Windows Server 2008 のフェールオーバー クラスタリング

最終更新日: 2008年6月19日

Windows Server 2008 では、フェールオーバー クラスタ (旧称サーバー クラスタ) が、簡素化、セキュリティによる保護の強化、および安定性向上を目指して改良されました。また、フェールオーバー クラスタを用いた検証済みハードウェア設定を紹介する Windows Server 2008 Failover Cluster Configuration Program (FCCP) を米国にて展開しています。

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トピック
クラスタ検証のための Windows Server 2008 の新ツールクラスタ検証のための Windows Server 2008 の新ツール
セットアップと移行の機能強化セットアップと移行の機能強化
クラスタの管理と運用の機能強化クラスタの管理と運用の機能強化
可用性を最大限に高めるのに役立つクラスタ インフラストラクチャへの機能強化可用性を最大限に高めるのに役立つクラスタ インフラストラクチャへの機能強化
クラスタによるストレージ操作の機能強化クラスタによるストレージ操作の機能強化
ネットワーキングとセキュリティの強化ネットワーキングとセキュリティの強化

クラスタ検証のための Windows Server 2008 の新ツール

新しい検証ツールをフェールオーバー クラスタで使用すると、システム、ストレージ、およびネットワーク構成がクラスタに適しているかどうかをテストできます。このツールでは、以下のテストを実行できます。

ノードテスト : 選択したサーバーが特定の要件を満たしているかどうかを分析します。たとえば、サーバーが同じバージョンのオペレーティング システムとソフトウェアの更新を実行している必要があるといった要件です。

ネットワークテスト : 計画したクラスタ ネットワークが特定の要件を満たしているかどうかを分析します。たとえば、ネットワーク冗長化のため、複数の独立したサブネットがあるといった要件です。

ストレージテスト : ストレージが特定の要件を満たしているかどうかを分析します。たとえば、必要な Small Computer System Interface (SCSI) コマンドを正しくサポートしているかどうかや、シミュレートされたクラスタ動作を正しく処理するかどうかなどです。

セットアップと移行の機能強化

管理者は、Windows Server 2008 のフェールオーバー クラスタにより、以前のリリースのサーバー クラスタに比べてセットアップや移行に関する以下の作業を容易に実行できます。

クラスタのインストール前の構成の検証 : 管理者は、クラスタのセットアップ プロセスに組み込まれたテストを実行することによって、システム、ストレージ、およびネットワークの構成がクラスタに適しているかどうかを調査できます。

クラスタのセットアップ : クラスタ セットアップ ウィザードが簡素化され、管理者がクラスタを 1 手順でセットアップできるようになりました。また、クラスタの展開を自動化できるように、クラスタのセットアップが完全にスクリプト化可能になりました。

クラスタ間でのクラスタ構成情報の移行 : あるクラスタからクラスタ設定をキャプチャし、別のクラスタに適用できます。

クラスタの管理と運用の機能強化

管理者は、Windows Server 2008 のフェールオーバー クラスタにより、以前のリリースのサーバー クラスタに比べて管理や運用に関する以下の作業を容易に実行できます。

クラスタ化されたリソースのネットワーク構成への迅速な追加 : クラスタを管理するインターフェイスが単純かつ直感的になったので、共有フォルダの可用性を高める作業などが容易になります。管理者は、クラスタの管理ではなく、アプリケーションの管理に専念できます。

コマンドラインまたは Windows Management Instrumentation (WMI) を使用したクラスタ操作 : 管理者は、コマンド ラインまたは WMI を使用して、以前のバージョンよりも多くの作業を実行できます。

クラスタのトラブルシューティング : 管理者は、クラスタ ログを使用して作業するのではなく、Windows のイベント トレースを使用して、クラスタで発生した一連のイベントに関する情報を容易に収集、管理、および報告できます。

バックアップのキャプチャにボリュームシャドウコピーサービスを使用 : ボリューム シャドウ コピー サービスとの完全な統合により、クラスタ構成のバックアップと復元が容易になります。

クラスタ化されている共有フォルダを管理者が表示する方法の制御 : 管理者は共有フォルダのビューを制御または "スコープ設定" できるので、どの共有フォルダがクラスタ化さているか、および任意の共有フォルダがどのクラスタで使用できるかを容易に把握できます。

