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ディーアールエス株式会社

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掲載日: 2017 年 12 月 8 日

IT 資産管理サービス「DREAMS」のシステム基盤を Azure と OSS を組み合わせた環境へと移行、アプリケーション改修のスピードを最大 6 倍に高めることでビジネスの自由度を拡大

ディーアールエス株式会社

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IT 資産のレンタル/リースと IT 資産管理サービス「DREAMS」を核に、IT ライフ サイクル全般に関するソリューションを提供しているディーアールエス株式会社。同社では DREAMS を支えるシステムが、Microsoft Azure と OSS を組み合わせた環境へと移行されています。これによってアプリケーション改修のスピードを高め、ビジネスの自由度を拡大しているのです。また株式会社シーイーシーの IT リノベーションサービス「Re@nove (リノーブ)」を活用することで、既存資産の有効活用も実現。短期間かつ低コストでのシステム移行にも成功しています。

<導入の背景とねらい>
改修が難しかった既存システムを、
柔軟性向上のためクラウドへと移行

ユーザーの要望に合わせてサービス内容を拡充したいのに、それを支えるシステムの柔軟性が乏しいため思うようなスピードで対応が行えない。このような悩みを抱えている企業は、決して少なくないはずです。この課題を Microsoft Azure への移行で解決しているのが、ディーアールエス株式会社 (以下、DRS) です。同社は、IT 資産のレンタル/リースと IT 資産管理サービス「DREAMS」を核に、IT 資産の調達から導入、運用、管理、処分に至るライフ サイクル全般に関するソリューションを提供する企業。DREAMS のユーザー企業が管理する IT 資産の数は約 30 万台に上ります。

写真:ディーアールエス株式会社 代表取締役社長 松田 晴彦 氏

ディーアールエス株式会社
代表取締役社長
松田 晴彦 氏

写真:ディーアールエス株式会社 営業開発部 部長 兼 ソリューション営業推進室長 甲斐 佳子 氏

ディーアールエス株式会社
営業開発部 部長
兼 ソリューション営業推進室長
甲斐 佳子 氏

「DREAMS のサービス提供は 2000 年 10 月に開始しましたが、お客様のニーズは時代と共に大きく変化しました」と語るのは、ディーアールエス株式会社 代表取締役社長の松田 晴彦 氏。当初は IT 機器の所在管理が主なニーズでしたが、最近では IT 機器をどのように活用するのかが重視されており、インベントリ ツールからのログ データを基に活用支援を行うサービスが高い評価を受けていると言います。

この DREAMS のサービスを支えているのが「DREAMS DB」と呼ばれるシステムです。以前、このシステムは、親会社 (三菱UFJリース株式会社、以下、MUL) の基幹システムと緊密に連携しており、保守・開発やデータセンター運用は MUL システム部門に委託していました。システム基盤としては UNIX サーバーを採用、この上で、Application Server、Oracle が動いていました。オンプレミス システムの構築と運用を MUL に委託することで、DRS 自身はそのための人的負担を軽減できました。しかしそれゆえに、短期間での機能の追加や改修が簡単ではないという問題を抱えることになったと、松田 氏は振り返ります。

「更改前の DREAMS は MUL の基幹システムと密結合していたため、影響確認などに時間と工数を要し、短期間の対応や大規模な改修はできない状況でした」と説明するのは、ディーアールエス株式会社 営業開発部 部長 兼 ソリューション営業推進室長の甲斐 佳子 氏。

「ソフトウェアはリリースから 10 年以上も経過すれば、ユーザー インターフェイス (UI) も古くさく感じられるようになります」と松田 氏。そこで 2014 年 春には、社長自ら DRS のシステム事務部に対応を指示、DREAMS DB の再構築に向けた取り組みをスタートします。その後、MUL と調整を進め、2015 年 9 月に開発会社 3 社に RFP を提示。最終的に株式会社シーイーシー (以下、CEC) が提案した、Azure と OSS への移行を採用するのです。

