信頼されるクラウドへ ~社会に大きな可能性をもたらすテクノロジーに、今こそ、世界の「信頼」を取り戻そう。~

原文掲載日 : 2015 年 11 月
執筆者:ジョン フランク - マイクロソフト 法務&広報、次席法務顧問兼バイスプレジデント

 

IN THE CLOUD WE TRUST - IT'S TIME TO BUILD THE WORLD'S FAITH IN. TECHNOLOGY THAT EMPOWERS US ALL. WRITTEN BY BRAD SMITH. PRESIDENT AND CHIEF LEGAL OFFICER, MICROSOFT.

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2015 年 1 月 21 日は、目が離せない 1 日でした。

その日、マイクロソフトは、大きな発表を行うためにワシントン州レッドモンドの本社へ少人数のテクニカル ジャーナリスト グループを招待しました。

有名なロックバンドや花火で華が添えられてもいいほどのビッグニュースなのに、マイクロソフトが Windows 10 と HoloLens を公開するにあたって、ビッグニュースには彼らを招待したのは、BGM にハウス ミュージックがかかったカフェのようなくつろげる部屋でした。

人物の写真

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1 月 21 日は、世界各地で特別なことが起きていた 1 日でした。太陽がサンパウロから昇り、他の日と変わらず美しい一日になることは間違いない。そんなとき、ブラジルにあるマイクロソフトの重役が住むアパートに警察が到着し、部屋のドアにつながるゲートを通って突入したのです。そして、彼に法廷へ出頭するよう命じました。
 

しかし 21 日は、「2015 年 1 月」において、最も重大な日とは呼べません。
その 2 週間前の 1 月 7 日にパリで繰り広げられた一連の恐ろしい事件に、世界中が震撼したからです。その日、ひと組の兄弟がフランスの風刺週刊誌を発行するシャルリー・エブド社を襲撃し、同社の従業員 11 名を殺害したほか、大勢を負傷させました。シャルリー・エブドが、自分たちの意見を表明したという、たったそれだけの理由で。
 

この 1 月の 2 つの記憶すべき日は、私たちの世界でますます重要になりつつある、1 つの問題に関係しています。そう、「情報セキュリティ」です。

情報セキュリティを表しているイラスト

情報セキュリティを表しているイラスト

ブラジルで出頭を命じられたマイクロソフトの重役は捜査の一環として拘留され、法執行機関の当局者がブラジルのある顧客の Skype のデータを引き渡すよう要求してきました。
しかし、この要求には問題がありました。彼らの要求したデータの保存場所がブラジル国内ではなく米国内であったため、マイクロソフトがそのデータを提供する行為は違法だと考えられたのです。
 

一方、パリの襲撃事件は世界中の人々の感情を揺さぶり、それがきっかけでフランスの過去 20 年の歴史で最大規模の犯人追跡が展開されました。
襲撃事件の翌朝午前 5 時 42 分、フランス当局の捜査は、アメリカのレッドモンドにまで及びました。夜明け前のシアトル。FBI は、マイクロソフトへ 1 通の緊急情報提供依頼を送付したのです。
逃走中のテロ容疑者がマイクロソフトの E メールアカウントを持っていたからです。

FBI は、アメリカの法律に則って、マイクロソフトに命令を送達しました。マイクロソフトは内容を確認して対象の E メールを引き出し、それから正確に 45 分のうちに E メールのデータを FBI へ送り、それを米国の捜査員が、フランス当局へ提供しました。

"この 1 月の 2 つの記憶すべき日は、私たちの世界でますます重要になりつつある問題に関係しています。そう、「情報セキュリティ」です。

しかし、その後もフランスの事件と、IT の関わり合いは終わらず、数日にわたって、フランスの人々の関心は、IT に向けられました。

彼らはソーシャル メディアを利用して秩序立って行動し、1 月 11 日の日曜日には、200 万人がシャルリー・エブド襲撃事件に対する団結と表現の自由に対する支持を表明するため、パリの街頭に集まりました。これは、1944 年に同市がナチス占領から解放されたときにシャルル・ドゴールが行ったシャンゼリゼ通りのパレード以来、最も多くの人々がパリの街頭に集まる結果となりました。

 

それからほんの数日後、1 月 7 日の事件の余波はイギリス海峡を越えてロンドンにも飛び火。デーヴィッド キャメロン英首相は、フランスで起きていることについて、「今回の出来事は、我々が法を改正し、暗号化の使用についての規制を強化しなければならない根拠を示している」と述べました。
 

