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Windows Media サービス 9 シリーズの概要

作成者 : Tricia Gill
マイクロソフト ニュー メディア プラットフォーム部門
2002 年 11 月


はじめに

インターネットを閲覧しているなら、すでに Web サーバーには馴染みがあるでしょう。 しかし、インターネットを介してオーディオとビデオ コンテンツをストリームする場合に、ストリーム メディア サーバーからコンテンツが配信されることは知られていないかもしれません。 ストリーム メディア サーバーはいくつかの点で Web サーバーとは異なります。

まず、Web サーバーはクライアント コンピュータへできるだけ素早くデータを配信した後、次の要求を処理します。 遅れを最小限に留めつつ、目的とする転送先へデータを届けるため、このデータはある程度まとめて配信されます。 対照的に、ストリーム メディア サーバーは、予測可能なレートでデータを送信するため、クライアントまたはプレーヤーとの一定した接続を確保しなければなりません。 コンテンツのフローを乱し、エンド ユーザー エクスペリエンスにマイナスの影響を与えかねない再生時の動作不良やバッファ遅れの可能性を減らすため、予測可能なレートを維持することが重要です。
概要
インターネット上でデジタル メディア コンテンツをストリームするには、ストリーム メディア サーバーを使用しなければなりません。 この記事では、ストリーム メディア サーバーが Web サーバーとどのように異なるかを説明すると共に、マイクロソフトの最新のストリーム メディア サーバーである Microsoft® Windows Media® サービス 9 シリーズの概要を示します。 この記事は、ネットワークの知識と、以前に Windows Media サービスを使用した経験のあるイントラネットおよびインターネット ブロードキャスト企業、IT プロフェッショナル、または Web 設計者を対象としています。
ストリーム メディア サーバーは、プレーヤーから受信したフィードバックに基づいて、クライアントへ送信するデータを調整できる上に、クライアント データのログも記録します。 このログは、サーバーの動向の把握、ボトルネックの特定、またはパフォーマンス上の問題解決に使用することができます。 Web サーバーはこの種の機能を提供しません。

次に、Web サーバーは、ストリームに最適なプロトコルであるユーザー データグラム プロトコル (UDP) を使用することができません。 クライアントが Web サーバーのコンテンツを要求すると、プレーヤーがサーバーからデータを収集し、一時的に格納するか、またはバッファリングするので、無音の期間が生じ、ストリーム配信が妨害される可能性が高くなります。

3 番目に、Web サーバーはライブまたはマルチキャストのストリーミングをサポートしません。 ライブ ストリーミングは、ライブ プレゼンテーションの実施など、重要なニュースを社員に配信する場合に極めて有益です。 さらに、マルチキャスト配信に対応できるネットワークの場合、単独のストリームを多数のユーザーへ配信して、帯域幅を節約することができます。

4 番目に、Web サーバーはメディア サーバーで可能な多数の再生オプションをサポートしません。 たとえば、メディア サーバーからストリームされる遠隔学習の授業を閲覧する場合、教師の講義の一部を巻き戻して再生したり、自分に関係のない部分を早送りしたりすることができます。 また、VCR で映画を見ているときのように、ストリームの開始、停止、または一時停止を常時実行できます。

最後に、Web サーバーはマルチ ビット レートでコンテンツをストリームできません。 さまざまな接続速度でサーバーへアクセスしている多数のクライアントに、コンテンツをストリームする必要がある場合に、マルチ ビット レートは有益です。

Microsoft Windows Media サービス 9 シリーズは、マイクロソフトの提供する最新のストリーム メディア サーバーで、Microsoft Windows Server 2003, Standard Edition、Windows Server 2003, Enterprise Edition、および Windows Server 2003, Datacenter Edition のオプション コンポーネントです。 この文書では、Windows Media サービスの新機能の一部をご紹介すると共に、次のトピックを取り上げます。
  • 柔軟な管理 Windows Media サービスで利用できる 3 つの管理インターフェイスとそれぞれの用途について説明します。

  • リアルタイムの監視 サーバー、公開ポイント、およびストリームの統計情報をリアルタイムで閲覧する際に使用できる、さまざまな方法について説明します。

  • 公開ポイント さまざまな種類の公開ポイントと、それらを簡単に作成する方法について説明します。

  • 拡張可能なプラットフォーム プラグインを使用して、プラットフォームをカスタマイズまたは拡張する方法について説明します。

  • 動的なコンテンツ配信 サーバー側再生リスト、クライアント側再生リスト、およびラッパー広告やすき間広告などについて述べます。

  • 詳細情報 追加リソースを掲載しています。

柔軟な管理

Windows Media サービスの管理が従来にないほど簡単になりました。 Windows Media サービスには 3 種類の管理ツールが提供されており、事実上、どんな環境でもサーバーを管理することができます。
  • Microsoft 管理コンソール (MMC) の Windows Media サービス スナップインは、サーバーの管理作業を簡素化するよう設計されたフル機能のまったく新しいインターフェイスです。 新しいウィザードによって、一般的な管理作業のセットアップと設定が簡単になります。 Windows Server 2003, Standard Edition、Windows Server 2003, Enterprise Edition、または Windows Server 2003, Datacenter Edition を実行するコンピュータであれば、MMC に Windows Media サービスのスナップインを追加することができます。 また、リモート デスクトップ接続を使用したスナップインへのアクセスも可能です。

