユーティリティ) |
Windows は、プライマリ ブート デバイスとして USB ハード ディスク ドライブをサポートしていないので、Windows の現在のバージョンを、USB ハード ディスク ドライブにインストールすべきではありません。このペーパーでは、下記と関連した、予想される業界の関与を紹介します。
| • | USB ストレージ デバイスからブートするための主なシナリオ |
| • | ブート デバイスに対する Windows の要件 |
| • | さまざまな業界パートナーに対する要件と推奨事項 |
| • | BIOS メーカー |
| • | ホーム/ビジネス PC のシステム ビルダ |
| • | UFD メーカー (ハードウェア メーカー) |
このペーパーの情報は、Microsoft Windows ファミリ オペレーティング システム用の USB ブート対応製品の開発において協力しようとしている、x86 BIOS メーカー、ハードウェア メーカー、および OEM を対象としています。
これまで、Microsoft には、USB フラッシュ ドライブ (UFD) でのブート サポートを求める、多くの要望が寄せられてきました。多くの OEM やハードウェア メーカーは、フロッピー ディスク ドライブの後継として、UFD を想定してきました。しかし、業界の一部の企業は、UFD が現在のフロッピー ディスク ドライブのようにオペレーティング システムをブートできるようになるまで、UFD がフロッピー ディスク ドライブの真の代わりとなるものと宣言するつもりはありませんでした。UFD には、より高速なデータ転送や、より大きな容量などの技術的な利点があるので、業界の多くの企業は、オペレーティング システムをブートする機能により、業界はフロッピー ディスク ドライブから UFD に真に移行できると信じています。
UFD の容量は、急速に拡大しています。1 MB 当たりの価格が下がり続けるにつれ、数年以内に UFD は、CD-ROM のストレージ容量を越える見込みです。UFD は、高速で軽いリムーバブル ハード ドライブのように使用できます。そして、最も興味深いユーザー シナリオは、フロッピー ディスク ドライブの後継というだけでなく、展開と復旧用にコンピュータをブートする代わりの方法を生み出す可能性によってもたらされます。
UFD をプラグインして、別の起動可能ディスクを追加することにより、オペレーティング システムの容易な展開と復旧が可能になります。また、操作中のディスクやパーティションから実行できない、または実行すべきでないディスク操作ユーティリティを実行できるようになります。UFD からブートする興味深いシナリオのいくつかについては、以下で詳しく説明します。
| • | オペレーティング システムのインストール/展開シナリオ - モバイル プラットフォームまたはロープロファイル デスクトップ システムは、内蔵フロッピー ディスク ドライブなしで出荷される場合があります。OEM プレインストール環境と起動可能な UFD があれば、OS インストール作業が大幅に簡略化されます。これは、オペレーティング システムを展開または再展開しようとしている、OEM および企業の IT 管理者やホーム コンシューマにとって、価値あるシナリオです。 |
| • | システム診断ツール - IT マネージャは、オペレーティング システムを起動せずにシステム ユーティリティをコンピュータ上で実行したり、オペレーティング システムが起動していないシステムを回復する必要がある場合があります。起動可能なフロッピーや CD-ROM がなく、Preboot eXecution Environment (PXE) でも起動できないシステムの場合、UFD からのブートは、魅力的であるだけでなくシンプルな解決法です。IT マネージャは、システム診断ツールを 512 MB の UFD で持ち運んで、テストを容易に実行することもできます。これは、起動しないシステムからデータを回復しようとしている企業のスタッフやホーム コンシューマにとって、価値あるシナリオです。 |
| • | ディスクの複製/操作/検証 - ディスクのパーティション分割やフォーマットを行うユーティリティは、オペレーティング システムが起動する前に、または別のオペレーティング システムから実行する必要があります。パーティション分割ユーティリティまたは他の診断ユーティリティも含まれている UFD からブートすることは可能です。また、ディスク検証の目的で、読み取り専用 UFD にウイルス チェック ツールを含めることも可能です。これは、展開または復旧のため、オペレーティング システムを構成または再インストールしようとしている OEM および企業のスタッフやホーム コンシューマにとって、価値あるシナリオです。 |
USB は、CD-ROM ドライブにとって、許容できるストレージ バスです。現在、多くの USB CD-ROM ドライブが、ラップトップ用の外付け装置の対象となっています。ラップトップはスモール フォーム ファクタであるため、USB CD-ROM ドライブは貴重です。将来、CD-ROM ドライブは、現在の AT Attachment (ATA) や将来の Serial ATA (SATA) の使用方法と同様に、ケース内で USB を活用して、恒常的な接続を形成する可能性があります。
USB CD-ROM ドライブからブートする自然なシナリオは、オペレーティング システムのセットアップ開始用に、依然として残るでしょう。また、USB CD-ROM ドライブから Windows 回復コンソールを使用するなど、オペレーティング システムの復旧も予想される用途です。
別の起動可能なバスを Windows に追加する場合、最も良い点は、既存の Windows ブート プロセスの多くをメーカーが活用できる点です。新しいデバイスは、NT ローダーがシステムを読み込む際に、既存のデバイスと同様に見えて動作する限り、古いデバイスのように機能させることができます。USB デバイスから Windows をブートする際の目標は、既存の Windows ブート プロセスをできるだけ多く使用し、変更をできるだけ少なくすることです。
