Windows Media 9 シリーズのダイナミック レンジ コントロール- コンテンツが Windows Media Audio 9 Professional または Windows Media Audio 9 Lossless コーデックでエンコードされる際、ダイナミック レンジ コントロールがどのように適用されるかの情報を提供します。
ダイナミック レンジ値の調節 - Microsoft Windows Media エンコーダ 9
シリーズに含まれるユーティリティ、Windows Media ファイル エディタを使ってダイナミック
レンジ値を変更する場合の、ベストプラクティスと予測される動作を解説します。
Windows Media Audio 9 Professional または Windows Media Audio 9 Lossless コーデックでコンテンツがエンコードされる際、コーデックはダイナミック レンジの値を計算し、それをエンコードされた Windows Media ファイルのヘッダに挿入します。 エンコード時に計算されるのは、コンテンツの平均音量とピーク音声レベルです。 これらの値はそれぞれ参照平均値、参照ピーク値と呼ばれます。
再生時には Windows Media Player 9 シリーズの静音モード機能により、ダイナミック レンジ コントロールが適用されます。 静音モード機能はダイナミック レンジに影響を与える、[オフ]、[中程度]、[小さく] という 3
つの設定を備えます。 この設定は既定で、再生時のダイナミック
レンジに次のような効果を与えます。
オフ - 処理が行われず、コンテンツは最大のダイナミック レンジで再生されます。
中程度 - コンテンツの大音量と小音量の差を、中程度に抑えて再生します。 音量差は大幅には縮小されません。 音声信号のピーク値は、平均レベルより 12 dB 上までに制限されます。
小さく - コンテンツの大音量と小音量の差を、非常に小さく抑えて再生します。 音量の差異縮小率は最大になります。 音声信号のピーク値は、平均レベルより 6 dB 上までに制限されます。
Windows Media エンコーダ 9 シリーズに含まれたユーティリティ、Windows Media ファイル エディタによってコンテンツ作成者は、エンコード時に計算された参照値とは異なるダイナミック レンジ値を指定することができます。 エンコードされたファイルを Windows Media ファイル
エディタで開いたときに、作成者は参照ピーク値と参照平均値を確認し、それぞれに異なった値を指定することができます。 この記事では、Windows Media ファイル エディタを使ってユーザーが指定するこの値を、ターゲット ピーク値およびターゲット平均値と呼びます。 ターゲット ピーク値とターゲット平均値は各参照値を上書きするわけではなく、Windows Media ファイルのヘッダに追加されます。
このセクションでは、Windows Media ファイル エディタを使ってターゲット
ピーク値とターゲット平均値を指定する場合のベスト
プラクティスと予測される動作を解説します。 一般に、ピーク値だけを調節することが推奨されます。 平均値を調節しても、大音量と小音量の差には影響を与えません。 これは単にオーディオ全体の平均ボリュームをカットまたは増大させ、再生時に好ましくない歪みを生じさせる可能性があります。
Windows Media ファイル エディタでターゲット ピーク値だけを指定し、ターゲット平均値を指定しなかった場合、静音モード設定が再生時に次のような効果を与えます。
たとえば、参照ピーク値が -3 dB、参照平均値が -20 dB であると仮定します。 ターゲット ピーク値が指定されていない場合、静音モード機能の [中程度] 設定ではピーク値が
-8 dB、[小さく] 設定ではピーク値が -14 dB となります。 Windows Media ファイル エディタを使用してターゲット ピーク値を 0 dB に指定した場合、[中程度] 設定のピーク値は -3 dB となり (参照ピーク値と同じ)、[小さく] 設定ではターゲット ピーク値とターゲット平均値の平均点が計算され、-10 dB のピーク値となります (平均点は 0 dB と -20 dB を加算し、それを 2 で割ったもの)。 一方、ターゲット ピーク値を -10 dB に指定した場合、[中程度] 設定では -10 dB のピーク値 (ターゲット ピーク値と同じ)、[小さく] 設定では -15 dB のピーク値となります (-10 dB に -20
dB を加算し 2 で割ったもの)。
たとえば、参照ピーク値と平均値がそれぞれ -3 dB と -20 dB、ターゲット ピーク値と平均値が -5 dB と
-15 dB と仮定します。 元のダイナミック レンジ (-3 dB 引く -20 dB で 17 dB) はターゲット ダイナミック レンジ (-5 dB 引く -15 dB で 10 dB) よりも大きいため、[中程度] 設定では平均値が
-15 dB、ピーク値が -5 dB となります。 [小さく] 設定では、平均値が -15 dB、ピーク値が -10 dB となります。
別の例として、参照ピーク値と平均値がそれぞれ -3
dB と -20 dB、ターゲット ピーク値と平均値が -5
dB と -25 dB というケースを仮定します。 元のダイナミック レンジ (-3
dB 引く -20 dB で 17 dB) がターゲット ダイナミック レンジ (-5
dB 引く -25 dB で 20 dB) よりも小さいため、[中程度] 設定では平均値が -25
dB (ターゲット平均値と同じ)、ピーク値が -8
dB (-25 dB 足す 17 dB) となります。 [小さく] 設定ではターゲット ダイナミック レンジが、[中程度] 設定のターゲット ダイナミック レンジの半分と等しくなります。 したがってこの例では、[小さく] 設定のターゲット ダイナミック レンジは 10
dB (20 dB の半分) となり、使用される平均値は -25
dB のまま、使用されるピーク値が -15 dB (-25
dB 足す 10 dB) となります。
Windows Media 9 シリーズのダイナミック レンジ コントロール実施に関する詳細は、Windows Media ファイル エディタ ヘルプを参照してください。 Windows Media ファイル エディタは、Windows Media サイトからダウンロードできる Windows Media エンコーダに含まれています。