マルチキャスト スコープは、マルチキャスト アドレス アロケーションを実行するために提案された新しい標準プロトコルである、MADCAP (Multicast Address Dynamic Client Allocation Protocol: マルチキャスト アドレス ダイナミック クライアント アロケーション プロトコル) を使用してサポートされます。MADCAP プロトコルは、マルチキャスト アドレス アロケーション (つまり MADCAP) サーバーがネットワーク上のほかのコンピュータ (MADCAP クライアント) に対して IP アドレスを動的に提供する方法を記述しています。
通常、MADCAP クライアントは、IP マルチキャストをサポートするために使用される MCS (multicast server: マルチキャスト サーバー) でもあります。Site Server ILS (Internet Location Server: インターネット ロケーション サーバー) サービスを実行するサーバー コンピュータなどの MCS は、割り当てられたマルチキャスト IP アドレスの共有使用またはグループ使用を管理して、指定のグループ アドレスの使用を共有するメンバにデータ トラフィックを転送します。
MCS が構成されて、使用するグループ IP アドレスが割り当てられると、MCS にメンバシップを登録したマルチキャスト クライアントは、このアドレスに転送されたストリームを受信できます。クライアントは、MCS に登録することによって、リアルタイムのビデオまたはオーディオ ネットワーク伝送などのストリーム プロセスに効率的に参加できます。MCS は、マルチキャスト グループ一覧を管理して、そのメンバシップと状態を更新し、マルチキャスト トラフィックが現在のすべてのメンバに受信されるようにもします。
通常は、DHCP スコープを使用して、標準アドレス クラスのクラス A、B、または C から IP アドレスの範囲を割り当てることによって、クライアント構成を行います。DHCP スコープを使用すると、これらのアドレスから提供された範囲の IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てて、ほかの TCP/IP ネットワーク化コンピュータとの間のユニキャスト (または Point-to-Point) 指定通信を使用するように構成できます。
マルチキャスト アドレス範囲は、追加アドレス クラスのクラス D を使用します。このクラスには、IP マルチキャストに使用される 224.0.0.0 から 239.255.255.255 の範囲の IP アドレスが含まれます。このクラスのアドレスは、マルチキャストにだけ使用され、通常の DHCP スコープには使用されません。
どの TCP/IP ネットワークでも、まず各ホストを標準アドレス クラスの 1 つからとられた独自の IP アドレスによって構成する必要があります。この必須ユニキャスト IP アドレスを割り当ててからでないと、マルチキャスト IP アドレスなどのセカンダリ IP アドレスをサポートして使用するようにホストを構成することができません。
ユニキャスト アドレスとマルチキャスト アドレスのもう 1 つの違いは、TCP/IP ホスト コンピュータのグループがマルチキャスト IP アドレスの使用を共有できるという点にあります。通常、ユニキャスト IP アドレスにはこの特徴はなく、構成された 1 つのホストにだけ個々に割り当てられ、ほかのホストと共有されることはありません。
IP データグラムの宛先アドレスが IP マルチキャスト アドレスである場合、このデータグラムは、このアドレスによって識別されるゼロ以上のホストのセットである、"マルチキャスト グループ" のすべてのメンバに転送されます。マルチキャスト グループのメンバシップは動的であるため、各ホストはいつでもグループに参加したり、グループから離脱したりすることができます。
マルチキャスト グループのメンバシップと使用は無制限であり、グループ電子メール アドレスのメンバシップと使用に比較できます。グループ メンバシップは任意のサイズにでき、ホストは多数のマルチキャスト グループのメンバになることができます。
マルチキャスト グループ アドレスは常時予約するか、または一時的に割り当ててネットワークでの必要に応じて使用することができます。固定グループ IP アドレスをインターネット用に予約するには、それを IANA (Internet Assigned Numbers Authority) に登録する必要があります。
IANA に常時予約されないマルチキャスト IP アドレスの場合は、予約されていないすべてのクラス D アドレスを動的に使用して、一時マルチキャスト グループを割り当てて形成することができます。これらの一時グループは、ネットワーク上の 1 つまたは複数のホストがグループ アドレスによって構成されていて、その使用をアクティブに共有するかぎり存在できます。