  • HTML 3.2 ベースのインターフェイスである Windows Media Services Administrator for the Web は、オフィスに不在の際や、ファイアウォールまたは低帯域幅のネットワーク経由、あるいは Windows 以外のオペレーティング システムを使用して Windows Media サービスを管理している場合に、新たな方法でサーバーを管理できます。 この Web ベースのアドミニストレータは、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) でホストされる ASP (Active Server Pages) を使用して、Windows Media サービス スナップインでも使用できる多数の機能を実行できます。 また、使いやすいスナップインのユーザー インターフェイスと極めて類似した設計になっています。 Windows Media Services Administrator for the Web をインストールして使用する前に、NTFS ファイル システムを使用してコンピュータを構成しなければなりません。

  • コマンド ラインによって、Telnet 接続またはバッチ プログラムを使用して Windows Media サービスを実行しているサーバー (Windows Media サーバーと呼ばれる) を、スクリプトを使って管理することができます。

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リアルタイムの監視

Windows Media サービス スナップインを使用すると、個々のサーバーまたはサーバーのグループを管理コンソールに追加し、単一の場所から管理できるようになります。 サーバーをグループ化すると、ビジネスの特定の側面に関する情報を収集する場合に役立ちます。 たとえば、地理的な場所、コンテンツのソース、またはビジネス アプリケーションに応じてサーバーをグループ化することが可能です。

リアルタイムの統計情報は、グループ化されたサーバー、個々のサーバー、および個々の公開ポイントで利用できます。 この統計情報は常時更新され、接続したプレーヤーの数、使用された帯域幅の量、CPU の利用状況などの情報を提供します。 この情報は、サーバーの状態、ストリーム割り当て、トラフィックのパターン、ストリームの質を特定する場合に極めて有益です。

グループの要約情報は、Windows Media サービス スナップインでのみ利用できます。 個々のサーバーと公開ポイントの統計情報は、スナップインと Windows Media Services Administrator for the Web 両方の [監視] タブから表示できます。

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公開ポイント

クライアントは公開ポイントへ接続して、サーバーからのコンテンツ ストリームにアクセスします。 Windows Media サービス 9 シリーズでは、公開ポイントの利用が拡張され、オンデマンドとブロードキャストの公開ポイントの両方を含みます。 以前のバージョンの Windows Media サービスを使用していれば、オンデマンド公開ポイントについてはすでに馴染みがあるかもしれません。 ブロードキャスト公開ポイントは、以前のバージョンのテクノロジで使用されていたステーション、プログラム、およびストリームに代わって、Windows Media サービス 9 シリーズで初めて採用されたものです。

いずれかの種類の公開ポイントを構成すると、エンコーダ、ファイル、または再生リストからコンテンツをストリームすることができます。 ただし、それぞれの公開ポイントには、いくつかの重要な相違点があります。 基本的に、ストリームの再生をクライアントが制御できるようにする場合は、オンデマンド公開ポイントを使用し、サーバーからストリームの再生を制御する場合は、ブロードキャスト公開ポイントを使用します。 オンデマンド公開ポイントとブロードキャスト公開ポイントの具体的な違いについては、Windows Media サービスのヘルプを参照してください。

ウィザードを使用すると、公開ポイントの作成が容易になります。 これらのウィザードは、ブロードキャストやマルチキャスト用のアナウンス ファイルを簡単に作成したり、ストリームのテストに使用する Web ページを作成したりする場合にも役立ちます。

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拡張可能なプラットフォーム

Windows Media サービスは、約 60 のインターフェイスで 500 以上のプロパティとメソッドを公開するオープンなプラットフォームです。 この充実したインターフェイスを使用すると、Windows Media サーバーのプログラマティックな構成や、接続されたサーバーおよびクライアントの監視、ログ統計情報の利用が可能です。

インストールされたプラグインを使用して、Windows Media サーバーの機能をカスタマイズすることや、固有の機能を作成することもできます。 Windows Media サービスは以下の種類のプラグインにインストールされています。 それぞれのプラグインは必要に応じて有効または無効にすることができます。
  • 認証
  • キャッシュ/プロキシ
  • 制御プロトコル
  • データ記述
  • データ ソース
  • イベント通知と承認
  • ロギング
  • メディア解析
  • 再生リスト パーサー
Windows Media サービス 9 シリーズのソフトウェア開発キット (SDK) の提供するインターフェイスによって、C、C++、C#、Microsoft Visual Basic®、Visual Basic Scripting Edition (VBScript)、Microsoft JScript®、およびその他のスクリプト言語を使用して、カスタム アプリケーションを作成することができます。

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動的なコンテンツ配信

Windows Media サービス 9 シリーズによって、サーバー側再生リストと広告を使用して、コンテンツの配信をカスタマイズすることができます。 一旦コンテンツをカスタマイズすれば、最新のプロトコルとキャッシュ/プロキシ ソリューションを使用して、サーバーを相互にリンクし、インターネット経由で簡単に配信できます。

