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Windows Media エンコーダの概要

作成者 : Jennifer Winters
マイクロソフト ニュー メディア プラットフォーム部門
2002 年 11 月


はじめに

Windows Media エンコーダ 9 シリーズは、インターネット経由のストリーミング、ユーザーのコンピュータへのダウンロード、またはハードウェア デバイスでの再生に適した形式へオーディオとビデオ コンテンツを圧縮する強力な作成ツールです。

概要
このドキュメントでは、エンコードと拡張関連の基本手順を含む、Microsoft® Windows Media® エンコーダ 9 シリーズの概要を示します。 また Windows Media 9 シリーズのコーデックの詳細も述べます。 このドキュメントは、オーディオとビデオの概念についての基本知識がある読者を対象とします。
このドキュメントは以下のトピックで構成されています。
エンコーダ関連の手順

エンコーダを使用するには、次の 3 つの基本手順を実行します。
  • ソースの選択。 リアルタイムでのライブ コンテンツ、オーディオまたはビデオ ファイルをエンコードできます。 また画面のキャプチャも可能です。 リアルタイム ソースには、CD プレーヤー、マイク、VCR、ビデオ カメラ (アナログとデジタル両方)、ビデオ テープ レコーダ (VTR)、ビデオ プレーヤー、または NTSC テレビ信号など、オーディオ カードまたはビデオ カードに接続できるものを含みます。 デスクトップから画面を直接取得し、エンコード中にスクリプト コマンドを挿入することもできます。 エンコーダは AVI や WAV など、最も一般的なファイルの種類をソースとして利用します。

    このエンコーダは、Windows ドライバ モデル (WDM) のドライバを備えたほとんどのキャプチャ デバイスで動作します。 このリリースでは、ビデオ キャプチャをサポートする ATI Radeon カードからのキャプチャ機能が新しく加わりました。 また、ほとんどの USB カメラもサポートします。

  • 目的とする配信先と品質設定の選択。 ダウンロード用ファイルの作成、コンテンツのストリーム、高品質なアーカイブの作成など、いずれの目的にも対応します。 エンコーダには多数の転送先設定、オーディオ設定、ビデオ設定が事前定義されており、セットトップ ボックス、PDA、CD、DVD、そしてもちろんインターネットなど、さまざまな転送先にコンテンツを簡単に配信できます。 ニーズに合わせて既定の設定をカスタマイズすることもできます。

  • 配布方法の選択。 コンテンツをファイルにエンコードしたり、エンコーダまたは Windows Media サーバーから直接ライブでブロードキャストします。 ファイルへのエンコードは、Web からのダウンロードによる音楽の提供、ラジオの再放送、ペイパービュー ビデオ、ビデオの制作と編集など、オンデマンド シナリオをサポートします。 ライブ ブロードキャストによって、インターネット ラジオ/TV ステーション、エグゼクティブ ブロードキャスト、ライブ ビデオ配信 (ポイントツーポイント) などのストリーミング シナリオも可能です。 ライブ ブロードキャストはエンコーダから直接ストリームすることや、プッシュ型またはプル型の配信を利用して、Windows Media サーバーからストリームすることができます。
上記の手順を簡素化するため、エンコーダにクイック スタートと新しいセッション ウィザードが追加されています。 クィック スタートはエンコーダに含まれているセッション ファイルで、一般的なエンコード シナリオに応じて設計されています。 これにはほとんどの設定が事前に含まれており、直ちにエンコードを開始できます。 したがって、ファイル名またはサーバー名など、コンテンツの情報を指定するだけで済みます。 また新しいセッション ウィザードを使用すると、最も一般的な 4 つのエンコード シナリオを構築するのに必要な手順を指示に従って実行できます。 このシナリオとは、ファイルのエンコード、ライブ イベントのブロードキャスト、オーディオまたはビデオのファイルへの取り込み、画面キャプチャの実行です。