<導入の経緯>
充実したサポートと OSS 利用の実績を評価し、
移行先クラウドに Azure を選択

CEC による提案には、大きく 4 つの柱がありました。第 1 は基幹システムとの密結合を疎結合に変更すること。第 2 は全面的にユーザビリティの高い画面にリニューアルすること。第 3 が既存コードを最大限に活かした「リノベーション」を行うこと。そして第 4 が Azure とオープン ソース ソフトウェア (OSS) を活用することです。

写真:株式会社シーイーシー システムインテグレーション ビジネスグループ 金融システム事業部 第二サービス部 チーフスペシャリスト 斎藤 基成 氏

株式会社シーイーシー
システムインテグレーション ビジネスグループ
金融システム事業部
第二サービス部
チーフスペシャリスト
斎藤 基成 氏

「当初はフル スクラッチでシステムを再開発することも検討しましたが、提案前に既存システムのシステム構造からソース コードまで全体を見せていただき、これを捨ててしまうのはもったいないと感じました」と語るのは、この提案を行った株式会社シーイーシー システムインテグレーション ビジネスグループ 金融システム事業部 第二サービス部 チーフスペシャリストの斎藤 基成 氏。CEC は IT リノベーション サービス「Re@nove (リノーブ)」を提供しているので、それを使えないかと考えたと言います。

Re@nove とは、現行システムの可視化および診断分析から、成長戦略を踏まえたプランニング、新環境への移行/再生、中長期を見据えた保守運用までをカバーするサービス。システムを「リフォーム (現状回復)」するのではなく、独自のメソッドによる「リノベーション (再生、革新)」を行うことで、既存資産を有効活用できる点が大きな特長になっています。「このメソッドを活用すれば、新システムを短期間かつ低コストで実現できます」 (斎藤 氏) 。

そのうえで CEC は、柔軟性の向上や移行コストの抑制のため、リノベーション先のシステム基盤としてクラウドを使うことや、OSS の積極的な活用も検討。またデータベースに Oracle を使い続けるのは中長期的なコスト増につながるため、これを他のデータベースへと移行することも提案に盛り込んでいきます。そして最終的に、データベースに Microsoft SQL Server、Web サーバーに Apache HTTP Server、アプリケーション サーバーに JBoss Application Server (WildFly) を使用し、これらを Azure の仮想マシン上で動かす、という提案内容へと行き着くのです。

写真:株式会社シーイーシー システムインテグレーション ビジネスグループ 金融システム事業部 第二サービス部 チーフスペシャリスト 志村 誠 氏

株式会社シーイーシー
システムインテグレーション ビジネスグループ
金融システム事業部
第二サービス部
チーフスペシャリスト
志村 誠 氏

「実はデータベースも OSS にすることを考えましたが、資産管理データを格納する重要なデータベースであるため、信頼できるベンダー製品がいいということになりました」と振り返るのは、斎藤 氏と共にこのプロジェクトに参加した、株式会社シーイーシー システムインテグレーション ビジネスグループ 金融システム事業部 第二サービス部 チーフスペシャリストの志村 誠 氏。クラウドに関しても、Azure の他に Amazon Web Services が候補に上がりましたが、OS から DB、インフラまでトータル サポートしており OSS 利用の実績も増えている Azure の方がいい、という結論になったと語ります。

ここで大きな課題になったのが、MUL への説明責任をどのように果たすかでした。MUL が総合ファイナンス グループだということもあり、厳しいセキュリティ レビューを受けなければならなかったのです。しかし、Azure は早くから日本法に準拠した契約が可能なほか、東日本と西日本の東西で災害対策環境も容易に構築ができるなど、Azure の契約内容や信頼性は、このセキュリティ レビューをクリア。さらに CEC は「総合サーバー セキュリティ」を提案内容に追加することで、高度なサーバー保護も実現します。単にシステムの提案だけでなく、構築、開発から運用監視を含めた保守・運用までを提案するためにも Re@nove によってコストを抑えつつもセキュリティに強い Azure を使用することで実現できたのです。その結果、MUL からも「クラウドに移行しても問題ない」という判断が下されることになったのです。

