能見台駅前にある手打ち蕎麦の店「谷津坂屋」の暖簾をくぐると、目に留まるのは利用客が自由に使えるデスクトップ PC と、ライブカメラ、そして無線 LAN スポットのマーク。ノート PC を持ち込んで無線 LAN インターネットを利用する人もけっこういるという。橋本康二さんは、そんな IT 蕎麦屋 (?) の明るく気さくなご主人だ。

「蕎麦好きというより、パソコン好きの人に知られている蕎麦屋なんです(笑)。この金沢区は、全国で3番目に CATV インターネット接続サービスが開始された(97 年 9 月)地域なんですよ。いまは常時接続のブロードバンドなんて当たり前ですが、当時は本当に画期的でした。私はホームページを作ったりしていたもので、アンテナショップの話を持ちかけられ、この店にモニター機が置かれて CATV インターネットが使えるようになったんです。すると近所のパソコン好きな方々が集まってくるわけですよ(笑)。それで、常時接続で何ができるかという話になり、ライブカメラを設置してみたというわけです」

こうしていち早くネット上で映像配信を始めた橋本さんだが、ナローバンドが主流の当時は、まだまだ現実的ではないと感じていた。ところがここ数年でブロードバンドが急速に普及し、これなら TV 並みのクオリティのビデオ配信も可能と興味を持ち始めていたころ、横浜市の「ネットデイ」に参加することになった。ネットデイとは、保護者や地域のボランティアの協力を得て学校内 LAN を構築する、米国シリコンバレーで始まった地域活動。学校にネットワークを導入する過程を通して、学校と地域のつながりを深めるのも目的だ。

「横浜市では昨年から 5 か年計画で、市内の全小中学校 500 校を対象としたネットデイが始まりました。私はかみさんが小学校の教員ということもあり、ボランティアとして近所の小中学校のネットデイをお手伝いしたんです。私の担当は記録・広報。進捗状況をビデオで記録するとともに、ネットワークが有ればこんなことができるんだというデモンストレーションを行いました。具体的には、ビデオカメラで作業の様子を撮影し、それをその場で編集して校内テレビで速報したり、校内 LAN 上にサーバーを設置して、ネットデイや体育祭などのビデオを各教室から自由に見られるようにしたり。もちろん、来年度のネットデイ実施校の参考になるよう、保存版ビデオも作成しました。この一連の作業に不可欠だったのが、Windows XP 搭載 PC と Windows ムービー メーカー 2 でした」
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「基本的に片道 30 分圏内にしか出かけられないんですよ。だからインターネットには助かってます(笑)」と、定休日をとらず毎日 20:30 まで谷津坂屋を切り盛りする橋本康二さん。

谷津坂屋の店内。暖簾をくぐるとまず目に留まる PC モニターには TV 番組が映り、PC 上の音楽ファイルが BGM として流れていた
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