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大成建設株式会社

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掲載日: 2016 年 12 月 27 日

Office 365 によって「どこででも仕事ができる」環境を整備

写真:大成建設株式会社・本社 (新宿センタービル)

大成建設株式会社・本社 (新宿センタービル)

日本を代表する「スーパーゼネコン」として、数多くの工事現場で業務を遂行している大成建設株式会社。同社では、「どこででも仕事ができる」環境を整備するため、グループ会社を含む約 2 万人の社員を対象に、Microsoft Office 365 が導入されています。またモバイル端末管理機能を提供する Microsoft Intune も採用、社員が個人所有するデバイスを業務利用する BYOD も、セキュアな形で実現しています。既に Microsoft Exchange Online や Skype for Business、OneDrive for Business が日常業務で活用され、社員の生産性向上に貢献。今後は Office Delve や Yammer、SharePoint Online も活用することで、社員の働き方変革をさらに推進することが目指されています。

<導入の背景とねらい>
利用者の利便性をさらに高めるため、
情報共有とコミュニケーションの基盤をクラウド化

写真:柄 登志彦氏

大成建設株式会社
社長室
理事 情報企画部長
柄 登志彦氏

写真:堀本 幸志氏

大成建設株式会社
社長室
情報企画部 企画室
ICT調達リーダー
堀本 幸志氏

社員の働き方を変革し、できる限り生産性を高めていくことは、すべての企業にとって共通する課題。その必要性を特に強く感じているのが、建設業だと言えます。この業界では多くの社員が社内ではなく建設現場で業務を行っているため、情報共有やコミュニケーションの壁が生まれやすい状況にあります。生産性を高めていくには、この問題を解消しなければなりません。特に最近では、東京オリンピックが開催される 2020 年に向けて国内需要が高まっており、その後のグローバル展開への布石を打つことも求められています。世界のどこにいようとも必要な情報にアクセスでき、すべての関係者とコミュニケーションできる環境を整備しなければならないのです。

この要求への対応を Office 365 の導入で実現しつつあるのが、ゼネコン大手の大成建設株式会社 (以下、大成建設) です。同社はスーパーゼネコンの 1 社として数多くの構造物の建設を行う一方、都市開発や環境保全などの事業も展開。1991 年から四半世紀にわたって使い続けている「地図に残る仕事。」というキャッチ コピーでも、広く知られています。

「当社はこれまでもデータ センター内に設置したオンプレミス システムの形で、社外からアクセスできるさまざまな情報共有機能を提供してきました」。このように語るのは、大成建設株式会社 社長室 理事 情報企画部長 柄 登志彦 氏です。大成建設には本社と 15 の支店のほか、技術センター、46 の営業所、約 1,200 箇所に上る作業所などがあり、これらの拠点間のコラボレーションを実現する必要があるからです。しかし以前の環境は、必ずしも十分な利便性を確保できていなかったとも振り返ります。社外からアクセスする時の手順が多いうえ、セキュリティを考慮したさまざまな機能制限も行われていたからです。「たとえば個人端末の利用は制限をかけており、メール添付のファイルのダウンロードはできないようにしていました。しかし最近ではほとんどの人が自分のモバイル端末を持ち歩いています。生産性を高めるには社外からのアクセスを容易にすると共に、端末の自由度を高める BYOD を実現しなければなりません」。

その一方で「以前の環境は、Office 365 に含まれる機能の多くを既に実現していましたが、各機能が個別システムになっていたため、一貫性に欠けるという問題も抱えていました」と語るのは、企画室 ICT調達リーダーの堀本 幸志 氏。シングルサインオンを実現するためにツールごとにカスタマイズする必要があったことも、煩雑だったと言います。「これらの問題を一気に解決するには、情報共有とコミュニケーションの基盤全体を入れ替えるべきだと考えました」。

そのための検討に着手したのは 2014 年夏。きっかけとなったのは、そのころ利用していたメール サービスの保守期間終了が間近に迫っていたことでした。ここで、いつでもどこででも利用できる「開かれた環境」を確立するには、クラウド サービスを活用すべきだと判断。2015 年 1 月には本格的な調査研究を開始します。そして複数のクラウド サービスを比較検討した結果、グループ全体で 2 万人を超える社員の情報共有およびコミュニケーション基盤として、Office 365 の採用を決定するのです。

