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Round1: パフォーマンス比較、快適で安定して使えるのはどっち?

メールやネットサーフィン、写真の管理に表計算、パソコンは私たちの生活に深く関わるようになりました。そんなパソコンと毎日ストレスなく付き合うためには、お使いのパソコンが、常に軽快に、すばやく動作してくれることが重要です。そこで第 1 回は、こういった処理時間 (パフォーマンス) について、Windows Vista を搭載したパソコンと、Windows XP を搭載したパソコンでどれぐらいの差があるのか、さまざまな角度から検証してみました。
Windows Vista Service Pack 1 でパワーアップ ! Windows Vista SP1 で「快適」倍増 !

Windows Vista にはもともとパソコンのパフォーマンスを最適化する多くの新機能が実装されていますが、Windows Vista SP1 でさらに改善され、アプリケーションを高速に起動したり、スリープ状態から高速に復帰できるなど、これまで以上に快適にパソコンを使用できるようになりました。どのくらい「快適」になるか、Windows XP と Windows Vista SP1 のパフォーマンス比較をみてみましょう。

検証 1
徹底検証!! すばやくパソコンを使えるのはどっち?

皆さん、パソコンの起動時間にイライラしたことはありませんか? 電源を押してパソコンを立ち上げ、1 秒でも早くメールを打ちたい、ファイルを探したいと思っている時、この起動時間ほど無駄なものはありません。そこでパソコンを利用する際に避けては通れない「起動」について、パフォーマンスを比較してみました。

このテストでは、ユーザーが日常的にパソコンを利用することを想定し、Windows XP、Windows Vista Service Pack 1 (SP1) のそれぞれで[スタート]ボタンから作業を終了し、前回の作業終了時点へ戻るための時間を計測しました。その際、Windows Vista で新しく標準の起動、終了方法となった「スリープ」と、Windows XP の起動、終了方法である「スタンバイ (S3)」と「休止」を比較の対象としています。

グラフ 1
グラフ 1: Windows Vista (スリープ) とWindows XP (休止状態、スタンバイ状態) の起動時間比較

結果!! Windows Vista の「スリープ」が起動時間短縮の決め手

その結果がグラフ 1 です。起動時に表示される「ようこそ」画面が表示されるまでの時間は、Windows XP (スタンバイ) が 11.4 秒、Windows XP (休止) が 32.9 秒だったのに対して、Windows Vista SP1 ではなんと 3.4 秒と驚くべき結果が出ました。

どうしてここまで起動時間に差が現れたのでしょうか? Windows XP の「スタンバイ」は、現在のパソコンの状態をメモリ上に残したまま、そのほかのハードウェアの電源を切るという機能です。「休止」よりは高速に起動できますが、常にメモリを通電状態にしておく必要があるなど省電力性に問題がありました。一方「休止」は、作業中のデータをメモリではなく、いったんハードディスクに書き出すという方法です。メモリ上に通電させておく必要がなく、完全に電源をオフにできるので「スタンバイ」よりも省電力性が高いですが、復帰に時間がかかります (図1)

それに対して Windows Vista の「スリープ」の場合、パソコンの使用中断時に、メモリ上のデータをメモリとハードディスクの両方に保存します。そして、パソコンを復帰させるときは、まずメモリ上からデータを読み込みにいきます。電源障害などでメモリ上のデータが消えた場合でも、ハードディスクにデータが残っていますので、完全な電源オフ状態からの復帰よりもすばやく、安全にパソコンが使用可能になります。

そのため、起動時間については格段に進化した電源制御機能を持つ Windows Vista に分がある、という結果になったわけです。

図 1
図 1:Windows Vista (スリープ) と Windows XP (休止状態、スタンバイ状態) の電源制御の仕組み


検証 2
徹底検証!! ソフトウェアをすばやく、軽快に使えるのはどっち?

