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株式会社オービックビジネスコンサルタント

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掲載日: 2017 年 6 月 27 日

Azure の PaaS を活用しパッケージ開発方法やプロセスを変革
「クラウド ファースト」を掲げ時代の流れに合わせた取り組みを推進

写真:株式会社オービックビジネスコンサルタント

株式会社オービックビジネスコンサルタント


「クラウド ファースト」の戦略に基づき、自社パッケージのクラウド化を積極的に進めている株式会社オービックビジネスコンサルタント。2015 年に提供を開始した「OBC マイナンバー サービス」は「Microsoft Japan Partner of the Year 2016」の「Application Development アワード」を受賞しており、2016 年 11 月には主力製品をクラウド化した「奉行 10 新クラウド モデル」も発表しています。同社のクラウド化への取り組みで重要な役割を果たしているのが Microsoft Azure。特に PaaS 機能を積極的に活用することで、運用効率化や開発のタイム ラグ解消を推進しています。


<導入の背景とねらい>
2016 年 11 月に「奉行 10 新クラウド モデル」の提供を開始、
中小/中堅企業のクラウド シフトを強力に支援

写真:和田 成史 氏

株式会社オービックビジネスコンサルタント
代表取締役 社長
和田 成史 氏

Microsoft Office 365 などのコミュニケーション基盤を中心に、日本企業でもクラウド化が急速に進みつつあります。この流れに対して先手を打ち、Azure による基幹業務パッケージのクラウド化を早い時期から進めてきたのが、株式会社オービックビジネスコンサルタント (以下、OBC) です。

同社は創業から 36 年間、中小/中堅企業の基幹業務をパッケージ化して提供し続けてきた企業。プラットフォームは長年にわたってマイクロソフトを採用しており、マイクロソフトと共にベースとなるテクノロジーを進化させ続けてきました。主力製品である「奉行シリーズ」も、常に最新テクノロジーで利用できるようにしており、スピード、操作性、使い勝手の三拍子そろったパッケージであると評価されています。

また取得、申請している特許の数も、現在では 100 を突破。その一方で販売面では、パートナー販売を重視するスタンスを取り続けています。これまで培ってきたテクノロジーと優れたパートナー様の存在をコア コンピテンシーとすることで、顧客満足度は 3 年連続 No.1 となり、累計ではこれまで 10 回、ERP 部門での No.1 を獲得しています。2016 年 11 月には奉行シリーズの「新クラウド モデル」も発表。Azure 上で動く「奉行 10」の提供を開始しました。

「2016 年に入ってからは中小/中堅企業のお客様でも、クラウド化の流れが一気に加速しています」と述べるのは、OBC で代表取締役社長を務める和田 成史 氏。年末までには 9 割の顧客が、クラウド採用を前提とする「クラウド ファースト」へと動いており、これを後押しするように OBC 自身も 2016 年 9 月から、企業戦略として「クラウド ファースト」を全面に押し出すことにしたと言います。「実は昨日 (2016 年 12 月 15 日) も名古屋で開催されたセミナーに出席し、名古屋支店のメンバーと話をしたのですが、お客様の 9 割はクラウド移行に積極的で、奉行 10 新クラウド モデルの商談も絶好調です、と言われました」。

OBC はこれまで Windows を基盤としてパッケージを提供してきましたが、「これからは Azure がネット環境の OS になると確信しています」と和田 氏。IoT をベースとした新しいインターネット時代となれば、業務パッケージも新しいステージに移行する必要があると語ります。「私自身は以前から、これからはクラウドだと確信していました。しかし現場の社員は、お客様の予想以上の反応にびっくりしているようです」。

それでは OBC におけるクラウドへの取り組みは、いつからスタートしていたのでしょうか。実はもう 5 年以上前にまでさかのぼることができるのです。

<導入の経緯>
2011 年 11 月には Azure でのサービス提供を開始、
2015 年にリリースした「OBC マイナンバー サービス」はわずか 3 か月でリリース

写真:唐鎌 勝彦 氏

株式会社オービックビジネスコンサルタント
取締役 (開発副本部長)
唐鎌 勝彦 氏

OBC がクラウド化への取り組みを始めたのは 2011 年 11 月。災害や事故から業務データを守るクラウド サービス「OBC ストレージ サービス」を Azure に対応させたのが、最初の取り組みでした。その後も、クラウド環境で奉行シリーズ運用を実現する「OBC クラウド運用サービス」や、クラウド会計ソフト「奉行 J Personal (パーソナル) ベータ版」などを提供。2015 年には「OBC マイナンバー サービス」の提供も開始しています。また 2016 年 10 月には「OMSS + 年末調整申告書サービス」と「OMSS + 勤怠管理サービス」もクラウドで提供。奉行 10 の新クラウド モデルは、これらに続くものなのです。