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Windows Media エンコーダ 9 シリーズの拡張機能

Windows Media エンコーダはここ数年間で大幅に進化し、卓越したオーディオとビデオの品質に加え、制御機能と柔軟性を向上させる豊富な機能が追加されました。
  • 新しいエンコード モード。 1 パスおよび 2 パスの固定ビット レート (CBR) と可変ビット レート (VBR) エンコード モードのサポートも追加されました。 詳細情報については、このドキュメントの「CBR と VBR のエンコード モード」を参照してください。  

  • バッチ エンコード。 エンコーダ付属のユーティリティである Windows Media Encoding Script を使うと、コマンド ラインを使用してファイルをエンコードすることができます。 ファイルごとにエンコード セッションを設定しなくても、すべてのコンテンツを一度で自動的にエンコードします。 またフォルダ内のすべてのファイルをエンコードすることも可能です。

  • デジタル ビデオ カメラとビデオ テープ レコーダのデバイス コントロール。 IEEE 1394 デジタル ビデオ ポートに接続されたデジタル ビデオ (DV) カメラ、または Sony RS422 プロトコルをサポートし、COM ポート経由で接続されたビデオ テープ レコーダ (VTR) を直接制御することができます。 エンコードするテープの不連続な部分を指定する EDL (Edit Decision List) の構築も可能です。 これにより、ユーザー側では最小限の作業でエンコードを実行できます。 デバイス コントロールによって、DV カメラまたは VTR をソースとする場合に、1 パスまたは 2 パスのエンコードを使用できます。

  • マルチチャネルのオーディオ ソース。 6 チャネル (5.1 オーディオ) または 8 チャネル (7.1 オーディオ) のサラウンド サウンド再生に向けたマルチチャネル オーディオをエンコードします。 このフォーマットは、CD、DVD、高精細テレビ、デジタル シネマ オーディオのプログラム専用に設計されています。 ステレオ スピーカーでの再生中は、自動的に 2 チャネルに切り替えられます。

  • ライブ DRM。  エンコード中に、デジタル著作権管理 (DRM) 技術によってコンテンツを保護することで、エンコードされたコンテンツの使用を制御することができます。 DRM は、ファイルへのエンコード、ストリームのブロードキャストいずれにも使用できます。 エンコードしたコンテンツがキーを使って暗号化されている場合、コンテンツの再生にライセンスが必要となります。 ライセンスは、コンテンツのロックを解除するキーと、使用方法を管理する権利で構成されます。 たとえば、ユーザーがコンテンツを再生できる回数や、ライセンスの有効期限が決められています。 ライセンスはサードパーティのライセンス プロバイダによって発行されるので、コンテンツを保護する前に、アカウントを構築しなければなりません。 この手順はエンコーダを通じて実行できます。

  • プッシュ型配信。 リモートの Windows Media サーバーとの接続を開始し、コンテンツをストリームします。 これは、エンコーダがファイアウォールの背後にある場合や、エンコーダからのコントロールを増やしたい場合に有益です。 エンコーダから公開ポイントを作成し、ストリーム中にサーバー側の統計情報を受信することができます。

  • インターレースと非正方形ピクセルのサポート。 コンテンツのインターレースがサポートされており、より快適なテレビ再生が得られます。 非正方形ピクセルのサポートは、ゆがみを防止し、DV と MPEG-2 コンテンツの実質解像度を維持します。

  • 強化されたマルチビット レート (MBR) ストリーミング。 MBR オーディオとビデオ、そして単一のストリーム内での複数のフレーム サイズに対応したスケーラブルなビデオ解像度を使って、どんな視聴者にも適切なファイルを作成します。

  • 多言語。 異なる言語の音声にエンコードし、エンコーダ付属ユーティリティである Windows Media Stream Editor を使用して、複数の言語を 1 つの Windows Media ファイルに統合することができます。 再生中に、ユーザーは聞きたい言語を選択できます。