キャメロンの発言から 2 週間後、フランス政府が「表現の自由」に関わる法の改正の必要性を取り上げると、議論は再びイギリス海峡を渡ってフランスへ戻りました。
 

2015 年 1 月の出来事は、世界中の情報セキュリティについて話し合うことが極めて重要であることを物語っています。すなわち、その前年である 2014 年に起きた重大事が意味すること、そして何より、私たちが作り出すインターネットなどのテクノロジーを、世界中が信頼できるようにするために何ができるのかを考えることです。
 

2014 年の中でも、注目すべきことが起きたのは、11 月 24 日でした。 その日、ロサンゼルスにあるソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの従業員はいつも通り起床して出社しました。会社に到着すると、PC のうち、いくつかは動作しませんでした。
彼らは E メールにアクセスもできず、ドキュメントを取り出すこともできずにいました。しかし、その PC から個人および仕事関係のデータがインターネット上に流出していたのです。すぐにソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが攻撃を受けていると分かりました。

"サイバー セキュリティをめぐるこれらの出来事の波紋は、世界中に広がりました。

情報セキュリティ当局が、原因究明に専念した結果、捜査は太平洋を横断して北朝鮮にまで及びました。

北朝鮮政府は、一切責任がないと主張しましたが、攻撃を仕掛けたハッカーたちの要求には、まもなく上映される予定だった映画『ザ・インタビュー』の公開をキャンセルすることが含まれていたのです。

この映画は、CIA に雇われたジャーナリストが北朝鮮最高指導者の金正恩を暗殺するというコメディでした。その後、さらなるハッキングと、映画館内で暴力行為に及ぶとの脅迫を受けて、多くの大手映画館が上映中止の判断を下しました。

この判断を受けて、世間の注目は北朝鮮からワシントン D.C. へ移ります。
12 月 19 日、バラク オバマ大統領は年次休暇でハワイへ向かう前に状況説明を行う中で「改めて、民間企業であるソニーが、さまざまな心配事を抱えたことには同情する。しかし、まず私に相談して欲しかった。そうすれば、『この手の犯罪者の攻撃に屈するパターンには陥るな』と助言できただろう」と述べました。
 

その後、5 日間にわたり、マイクロソフトとグーグルは慌ただしく動き回り、12 月 24 日のクリスマスイブに表現の自由の原則を支持するため、両社は『ザ・インタビュー』を配信する考えだと発表しました。
サイバー セキュリティをめぐるこれらの出来事の波紋は、世界中に広がりました。
 

2 月には、中国政府が北京で新しい提案を発表し、米国のテックセクターが大騒ぎになりました。
モスクワでは、ロシア政府がデータの取り扱いに関する新しい法律を提案。ワシントン D.C. では、FBI 長官がこれらと同じ懸念をいくつか取り上げ、米国内で暗号化を規制するよう求めました。
 

世界中で起こっているこうした課題を辿っていくと、ある明確なパターンが現れてきます。下の地図では、データの保存場所について新しい法律を提案している世界の国々を示しています。
赤色で示しているのは、基本的に「自国のデータセンターに保管されているデータは、自国にとどめなければならない」と定めた法律を採用してきた国々です。
青色で示しているのは、新しい提案によって、上記と同じことを実現できるか検討している国々です。
 

解決すべき課題は、ほかにもあります。各国政府は、セキュリティ要件、暗号化要件、他国のデータへのアクセス権、さらに人々がオンラインにアップするコンテンツを取り巻く新しい法律を検討しています。


コンテンツの規制 暗号化の要件 データの保存場所 自国外のアクセス権 現地のセキュリティ
コンテンツが規制された世界のアイコン

コンテンツが規制された世界のアイコン

コンテンツが規制された世界

赤色で示した国は法律を制定しており、青色で示した国は人々がオンラインにアップできるコンテンツを規制するための新しい法律を検討しています。

コンテンツが規制された世界を表している地球儀

コンテンツが規制された世界を表している地球儀

※翻訳元記事:In the cloud we trustより、地球儀内の他の地域の状況をご覧いただけます。


今なぜ、このようなことが、世界中で起きているのでしょうか。
 

その理由の 1 つは、エドワード・スノーデンという過去に米国政府から業務委託を受けていた人間の存在です。彼が機密情報の詰まった 4 台のラップトップを持って香港行きの飛行機に乗ったとき、世界が変わりました。
スノーデンは、グローバル監視プログラムの存在を暴露する何千もの機密文書をジャーナリストに渡したのです。その多くは、国家安全保障局が電気通信企業と協力して運用してきたものです。何が起こっていたのか明らかになればなるほど、IT に対する信頼がますます問題となっていきました。
 