詳細については、「マルチキャストとは」または「Internet Group Management Protocol (IGMP)」を参照してください。
MADCAP サーバーのマルチキャスト スコープで使用する IP アドレスの範囲を決定する方法としては、Multicast Allocation (malloc) ワーキング グループが推奨する総合的なガイドラインで 2 つの方法が示されています。このワーキング グループは、IETF の中にある業界有志によるチームで、マルチキャスト アドレス割り当ての標準を確立する作業を行っています。次に、この 2 つの方法について説明します。
管理スコープによるマルチキャスト IP の場合、最初の範囲として最も推奨されるのは 239.192.0.0 の範囲です。この範囲は IPv4 Organization Local Scope として知られており、サブネット マスクは 255.252.0.0 (14 ビット長) です。この範囲は、プライベートにマルチキャスト スコープを設定する組織全体が組織内部での独自用途に使用ためのものです。このアドレスから始めて、組織のネットワークに含まれるすべてのサブネットで使用するためのアドレスを多数 (最大 218 つまり 262,144 個のグループ アドレス) 作成できます。
詳細については、RFC を直接参照してください。RFC は、Request for Comments の Web サイトで入手できます。
たいていの場合、パブリックなアドレスを必要とする大部分の組織はパブリックなユニキャスト IP アドレスを既に割り当てられているので、サブネット割り当て方式が提案されています。MADCAP の場合、グローバル スコープの範囲としては、クラス D アドレス空間の 233.0.0.0 の範囲を使用することが推奨されています。
233.0.0.0 の範囲を使用する場合、グローバル アドレスの割り当ては次のような方法で行われます。
IP アドレスを地域のネットワーク レジストリに既に登録してある場合は、自分の AS 番号はわかっているはずです。また、インターネットの Whois データベース システムを使ってこの番号を簡単に検索することもできます。インターネット サービス プロバイダ (ISP) を通して IP アドレスを取得している場合は、ISP に問い合わせて AS 番号を確認することもできます。
AS 番号は、IANA によって地域のレジストリに割り当てられます。合衆国内のユーザーまたは ISP であれば、American Registry for Internet Numbers (ARIN) に直接申請して AS 番号を取得できます。詳細については、ARIN の Web サイトを参照してください。
ほかの地域についても、それぞれの地域のレジストリから AS 番号を取得できます。ほかの地域のレジストリは次のとおりです。
これらによって、インターネットでパブリックに使用するグループ アドレスに対するマルチキャスト スコープを構成するための IP アドレス範囲が提供されます。このグローバル スコープ方式を使うときは、サブネット マスクとして 255.255.255.0 を適用しなければなりません。これにより、各組織には、インターネット上で使用する最大 255 個のマルチキャスト グループ アドレスを含む AS 番号が割り当てられます。
マルチキャスト アドレスの割り当てに対するグローバル スコープの方式および AS 番号の使用と割り当ての詳細については、IETF の Web サイトを参照してください。グローバル スコープについては、現在入手可能なドラフトである「Static Allocation in 233/8」を直接参照してください。また、AS の番号付けの詳細については、RFC 1930 「Guidelines for creation, selection, and registration of an Autonomous System (AS)」を参照してください。
Windows 2000 DHCP サーバー サービスは、DHCP および MADCAP の両方のプロトコルをサポートしています。これらのプロトコルは別個に機能し、相互に依存しません。たとえば、DHCP クライアントは MADCAP クライアントである場合とそうでない場合があります。また、MADCAP クライアントも、DHCP クライアントである場合とそうでない場合もあります。
また、DHCP サーバーがネットワークでどのように使われているかには関係なく、DHCP サーバーのサービスを使って MADCAP サーバーを展開することができます。たとえば、次のようにするだけで Windows 2000 DHCP for MADCAP サービスをインストールできます。
ほかのスコープまたはスーパースコープが構成されている場合に限り、サーバー コンピュータは DHCP サーバーとしても機能します。
MADCAP の詳細については、「マルチキャスト アドレスの割り当て」を参照してください。
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