  • エンコーダ ユーティリティを使った追加機能。 追加機能を提供する 4 つのユーティリティが含まれています。 カスタムのプロファイルを作成および編集するには、Windows Media Profile Editor を使用します。 異なるファイルのストリームを分割または統合したり、ファイルでサポートする言語を追加するには、Windows Media Stream Editor を使用します。 Windows Media File Editor は、ファイルのインデックス化のほか、ファイル内のメタデータ、スクリプト、およびマーカーの編集、エンコード後のファイルの開始時間と終了時間のトリミングに使用します。 またバッチ エンコードには Windows Media Encoder Script を使用します。
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CBR と VBR のエンコード モード

Windows Media エンコードを使用すると、固定ビット レート (CBR) または可変ビット レート (VBR) でオーディオとビデオ コンテンツをエンコードすることができます。 使用するモードは、目的とするソースとシナリオによって異なります。
  • 1 パスの CBR。 ライブ コンテンツのキャプチャ時、ブロードキャスト時、または従来のプレーヤーやデバイスを対象とする場合に使用します。 このモードは高速なエンコードを実現します。

  • 2 パスの CBR。 ファイルからのキャプチャやファイルへのエンコードの際に使用します。 このモードは高品質を提供するので、複雑なシーンのエンコードに適しています。

  • 品質ベースの VBR (1 パス)。   コンテンツを保存する場合など、一定した品質を維持したい場合に使用します。 全体的に一貫した品質が確保されます。 また品質の維持が必要な場合はビットレートを増やします。

  • ビット レート ベースの VBR (2 パス)。 予測可能な平均帯域幅の範囲内で、実現できる最高レベルの品質で保存したい場合に使用します。 このモードは、再生前にダウンロードできるファイルの作成を計画している場合、または出力ファイルのサイズを制御したい場合に使用します。

  • ピーク ビット レート ベースの VBR (2 パス)。 CD または DVD プレーヤーなど、読み取り速度に制約のあるデバイスで再生するコンテンツを作成する場合に使用します。 ビット レートのピークを指定する以外は、ビット レート ベースの VBR でのエンコードとほぼ同じです。
1 パスのエンコードでは、コンテンツはエンコーダを一度通過するだけです。 圧縮はコンテンツが発生したときに適用されます。 2 パスのエンコードでは、最初のパスでコンテンツを分析し、その際に収集したデータに基づき、2 度目のパスでエンコードされます。 つまり、バッファによって指定されたウィンドウ内に、エンコーダがより効率的にビットを割り当てるので、結果的にコンテンツの品質が向上します。 ただし、すべてのコンテンツが 2 度エンコーダを通過するので、エンコードに要する時間が長くなります。 またライブ イベントのブロードキャストなど、一部の状況では使用できません。

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コンテンツの圧縮

オーディオとビデオ コンテンツをストリーミングできるようにするには、適度なサイズにコンテンツを圧縮しなければなりません。 エンコーダは、目的の出力品質と利用可能な帯域幅を考慮して、データにアルゴリズムを適用することで圧縮を達成します。 次に、コンテンツを再生する前に、圧縮解除アルゴリズムを使用して、コンテンツの圧縮を解除します。 この圧縮と圧縮解除のアルゴリズムをコーデックと呼びます。

次の例は、圧縮前と後のサイズの違いを示したものです。 圧縮前は、一般的な 2 時間の TV ムービーをコンピュータに格納するには約 200 ギガバイト (GB) 、ストリームするには約 225 メガビット/秒 (Mbps) が必要となります。 必要なストリームは、DSL 接続の速度の約 450 倍、56 Kbps モデム接続の速度で約 4,000 倍です。 一方、VHS 品質での圧縮後は、同じムービーの保存に約 0.5 GB、ストリームに約 500 キロビット/秒 (Kbps) しか必要としません。