Windows Media のサーバー側再生リストは、Synchronized Multimedia Integration Language (SMIL 2.0) 標準に基づいた拡張マークアップ言語 (XML) のテキスト文書です。 これにはサーバーがクライアントへストリームするコンテンツの一覧が含まれ、 ライブ ブロードキャスト中でもすべてをカスタマイズすることができます。 ブロードキャスト公開ポイントとオンデマンド公開ポイントはいずれも、サーバーで実行されるサーバー側再生リストからコンテンツをストリームできます。 サーバー側再生リストには、ライブまたは既存のコンテンツを含めることができ、ユニキャストまたはマルチキャスト送信を使用して配信することができます。 サーバー側再生リストは、.wsx ファイル名拡張子で表されます。

サーバー側再生リストは、.asx ファイル名拡張子を持つクライアント側再生リストとは異なります。 ユーザーは、Windows Media Player を使用して、クライアント側再生リストを作成し、再生するコンテンツや再生順を決定します。 サーバー側再生リストとクライアント側再生リストを相互に利用して、ストリーム メディア システムの接続の信頼性を高めることができます。 たとえば、ストリーム中に一方が停止した場合に備え、Player で Windows Media サーバーを交互に使用するよう、クライアント側再生リストを指定することができます。 また、元のコンテンツ ソースが利用できない場合、サーバー側再生リストの switch 要素を使用して、バックアップ エンコーダにサーバーをリダイレクトしたり、オンデマンド ファイルを代わりに使用したりすることができます。

エンド ユーザーはサーバー側再生リストに含まれたコンテンツを制御することはできませんが、オンデマンド公開ポイントからストリームされるコンテンツの再生方法を、一部制御することができます。 再生リストとオンデマンド公開ポイントを関連付けることで、ユーザーによるコンテンツの早送り、再生リストの別のエントリへのスキップ、および再生の一時停止と再開が可能です。 Windows Media Player 9 シリーズ、または Windows Media Player 9 シリーズの ActiveX® コントロールを使用したプレーヤーでは、一時停止、早送り、スキップなどの機能がサポートされます。 以前のバージョンの Windows Media Player を使用してストリームに接続するユーザーは、サーバー側再生リスト内のコンテンツの再生を制御することはできません。 このようなユーザーがサーバー側再生リストの受信中に、Player を停止し、再開した場合、再生は再生リストの最初から始まります。

ブロードキャスト公開ポイント経由で再生リストに接続している場合、ユーザーは再生リストに指定されたとおりにストリームを受信するので、ストリームの開始と停止以外、再生を制御することはできません。 ラジオ放送またはテレビ放送と同様、ブロードキャスト公開ポイントからのストリームをユーザーが停止しても、ブロードキャスト公開ポイントのストリームは継続されます。 ユーザーが [再生] をクリックして、再生を再開すると、ユーザーが以前にどの場所で停止したかに関係なく、プレーヤーは現在再生されているコンテンツと同期されます。

以下は、サーバー側再生リストを使って行える例です。
  • 一連のコンテンツのストリーム、コンテンツの繰り返し、コンテンツの継続時間の設定。

  • ハンドヘルド PC やセットトップ ボックスなど、クライアント側再生リストをサポートしないデバイスへコンテンツをストリームする。

  • コンテンツの前と後に、広告を挿入したり、サイト ブランドやスポンサー情報を表示する。 再生リストは公開ポイントに付加されたテンプレートなので、再生リスト内のコンテンツは、公開ポイントからストリームされるコンテンツに関係なくストリームされます。

  • 広告または緊急の告知をコンテンツに割り込ませる。

  • ASP または CGI スクリプトを使用して、再生リストがストリームされるたびに広告を動的に表示する。

  • クライアントが気付くような遅れを招かずに、ライブ ストリームと格納されたストリームを切り替える。

  • 再生リストを動的に変更および保存する。 またはユーザーのプロファイルや設定に応じて実行中に再生リストを構築する。 再生リストへのリンクを、コンテンツの変更時に更新する必要がありません。

  • Windows Media エンコーダまたは別の Windows Media サーバーを含む、さまざまなソースからコンテンツをストリームする。

  • 再生リストを相互にネストする。
広告
ストリーミング広告は、Web サイトの収益創出に優れた手段です。 Windows Media Services は、サードパーティの広告サーバーを統合し、次の方法で広告を使用できるようにします。
  • 再生リストの最初と最後 (ラッパー広告)、または再生リスト内の任意の場所 (すき間広告) に広告を配置する。

  • 国内、地域、地方、またはその他の人口統計情報に基づいて、表示する広告を動的に変更する。

  • Cookie やその他のデータ収集ツールから集めた情報に基づいて、広告をパーソナライズする。

  • AFTRA (American Federation of Television and Radio Artists) が定めた再放送要件に準拠した広告をオーバーレイ表示する。

  • 特定のブロードキャストで広告が再生された回数、または広告全体を閲覧したユーザーの数などの広告データをログに記録する。
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