マイクロソフトのオープン化戦略と Microsoft MVP

マイクロソフトのオープン化によって、技術者の活躍するフィールドが広がった。

写真: 日本マイクロソフト Java エバンジェリスト 寺田 佳央

日本マイクロソフト
デベロッパー エバンジェリズム統括本部 テクニカル エバンジェリズム本部
Java エバンジェリスト 寺田 佳央 (てらだ よしお)

マイクロソフトのオープン化戦略は、開発者やコミュニティにどのような影響を与えるのか、そして MVP 受賞者が活躍するフィールドはどう広がるのか、日本を代表する Java エバンジェリストの寺田佳央に伺いました。

― Java 系テクノロジ エバンジェリストが、マイクロソフトに移籍した理由を教えてください

私は、サン・マイクロシステムズに勤めていた時代から Java のテクノロジ エバンジェリストとして活動し、その後オラクルで 5 年間 Java の啓蒙活動を続けてきました。続けてきた理由は、Java という技術が心底好きだったからです。
ですが、2015 年に Java が 20 周年を迎え、JJUG (Japan Java User Group) の活動も軌道に乗り、私の中では一区切りついたと感じたのです。そこで、新たなチャレンジの舞台として選んだのがマイクロソフトでした。マイクロソフトを選んだ理由は、2014 年に就任したサティア ナデラ CEO の影響が大きいですね。
サティアは、これまでのビジネス モデルを大きく転換しオープン化の取り組みを加速しています。そして今、マイクロソフトはエンジニアにとって最もエキサイティングな会社に生まれ変わったのです。

― マイクロソフトのオープン化は何をもたらすのでしょう

今日、 iOS や Mac 上で Office 製品が動き、ついに Windows 10 で Linux の Ubuntu を動かすことができるようになりました。Microsoft Azure は完全にオープンなプラットフォームとなり、Windows だけではなく、普通に Linux も Free BSD も動きます。その上でオープンソース製品も他社の商用製品も動作させることができます。
プログラミング言語も Java はもちろん PHP、Ruby も使えます。マイクロソフトがオープンなプラットフォームのベンダーに生まれ変わったことで、OS やプログラミング言語に依存せずに、世界中のエンジニアが利用できるフィールドが大幅に広がっています。

― Microsoft MVP を受賞するにはどうすればいいのですか 

どのコミュニティでも同じですが、イベントで登壇されるような方、もしくはコミュニティで注目を浴びるような方の特徴は、そのテクノロジに惚れ込んでいることです。もし将来自分もそうなりたいと思われる方は、ぜひ自分が好きなテクノロジに関する情報を、ブログや Qiita などでどんどん情報発信してください。たとえば、自分が試したことや、つまずいたこと、そしてそれをどうやって解決したのかなどを書いてください。そのような情報は、自分のメモになるだけでなく、同じことをしたいと思う方にとって貴重な情報になります。
マイクロソフトの社員は、日々世の中の情報をウォッチしています。そして、熱意を持って情報発信している方を見つけると、「コミュニティで登壇してみませんか」とアプローチすることもあります。情報発信を続け、登壇回数が増えていくと、自ずと MVP への道は拓けてくるのではないかと思います。
特に、将来の IT 業界を引っ張っていく若手技術者で「僕はこうなりたい」、「こういう夢がある」という方は、ぜひ社外、社内問わずどんどん情報発信することをお勧めします。私自身もサン・マイクロシステムズに勤めていた頃にブログを書きはじめ、当初は社内の人にも興味を持ってもらえなかったのですが、それでも「この製品がすごい」って発信を続けていたら「寺田さんがそれほど言うなら」という形で味方が増えていき、その結果、エバンジェリストとして活動することになったのです。

― MVPになるメリットを教えてください

MVP のメリットとして、マイクロソフトの製品やサービスを無料で利用できるほか、コミュニティでの知名度も上がります。その他にもいろいろなメリットはあるのですが、中でも魅力なのはマイクロソフトの米国本社で開催されるグロサミ (MVP Global Summit) ※ に招待されることです。
グロサミに参加すると、世界中の MVP と仲良くなれるだけではなく、本社の製品開発チームと直接会って日本のマイクロソフト社員でさえまだ知らない NDA (機密保持契約) の情報に接することができます。さらに製品開発チームと直接メーリング リストでつながることで開発中の製品にフィードバックができ、それが製品に反映される醍醐味もあります。これは MVP 受賞者だけが経験できる貴重な特典だと思います。

※ グロサミ (MVP Global Summit):
Microsoft 米国本社にて年 1 回開催される MVP イベント。製品開発グループによる 600 を超える技術セッションが開催され、毎年 1,800 名程度の MVP が参加するイベントです。

― 若い世代が、マイクロソフトのテクノロジを選ぶメリットは何ですか

マイクロソフトには、UWP (Universal Windows Platform) というアプリケーション開発手法があり、これを使えば Windows のデバイスやモバイルだけではなく、Xbox や AR ヘッドセットの HoloLens などさまざまなデバイスで、一度つくったアプリを動かすことができます。
ハードウェアも Surface Book や Surface Pro のような、かつてのマイクロソフトでは考えられないような製品がどんどん出ています。そういう意味でもマイクロソフト テクノロジを選ぶことは、新たな可能性を広げることにつながるといえます。

― MVP を目指す方へメッセージをお願いします

まずお願いしたいのは、マイクロソフトのテクノロジ、特に OSS 関連にさわってほしいということです。そして少しでも興味を持たれたら、ご自身で使い倒してください。その中で本当に好きだと思えるものが見つかったら、世の中へ情報を発信してください。情報を発信し続ければ、必ず何かが自分に返ってくるはずです。
MVP になりたいか、なりたくないかはご本人次第ですが、今マイクロソフトは OSS 関連の MVP 候補のリクルーティングを積極的に行っています。OSS 系にフォーカスした情報を発信していただければ、きっとスポットライトが当たります。このような情報はまだまだ少ないので、今は MVP を受賞する絶好のチャンスといえます。

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