このペーパーでは、復旧と展開の用途での、ハード ディスク ドライブおよび CD-ROM ドライブからのブートを主に取り上げます。Windows は現在、USB 接続の大容量ストレージまたは CD からインストールされたオペレーティング システムとして動作するよう最適化されていません。
USB Mass Storage のサポートは、USB ハード ディスク ドライブと USB CD-ROM ドライブを有効にする、USB 上のストレージ プロトコルから成ります。Windows のブート デバイスとなるすべてのストレージ デバイスは、既存のブート プロセスを活用するため、上記の 2 つのカテゴリのいずれかのように動作する必要があります。このドキュメントにおいて、DVD-ROM ドライブは、CD-ROM ドライブのカテゴリに入ります。
BIOS は INT 13h をサポートする必要があります。 ブート プロセス中、Windows は、ブート デバイス (ハード ディスク ドライブまたは CD-ROM ドライブ) との通信のサポートが、Windows を読み込む際、INT 13h に存在することを前提とします。これは、NT ローダーが INT 13h への呼び出しを使用して、ディスクにアクセスするからです。INT 13h のサポートは、"BIOS Enhanced Disk Drive Services - 2" 仕様と "USB Mass Storage Specification for Bootability" に準拠する必要があります。2 つの仕様が互いに相違する場合、より新しい仕様が正しいと見なされます。
BIOS によるドライブの正確な番号付け。 また、Windows では、ドライブ番号の割り当てが、Compaq Phoenix Intel BIOS Boot Specification version 1.01 に従っている必要があります。従来のように、ハード ディスク ドライブは 80h から、CD-ROM ドライブは 82h から番号を付ける必要があります。
このペーパーで、残りの要件については、コンポーネント メーカー向けの推奨事項と共に、ブートにおいて役割を果たすさまざまなコンポーネント別にまとめました。
現在のバスの BIOS に対する Windows のブート要件が USB に拡張されるのは、自然なことと言えるでしょう。USB ハード ドライブと USB CD-ROM に対する BIOS のサポートは、他のバス上のハード ドライブや CD-ROM ドライブが現在準拠しているように、"Compaq Phoenix Intel BIOS Boot Specification Version 1.01" に準拠する必要があります。
新しい要件は、USB Mass Storage Working Group が作成中です。このグループは現在、"USB Mass Storage Specification for Bootability" と呼ばれる、USB ストレージ デバイスからのブートを標準化する仕様に取り組んでいます。本稿の執筆時点で、この仕様は現在リビジョン 0.8 です。さらに、公開時には、この仕様は、INT 13h のサポートを示し従う必要のある Appendix を伴う予定です。
また、USB Mass Storage Working Group は、Control/Bulk/Interrupt (CBI) Transport を、フロッピー ディスク ドライブのみに適用するよう制限しました。ハード ドライブと CD で CBI を使用できないので、BIOS は、Bulk-Only Transport (BOT) のみをサポートすることにより、設計を簡略化する必要があります。
USB からブートするための BIOS サポートに関する興味深い作業は、ユーザー エクスペリエンスの領域にあります。USB からのブートに対する BIOS のサポートを追加する際の目標は、エンド ユーザー エクスペリエンスを、現在のエクスペリエンスと同じ水準に維持することである必要があります。USB ブート デバイスを、現在サポートされているデバイスと別個に扱いたくなりますが、ユーザーは、バスからではなく、デバイスからブートする点に注意してください。
"El Torito Bootable CD-ROM Format Specification" Version 1.0 のセクション 1.4 に記された、ブート デバイス オプションの表示に関する推奨事項は、なお有効です。この仕様に、起動可能な CD に対する USB BIOS サポートは準拠する必要があります。USB CD-ROM からブートするオプションは、別のバス上の CD-ROM からブートするオプションと別個であるべきではありません。同様に、USB ハード ドライブからブートするオプションが、別のバス上のハード ドライブからブートするオプションと別個でないようにするため、ハード ドライブはまとめてグループ化する必要があります。
ブート用に他のバスも使用できますが、USB でのブート サポートを追加する際の考慮事項は変わりません。なぜなら、USB は通常、チップ セットに実装され、チップ セット上の第 2 の起動可能なバスになるからです。BIOS メーカーには、BIOS での作業を活用して、ATA コントローラからのブートに使用した方法を、USB コントローラに拡張する大きなチャンスがあります。ATA と同様に、BIOS は、チップ セット上のすべての USB ポートからのブートをサポートする必要があります。
ATA コネクタは、ケース内にのみ存在するよう設計されており、USB コネクタは通常、外付けと見なされます。しかし、USB は、外付けのみに制限されていません。現在、USB CD-ROM ドライブは一般に外付けデバイスですが、USB CD-ROM ドライブは、CD-ROM ドライブ用の ATA 接続のないシステムで、プライマリ CD-ROM ドライブとして使用できます。