可用性を最大限に高めるのに役立つクラスタ インフラストラクチャへの機能強化

Windows Server 2008 のフェールオーバー クラスタは、管理者がユーザーに提供するサービスの可用性を最大限に高めることができるように、クラスタ インフラストラクチャが強化されます。管理者は、以下の作業を実行できます。

クォーラムリソースが単一点障害にならないようにクラスタを構成する。フェールオーバー クラスタの機能強化により、管理者は以前の 2 つのクラスタ モデル (クォーラム リソース モデルとマジョリティ ノード セット モデル) を使用するか、この 2 つのモデルを "混合" して使用することができます。

クラスタインフラストラクチャ自体の機能強化により信頼性と可用性の向上を実現する。クラスタ インフラストラクチャ自体が強化されているので、管理者はフェールオーバー クラスタを使用して、信頼性と可用性を向上できます。たとえば、クラスタ化されたリソースを処理するソフトウェア インフラストラクチャから、不適切な動作を実行するダイナミック リンク ライブラリ (DLL) が分離され、クラスタへの影響が最小限に抑えられます。また、クラスタは強化された手法を使用して、クラスタ構成データベースのコピー間の一貫性を確保するようになります。

クラスタによるストレージ操作の機能強化

管理者は、Windows Server 2008 のフェールオーバー クラスタにより、以前のリリースのサーバー クラスタに比べて、ストレージを扱う作業のパフォーマンスを向上できます。管理者は、以下の作業を実行できます。

アプリケーションをオンラインにしたままクラスタが使用できるディスクを追加する。管理者はリソースをオンラインにしたまま、リソースの依存関係を変更できます。つまり、アプリケーションへのアクセスを中断することなく、そのアプリケーションが使用するディスクを増設し、使用可能にできます。

ストレージのパフォーマンスと安定性を向上する。フェールオーバー クラスタが記憶域ネットワーク (SAN) またはダイレクト アタッチド ストレージ (DAS) と通信するときは、(SCSI バスのリセットを避けるため) 既存システムへの影響が最も少ないコマンドを使用します。ディスクが保護されない状態のままになることはなく、ボリュームが破損するリスクが少なくなります。フェールオーバー クラスタでは、ディスクの発見や復旧の方法も強化されています。

ディスクのサイズと堅牢性を高めるために GUID パーティションテーブル (GPT) ディスクを使用する。GPT ディスクはマスタ ブート レコード (MBR) ディスクとは異なり、2 テラバイトを超えるパーティションを保持でき、パーティション情報を保存するしくみに冗長性が組み込まれています。フェールオーバー クラスタでは、どちらの種類のディスクも使用できます。

ディスクのメンテナンス作業の実行が容易になる。"メンテナンス モード" が強化され、管理者はディスクのチェック、修復、バックアップ、復元を容易にし、クラスタへの影響を最小限に抑えるツールを使用できます。

ネットワーキングとセキュリティの強化

Windows Server 2008 のフェールオーバー クラスタは、以前のリリースに比べて、ネットワークのパフォーマンスとセキュリティが向上します。管理者は、以下の作業を実行できます。

フェールオーバークラスタと完全に統合されたインターネットプロトコルバージョン 6 (IPv6) を使用する。フェールオーバー クラスタでは、ノード間およびノードとクラスタ間の通信に IPv6 が完全にサポートされます。

(従来の NetBIOS に依存しないで) ドメインネームシステム (DNS) を使用する。サーバー メッセージ ブロック (SMB) トラフィックのトランスポートが簡略化され、Windows インターネット ネーム サービス (WINS) および NetBIOS 名前解決のブロードキャストが不要になります。

ネットワーキングのその他の機能強化により信頼性の向上を実現する。管理者は、ネットワーキングに行われたその他の機能強化を利用できます。たとえば、ネットワーク名と関連 IP アドレスの間の依存関係を細かく調整でき、いずれか一方の IP アドレスが使用できない場合でも、ネットワーク名を使用できるようになります。

セキュリティの強化とクラスタアクセスの監査によりセキュリティの向上を実現する。インターネット プロトコル セキュリティ (IPsec) など、フェールオーバー クラスタのセキュリティが強化され、認証と暗号化の機能が向上します。また、監査を使用して、クラスタにだれが、いつアクセスしたかに関する情報をキャプチャできます。