文責: Charlie Russel

NTFS にすべきか、NTFS にすべきでないか、それが問題だ。人生における深刻な問題とは違って、この問題は実際には、それほど難しいものではありません。Windows XP を動作させるほとんどのユーザーにとって、NTFS を選ぶのは当然の選択と言えます。NTFS はほかのファイル システムと比較すると、はるかに強力で、セキュリティ上の利点があります。しかし、これらのファイル システムの違いを見ておけば、選択の正しさが明確になります。Windows XP で利用できるファイル システムには、FAT16 (File Allocation Table 16)、FAT32、および NTFS (NT File System) の 3 種類があります。
FAT16 ファイル システムは、MS-DOS 時代の 1981 年に導入されたもので、古さが目に付きます。これは元々、フロッピー ドライブ上のファイルを扱うために設計されたもので、何年かかかって少しずつ修正が加えられて、ハードディスクが扱えるようになり、ファイル名は 8 文字までという当初からの制限までもなくなっていますが、最小公分母であることに変わりありません。FAT16 の最大の利点は、幅広いオペレーティング システムにわたって互換性があることで、Windows 95/98/Me、OS/2、Linux、および一部のバージョンの UNIX で使えます。FAT16 の最大の問題は、パーティションあたりのクラスタ数の最大値が固定であることで、ハードディスクが大きくなればなるほど、各クラスタのサイズも大きくなります。2 GB のパーティションでは、各クラスタの大きさは 32 KB で、これは、パーティションにある一番小さなファイルでさえ、32 KB 分のスペースを占有することを意味しています。また、FAT16 では、圧縮、暗号化、またはアクセス コントロール リストを使った先進的なセキュリティがサポートされていません。
FAT32 ファイル システムは、Windows 95 Service Pack 2 から導入されたもので、元になった FAT16 ファイル システムの拡張版で、パーティションあたりの利用可能なクラスタ数が多くなっています。このため、FAT16 のファイル システムと比較すると、ディスク全体の利用率を大きく改善しました。ただし、FAT32 は、その他の FAT16 の制限をすべて受け継いでいて、さらに重大な制限が付加されています。それは、FAT16 を認識できるオペレーティング システムの多くが FAT32 と相性が悪いという点です。最も注目すべきは Windows NT ですが、Linux と UNIX についても同様です。現在では、Windows XP コンピュータで FAT32 を使っていて、ネットワーク上でほかのコンピュータとドライブを共有していたとしても、問題にはなりません。こちらのファイル システムが何であるかを相手が知る必要がないからです (気にする必要もありません)。
Windows NT の最初のバージョンから導入された NTFS ファイル システムは、FAT とは全く異なるファイル システムです。NTFS では、セキュリティを大きく改善し、ファイルごとの圧縮、クオータ、および暗号化をサポートしています。これは Windows XP の新規インストールの際の既定のファイル システムで、以前のバージョンの Windows からアップグレードする際には、既存のファイル システムを NTFS に変換するかどうかをたずねられます。心配する必要はありません。すでに Windows XP にアップグレードされていて、変換を行わなかったとしても、問題ではありません。FAT16 または FAT32 のボリュームはいつでも NTFS に変換できます。逆に、(ドライブまたはパーティションを再フォーマットせずに) FAT または FAT32 に戻すのは容易ではありません。もっとも、そのようなことをしたくなることはないと思いますが。
この NTFS ファイル システムは、同じコンピュータにインストールされているほかのオペレーティング システムとは、一般的に互換性がありませんし、フロッピー ディスクからコンピュータを起動した場合にも利用できません。このため、私も含めた多数のシステム管理者は、主ハードディスクを使い始める時に、小さなパーティションでも良いので、FAT としてフォーマットすることをお勧めしています。このパーティションは、緊急回復ツールまたは再インストールに必要な特殊なドライバを格納していく場所になりますし、自分が掘った穴に落ちた場合に脱出する機構となります。しかし、Windows XP に組み込まれている強化された回復能力 (今後のコラムで書きます) によって、このような FAT パーティションを最初に確保する必要もなければ、それが望ましいことでもなくなると考えています。
1 台のコンピュータで 2 つ以上のオペレーティング システムを動作させている場合には (私の書いた以前のコラムに、マルチブートも簡単になりました というものがあります)、ボリュームのどれかは FAT にする必要があります。同一コンピュータ上にある 2 つ以上のオペレーティング システムからアクセスする必要があるプログラムやデータは、FAT16 または、おそらく FAT32 ボリュームに格納することをお勧めします。しかし、FAT16 または FAT32 のボリューム上のデータにはセキュリティがかからないことに注意してください。コンピュータにアクセスできる人なら誰でも、FAT16 または FAT32 のパーティションに格納されているファイルを読み取り、変更、または削除できます。たいていの場合は、ネットワーク越しでも可能です。したがって、FAT ファイル システムでフォーマットされたドライブやパーティションには機密ファイルを格納しないようにします。
Charlie Russel 氏は現在、あるソフトウェア開発会社の情報技術 (IT) 担当重役で、特に Windows NT と UNIX ネットワークを組み合わせたシステム管理の分野で長い経験を持っています。また同氏は、ABCs of Windows NT Workstation 4.0 と SCO OpenServer and Windows Networking の執筆もしています。