<導入の経緯>
導入実績の高い Office 365 を採用、
国内データ センターの存在も重要な決め手に

写真:白井 俊二氏

大成建設株式会社
社長室
情報企画部
コンサルティング室長
白井 俊二氏

写真:山田 哲也氏

大成建設株式会社
社長室
情報企画部
インフラ計画室長
山田 哲也氏

それではなぜ Office 365 を選んだのでしょうか。その理由について柄 氏は、「建設業を含む多くの企業や団体での導入実績が高く、世界のデファクト スタンダードになっているからです」と説明します。またコンサルティング室長の白井 俊二 氏は、「セキュリティ ポリシーがしっかりしていることや、日常的な業務で使っている Office ファイルとの親和性が高いこと、利用ログなどのビジネス活用で必要な機能が装備されていることも高く評価しており、データ センターが国内に存在することも重要な決め手になりました」と付け加えたうえで、「他のクラウド サービスも検討しましたが、これらすべての要件を満たせるのは、Office 365 しかありませんでした」と語ります。

2015 年 8 月には「ICT を活用した働き方改革」と名付けられたプロジェクトをスタート。ここにマイクロソフト コンサルティング サービス (MCS) のコンサルタントも参画し、現場部門へのヒアリングを行いながら、業務分析や想定される使い方、それによる効果などを明確化していきました。2015 年 11 月には、本社各部門の IT 担当者約 40 名を対象としたパイロット導入も実施。ここでも MCS のコンサルタントが、社内ルールとの整合性確保、展開に関するノウハウを提供しています。

2016 年 1 月にパイロット対象者を約 200 名にまで拡大し、2 月には「全社プレビュー」のため、全社員とグループ会社の社員、合計約 2 万名への展開を実施しています。これと並行して、各支店の IT キーパーソン約 2,000 名を対象とした「趣旨説明会」と「操作説明会」も開催。2016 年 4 月までの間に 60 回を超える説明会が行われ、現在も BYOD などをテーマにした利活用推進のための説明会が、継続的に開催されています。

「実際に触ってみないとどのような利便性があるのかが実感できないため、社内プレビューのようなお試し期間を設けることは、全社展開をスムーズに進めるうえで重要なプロセスとなりました」と語るのは、コンサルティング室 課長の野村 淳 氏。この時に MCS からさまざまなヒントを貰ったことも、円滑な展開に貢献していると指摘します。「私達自身もこれまでに経験を積んできましたが、異なる視点からの意見は、新たな気付きにつながっています。Office 365 に関する深い知識に裏打ちされたアドバイスを受けることができ、 "Office 365 で何ができ何ができないか" に関する質問にも的確に答えていただいたため、たいへん助かりました」。

このような活動が功を奏し、Office 365 の利用は短期間で活発化。全社プレビュー開始のわずか 5 日後には、1 日のログイン回数が 1 万を超え、ユニーク ユーザー数も 1,400 名に達しました。2016 年 3 ~ 5 月には、社長から全社員に配信される「社長メッセージ」のに中にも、Office 365 による働き方改革推進に関する内容を掲載。さらにヘルプデスクの増員も行い、2016 年 5 月の本番切り替えを迎えるのです。

<導入効果>
Skype for Business により移動中であっても タイムリーなやり取りが可能に
OneDrive for Business により出先で業務が完結でき、事務所立ち寄りも減少

写真:野村 淳氏

大成建設株式会社
社長室
情報企画部 コンサルティング室
課長
野村 淳氏

大成建設で現在活用されている Office 365 の機能は、大きく 4 つあります。Exchange Online、Skype for Business、Office 365 ProPlus、そして OneDrive for Business です。これらのへのアクセスは、社員に配布している業務用 PC のほか、個人所有のスマートフォンやタブレットからも行うことが可能。個人所有のデバイスを使用する場合には事前にデバイスを登録し、Microsoft Intune によるデバイス管理を受ける必要があります。これによって、アクセス許可された端末からのセキュアかつ手軽な利用を可能にすると共に、それ以外の端末からの不正アクセスを防止。モバイル端末にダウンロードされたデータは暗号化され、紛失などが発生した場合にはリモートからデータを消去することも可能です。

「メールとスケジュールを Exchange Online へと移行したことで、社外からでもスピーディにアクセスできるようになりました」と柄 氏。以前はアクセスの度に 2 ~ 3 分かかる手順を踏む必要がありましたが、現在では登録された端末であれば、即座にメールやスケジュールを確認できると言います。「私は 2 年前から、メールやスケジュールは 10 秒以内に見られるようになるべきと考えていましたが、それを超える圧倒的なスピード感が実現できました」。

Skype for Business は、プレゼンス機能とチャット機能 (IM) を中心に活用が広がっています。プレゼンス機能で相手の状況を確認したうえで、電話やメール、チャットを使い分けるという文化が浸透しつつあるのです。「相手の状況を考えずにとりあえず電話をかける、という行動は、あまり見られなくなりました」と語るのは堀本 氏。チャットも Office 365 導入以前から利用していたため、すぐに使いこなすことができたと言います。これに加え野村 氏は、「IT 利用者のサポートを行うヘルプデスクでも Skype for Business が役立っています」と指摘。PC で問題が発生した場合、以前は電話で症状を聞いて対応していましたが、現在では画面共有機能を活用することで、すぐに状況が把握できるようになっていると言います。

