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HD 形式について理解する

ベン ワゴナー ベン ワゴナー
ベン ワゴナー デジタル
2004 年 1 月









目次
はじめに

高精細テレビ (HDTV) は、1980 年代の後期に初めて全国的な舞台に登場しました。しかし、現在でも HDTV システムを持っているのは米国消費者のごく一部であり、他の先進工業国ではさらに使用者の数は少ないのが現状です。
ベンについて
ベン ワゴナーは、業界屈指のデジタル ビデオ コンサルティング トレーニングとエンコーディング サービスを行っています。ベンは、Journeyman Digital 社で創立者兼主任テクノロジストとして勤めた後、Media 100 社と Terran Interactive 社でコンサルティング サービス部長を歴任しました。現在は、DV Magazine 誌の補助編集員としてビデオ圧縮に関する多数の記事を書いています。詳細については、ベンのWeb サイト 外部リンクへ をご覧ください。
 
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リソース
WMV HD サンプルのダウンロード
しかし、ビデオとフィルムの高精細 (HD) 制作物は急速に増え、高精細対応ディスプレイのインストール ベースも拡大しています。消費者は、この高画質ディスプレイを利用した高品質コンテンツを求めています。放送電波を経由してコンテンツを配信することに加え、相当量のコンテンツがコンピュータを通じてディスプレイに配信されると思われます。消費者の声が、今後 HD コンテンツの利用を拡大する推進力になるでしょう。

HD コンテンツの要件を理解していただくために、この記事では、HD のオーディオとビデオ、一般的な HD 記録形式、HD 用のストレージとバックアップ システムなど、HD 形式と概念の基本を解説します。これらの基礎知識は、本シリーズの今後の記事で取り上げるインターレース プロファイルやインターフレーム エンコーディングのような概念を理解する上で欠くことができません。

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HD 形式: 評判の悪い「表 3」

Advanced Television Systems Committee (ATSC) は、米国におけるテレビ放送の標準を策定します。評判の悪い ATSC 表「3」には、今日使用されている HD 形式がまとめられています。この表の HD 形式を以下に示します。ATSC は米国の標準なので、この表に、西ヨーロッパで採用されている放送方式である PAL (phase alternating line) フレーム レートの対応値を追加しました。PAL フレーム レートは、Digital Video Broadcasting (DVB) グループにより明確に定義され、世界の他の国々で使われています。

表 1: ATSC の表 3 から抜粋した HD 形式と PAL フレーム レート

解像度 縦横比 1 秒当たりのインターレース フレーム数 (fps) プログレッシブ fps
1280 × 720 16:9   23.976、24、29.97、30、59.94、60
1920 × 1080 16:9 25 (50i)、29.97 (59.94i)、30 (60i) 23.976、24、29.97、30

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HD のビデオ

次の節では、フレーム サイズやフレーム レートなどの主要なビデオ要素、そしてそれらを HD に適用する方法について説明します。

フレーム サイズ
HD ソース形式は、ほとんどが 1920 × 1080 または 1280 × 720 の解像度です。1080 と 720 標準には本質的な違いがあることに注意してください。1920 × 1080 の解像度には、同じフレーム レートの 1280 × 720 の解像度に比べて 2.25 倍のピクセルが含まれます。この違いが、エンコード時間、デコード速度、およびストレージの観点から 1080 コンテンツを処理する上での要件を厳しくしています。

図 1: 画面解像度

図 1: 画面解像度

プログレッシブ対インターレース フレーム
720 形式はすべてプログレッシブです。1080 形式はプログレッシブとインターレースが混じったフレーム タイプです。コンピュータとそのディスプレイは本質的にプログレッシブであるのに対し、テレビ放送はインターレース技術および標準に基づいています。Windows Media では、プログレッシブはインターレースよりも高速なデコーディングと良質な圧縮を提供しますので、可能なときは常にプログレッシブを使用すべきです。インターレース プロファイルに関しては今後の記事で詳細情報をお届けします。

