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東急建設株式会社

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掲載日: 2015 年 10 月 7 日

オンプレミスの情報系システムを Office 365 に移行。
SharePoint Online で全社、部門、支店のポータルを作成し、情報の共有と社内ノウハウの活用による「現場力」の強化を実現

写真:東急建設株式会社

東急建設株式会社

渋谷や東急沿線の街づくりを原点に事業を展開する東急建設株式会社は、渋谷地区再開発など拡大する事業の中で、確実な成長を図るため、2015 年度を初年度として、「現場力」の強化、選別受注の実践、収益多様化の 3 つを柱とした中期経営計画を策定しました。
中でも「現場力」は「自ら問題を発見し、解決する能力」と定義しており、東急建設株式会社では現場力をいわゆる工事現場 (作業所) だけでなく、内勤部署も含めたあらゆる職場において強化していくとしています。
とはいえゼネコンではやはり作業所が「現場」の中心です。個人の現場力を組織としての力に高めるには現場を支援する内勤部署とのつながりをより強くすることや、現場間の横のつながりを作ることでノウハウを全社的に活用できるようにすることが欠かせません。そのために、東急建設株式会社では Microsoft Office 365 を導入、SharePoint Online で、全社、各部門、支店のポータル サイトを構築することにしました。構築プロジェクトはマイクロソフトのパートナーである株式会社シーイーシーをプロジェクト リーダーに、ディスカバリーズ株式会社が SharePoint Online の導入企画、活用支援などを担当。2 か月弱という短期間で稼働にこぎつけました。

東急建設株式会社では各部門から支店まで積極的にコンテンツをポータルに掲載し、情報の発信と共有を図り、現場力の強化に役立てていきます。また、Skype for Business Online を活用して、コミュニケーションを活性化すると共に、ワーク スタイルの変革も目指していく考えです。

<導入の背景とねらい>
点在するゼネコンの作業所における現場力の強化には欠かせない IT のしくみ。
情報の共有で、生産性向上を図る

東急建設株式会社 (以下、東急建設) は、1946 年創業の、多摩田園都市を始めとする渋谷や東急沿線の街づくりが原点のゼネコンです。同社はその原点に立って、企画提案から新築、リニューアル、建て替えに至るまで街のライフサイクルに末永く関わっていくことによって、建物ひとつひとつではなく、お客様や生活者の視点で「まち」全体を考え、常に新たな価値の創造に努める「Town Value-up Management」をブランド メッセージとして掲げています。

ゼネコンを取り巻く環境は、国土強靭化の推進による底堅い公共投資や景気回復に伴う民間建設投資の増加により、当面は追い風が続くと想定されています。東急建設では、旺盛な建設需要に伴う技能労働者や資材の不足と建設コスト高騰などへの対応、渋谷再開発事業などの大型工事が続く中での将来を見据えた建設事業の収益力向上、更なる市場拡大が期待されるアジアをターゲットとした海外事業の成長や渋谷、東急沿線を中心とした首都圏におけるリニューアル事業、不動産開発事業の深耕など収益要素の多様化を重要な課題として挙げています。そのために、2015 年度を初年度として、現場力の強化、将来性、生産性、利益を軸とした選別受注の実践、収益多様化の 3 つを柱とした 3 年間の中期経営計画を策定し、事業に取り組んでいます。
東急建設株式会社 管理本部 経営企画部 次長 小西 雅和 氏が語ります。

写真:東急建設株式会社 管理本部 経営企画部 次長 小西 雅和 氏

東急建設株式会社
管理本部
経営企画部
次長
小西 雅和 氏

「東急建設は現在、渋谷の再開発に取り組んでおり、昨年は 2 棟の超高層ビル建設を受注し、工事を始めています。この先さらに仕事量が相当増えると予想しており、その中では、改善を積み重ねて生産性を上げていく、現場力の強化を大きなテーマにしています。そのために欠かせないのが IT のしくみで、IT をうまく使って、生産性向上につなげていこうと考えています」。