しかし、現在問われているのは、「技術的な信頼」だけではありません。現在の世界においてインターネットの果たすべき役割も、一連の出来事の中に映し出されていたのです。
 

ソニーの事件を考えてみましょう。ハッカーたちはインターネットを利用して、ソニーと、同社の表現の自由に対して攻撃を仕掛けました。これに対し、マイクロソフトとグーグルは、表現の自由を守るために同じインターネットを使って、同映画をオンラインで配信しました。
 

パリでは、テロリストがテロ計画にインターネットを利用し、その後、犯行声明を出す際にも利用しました。これに対し、法執行機関も捜査に同じインターネットを利用し、パリの人々も秩序立って行動して団結するためにインターネットを利用しました。
 

もはやインターネットは、「(私たちの世界から) 遠く隔たったサイバー空間」ではなく、「現実世界で起きたことの意味を明確にする場所」になっているのです。
 

私たちは皆、気付いています。私たちが今、インターネットによって人同士の絆を深めることができる世界に生きていると同時に、依然として「国境」が大きな違いを生む地球の上に生きていることを。それは、個人および仕事上の情報セキュリティについても、国家安全保障上の問題についても同じことです。
 

ソニーへの攻撃から私たちが学んだことは、サイバー セキュリティなくして国家安全保障はないということにほかなりません。それは、これほど多くの政府が行動を起こしていることからも明らかです。
 

こうした状況は、根本的に、「何をすべきか」という包括的な質問を、私たち全員が自らに問うことを求めています。

 

マイクロソフト CEO サティア ナデラの写真

マイクロソフト CEO サティア ナデラの写真

IT 業界の会合で何が起きているのか、他の人の話に耳を傾け、サイバー セキュリティに関する新しい提案について、抗議することもあります。

正直に言えば、人々が無駄な議論をしていると感じることもあります。ただ 1 つはっきりしていることは、“成功” とは、無駄な議論をする者にではなく、上手に波に乗る方法を見つ出した者に訪れるということです。それこそが、私たちが今やらなければならないことなのです。

"テクノロジーは進歩させなければならない。ただし、時を超えた価値を、確実に持続できる形で進歩させなければならない。

そのことについてマイクロソフト内部で検討し、CEO のサティア ナデラとシニアリーダーシップ チームとが話し合った結果、私たちがすべきことは、「自らの価値を定義することから始め、その価値を行動基準に落とし込む方法を考え、その行動基準を守ることである」との結論に達しました。
ある意味、自らの価値を定義することは、すべてに優先する最も重要なことです。

サティアはそれを 1 年前に弊社の全従業員へメモを送ったときに的確に表現したと思いました。彼が述べた要点は、「テクノロジーは進歩させなければならない。ただし、時を超えた価値を、確実に持続できる形で進歩させなければならない」ということでした。こうして定義された価値は、私たちにとっての北極星、すなわち道しるべとなり、「私たちには何ができるのか」と自問するよう求めてきます。

マイクロソフトの、企業としてのミッションは、この惑星のすべての人と企業に対して、さらに多くのことを実現するための力を与えることです。
すべての人に力を与えるのが私たちなら、すべての人を守らなければならないのも私たちになります。私たちは、それぞれの人や組織が自ら信頼できるテクノロジーを使用する力を確実に持つようにする必要があります。
私たちは皆、政府によって公衆の安全が保たれる世界に住むことを望んでいます。なおかつ、プライバシーと、表現の自由という「時を超越した価値」を共有し、維持しなければならないのです。
 

私たちは例外なく、各国政府が互いの国境を尊重しつつ、自由市場とグローバル ネットワークで結ばれている世界に住んでいます。
透明性など、特定の行動基準は、そのすべてに影響します。共有すればするほど、こうした行動基準すべてが進歩しやすくなります。
テクノロジーは素晴らしいものですが、インターネットは法律によって管理しなければなりません。
そして、その法律は良いものでなければなりません。それが実現したとき、私たちの行動基準が政府、企業、個人に対する責任になるのです。
マイクロソフトは、世界中の国々のためにデジタル セキュリティを提供しながら、各国のデジタル主権を尊重したいと考えています。
私たちは、地域経済を活性化させながら前進します。それは 1 つの出発点ではありますが、始まりに過ぎません。
 