マザーボード実装の推奨事項として、マザーボード上の USB コネクタの配置を主に取り上げます。
USB は、CD-ROM ドライブのような、ある種の一般的なストレージ デバイスに役立つ可能性があります。マザーボード メーカーは、BIOS メーカーと同様に、ストレージ用の内部 USB コネクタがあるマザーボードの設計を計画する必要があります。
USB ストレージ デバイスからブートするための BIOS サポートでは、ハブ 2 つ分以上の深さにあるデバイスのみ列挙する必要があります。マザーボード上の USB ハブを使用して、より多くのポートを作成する場合、この点を考慮する必要があります。ユーザーは、マザーボード上のハブに気がつきません。また、見えないハブのためブートしない USB デバイスにより、ユーザーが混乱する可能性があります。
最後に、ブートに使用できる外部 USB コネクタは、手の届きやすい場所に配置する必要があります。たとえば、デスクトップまたはサーバー コンピュータ システムの前面や、ラップトップの左右の側面などです。ユーザーにとって、USB へのアクセスは、CD-ROM ドライブやフロッピー ディスク ドライブに現在アクセスするのと同じくらい容易である必要があります。
USB Mass Storage Working Group はまた、近い将来、ストレージ用の特別な USB ロゴを設けることも考えています。すべてのストレージ デバイスが、完成時にこれらのテストに準拠していることをメーカーが保証するよう、強く推奨されます。ただし、USB Storage ロゴ要件すべてに Pass しても、デバイスが "Designed for Windows" ロゴの資格を得る保証はない点には注意する必要があります。
さらに、USB Mass Storage Working Group は、Control/Bulk/Interrupt (CBI) Transport を、フロッピー ディスク ドライブのみに適用するよう制限しました。CBI Transport を使用する新しい USB デバイスを実装しないようお勧めします。BOT を代わりに使用する必要があります。
ハード ディスク ドライブは、リムーバブル メディア ドライブとして自らを報告すべきではありません。なぜなら、Windows は、リムーバブル メディア デバイス上にページ ファイルを配置しないからです。リムーバブル メディアとして自らを報告すべき唯一のストレージ デバイスは、ドライブがシステムに接続されたままの状態で、メディアを取り出すことのできるデバイスです。USB ハード ディスク ドライブと UFD ドライブは、固定ディスク ドライブまたはリムーバブル ディスク ドライブとして、自らを報告する必要があります。
最後に、速度の利点を得るため、USB デバイスが USB 2.0 をサポートするようお勧めします。
Control/Bulk/Interrupt Transport のみをサポートする新しい USB ストレージ デバイスは、ロゴを取得できません。
USB ストレージ デバイスからのブートをサポートする BIOS は、ハブ 2 つ分以上の深さにあるデバイスを列挙する必要があります。
BIOS メーカーの場合 :
| • | USB デバイスのブートを、ユーザーに対し透過的にしてください。
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| • | 下記の各仕様で定義されているとおりに、ブートをサポートしてください。
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| • | Bot をサポートしてください。 | ||||||||
| • | すべての USB ポートを起動可能にする必要があります。 |
マザーボード メーカーの場合 :
| • | ケース内の静的な起動可能ストレージ コネクタとして、USB を使用できるよう準備してください。 |
| • | デスクトップ PC の正面に、1 つ以上の USB ポートを配置してください。 |
| • | モバイル PC の左または右の側面に、1 つ以上の USB ポートを配置してください。 |
USB ストレージ デバイス メーカーの場合 :
| • | Secure USB Mass Storage ロゴが利用可能になったら、このロゴを使用してください。 |
| • | Control/Bulk/Interrupt Transport は使用しないでください。 |
| • | CD-ROM ドライブは、リムーバブル メディア デバイスとして自らを識別する必要があります。ハード ディスク ドライブは、固定ドライブまたはリムーバブル ドライブとして自らを識別する必要があります。 |
| • | USB ストレージ デバイスは、Hi-Speed USB 2.0 である必要があります。 |
USB ストレージ デバイスからのブートに関する詳細...
| • | USB ストレージ デバイスからのブートに関するご質問は、電子メール (英語) で usbstor@microsoft.com までお送りください。 |
| • | UFD に固有のご質問 (オペレーティング システムのサポート) については、電子メール (英語) で ufdboot@microsoft.com までお送りください。 |
リソース :
| • |
BIOS Enhanced Disk Drive Services - 2 http://www.incits.org |
| • |
USB Mass Storage Specification for Bootability
http://www.usb.org/home |
| • |
El Torito Bootable CD-ROM Format Specification |
| • |
Compaq Phoenix Intel BIOS Boot Specification |