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Windows Vista vs Windows XP どちらのパフォーマンスが優れているか?

「今使っている Windows XP から Windows Vista に変えたら、パフォーマンスが悪くなったりしないだろうか?」 Windows Vista に魅力は感じつつも、そんな不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。Windows Vista では、PC のパフォーマンスを向上する様々なテクロノジーが組込まれており、これまで以上に安定して、かつ快適に PC が使え、結果として社員 1 人 1 人の生産性を向上させることができます。

2007 年 1 月、Windows Vista の中立的なパフォーマンス データを測定すべく、株式会社ベリサーブに委託し、Windows XP との比較を通じて、Windows Vista のパフォーマンスの調査をしました。本サイトでは、その調査結果の中から、以下の項目に着目して解説をしていきます。

調査概要
同一の PC (表 1) に、Windows Vista と、Windows XP のデュアル ブート環境を作成し、以下の比較を行う。
(各項目をクリックすると、検証記事へジャンプします)

検証 1. PC の起動時間
検証 2. アプリケーションの起動時間
検証 3. Windows Aero の CPU 負荷 (ソフトバンク クリエイティブ調べ)
検証 4. バックアップに要する時間
検証 5. ネットワークのパフォーマンス
検証 6. 古いスペックのマシン (Pentium4、512 MB メモリ) に Windows Vista をインストールし、パフォーマンスのテストを行う。
また、CPU、メイン メモリ、キャッシュ (Windows ReadyBoost) に変更を加え、どの程度パフォーマンスが向上するのかテストを行う。
表 1:今回テストに使用したPC (2007 年 4 月時点の平均的なスペックを想定)

本コーナーでは、この調査結果を元に Windows Vista のパフォーマンスに関する優位点を要約し、技術的な観点
からの解説を行います。本コーナーで使用しているデータは、株式会社ベリサーブ調べであり、その結果を保証
するものではありません。また、本調査のフル レポートは、こちらから無料でダウンロードすることができます。

検証 1 PC の起動時間

ビジネスで日常的に PC を使うにあたって、これまで最も不満の高かった点の 1 つが、PC の起動時間です。Windows XP では、「スタンバイ」や「休止」などを活用することで、起動時間を短縮することができましたが、広く知られていなかったり、データの安全性に問題が出るケースがありました。Windows Vista では「ハイブリッド スリープ」という新しいモードが標準になり、PC の起動に関するエクスペリエンスが大きく改善されています。

調査概要
以下の 4 つの項目に関して、起動/終了にかかる時間を測定。測定時間は、5 回同じテストを行い、その平均値を算出。 (以下の調査も同様)

@ PC の起動時間
A PC のシャットダウン の時間
B Windows Vista: スリープへの移行と Windows XP : 休止とスタンバイ (S3) への移行時間
C Windows Vista: スリープからの復帰と Windows XP : 休止とスタンバイ (S3) からの復帰時間


結果 「スリープ機能より、Windows Vista は圧倒的に高速化」

結果のグラフを見てみましょう。まず、普通に電源を入れた時の PC の起動時間や、電源が切れるまでの時間にも若干の差が出ました (@ と A)

グラフ 1:Windows Vista と Windows XP の起動とシャット ダウンの時間の比較

次に、Windows Vista 標準的な起動、終了方法となった「スリープ」へ移行する時間は、Windows XPの「休止」より 77% も高速です (B)
また、復帰時は「休止」と比較しても Windows Vista の「スリープ」が約 6 倍の速度をマークし、圧倒的に速く復帰が出来ています (C)

グラフ 2:Windows Vista のスリープと Windows XP の休止、スタンバイ移行までの時間の比較

@A の通常の電源オン、オフは大きな差が出たわけではありませんが、BC は大幅な違いが現れました。なぜこのような結果になったのでしょうか?

何故パフォーマンスが向上したのか?
「高速で安全な、Windows Vista の『ハイブリット スリープ』」

Windows XP では、それまでの作業データをハードディスクに保存することでデータを安全に扱う「休止」と、メモリ上にデータを保持しておくことで移行や復帰の速度が速い「スタンバイ」という 2 つの方法がありました。ただ、「休止」は移行も復帰も時間がかかり、「スタンバイ」は、電源トラブルがあるとデータが消えてしまうなど、データ管理の観点からデメリットがありました。

それに対して Windows Vista の「ハイブリッド スリープ」は、Windows XP の「スタンバイ」と「休止」の良いところを取り入れた機能です。デスクトップ PC の場合、スリープ モードへの移行時に、データをメモリとハードディスクの両方に保存します。ノート PC の場合は、まずメモリにデータを保存して、18 時間が経過するか、バッテリー残量が少なくなった場合にデータをハードディスクに保持します。また、スリープ モードへの移行/復帰のプロセスも、Windows XP と比較すると大きく改善されています。これにより、Windows XP の「スタンバイ」以上の高速性と、「休止」と変わらないデータ保護セキュリティを実現しています。「ハイブリッド スリープ」は、Windows Vista で標準の起動、終了方法となっています。

なお、今回使用したマシンでは、通常時に約 62 W (高負荷時に 100 W)、スリープ モードで約 1 Wの電力を消費します。12 時間仕事をし、12 時間スリープ状態の Windows Vista を利用した際の電気代金は、電源を落とした場合と比較しても、1 ヶ月 (20 日)で 2.6 円程度 *1 の差となります (1 kWh あたり 11 円の標準的な電気料金体系による)。
*1 12 h/day × 20 = 240 h  240 h × 1 w (0.24 kw) 0.24 kw × 11= 2.64 円