OBC マイナンバー サービスの開発では、「Microsoft Japan Partner of the Year 2016」の「Application Development アワード」も受賞。これは Azure Web Apps をはじめとする複数の PaaS 機能を活用することで、わずか 3 か月でリリースできたと和田 氏は振り返ります。リリースから半年でユーザー企業数は 1 万 5,000 社に上り、取り扱っているマイナンバーの総数は 400 ~ 500 万名分に上っています。

「これまで中小/中堅企業の個人情報は金庫に保管するのが一般的でしたが、マイクロソフトのデータ センターなら社内の金庫よりも安心して個人情報を預けられる、というご評価をいただいております。データ管理はデータ センター内で三重化しており、これを東西のデータ センターでさらに二重化しています。当社はこれまで一度もデータ漏洩やデータ消失を起こしたことがありませんが、Azure をこのように活用することで、鉄壁のデータ保護を実現しています」 (和田 氏) 。

最新の奉行 10 新クラウド モデルでは、まず Azure を IaaS として活用し、オンプレミス版の奉行 10 をほぼそのままクラウドへと移行。そのため Azure 以外のさまざまなクラウドでも同じように利用できますが、Azure だけはクラウド環境の構築と運用まで含めた、オール イン ワン サービスとして提供されています。

Azure のみ オール イン ワン サービスを提供している理由を、OBC 取締役 (開発副本部長) の唐鎌 勝彦 氏は次のように説明します。

「第 1 は、複数のデータ センターやクラウド サービスのコスト試算をした結果、Azure が最も低コストだったことです。第 2 は、仮想マシンを動かすハードウェアだけではなく、SQL DB のようなソフトウェアも用意されているため、パッケージ稼働環境の整備や運用が容易だからです。そして第 3 が、他社クラウドはほとんどが IaaS の提供のみなのに対し、Azure では充実した PaaS が提供されていることです。これからのクラウド活用の形を考えると、PaaS の存在は非常に重要だと考えています」。

既に年末調整申告書サービスなどは、Azure の PaaS 機能を活用して動かしており、2016 年末には小規模企業向けの「奉行 J シリーズ」も同様に、Azure の PaaS 上で動く SaaS として提供する予定。今後は奉行 10 新クラウド サービスも、IaaS から PaaS へと移行することになっています。

OBC マイナンバー サービスのシステム構成:従業員が自宅からの番号提出を可能にするスマートフォン入力や、各自が職場の PC を利用して入力、総務担当者が番号をまとめて入力といったさまざまな収集方法に対応可能。収集したデータは、Azure 上に保管することで、高度なセキュリティ環境で、安全な番号保管・運用が可能となります。 また、このサービスは、奉行シリーズをはじめ、さまざまな基幹システムと連携も可能です。

「Microsoft Japan Partner of the Year 2016」の「Application Development アワード」を受賞した、「OBC マイナンバー サービス」のシステム構成。Azure が提供する複数の PaaS 機能を活用することで、わずか 3 か月でのリリースを実現。その後半年でユーザー企業数は 1 万 5,000 社に上り、取り扱っているマイナンバーの総数は 400 ~ 500 万名分に上っています。[拡大図] 新しいウィンドウ

OBC 製品のプロダクトマップ:Azure 上に展開される OBC のクラウド製品とサービス一覧。

Azure 上に展開される OBC 製品のプロダクトマップ[拡大図] 新しいウィンドウ

<導入効果>
PaaS 機能の積極活用でパッケージの作り方を変革、
DevOps の導入もマイクロソフトと共に推進

写真:日野 和麻呂 氏

株式会社オービックビジネスコンサルタント
開発本部 ICTセンター 部長
日野 和麻呂 氏

「オンプレミス環境から PaaS への移行では、ある程度コードを書き直す必要があります」と唐鎌 氏。そのため PaaS 活用は、比較的小さなパッケージから始めるようにしており、中堅企業向けの大規模パッケージは、まずオン プレミスから IaaS へと移行してクラウド化し、その後に PaaS に載せ替えていく方針だと言います。それではなぜコード変更を行うという、いわばリスクになり得る対応をしてでも、あえて PaaS を使っていこうとしているのでしょうか。

この問に対して唐鎌 氏は、「これからのクラウド活用で主流になるのは PaaS だと考えているからです」と明確に回答。そして、クラウドを「仮想マシン」として使うのではなく、ソフトウェア サービスの集合体として使うことで、システム基盤やミドルウェアのメンテナンスが完全に不要になり、業務アプリケーションの開発と運用に集中できるようになると説明します。特に Azure で提供されている PaaS 機能は、機能改善や機能アップのサイクルが速く、どんどん使いやすくなっていると付け加えます。

OBC では開発を Microsoft Visual Studio で行っていますが、これとの親和性が高く、融合した形で開発を進められるのも、Azure の優位性だと唐鎌氏。OBC 自身の開発スピードについては「今はまだ離陸している最中」と前置きしながらも、今後は徐々にスピードアップしていくだろうと語ります。「新機能を早いタイミングでリリースするために、DevOps に向けたディスカッションもマイクロソフトと一緒に進めており、この考え方を開発体制の中に組み込みつつあります。これによって機能リリースまでのタイム ラグも、さらに短くなっていくはずです」。