私たちマイクロソフトは、企業顧客への取り組みに基礎を置いています。 2014 年 4 月、マイクロソフトは、顧客のデータを保護することで顧客が自らのデータを適切に移転できるよう保証するための契約義務である、EU のいわゆるモデル契約条項について規制当局から承認を得た業界初の企業になりました。2015 年 2 月、マイクロソフトはそれに基づき、同様に弊社が人々のデータを適切に取り扱うことを保証するための新規格 ISO27018 の認証を取得した業界初の企業になりました。これらは、特に企業顧客に対してどのような意味を持つのかという点で具体的な取り組みです。

"私たちの 4 つの取り組み:
1. データを保護すること。
2. 個人の所有物であるデータが、個人の管理下にあると保証すること。
3. 各国の法律を理解し、厳守した上でデータを管理すること。
4. 透明性を保つこと。

マイクロソフトは、企業と政府の権利を守る以上のことをしなければなりません。すなわち、人々の声を代弁する存在になる必要があるのです。
過去 40 年間、人々が自らの見解を表明し、それを世界中と共有し、かつ互いにコミュニケーションを図るためにテクノロジーを安心して使用できる世界を実現するためにマイクロソフト以上に取り組んできた企業はないでしょう。その理由についてもよく考える必要があります。
過去 1 年間の出来事を受け、弊社のクラウド ビジネスは世界中の政府、企業、消費者、人々に対する 4 つの取り組みに基礎に置いています。データをしっかりと保護すること、人々のデータは個人の所有物であって個人の管理下にあることを保証すること、各国の法律を理解かつ厳守した上でデータを管理すること、そして私たちの活動が人々から、きちんと見えるように透明性を保つことです。
企業の場合は、現時点では極めて具体的で重要ないくつかのメッセージになります。
マイクロソフトは、強力な独自のセキュリティ保護手段を保証するという契約の下、自社のテクノロジーを支えます。
契約内容に従って顧客情報だけを処理し、そのニーズを満足するよう法規制の厳格な遵守体制を整えます。
許可があればいつでも、政府がデータにアクセスするために何をしているのか確認し、然るべき場合には、裁判でその権利を主張します。
そして、継続的に透明性を向上していきます。

信頼できるエンタープライズ クラウド

信頼できるエンタープライズ クラウドを表しているイラスト

信頼できるエンタープライズ クラウドを表しているイラスト

上述した 4 つの取り組みも、書面で約束するだけでは十分ではなく、行動が伴わなければなりません。そのためには、次の 3 つのことが必要になります。

まず私たちは、毎年数十億ドルの技術的投資を行って、自らの取り組みを強化します。この活動が、世界中の 24 の地域と 40 の国に 100 を超えるデータセンターの設置を可能にしました。

マイクロソフトが業界の他の企業よりも顧客に多くの選択肢を提供できるのはすべて、こうしたデータセンターのおかげなのです。
自分のデータをマイクロソフトのデータセンターに保管したい人は、そのようにできます。
マイクロソフトの提携先が運用するデータセンターにデータを保管したい人は、そのようにできます。
そして、自社サーバーと、マイクロソフト クラウド上で運用するサーバーにデータを保管したい人も、そのようにできます。
これが、マイクロソフトが顧客向けに用意しているオプションのすべてです。

"こうしたことは、マイクロソフトとその製品、パートナー、および顧客だけでなく、インターネットを利用するすべての人にとって重要なことなのです。

さらにマイクロソフトは、自社の法律関連リソースをクラウド活動で支える準備も同様にできています。これが、この2年間に自国の政府、すなわち米国政府を相手に 1 度ならず 3 度も訴訟を起こした理由です。

最初の訴訟は、外国情報監視裁判所と呼ばれるところに持ち込まれました。法律家として、この裁判所は普通の裁判所ではないことをお伝えしておく必要があります。
アメリカのほとんどの裁判所は、インターネットで住所を調べれば裁判所の所在地を正確に知ることができます。電話をかけると誰かが電話に出ます。
一方、外国情報監視裁判所に電話をかけると、受け答えはしてくれますが、無機質な機械が「こちらは外国情報監視裁判所です。メッセージをどうぞ[ビーッ]」と答えるだけです。