コーデックは、特別な種類のコンテンツを念頭に置いて設計されています。 このように特化されているため、あらゆる種類を対象に設計された場合を除き、すべてのメディアで効率的に動作するコーデックはめったにありません。 たとえば、音楽で快適に動作するコーデックは、高い品質の音声を生成できますが、その音声コンテンツが絶対最小サイズに圧縮されることはありません。 このような理由から、エンコーダには、次の表に一覧表示したような複数のコーデックが含まれています。

コーデック 説明
Windows Media Audio 9 Windows Media Audio 8 コーデックを 20% 上回る圧縮率を達成しました。 1 パスおよび 2 パスの CBR と VBR エンコードをサポートします。 Windows Media Player 6.4 以降での再生が可能で、120 を超える Windows Media 互換デバイスで機能します (Windows Media Player バージョン 6.4 で VBR コンテンツを再生すると、動作不良が生じたり、音が出ない場合があります)。
Windows Media Audio 9 Professional マルチチャネルのオーディオ カードと Microsoft Windows® XP がインストールされたコンピュータで、フル サラウンド サウンド エクスペリエンスを実現します。 ステレオでの全分解能オーディオ (24 ビット/96 KHz サンプリング)、ビットレート 128 Kbps から 768 Kbps でのストリーミングまたはダウンロード再生の配信に向けた 5.1 チャネル サラウンド (7.1 まで) を取り込みます。 再生デバイスのスピーカー構成に応じて、マルチチャネル オーディオを 2 チャネル (ステレオ) または 1 チャネル (モノラル) へとインテリジェントに切り替えます。 1 パスおよび 2 パスの CBR と VBR エンコードをサポートします。
Windows Media Audio 9 Lossless 計算上の損失なくオーディオ コンテンツをエンコードします (2:1 から 3:1 の圧縮率)。 マルチチャネル オーディオのエンコードとダイナミック レンジ コントロールをサポートします。
Windows Media Audio 9 Voice 音声強調による優れた品質のオーディオ コンテンツを提供します。 20 Kbps 以下のデータ レートでの再生を目的とします。 音声と音楽の混在したコンテンツのエンコードが可能です。 また、20 Kbps 以下のビットレートでの再生にも対応します。 これは、Sipro Labs ACELP コーデックに代わって提供されます。
Windows Media Video 9 ストリーミング、ダウンロード再生、および物理形式での配布の各シナリオで、高品質のビデオを作成します。 Windows Media Video 8.1 コーデックと比べ、15 〜 50% 圧縮率が向上しています (ビットレートが高いほど改善の割合がいっそう高くなります)。 テレビやセットトップ ボックスで、インターレース化されたコンテンツを再生することができます。 サポートする解像度は、10 Kbps の 160 x 120 ピクセルから、3 〜 20 Mbps の 1920 x 1080 (1080i/p) です。 1 パスおよび 2 パスの CBR と VBR エンコードをサポートします。
Windows Media Video 9 Screen 共有イメージ、スクリーンの動き、スクリーン キャプチャのスクロールの処理が向上しました。 フレーム落ちのない 1 パスの CBR と VBR エンコードをサポートします。 ストリーミングとダウンロード再生の両方に合わせて完全に最適化されています。


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ハードウェアとソフトウェアの要件

ハードウェアとソフトウェアの要件についての最新情報を複数の Web サイトから入手できます。 Back to the top of this page トップに戻る



詳細情報

Windows Media エンコーダまたは Windows Media 9 シリーズの詳細情報については、以下を参照してください。 法的な注意
このドキュメントに記載されている情報は、このドキュメントの発行時点におけるマイクロソフトの見解を反映したものです。 変化する市場状況に対応する必要があるため、このドキュメントは、記載された内容の実現に関するマイクロソフトの確約とはみなされないものとします。 また、発行以降に発表される情報の正確性に関して、マイクロソフトはいかなる保証もいたしません。

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