HD 関連の表記では、プログレッシブは「p」の文字で、インターレースには「i」の文字で示します。文字はフレーム サイズとフレーム レートの間に置かれます。この値を表現する方法はいくつかあります。たとえば、1080 ピクセルのフレーム サイズで 60 fps のインターレース フレーム レートは 1080/60i と示されます。プログレッシブ コンテンツの場合、フレーム レートは 1 秒当たりのフレーム数を示します。インターレース コンテンツの場合は、1 秒当たりのフィールド数を示します。つまり、60i は 1 秒当たり 30 フレームで、そのフレームはそれぞれ 2 つのフィールドを持ちます。

フレーム レート
HD のフレーム レートは、24、25、30、または 60 fps で、オプションとして 0.1 パーセント低いフレーム レートで動作し、30 fps に対して 29.97 fps になる National Television Systems Committee (NTSC) のバリアントを持ちます。これらのバリアントは、30000/1001 (通常 29.97 と表記)、24000/1001 (通常 23.976 と表記)、および60000/1001 (通常 59.94 と表記) で計算するとわかりやすいでしょう。

フレーム レートはパフォーマンスにも重要な影響を与えます。60p の値は、24p の値に比べ 2.5 倍の帯域幅と処理能力を必要とします。

8 ビット対 10 ビット形式
ビデオ形式は、1 チャンネル当たり 8 ビットまたは 1 カラー チャンネル当たり 10 ビットです。8 ビット形式は、黒から白まで 256 階調で、10 ビット形式は 1024 階調です。編集中またはポスト プロダクション中にソースが集中的に処理されているとき、この補足的ディテールがビデオ画質を向上させます。現在、最終的な Windows Media ファイルは 8 ビットなので、ビデオを Windows Media ファイルとして圧縮するつもりであれば HD コンテンツを 10 ビット形式で取り込む必要はありません。

カラー スペースとサンプリング技術について書かれた数多くの資料があります。実際、この話題だけで本を 1 冊書くことができます。カラー情報は、カラーの取り込み時 (イメージ センサーなど) であっても 表示時 (CRT モニターなど) であっても RGB 値で表現できます。また、YUV または Y'CbCr として知られるカラー スペースは、明度または輝度 (Y) と色差信号 (Cb,Cr) を表します。Y'CbCr カラー スペースは、カラーが知覚される方法を描写するのに向いています。

人の目は緑の色調の明度に最も敏感で、赤の色調の明度は感じにくく、青の色調の明度に最も鈍感です。Y'CbCr カラー スペースは、より多くの帯域幅を Y に割り当て、Cb と Cr に割り当てる帯域幅を減らすことにより、知覚の違いを利用することができます。テクノロジにより、コンポーネントごとに 1 サンプル当たり 8 ビットまたは 10 ビットでカラーがサンプリングされるとき、カラーはコンポーネントごとに異なる帯域幅を使用できます。

たとえば、ビデオは次のサンプリング レートの 1 つを使用できます。
  • 4:4:4 Y、Cb、および Cr は、各 Y サンプルに対して 1 つの Cb サンプルと 1 つの Cr サンプルを使い、各フィールドまたはフレーム ラインに沿って均等にサンプリングされます。ハイエンドのビデオ編集システムは 4:4:4 を使用し、しばしば未圧縮のビデオが使われます。
  • 4:2:2 Y は全ピクセルでサンプリングされますが、Cb と Cr のカラー情報は 1 ピクセルおきにサンプリングされます。このサンプリング レートは帯域幅の要件を大幅に軽減しますが、カラーの忠実度はごくわずかしか劣化しません。多くの編集システムは、このレベルのカラー情報を処理します。
  • 4:1:1 Y は全ピクセルでサンプリングされますが、Cb と Cr のカラー情報は 4 ピクセルおきにサンプリングされ、帯域幅をさらに節約します。このサンプリング レートは、消費者向け DV カメラで使われ、現在、Microsoft Windows Media® ビデオ 9 コーデックのインターレース モードで既定サンプリング レートとして採用されています。
  • 4:2:0 このサンプリング レートは、「空間サンプリング」として知られる別のテクニックを使用します。このテクニックでは、2 × 2 の正方形ピクセルを取得します。この記事後半の『HD 取り込みのためのストレージ要件』で説明するように、4:2:0 は、Windows Media ビデオ 9 コーデックのプログレッシブ モードと大部分の HD テープ形式で既定値として使用されています。
もう 1 つ気をつけなければならない点は、Y、Cb、および Crの値が HD 形式では標準精細 (SD) のビデオ形式とは若干違って表示されることです。特に、HD 形式は、CCIR (国際無線通信諮問委員会) の 601 カラー形式ではなく 709 カラー形式を使用します。今後の記事で、カラー形式におけるこうした違いを扱う方法について説明します。