ゼネコンでは、各支店で担当している建設現場ごとに平均数名の社員が勤務する「作業所」と呼ばれる小さな職場が多数存在します。また、工事は他のゼネコンと JV (ジョイント ベンチャー) を組むケースが多くあり、1 つの作業所で他社とネットワークが混在しているケースもあります。その中で、セキュリティを確保しながら、情報共有をしなければならないのですが、情報システム部門が作業所まで直接サポートすることは不可能です。そのため、会社の方針や方向性が現場までなかなか伝わらなかったり、現場の声が本社に上がりにくかったりという課題があります。

「たとえばメーカーであれば、生産拠点としていくつかの工場があります。そこでの情報共有はあたりまえで、生産性や品質の向上なども比較的進めやすく、ノウハウの共有や活用も可能です。それに対して私たちの場合は、拠点が全国に数多く点在しているので情報共有が難しく、ある作業所の所長が他所でも活用できるようなノウハウを持っていたとしても、それを他の作業所に伝えて、使えるようにすることが難しい面があります」(小西 氏)。

<導入の経緯>
SharePoint Online による全社、各部門、支店のポータル サイト構築、情報発信の強化を目指し、Office 365 を導入

東急建設では早くからイントラネットが構築されており、2000 年ごろには既に全社ポータルも立ちあげられていました。しかし、HTML の知識を持った人でないとページを制作できないため、内容がなかなか充実しませんでした。また各部門でよいページを作っても、作成技術を持った社員が異動してしまうと、更新が滞ってしまうこともありました。
また、情報共有にはオンプレミスのファイル サーバーを利用していましたが、フォルダーの数がたいへん多く、かつ深い階層になっていて、ファイルがどこにあるかわかりにくく、情報をすぐに発信できるような形態にもなっていませんでした。それを補完するために、メール基盤である Exchange Server のパブリック フォルダーを使っていましたが、機能の拡張ができないといった問題もありました。

写真:東急建設株式会社 管理本部 情報システム部 部長 吉村 典之 氏

東急建設株式会社
管理本部
情報システム部
部長
吉村 典之 氏

写真:株式会社シーイーシー システムインテグレーションビジネスグループ ビジネスクラウド事業部 第一サービス部 主査 上原 良太 氏

株式会社シーイーシー
システムインテグレーションビジネスグループ
ビジネスクラウド事業部
第一サービス部
主査
上原 良太 氏

そこで、東急建設では 2014 年春、Office 365 を導入して、SharePoint Online で情報共有基盤を構築することを決めました。同社が目指したのは、社員が欲しい情報が必ずあり、情報発信もできて、簡単に見つけることができるポータル サイトの実現であり、HTML などの専門的な知識がなくても、パブリック フォルダーのような感覚で情報をアップできるようにすることでした。そして、そうした情報共有のしくみを作ることで、作業所に分散して働く社員どうしの横のつながりを作り出し、会社としての一体感を生みだすことも目標にしました。

導入にあたっては、まず構築ベンダーを決めるコンペを行い、2002 年に SFA (sales force automation、営業支援システム) の導入を担当して以来取引のある株式会社シーイーシー (以下、CEC) と SharePoint Online の導入企画や導入支援、活用分析を行うディスカバリーズ株式会社 (以下、ディスカバリーズ) の合同チームを選びました。
東急建設株式会社 管理本部 情報システム部 部長 吉村 典之 氏が語ります。

「両社のチームを選んだ決め手は、私たちがやりたいことに関して、ポイントを押さえた提案内容になっていたことでした。そのうえで、プロジェクトを遂行するためには人が重要になります。CEC の上原さんとディスカバリーズの小和瀬さんであれば、柔軟な対応をしながら、最後まで責任を持ってプロジェクトを遂行してくれるだろうと、おふたりの人柄を見て最終的に判断しました」。

東急建設では、当初 SharePoint Online を導入して、ポータル サイトを簡単に作成できる基盤を構築することが目標でしたが、最終的には Office 365 Enterprise E1 ライセンスを契約。Skype for Business Online も含めて活用し、コミュニケーションの活性化に役立てるところまで行うことにしました。そして、2015 年 1 月末までに全社ポータルを立ち上げること、管理本部および配下 6 部署のポータル、その他の本部や支店向けポータルのテンプレート、ならびに部署横断プロジェクトなどのコミュニケーションの場としてのチーム サイトのテンプレートを 3 月末までに完成させること、最後に 4 月以降各部門が自力でページを作ることができるようにすることの 3 つを必達目標として定め、プロジェクトをスタートさせました。
株式会社シーイーシー システムインテグレーションビジネスグループ ビジネスクラウド事業部 第一サービス部 主査 上原 良太 氏が語ります。