パソコンを起動した後、皆さんは何をしますか? インターネット? メール? それとも DVD の鑑賞でしょうか? こうしたサービスを利用するには、さまざまなソフトウェアが必要です。パソコンが早く起動してもこれらの動作が遅いと何の意味もありません。そこで次にソフトウェアの起動時間について調べてみました。

この調査では、リアルな使用感を測定するため、1 週間にわたってパソコンの利用を続け、「Outlook 2007、Word 2007、Excel 2007、PowerPoint 2007」の 4 つのアプリケーションを同時に起動する際の速度を検証しました。なお、Windows Vista では、Windows SuperFetch という新しく搭載された機能をオン、オフそれぞれに設定して計測しています。

グラフ2
グラフ 2: Windows Vista SP1 (Windows SuperFetch オン/オフ時) と Windows XP のソフトウェア起動時間の比較

結果!! Windows Vista の Windows SuperFetch はユーザーの利用パターンを記憶する

その結果が上のグラフ 2 です。これを見ればわかるように、Windows Vista SP1 のソフトウェアの起動速度が、Windows XP と比較して約 5 倍の速度に向上していることがわかります。

どうしてこのような差が現れたのでしょうか? どうやらその秘密は Windows Vista で新たに加わった 「Windows SuperFetch 」という機能にあるようです。

この機能は、あなたが普段どんなソフトウェアを使っているかを記憶しておき、より頻繁に使うものをあらかじめメモリ上へ読み込んでおく、というものです (図 2)。Windows XP では、ユーザーが起動した順番そのままに、ソフトウェアをメモリ上に読み込んでいました。そのため、よく使うソフトウェアもメモリに残っていないと起動は 1 から行わなければなりません。

Windows SuperFetch が搭載された Windows Vistaでは、よく使うソフトウェアは事前にメモリ上へ準備しておき、その他のタスクは発生順に残っているメモリ領域へ展開させます。ユーザーの利用パターンに合わせ、起動に必要なファイルなどをあらかじめ読み込ませておくことで、その曜日、その時間、よく利用するソフトウェアを即時に利用できるようになります。つまり、知らないうちに、ユーザーそれぞれに最適化された Windows Vista が待機してくれるようになるわけです。

図 2
図 2:Windows XP と Windows Vista(Windows SuperFetch) のメモリ管理の違い


検証 3
徹底検証!! Windows Vista の新しいインターフェイス「Windows Aero」でパソコンは重くなる?!

Windows Vista では、ウィンドウ枠が透過され、作業効率を向上させる新しいインターフェイス 「Windows Aero」 が搭載されました (Home Basic を除く)。美しい操作画面を実現する「Windows Aero」を使うためには、対応したグラフィック機能など、各種要件 (*1) を満たす必要があります。そのため、「Windows Aero を使うと遅くなるのでは? 」と気になっている方もいることでしょう。
(*1) DirectX 9/Pixel Shader 2.0 のサポート、64 MB のビデオ メモリ

パソコンやソフトウェアの起動が快適でも、きれいなインターフェイスを利用すると急速に重くなる、というのでは新しい OS を買った意味がありません。では実際そのパフォーマンスはどうなのでしょうか?

これについての調査は、Windows Media Player で音楽を聴きながら、さまざまな操作を長時間行っていることを想定し、Windows Vista でも Windows XP でも動作する UWSC というマクロソフト (自動的にさまざまな操作を行ってくれるソフトウェア) を用いてデスクトップ上のウィンドウを動かし続け、その間の CPU 負荷率を見てみました。

グラフ3
グラフ 3: Windows Vista SP1 (Windows Aero オン/オフ時) と Windows XP のソフトウェア操作による CPU 負荷率

結果!! Windows Aero 使用時の方が軽快! 決め手は Windows Vista の分業にあり

その結果がグラフ 3 です。結果を見るとわかりますが、Windows Vista SP1 の CPU の最大負荷率は、Windows Aero がオンの場合、Windows Aero がオフや、Windows XP の状態に比べ、どちらも約 2 倍も負荷が軽くなっています。

「ハードウェア スペックの要求が厳しい Windows Aero がなぜ?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、その秘密は CPU とグラフィック チップの“分業”にあります。Windows XP ではデスクトップ上のウィンドウの描画などの作業を、CPU だけが処理していました。これに対して Windows Aero は、ウィンドウ描画などの処理を 3D グラフィック チップ側で処理します。その分 CPU のパワーが解放されますので CPU を多く使う処理が迅速にこなされるのです。これは、Windows XP が開発された当時想定されていたグラフィック チップが飛躍的に機能向上し、Windows Vista がその性能をさらに引き出している、ということになります。Windows Vista の登場と Windows Aero によって、一部のゲーム ユーザーだけでなく、通常の利用でも、グラフィック チップの性能向上を体感できるようになったのです。


検証 4
徹底検証!! お手軽にメモリを追加?Windows ReadyBoost の実力はいかに?