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HD のオーディオ

HD は事実上どんなオーディオ形式でも作成できます。古い標準の 48 kHz 16 ビットのオーディオが多くの場面で使用されます。20 ビットや 24 ビットのような高いビット深度が一般的で、96 kHz などの高いサンプリング レートもよく使われます。

HD は、5.1 (5 台のスピーカーとサブウーファ) または 7.1 (7 台のスピーカーとサブウーファ) のようなマルチチャンネルでマスタリングされるのが一般的です。ほとんどの HD テープ形式は少なくとも 4 チャンネルのオーディオをサポートし、多くは 8 チャンネルをサポートしています。Windows Media Audio 9 Professional コーデックは、最大24 ビット 96 kHz データ レートのストリームをかなり低い現在のオーディオ標準にまで圧縮できます。HD オーディオに関する詳細については、5.1 チャンネルの制作を解説する今後の記事と Windows Media 9 シリーズの Web サイトの作成方法に関するセクションを参照してください。

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HD の記録形式

今日、HD 業界は、プロ向けの HD 制作でさまざまなデジタル テープ記録形式を使用しています。そこには、ソニーやパナソニックが開発した形式も含まれます。これらの形式は、旧来の標準精細の物理テープを使用しますが、新しい圧縮ビット ストリームを使います。幸い、HD は比較的新しいテクノロジであり、アナログの HD テープ コンテンツのアーカイブはあまり存在していません。HD では、完全にデジタルなワークフローという夢が現実のものとなっています。

HD 記録で一般的に使用されるのは、次のデジタル テープ形式です。
  • HDCAM: ソニー HDCAM 形式は、24p、25p、50i、60i のフレーム レートで 1080 解像度をサポートします。HDCAM は 1440 × 1080 でビデオを保存します。これは、1920 から水平方向に 33 パーセントの減少です。これは独自の 17:6:6 のカラー サンプリングを採用するため、他の HD 形式の半分しかカラー ディテールを有しません。HDCAM は 4:4:1 圧縮で 8 ビットですが、10 ビットの入力と出力をサポートします。


  • D5-HD: パナソニック D5-HD 形式は D5 テープ シェルを使用します。HDCAM とは異なり、D5-HD は720/60p、1080/24p、1080/60i、および 1080/30p を記録します。D5-HD は、8 ビット モードで 4:1、10 ビット モードで 5:1 に圧縮し、8 チャンネルのオーディオをサポートします。


  • DVCPRO-HD: D7-HD とも呼ばれるこのパナソニック HD 形式は、DVCAM と DVCPRO で使用されるのと同じテープ シェルに基づくものです。D7-HD は 720/60p と 1080/60i を記録し、1080/24p は開発中です。これは 6.7:1 圧縮を使用し、1 チャンネル当たり 10 ビットの入力と出力をサポートします。DVCPRO-HD は 8 チャンネルのオーディオをサポートします。


  • HDV: この形式は、低価格カメラで使用されている多数の新形式の 1 つです。HDV は JVC の革新的なプロ用消費者 (生産者消費者) 向け HD カメラ JY-HD10 で初めて採用された形式で、ミニ DV テープ上に高圧縮の MPEG-2 を記録します。