「コミュニケーションの変革によるつながりの実現、さらにはワーク スタイルの変革を促す基盤作りをプロジェクト目標とし、末永くご利用いただくことを見据えた提案をディスカバリーズと共に実施しました。本プロジェクトに限らず SharePoint Online の構築プロジェクトにおいては、イメージが固まってくるにつれ新たなご要望を頂戴したり、頂戴していたご要望内容が変わってきたりすることが多く、特に本プロジェクトでは全社ポータルの立ち上げまで実質 2 か月弱の短期間でありましたため、大小さまざまな課題、変更管理のマネジメントに苦慮しましたが、東急建設様の多大なご支援もあり無事にリリースを迎えることができました」。

<システムの概要と構築>
構築期間はわずか 2 か月弱。SharePoint Online のテンプレートを使って効率的に構築

構築プロジェクトは 2014 年 10 月中旬に開始し、2 月上旬には全社ポータル、3 月末には管理本部のポータルをオープンさせるという短期間で完了させることが求められました。そのため、SharePoint のノウハウをいかに効果的に活用するかが大きなポイントになりました。
ディスカバリーズ株式会社 コンサルティング&サービスグループ シニアコンサルタント 小和瀬 咲絵 氏が語ります。

写真:ディスカバリーズ株式会社 コンサルティング&サービスグループ シニアコンサルタント 小和瀬 咲絵 氏

ディスカバリーズ株式会社
コンサルティング&サービスグループ
シニアコンサルタント
小和瀬 咲絵 氏

写真:東急建設株式会社 管理本部 情報システム部 システムセンター (インフラ担当) 前保 俊洋 氏

東急建設株式会社
管理本部
情報システム部
システムセンター (インフラ担当)
前保 俊洋 氏

「構築期間が短いので、ゼロからサイト構築を始めていては間に合いません。支店や各部門で早く展開できるように、サイトのデザインやコンテンツなどの共通部分をテンプレート化して利用するなど、私たちが持っているノウハウをフルに活用してプロジェクトを進めました。SharePoint でのサイト構築案件は、要件定義を進める中でお客様のご要望が変わり、それに対してのディスカッションを深める過程でどんどんとブラッシュアップされていくという側面があります。それらを取り込みつつ、発信者側にとって重要な「伝えたい情報が確実に伝わる」という視点と、利用者側にとって重要な「必要な情報がすぐに入手できる」という視点をふまえながらサイト設計、構築作業を進めていきました」。

そのうえで、パブリック フォルダーやファイル サーバーにあった数千ものファイルを、新しいポータル サイトの掲示板に移行しました。そして、全社ポータルを完成させ、2015 年 2 月上旬、Office 365 を全社の約 3,000 ユーザーに展開。従業員が PC を立ち上げると SharePoint Online で作成された全社ポータルがトップ ページとして開く環境ができあがりました。
東急建設株式会社 管理本部 情報システム部 システムセンター (インフラ担当) 前保 俊洋 氏が語ります。

「今回、ユーザーが毎回パスワードの入力をしなくても済むようにして利便性を高めるとともに、ブラウザーにパスワードを保存させないようにしてセキュリティを高めることも目標としてありました。そのために、Active Directory Federation Services (ADFS) を導入し、オンプレミスの社内システムと Office 365 を連携させて、シングル サインオン環境を実現しました」。

全社ポータルには社長のメッセージや中期経営計画を知らせる特設サイトが作られ、パブリック フォルダーから掲示板になったことで、見やすくなったと評判です。

「中期経営計画は 3 年ごとに作成していますが、今までは策定しても認知されにくいという課題がありました。また、全国の拠点を回ると、本社が何をやっているのかわからないという声も耳にしていました。そこで、全社で中期経営計画をきちんと実行しようという意味と、社員に経営計画とその進捗をよりわかりやすく理解してもらうために特設サイトをオープンさせました。今後はさらに、社員に施策の実施状況がわかるように、動画やコミュニケーションの場なども用意して、コンテンツを充実させていきます」(小西 氏)。