ソフトウェアの動作を急激に低下させる原因として、メモリ不足が挙げられます。たくさんのソフトウェアを起動したり、サイズの大きな動画や画像などを多く扱うようになると、一時的に速度の遅いハードディスクを補助的に使用します。

Windows XP では、純粋にメモリを購入して増設するしか方法はありませんでしたが、メモリの増設は初心者にはちょっと敷居の高い作業かもしれません。ノート パソコンの場合は、そもそも増設ができないというケースもあります。

Windows Vista では、このようなメモリ不足を解決するために「Windows ReadyBoost」という仕組みが新たに加わりました。これは USB メモリなどを、パソコンのキャッシュ メモリとして使うという機能です。例えば USB メモリの空き容量のうち 512 MB をキャッシュ メモリとして使用すれば、それだけハードディスクに割り振られる負担が減ります。

最後に、この機能を使うとどの程度速度が向上するのか、ちょっと古いパソコンに Windows Vista SP1 をインストールし、Windows ReadyBoost の実力のほどを検証してみました。

検証テストでは、ちょっと古いパソコンとして、CPU が Pentium 4 のマシン、最新のパソコンとして CPU が Core 2 Duo のマシンを用意しました。メモリをそれぞれ 512 MB 搭載した状態で、そのままの場合、512 MB、1 GB の Windows ReadyBoost 用メモリを増設した場合で、「Outlook 2007、Word 2007、Excel 2007、PowerPoint 2007、Access 2007、Publisher 2007」を同時に起動するのに要した時間を測定しました。

グラフ4
グラフ 4: Windows Vista SP1 で Windows ReadyBoost によりメモリ追加をした場合の、搭載 CPU 別ソフトウェア起動時間の違い

結果!! 512 MB の Windows ReadyBoost で 1.4 倍に速度上昇!

その結果がグラフ 4 です。調査結果によると、Windows Vista SP1 では、この機能を利用しない場合に比べ、512 MB の USB メモリを差した場合で約 1.2 倍、1 GB のメモリを差した場合で約 1.8 〜 1.9 倍速度が上がっています。これは Windows ReadyBoost により USB メモリが、メモリ キャッシュとして機能しているためです (図 3)。USB メモリはデータの持ち運びなどにも利用できますし、1 本用意しておくと何かと便利に使えるでしょう。

図3
図 3: Windos ReadyBoost によるパフォーマンスアップのイメージ


Windows Vista Service Pack 1でパワーアップ ! SP1 では Windows ReadyBoostの効果がさらにはっきり現れる!

Windows Vista Service Pack 1 では、Windows ReadyBoost の機能がさらに改善されています。Windows Vista SP1 が適用されていない Windows Vista では、特定の環境においては、Windows ReadyBoost が十分に働かず、パフォーマンスの改善幅が小さくなってしまうことがありました。しかし、Windows Vista SP1 では、確実に効果を発揮するよう改善が施されました。起動の際に使用するデバイスに格納するデータ量を増やすことで、どの環境でも大幅な速度改善が見込めるようになったのです。Windows ReadyBoost 対応の USB メモリの価格はどんどん安くなっていますので、手軽なパフォーマンスアップの手段として導入してみてはいかがでしょうか。

結論
今回の結論!! Windows Vista の機能をフルに生かすため、パソコンの買い替えがオススメ!

これまで見てきたように、Windows Vista にはさまざまなパフォーマンス改善の機能が加えられています。「Windows Vista は重い」「Windows Aero を使うと遅くなる」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実際の測定結果はそれを覆すものでした。

ただし、新しいユーザー インターフェイス 「Windows Aero」 をはじめ、Windows Vista の機能をフルに活用するには一定の要件を満たす必要があります。そこで、今回の判定結果は「買い換えがオススメ」としたいと思います。

パフォーマンスを理由に乗り換えを躊躇していた人は、Windows Vista の目玉機能ともいうべき Windows Aero をフルに活用し、これまで以上に軽快で快適なパソコン ライフを満喫されてはいかがでしょうか?

さらに Windows Vista には、メモリ容量をお手軽にパワーアップさせる機能「Windows ReadyBoost」なども用意されています。そのため、相当古いパソコンでなければ、Windows Vista に載せ換えることでパフォーマンスの向上が期待できる点も付け加えておきたいと思います。

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