    HDV は、エラー訂正能力を強化した MPEG-2 トランスポート ストリームです。このビデオは、720p では 1 秒当たり 19 メガビット (Mbps) で 1080i では 25 Mbpsでインターフレーム圧縮される MPEG-2 を使用しています。オーディオは 384 Kbps MPEG-1 Layer 2 ステレオでエンコードされます。インターフレーム エンコーディングにより、HDV の高画質ビデオを低いビット レートでアーカイブすることが可能になります。これは、1 本のテープにより多くのコンテンツが記録できる反面、コンテンツの編集が難しくなることを意味します。本シリーズの次回の記事で、インターフレーム エンコーディングの詳細について説明します。

デジタル テープの記録形式に加え、DVD-RAM や JVC JY-HD10 のような新しい RAM ベースのストレージ メディアがあります。記録形式に関する詳細については、Video Expert Web サイト 外部リンクへ の「Table of HD VCR formats」ページを参照してください。

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HD 取り込みのストレージ要件

HD コンテンツの再生は比較的簡単ですが、そのコンテンツをコンピュータに取り込むためには大容量高速ストレージが必要になります。次の節では、HD ソースのコンテンツに関するストレージの問題と、信頼性と費用効果が高いストレージ ソリューションを開発するアプローチ方法の概要について説明します。

ストレージ データ
大きさや速さはどうでしょうか。典型的なカラー スペースで圧縮および非圧縮 10 ビット形式に分類されるいくつかのストレージ データを見てみましょう。次の表では、データ レートは Mbps (1 秒当たり 1,000,000 ビット) で測定されています。多くのドライブが 1 秒当たりのメガバイト数 (MBps) でデータ レートを測定します。これは、Mbps の 8 倍の速さです。ギガバイト (GB) は 1,000,000,000 バイトに相当します。しかし、多くのアプリケーションは、それが 230 だと仮定します。これは、およそ 7 パーセント大きく、Gibibyte または GiB と呼ばれます。

表 2: 圧縮および非圧縮データのストレージ要件

形式 データ レート (Mbps) ビデオ 1 時間当たりの GB
圧縮形式
720 × 480 DV 4:1:1 25 11
720 × 480 DV 50 4:2:2 50 22
HD - DVCPRO 100 44
非圧縮 10 ビット形式
720 × 486 4:2:0 210 92
1280 × 720 / 24 p 4:2:0 332 146
1280 × 720 / 60 p 4:2:0 818 364
1920 × 1080 / 24 p 4:2:0 746 328
1920 × 1080 / 60 i 4:2:0 932 410

それぞれのデジタル形式には大きな違いがあります。非圧縮データ レートは、Windows Media 9 シリーズ コーデックを使って HD 配信用に圧縮された一般的なファイルのレートよりも何倍も高速です。Windows Media ファイルはまた、MPEG-2 ベースの形式よりもはるかに低いデータ レートを持てます。

速度
前の表の数字は、リアルタイムでハード ディスクに単一ビデオ ストリームを書き込むために必要な実際のスループットを示しています。ハード ディスクがビデオ ストリームに追いつけなければ、ビデオのフレームが抜け落ちます。多くの編集システムはリアルタイム効果のために同時に複数のビデオ ストリームを読み込む帯域幅が必要なため、システム要件が厳しくなります。ここまでのレベルのパフォーマンスは、取り込みのみの場合は必要ありません。取り込みに必要な帯域幅を確保するには、RAID (redundant array of independent disks) ソリューションの一部として複数のハード ディスクを使用します。RAID の詳細については、この記事の後半の『RAID』の節を参照してください。

ストレージ容量
目指す使用法のために、利用できる十分なストレージがハード ディスクにあることを確認してください。編集するよりもハード ディスクを入手することの方がずっと簡単です。HD は非常に多くのストレージを要するため、標準精細でオフライン バージョンを編集して、仕上げのために HD の必要なセクションだけを取り込むと良いでしょう。現在、1 台で 250 GB も保存できるハード ディスクを購入できますが、1 台のディスクではすぐに容量が足りなくなります。この場合、マルチディスク RAID ソリューションをお勧めします。