要件定義に着手したのは 2016 年 5 月。既存コードをできるだけ活かすことを前提に、UI の専門家が参加した画面の刷新が進められていきました。2016 年 9 月には Azure 上での開発およびテストが始まり、2017 年 5 月にデータ移行を完了。新システムによるサービスがスタートするのです。

「Pepper for Biz 2.0」の全体像

株式会社シーイーシーの IT リノベーション サービス「Re@nove (リノーブ)」による、「DREAMS DB」のリノベーション。UNIX をベースにしたオンプレミス システムから、Azure と OSS を組み合わせた環境に移行することで、システムの柔軟性が大幅に向上しました。またこれに伴い画面もリニューアルされており、以前よりもわかりやすくなったと評価されています。[拡大図] 新しいウィンドウ

<導入効果>
改修に約 3 か月かかっていた以前の環境に比べ、
最短 2 週間で改修可能な圧倒的なスピードを実現、
移行コストもオンプレミスの半分に

新システムは、Azure 上で Windows Server が稼働する仮想マシンを立ち上げ、その上で Apache HTTP Server や JBoss Application Server (WildFly)、SQL Server を動かすという構成です。基幹システムが置かれたデータセンターとは Express Route で接続しており、安定した帯域と通信の安全性を確保しています。

「新システムへ移行したことで、機能追加や改修に必要な期間は大幅に短縮されました」と甲斐 氏。たとえば急な要件が発生した場合、以前の環境であれば 3 か月程度を必要としていたのに対して、軽微な改修であれば 2 週間、設定変更や単純な修正であれば発見したその日に改修を行い、その翌日にはリリースできるようになったと言います。「これだけスピーディーに改修できることに、私自身が驚いています。お客様の満足度向上にも貢献していると感じています」。

写真:ディーアールエス株式会社 システム事務部 システム企画課 マネージャー 加藤 進 氏

ディーアールエス株式会社
システム事務部
システム企画課
マネージャー
加藤 進 氏

その一方で、ディーアールエス株式会社 システム事務部 システム企画課 マネージャーの加藤 進 氏は、「仮想マシンのスペック変更が容易になったことも大きなメリットです」と語ります。大量のデータ登録を行う場合でも、一時的に CPU やメモリを増強することで、安定したパフォーマンスが確保できたと言います。「オンプレミスの場合にはスペックが固定されるため、急激な負荷増大が発生すると他のお客様に影響が出てしまいます。しかし Azure ならその心配はなく、システムの増強を実現できました。データ登録作業が終わったら、サーバー スペックを元に戻すことで、必要以上のリソース消費も回避できました」。

IaaS として仮想マシンを利用するだけではなく、PaaS として提供されている Azure BLOB Storage の活用も行われています。これまで顧客とのファイルのやり取りはメール添付で行われていましたが、現在では Azure BLOB Storage を顧客との共有ファイル サーバーとして使用し、これを介してファイルをやり取りするようになっています。これによってメール誤送信による情報漏えいの不安が解消され、セキュリティがさらに向上したほか、スピーディーな情報共有が可能になってプロセスの迅速化に成功しています。

今回のリノベーションに伴い、セルフ サービス機能が拡充されたことも、注目すべきポイントだと言えるでしょう。これまで顧客から依頼を受けて DRS 社内で実施していた作業の一部を、顧客自身が行えるようになったのです。

「DREAMS はもともとアウト ソーシング サービスという位置付けでスタートし、すべて DRS にお任せいただくというのが基本コンセプトでした」と松田 氏。しかし最近では、リアルタイム反映を要望し、自分自身でメンテナンスを行いたいという顧客も増えているそうです。「現在ではお客様自身がオンラインで一括登録できる機能も用意されているため、これをご利用いただければデータベースにすぐに反映できます」 (松田 氏) 。