Office 365 ProPlus に関しては、1 ライセンスあたり 15 台まで Office 製品をインストールできる点を高く評価。2016 年 10 月に実施した Office バージョンアップのタイミングで、本格的な活用が始まっています。

そして OneDrive for Business も、生産性向上に大きな貢献を果たしています。

「以前はファイルの修正作業を会社支給の PC で行う必要があったため、工事現場で測定したデータは、いったん事務所に戻ってから入力しなければなりませんでしたが、今ではその必要がなくなりました」と語るのは、インフラ計画室長の山田 哲也 氏。個人ファイルを全部 OneDrive for Business に置いておけばモバイル端末からでもファイルにアクセスでき、その場でファイルの作成や修正が可能だからです。地方の工事現場は事務所から山を隔てた場所にあるケースもあり、移動に長時間を要すことも珍しくありません。しかし、この移動時間を他の業務に使えるようにしたことで、生産性は飛躍的に高まっていると言います。

さらに柄 氏は、「利用者個人が業務利用するファイルを OneDrive for Business に集約することで、バージョン管理も容易になり、状況に応じて複数の端末を使い分ける場合でも、一貫性のある作業が行えるようになりました」と付け加えます。「Office 365 によって、どこででも仕事ができる環境が整いました。特に OneDrive for Business の利便性は高く、まだまだ活用範囲が拡がると期待しています」。

Office 365 を活用したコミュニケーション/情報共有基盤

大成建設が導入した、Office 365 を活用したコミュニケーション/情報共有基盤。事業拠点内はもちろんのこと、作業所現場や移動中/移動先、海外拠点、自宅でも、業務に必要な情報にアクセスし、ファイルの編集などが行えます。コミュニケーション手段としては、メール、チャット (IM) 、ビデオ通話 (Web 会議) などから自由に選択可能。ファイルを OneDrive for Business に集約することで、複数端末で一貫性のある作業を行うことも容易になっています。[拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
今後は他の機能も積極的に活用、
今までにない使い方で働き方改革をさらに推進

カメラ付き PC が社内展開されていないこともあり、Skype for Business の Web 会議機能の活用は、まだ本格的には推進されていません。しかし白井 氏は、「一部の支店では、積極的に取り込んでいこうという独自の取り組みが始まっています」と言います。たとえば見積額の決裁を行う場合、現在は支店に戻って上司に説明し、金額を決定するする必要がありました。しかし Web 会議を活用すれば、支店に戻ることなく上司への説明を行うことが可能になります。「現在はまだ試行錯誤の段階ですが、これがうまくいけば他の支店に水平展開できると考えています」。

また今後は、Office 365 の他の機能の活用も進めていく計画です。まず Office 365 内の情報発見を容易にする Office Delve の活用を近いうちに開始する予定になっており、社内 SNS 機能を提供する Yammer の検証にも着手、運用ルールを明確化したうえで 2017 年には利用を開始することが検討されています。さらに 2017 年 7 月には SharePoint Online によるファイル共有サービスの提供を開始し、2018 年 7 月までに全社ポータルを立ち上げる予定になっています。

「既存環境から Office 365 への移行が問題なく完了し、現在はその使いこなしを進めている段階です」と柄 氏。今後は「今までになかった使い方」を積極的に開拓し、働き方改革をさらに進めていきたいと語ってくれました。

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ソリューション概要

プロファイル

大成建設株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きます は、1873 年 (明治 6 年) 10 月に創業、1917 年 (大正 6 年) 12 月に設立された、日本を代表するスーパーゼネコンの 1 社です。創業以来長年にわたって培われてきた高度な技術力を活用し、数多くの構造物の建設を行う一方、都市開発や環境保全などの事業も展開。「人がいきいきとする環境を創造する」というグループ理念の下、安全で快適な生活環境の整備を通じ、社会の持続的発展に貢献し続けています。

導入メリット

  • 情報共有とコミュニケーションの基盤を Office 365 へと移行したことで、どこででも仕事ができる環境を整備できた。
  • 利用者個人が業務利用するファイルを OneDrive for Business に集約することで、外出先でもオフィスにいるかのような業務効率性を確保でき、また複数の端末で一貫性のある作業が行えるようになった。
  • Skype for Business の利用により、移動時間・隙間時間を活用したコラボレーションが可能となり、ビジネスのスピードが増した。

ユーザーコメント

「Office 365 によって、どこででも仕事ができる環境が整いました。特に OneDrive for Businessの利便性は高く、まだまだ活用範囲が拡がると期待しています」

大成建設株式会社
社長室
理事 情報企画部長
柄 登志彦 氏

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