SCSI 対 IDE
SCSI (small computer system interface) と IDE ドライブ用の ATA (AT Attachment) のどちらが高性能ストレージかということに関する論争は、もう 10 年以上も続いています。これまで、SCSI ドライブは ATA ドライブよりも高速で、ATA ドライブは動作のためにより強力な CPU パワーを必要とするという状況が続いていました。近年、シリアル ATA が SCSI に肉迫しています。私は、非常に高速な IDE RAID から動作する 1920 × 1080/60i の 10 ビット形式を見たことがあります。高速 IDE ドライブの価格は SCSI よりもずっと安く、しかもケーブル接続がシリアル ATA でより簡単にできるため、HD の世界では業界が引き続き ATA へ移行していくと私は考えています。

いずれにしても、HD パフォーマンスにはスタンドアロンの RAID コントローラ カードが必要であり、スループットのために何枚かのカードが必要になる場合もあります。多数のマザーボードのオンボード RAID コントローラは、まだ 1080 非圧縮ビデオ用作業には使用できません。

RAID
SCSI と IDE/ATA のいずれの場合でも、ストレージ ソリューションがうまく機能する鍵は RAID です。RAID の基本は、複数のディスクを単一のボリュームにまとめることです。これによって、複数のディスクが 1 つのように見え、ストレージ容量が増えます。しかも、同時に複数の物理ディスクへの書き込みが可能になり、スループットが向上します。

冗長性 (redundancy) は、データが複数回 1 台のディスクに複製されることを意味し、1 つのボリュームに障害が起こった場合でも別のボリュームを使用できます。ディスクに障害が起こった場合、一定時間動作を止めてそのアレイを再構築しなければなりませんが、ほとんどの場合データが失われることはありません。

RAID にはさまざまな種類があり、それぞれ異なる方法でドライブを組み合わせます。次の RAID 構成は、HD ビデオの作業用に特に適しています。
  • RAID 0: 2 台以上のドライブが組み合わせられ、データがそれらの間で分割されます。RAID 0 は実際には冗長性を備えていません。1 台のディスクが障害を起こすと、そのセットの全データが失われます。しかし、すべてのドライブがストレージに使用され、パフォーマンスは非常に高速です。ソース ファイルをバックアップすれば、RAID 0 のパフォーマンスと価格はその脆弱さを差し引いても価値があります。
  • RAID 5: 3 台以上のドライブが組み合わせられ、1 台のドライブの全パリティ データが冗長性のために使用されます。そのボリュームは、1 台のディスクに障害が起こっても安全です。RAID 5 は RAID 0 ほど高速ではありませんが、より高い耐障害性を提供します。
  • RAID 5+0: 2 つ以上の RAID 5 セットが 1 つの RAID 0 に結合されます。実質的により大きなストレージが利用でき、冗長性が維持されます (データを回復できるのは、1 つのRAID 5 セットにつき 1 台のドライブに障害が発生したときだけです)。この RAID 構成は、大部分の HD 使用において最適なモードです。
RAID に関する詳細は、PC Guide Web site 外部リンクへ の Redundant Array of Inexpensive Disks (RAID) ページを参照してください。

共有ストレージ
圧縮のために、高価な HD オーサリング ステーションが何時間も使えなくなる状況を避けるにはどうしたらよいでしょうか。また、Macintosh で HD コンテンツを編集し、圧縮のためにそのソースを Windows ベースのコンピュータに転送する必要がある場合はどうでしょうか。こうした難題の解決には、次のような共有ストレージ方式を検討してみるとよいでしょう。
  • イーサネット: 今日、ファイルを移行する最も簡単な方法は、イーサネットを使うことです。Microsoft Windows® オペレーティング システムを動作するコンピュータ間でファイルを転送する場合、Mac OS X 10.3 オペレーティング システムを動作するコンピュータから Windows ベースのコンピュータに転送する場合と同様、サーバ メッセージ ブロック (SMB) ファイル共有プロトコルを使用すると簡単です。それ以前の Mac OS X のバージョンでは、2 GB を超すファイルを Windows ベースのコンピュータに転送する場合には Fetch などの FTP クライアントを使う必要があります。