ハイブリット スリープ
検証 2 アプリケーションの起動

次にアプリケーションの起動時間について、調査しました。
PC の起動と同様に、アプリケーション起動の時間は、PC を快適に使用する上では、重要な要素となります。

調査方法
1 週間にわたって PC の利用を続け、「Microsoft Outlook 2007、Microsoft Word 2007、Microsoft Excel 2007、Microsoft PowerPoint 2007」の 4 つのアプリケーションを同時に起動する際の時間を、Windows Vista と Windows XP にて計測 (Windows Vista では、Windows SuperFetch のオン、オフを切り替えて実施)。


結果「Windows Vistaでは、よく使うアプリケーションの起動が格段に速くなる」

まずは調査結果を見てみましょう。アプリケーションの起動時間は、Windows Vista (Windows SuperFetch オン) が、Windows XP の約 4 倍の速度になりました。また、Windows Vista であっても、Windows SuperFetch をオフにすると、Windows XP とほぼ同等までパフォーマンスが低下します。では、Windows SuperFetch とはどのような機能なのでしょうか?

グラフ 3:Windows Vista (Windows SuperFetch オン、オフ時) と Windows XP アプリケーションの起動時間の比較
何故パフォーマンスが上昇したのか?
「Windows SuperFetch で、1 人 1 人のユーザーに最適な環境にチューニング」

Windows Vista では、ユーザーの PC 使用状況を自動的に学習し、使用頻度が高いアプリケーションをあらかじめメモリ上にキャッシュしておく、「Windows SuperFetch」という機能が加わりました。どのアプリケーションをキャッシュするのかは、Windows Vista がユーザーの使用パターンを学習しながら、曜日や時間帯などで、ユーザーが使用するであろうアプリケーションを先読みし、メモリ上にキャッシュします。グラフを見れば分かるように、Windows SuperFetch を切った状態では、Windows Vista も Windows XP もアプリケーションの起動時間は 8 秒弱でほとんど差はありません。しかし、ひとたび Windows SuperFetch をオンにすると約 4 倍近いスピードになったのです。この結果からも Windows SuperFetch が有効に機能していることがわかるでしょう。なお、Windows SuperFetch はサービスとして動作しており、標準ではオンの状態になっています。

さらに Windows Vista では「ロー プライオリティ I/O」という新技術も加わりました。Windows XP では、ウイルス チェックのためのソフトウェアや、検索索引を作るインデックス サービスなどが開始されると、使用中のアプリケーションの動作が急に重くなってしまうことがありました。ロー プライオリティ I/O は、これらのバック グラウンドのサービスの優先度を低く設定します。これによって、通常の作業に使うアプリケーションがバック グラウンドのサービスに邪魔されず、いつでも PC が快適に使えるようになるわけです。

3 Windows Aero の CPU 負荷

Windows Vista では、ウィンドウ枠が透過され、作業効率を向上させる新しいインターフェイス「Windows Aero」が搭載されました (Home Basic を除く)。美しい操作画面を実現する「Windows Aero」を使うためには、対応したグラフィック機能など、各種要件 *2 を満たす必要があります。そのため、「Windows Aero を使うとパフォーマンスが悪くなる」と不安を感じている方もいることでしょう。
*2 DirectX 9/Pixel Shader 2.0 のサポート、64 MB のビデオ メモリ
株式会社ベリサーブの調査に加えて、Windows Aero のパフォーマンスを調査しました (ソフトバンク クリエィティブ調べ)。

調査方法
PC でさまざまな操作を長時間行っていることを想定し、Windows Vista でも Windows XP でも動作する UWSC というマクロソフト (自動的にさまざまな操作を行ってくれるソフトウェア) を用いてデスクトップ上のウィンドウを動かし続け、その間の CPU 負荷率を計測。


結果 「Windows Aeroにより CPU 負荷が軽減される」

結果をみてみましょう。CPU の負荷率は、Windows Aero がオンの場合、Windows Aero がオフや Windows XP に比べ、およそ 2 倍も負荷が低くなっています。

グラフ 4:Windows Vista (Windows Aero オン、オフ時) と Windows XP の CPU 負担
何故パフォーマンスが上昇したのか?
「Windows Aero では、CPUと GPU で作業を分担」

ハードウェア スペックの要求が厳しい Windows Aero がなぜ?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、その理由は、CPU とグラフィック チップの「分業」にあります。Windows XP ではデスクトップ上のウィンドウの描画などの作業を、CPU だけが処理していました。これに対して Windows Aero は、ウィンドウ描画などの処理を 3D グラフィック チップ側で処理します。その分 CPU のパワーが解放されますので CPU を多く使う処理が迅速にこなせるのです。

これは、Windows XP が開発された当時想定されていたグラフィック チップが飛躍的に機能向上し、それに合わせて Windows Vista ではチューニングされた、ということになります。従来、グラフィック機能の向上は、主に表示の処理が大変なゲームを楽しむユーザーがその恩恵を受ける、という状況でした。しかし、Windows Vista の登場と Windows Aero によって、ビジネス シーンでもパソコンの性能を効果的に引き出し、快適な操作環境を実現している訳です。

[次ページ] バックアップ、ネットワーク パフォーマンスの検証。古い PC で Windows Vista を快適に動作させるには?

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更新日 2008 年 9 月 3 日 このページのトップへ

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