その一方で「Azure のポータルは管理を一元化しやすく、SDK や PowerShell も用意されているため、運用効率化も図りやすくなっています」と述べるのは、OBC 開発本部 ICTセンター 部長の日野 和麻呂 氏。これまで手作業で行っていた作業を自動化することで、人的ミスを回避でき、コスト削減にもつながっていると言います。また Azure なら、従来の開発環境と同様に、技術支援を行うサポート窓口がマイクロソフト側に用意されるため、安心して開発と本番環境の構築および運用が行なえる点も、大きなメリットだと語ります。

さらに和田 氏は「Azure の PaaS 機能を活用したクラウド化によって、パッケージの作り方やプロセスも変わっていくでしょう」と指摘。これまでは細かい機能単位でコードを作成していましたが、今後はそれ自体が 1 つの製品となり得る大きなブロック作り、それらを組み立てていくようになると言います。「これまで労働集約型だったソフトウェア開発が、装置産業に変化していくと期待しています」。

システム構成図:OBC マイナンバー サービスのデータ管理はデータ センター内で三重化しており、これを東西のデータ センターでさらに二重化しています。Azure を活用することで、鉄壁のデータ保護を実現しています。

システム構成図[拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
Azure に追加された新サービスも積極的に活用、
クラウド時代も「自ら信じた道」を突き進む

今後も OBC は、Azure に追加された新しいサービスを積極的に活用していく方針です。現在既に、Cognitive Services や Machine Learning、Power BI の検証が始まっています。特に Cognitive Services は、顔認証などに活用できるのではないかと期待が寄せられています。

「これまでの歴史を振り返れば、1950 年代から 30 年間汎用機の時代が続き、1980 年代には Windows の登場によってクライアント/サーバー型の分散システムが主流となり、2010 年からは再び集中化が進むと共に、スマホやタブレットなどのマルチデバイス化もが広がるようになりました」と和田 氏。このようにコンピューティングの世界は、30 年ごとに大きく変化してきたと語ります。そして現在、集中化の部分を支えているのがクラウドであり、過去の流れから考えれば、2040 年までは間違いなくビジネス クラウドの時代になると言います。「OBC もすべてのリソースをつぎ込んで、クラウドに取り組んでいく必要があると考えています」。

また和田 氏は次のようにも述べています。

「世界は常に不確実であり、その中で生き残るには "何を信じるか" が重要になります。たとえば Windows はビジネスの世界を支える OS になりましたが、それが登場した当初はこのような状況になるかどうかは不透明でした。それでも多くのソフトウェア ベンダーが Windows を信じ、その道を突き進んだからこそ、今の状況があるのだと思います。これはクラウド時代も同じです。信じる道を突き進むしかありません。世界が大きく変わろうとしている今、変わらないことこそが最大のリスクになります。もし選んだ道が間違えていたことがわかったら、その時にまた道を変えればいいのです。ビッグ データや AI などのようにこれまで不可能だったことも、クラウドなら容易に実現できる時代になります。企業経営の選択肢も増え、これまでは想像もできなかったビジネスが生まれる可能性も高くなっています。当社もこのようなおもしろい時代を楽しみながら、変化し続けていきたいと考えています」。

時代の流れを読みながら、常に新しいことに挑戦し続ける OBC。同社が新たなテクノロジーを活用してどのような製品やサービスをリリースしていくのか、これからも目が離せません。

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ソリューション概要

プロファイル

株式会社オービックビジネスコンサルタント外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、1980 年 12 月に設立された、基幹システムのパッケージ ソフトウェア メーカーです。主に中堅企業および中規模/小規模企業にフォーカスしたソリューションの、開発と販売および保守などのサービスを提供。多様な情報技術と、お客様の満足を徹底的に追及する「顧客第一主義」の下ビジネスを展開しており、これまでに ERP 部門で顧客満足度 No.1 を 10 回獲得しています。2011 年にはいち早くクラウド化に向けた取り組みも開始。2016 年 11 月には主力製品である「奉行 10」のクラウド対応も果たしています。

導入製品とサービス

導入メリット

  • PaaS 機能を活用することで、システム基盤やミドルウェアのメンテナンスが完全に不要になり、業務アプリケーションの開発および運用に集中できるようになった。
  • Azure のポータルは管理を一元化しやすく、SDK や PowerShell も用意されているため、人的ミス回避やコスト削減につながった。
  • DevOps に向けたディスカッションもマイクロソフトと共に進めており、この考え方を開発体制の中に組み込むことで、機能リリースまでのタイム ラグのさらなる短縮を目指している。

ユーザーコメント

「Azure の PaaS 機能を活用したクラウド化によって、パッケージの作り方やプロセスも変わっていくでしょう。労働集約型だったソフトウェア産業が、装置産業へと変化していくと期待しています」

株式会社オービックビジネスコンサルタント
代表取締役 社長
和田 成史 氏

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本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。

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