    イーサネットの速度は、場合によって大きく変化します。HD の作業には、最低でも 1 ギガビット イーサネットを使用することをお勧めします。これを使えば、数百 Mbps の帯域幅を実現でき、高速スイッチと適切なケーブルがあれば 1000 Mbps 近くになります。

  • SAN: 単にコンテンツを転送するだけでなく、ワークグループが 1 つのコンテンツを編集のために共有したいときには、ストレージ エリア ネットワーク (SAN) を選択すべきでしょう。このネットワークでは、複数のコンピュータが同一のストレージにアクセスできます。このとき、そのストレージを各コンピュータのローカル ドライブであるかのように扱います。HD コンテンツは直接保存メディアに取り込め、コンテンツの取り込み後に転送するという手間をかける必要がありません。SAN は高価ですが、優れた機能を持っています。


  • スニーカーネット: データを移動する最後のソリューションは、由緒ある「スニーカーネット」です。これは、IEEE 1394 ドライブ、テープ、または全 RAID アレイを 1 つのコンピュータから別のコンピュータへと運ぶ作業を指します。大量のデータでは、物理的なメディアを移動する方がデータを高速接続で送信するよりも短時間でできることが少なくありません。
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HD コンテンツのバックアップ システム

HD コンテンツを扱う上での大きな問題は、バックアップです。大量のコンテンツが、コンピュータ システムに極度の負荷を与えるおそれがあります。次の節では、一般的なバックアップ方法について解説します。

テープ
未加工の HD データのバックアップには、旧来のテープ バックアップ システムを使うことができます。圧縮されたビデオとは異なり、圧縮されていないビデオは、現代のテープ デッキのハードウェア圧縮を利用します。パーソナル バックアップ システムでこの作業をするのは無理がありますが、産業レベルの形式は大量のストレージを保存できます。ソニーの SAIT-1 形式は、1 本のテープに 500 GB という大量の非圧縮データを保存します (ただし、フルセットのバックアップ システムは新車が買えるほど高価です)。もっと手頃な価格帯では、Ultrium 200 GB テープは 100 ドル前後、テープ デッキはおよそ 4,000 ドルで購入できます。

平均的な装備で最も簡単に HD コンテンツをバックアップする方法は、HD コンテンツを配信するために使われるのと同じ方法、つまりテープ デッキを使用することです。幸い、ほとんどの HD 装置は既にこの方法を採用しています。HDCAM のような非可逆方式では、HD のノンリニア編集 (NLE) ツールから復元するときに多少のディテールを失いますが、D5 HD のような軽度の圧縮形式では、テープに戻す際、必ずしも品質が落ちるわけではありません。

ハード ディスク ドライブ
ハード ディスク ドライブは長期的なストレージとしてテープほど安定していない傾向がありますが、安価で有用なメディアです。1 つの選択肢として、RAID 構成をリムーバブル ディスクとともに使用し、プロジェクトの完了時にディスクの全セットをアーカイブする方法が考えられます。さらに費用効果が高いソリューションとして、データを IEEE 1394 または USB 2.0 ドライブにコピーすることができます。テープ バックアップ システムよりも、ドライブは格段に速く回復でき、テープ デッキを購入する費用も要りません。

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結論

この記事から、HD 形式、カラー サンプリング、およびストレージと転送方法について有用な背景情報を得ていただければ幸いです。ここまでの説明で、HD ビデオを保存する準備ができました。本シリーズの次の記事では、HD ビデオを取り込む方法について解説します。今後の記事をお楽しみに !

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