システム基盤に Azure を採用したことや、フル スクラッチではなくリノベーションを選択したことで、システム移行のコストも抑制されました。「既存システムとの比較は難しいのですが、オンプレミスでフル スクラッチ開発した場合と比べれば、初期構築コストを半分程度に抑えられたと思います」と加藤 氏。セルフ サービス機能が追加されていけば DRS の人的コストも削減でき、サービス全体のコスト削減にもつながっていくだろうと言います。

<今後の展望>
サービス内容を多様化することで顧客層の拡大を目指す

「CEC は当社の状況を深く理解し、最適な提案を行ってくれました」と松田 氏。画面のリニューアルによって使い方もわかりやすくなり、客先で実施する説明会の頻度や、顧客からの問い合わせも少なくなったとのこと。またシステムの柔軟性も飛躍的に向上し、ビジネスの自由度も高まったと語ります。「2000 年当時の DREAMS のセールス ポイントは "現物確認の徹底" でしたが、ネットワーク接続があたり前になった現在では、DREAMS のサービス内容も変わっていく必要があります。新しい DREAMS DB は、このような変革を支えうるものになったと評価しています」。

変革の 1 つに挙げられているのが、サービス全体の電子化です。現在ではサービスの申し込みを紙で行う必要がありますが、これも含めてすべてオンラインで行えるようにすることが検討されています。

顧客ごとのニーズに合わせてサービス内容にバリエーションをもたせ、それによってサービス価格を多様化することも考えられています。たとえばセルフ サービスを求める顧客に対しては、より安価なサービスを提供することで、顧客層を拡大することが可能になります。既にその第一歩として、機能を限定した無料バージョンがリリースされています。これは 50 社以上が利用しており、新規顧客獲得の重要なツールになりつつあります。

その一方で、「CEC は 2017 年 9 月に『コンテナプラットフォーム導入支援サービス』の提供を開始しており、今後はこれを含めた提案も行っていきます」と斎藤 氏。これは「Red Hat OpenShift Container Platform」を Azure と組み合わせたサービスであり、Re@nove で DevOps の実現が可能になると説明します。

「Azure のような信頼できるクラウドを採用することで、新たな取り組みへのハードルも下がりました。これからもそのメリットを活かし、時代の変化に合わせたサービス提供を進めていきたいと考えています」 と松田 氏は今後の新たな展開への期待を語りました。

写真:取材にご協力いただいた皆様

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ソリューション概要

プロファイル

ディーアールエス株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きます は、1997 年に設立された IT サービス企業です。IT 資産のレンタル/リースと IT 資産管理サービス「DREAMS」を核に、IT 資産の調達から導入、運用、管理、処分に至るライフ サイクル全般に関するソリューションを提供。自社ヤードを活用した IT 機器の導入支援、IT 資産管理、ソフトウェア ライセンスの管理における、豊富なノウハウと実績を有しています。2017 年 5 月に「DREAMS」のシステム基盤を Microsoft Azure へと移行。サービスの柔軟性をさらに高めています。

導入製品とサービス

オープン ソース

  • Apache HTTP Server
  • JBoss Application Server (WildFly)

パートナー企業

株式会社シーイーシー

導入メリット

  • Azure 上で既存システムをリノベーションしたことで、アプリケーション改修のスピードが向上した。
  • 負荷が急増した場合でも、サーバー スペックの変更によって迅速に対応できるようになった。
  • Azure と OSS を組み合わせて活用し、既存資産も最大限に活かしたことで、システム移行コストの抑制が可能になった。

ユーザー コメント

「Azure のような信頼できるクラウドを採用することで、新たな取り組みへのハードルも下がりました。これからもそのメリットを活かし、時代の変化に合わせたサービス提供を進めていきます」

ディーアールエス株式会社
代表取締役社長
松田 晴彦 氏

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