現在、各部門はそれぞれ部門ポータルを作成しているところですが、最も取り組みが進んでいるのが首都圏土木支店です。そのサイトには「改善広場」というコーナーが設けられ、現場での具体的な工夫や改善点が投稿できるようになっています。そして、スタッフからの投稿に対して、幹部を始め、だれもが自由に返答やコメントできるのです。このシステムを利用して、新入社員の投稿に支店長が返信するなど、双方向のコミュニケーションとノウハウの共有が始まっています。

「ポータルは土台になるメニューや掲示板などの共通コンテンツとデザインをテンプレート化し、全体の一体感を持たせられるようにしましたが、それ以外の要素は柔軟性を持たせ、各部門や支店が自分たちで自由な形で情報発信ができるよう工夫しています。また、システム管理者にとって手離れのよいサイトを実現するために、各部門や支店の情報発信担当者向けに詳細なマニュアルを準備し、集合研修も行いました」 (小和瀬 氏)。

<導入の効果と今後の展望>
Skype for Business Online の利用場面の拡大、Office 365 の全面的な活用で、ワーク スタイルを変革する基盤構築を目指す

東急建設では、SharePoint Online の活用で、ノウハウや情報の共有、さらにコミュニケーションが活性化しています。

「SharePoint Online でポータルのページが簡単に作成できるようになり、集中的にやれば、数日で完成させることが可能になりました。これによって、長い間の懸案だった全社レベルや部門、支店レベルなどの情報共有を簡単に行うことができるようになり、ノウハウの共有やコミュニケーション活性化の基礎を築くことができました」(吉村 氏)。

また、8 月末には BCP 総合訓練が行われ、Skype for Business Online を使っての被災現場と本部の中継が行われました。こうした経験を積み重ねることで、Skype for Business Online の利用場面を広げ、働き方を変えるツールとして活用していきたいと考えています。

「ワーク スタイルの変革には、いつでもどこからでも Skype for Business Online を使えるようにすることが重要です。今回の Office 365 の導入をステップに、いつでもどこからでも使える環境を構築し、ワーク スタイルの変革につなげていきたいと考えています」(前保 氏)。

東急建設では、できるだけ早い時期に、全部門のポータルを完成させ、コンテンツを充実させて、その成果を他部門へも横展開させていく考えです。そして、今後、オンプレミスで稼働している Exchange Server を Exchange Online へ切り替えるなど、Office 365 の統合環境をさらに活用していき、数年後のクライアント PC のリプレース時には Office 365 ProPlus を導入、Microsoft Azure Rights Management なども活用してセキュリティも確保し、全社でのワーク スタイルの変革を支える基盤にしていく計画です。

図.Active Directory Federation Services と Office 365 を活用した情報共有のしくみ

Active Directory Federation Services と Office 365 を活用した情報共有のしくみ [拡大図] 新しいウィンドウ

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ソリューション概要

プロファイル

東急建設株式会社 外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、
1946 年に創業された、多摩田園都市を始めとする渋谷や東急沿線の街づくりを原点とするゼネコンです。その原点に立って、企画提案から新築、リニューアル、建て替えに至るまで街のライフ サイクルに末永く関わっていくことで、建物ひとつひとつではなく、お客様や生活者の視点で「まち」全体を考え、常に新たな価値の創造に努める「Town Value-up Management」をブランド メッセージとして掲げています。

導入メリット

  • 全社、部門などさまざまなレベルでの情報共有の実現
  • 共有ノウハウの活用による現場力の強化、生産性向上
  • ワーク スタイルの変革に向けた土台の構築

ユーザーコメント

「SharePoint Online でポータルのページが簡単に作成できるようになり、集中的にやれば、数日で完成させることが可能になりました。これによって、長い間の懸案だった全社レベルや部門、支店レベルなどの情報共有を簡単に行うことができるようになり、ノウハウの共有やコミュニケーション活性化の基礎を築くことができました」

東急建設株式会社
管理本部
情報システム部
部長
吉村 典之 氏

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