電話をかけたら、裁判所から折り返し電話がかかってくるのを待ちましょう。電話がかかってこないときは、後ろから肩を叩かれるかもしれません。

US資料の写真

US資料の写真

率直に言って、この裁判所で訴訟を起こすのは、マイクロソフトの弁護士が過去に経験した他の裁判所とは異なります。

他の裁判所と同様に弁論趣意書を提出するのですが、政府から戻ってきた趣意書を受け取ると、太字の黒いマークで覆い隠され、機密報告書が一般公開されるときのように多くのコンテンツが編集されています。
 

それでも私たちは主張し続けました。裁判所で、そして公の場で主張し続けました。単独で、そして業界の他社と連携して主張し続けました。

その結果、2014 年 1 月 17 日にオバマ大統領が司法省に出向き、監視活動の改革を呼びかけるスピーチを行いました。その後、司法省の弁護士が弊社を呼び、「示談にしましょう」と言いました。このようにして、弊社はより多くの情報を世界と共有する権利を勝ち取ったのです

マイクロソフトが起こした裁判はそれだけではありません。FBI と司法省が、私たちの企業顧客のうち 1 社のデータを提出するよう求める召喚状を送達してきたとき、2 つ目の訴訟を起こしました。
「私たちはデータを提出できる立場にありません。召喚状を取り、その顧客へ直接送達してください」と連邦裁判所に伝えました。
私たちがこの裁判を起こし、判決を受けて弾みがついたことで、FBI と司法省は召喚状を撤回し、代わりに顧客に出向きました。

3 つ目の訴訟も同様に、アイルランドにある弊社のデータセンターについて法廷での論争が続いています。米国政府は、アイルランド在住のアメリカ人ではない誰かの E メールを取得する際の捜索令状の適用を要求しています。それに対し、私たちは「米国在住でない人のデータが必要な場合、そのデータが米国外で保存されているなら、現地の政府へ赴く必要があります。米国とアイルランドの間で結ばれた協定に従う必要があるからです」と主張しました。

支持者によるコミュニティ

アイルランド政府だけでなく、多くの企業、組織、コンピュータサイエンスを代表する科学者が、アイルランドにある弊社のデータセンターに関する法廷での論争について、弊社の活動に支持を表明しました。


本案件を進めながら、支持者によるコミュニティを作ってきました。

2014 年 12 月 28 日、テクノロジーとメディアに関連する企業 28 社、テクノロジーと権利擁護に関連する組織 23 団体、コンピュータサイエンスを代表する科学者 35 人、さらにアイルランド政府が弊社の活動に対して支持を表明しました。裁判所がこの事実を考慮に入れることを祈ります。

"こうしたことは、マイクロソフトとその製品、パートナー、および顧客だけでなく、インターネットを利用するすべての人にとって重要なことなのです。

こうしたことは、マイクロソフトとその製品、パートナー、および顧客だけでなく、インターネットを利用するすべての人にとって重要なことなのです。
 

マイクロソフトは本件を司法の手に委ねるだけでなく、議会に赴きます。現在、議会では、各国政府と同様に米国政府が国境について考え、人々が持つプライバシー権および自国の法律の保護を尊重することをはっきりさせるため、海外に保存されているデータへの法執行機関によるアクセスに関する法律について、現在 80 名を超える下院議員が支持を表明しています。
これは人々のセキュリティを保護し、そのプライバシーを尊重するべくマイクロソフトが実施した極めて具体的な取り組みです。
 

私たちマイクロソフトは、合法性と法規制の遵守を保護するため、また特に皆が自分の情報に対して何が起こっているのかほぼ確実に把握できるようにするために適切な段階的手順を踏んでいきたいと考えています。
これは極めて重要なことであるため、テクノロジーに対する信頼の向上に注力している他の企業に対し、自国の政府とコンタクトをとってテクノロジー監視活動の改革に対する支持を表明するよう説得しています。
それを実現する方法の 1 つは、Voices of Innovation Web サイトを通すことです。同 Web サイトは、マイクロソフトが支援するテクノロジーの専門家と一般の支持者で構成されているコミュニティです。
 

マイクロソフト、その製品、パートナー、および顧客だけでなく、インターネットを使用するすべての人にとって重要なのです。テクノロジーの未来に関することなのです。皆で力を合わせれば、利用するテクノロジーを信頼できる世の中を作り出せます。テクノロジーが人々に力を与え続ける世の中を――。

 

この記事は 2015 年 11 月に Microsoft Stories に投稿された記事 In the cloud we trust の翻訳です。

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