若手技術者が語る Microsoft MVP 受賞のメリットとは
– 若手 MVP 座談会

コミュニティに参加して情報発信することが、若手技術者の成長を促し、MVP の道を拓く。

写真: 左から 静岡大学 情報学部 栂井 良太、株式会社ソノリテ SMB システムコンサルティンググループ 宇留野 彩子、東北大学 工学部 五十嵐 祐貴

【参加者】

左: 静岡大学 情報学部 栂井 良太 (とがい りょうた)

中: 株式会社ソノリテ SMB システムコンサルティンググループ
  宇留野 彩子 (うるの あやこ)

右: 東北大学 工学部 五十嵐 祐貴 (いがらし ゆうき)

【ファシリテーター】

日本マイクロソフト
デベロッパー エバンジェリズム統括本部
オーディエンス テクニカル エバンジェリズム統括本部
エバンジェリスト 物江 修 (ものえ おさむ)

20 代前半の若手 MVP 受賞者とマイクロソフトのエバンジェリストが、MVP 受賞のメリットやコミュニティ活動などをテーマに座談会を行いました。

― コミュニティ参加のきっかけと活動内容

物江  まずは皆さんの自己紹介からお願いします。

五十嵐 東北大学工学部の学生です。2015 年に、Visual Studio and Development Technologies の .NET 分野で MVP を受賞しました。

宇留野 株式会社ソノリテで Office 365 利活用提案のコンサルティング、管理者・エンドユーザー向けにトレーニングをしています。MVP のカテゴリは Office server and Service です。

栂井  静岡大学の情報学部に所属しています。MVP の受賞カテゴリは、MVP for Windows Development なのでクライアント系ですね。

物江  コミュニティで活動している理由を教えてもらえますか。

五十嵐 私がコミュニティで活動する目的は 2 つあります。
1 つ目は自分が好きな技術、特に .NET の魅力をより多くの人に知ってもらうことです。実は私が最初に触れたプログラミング言語は VB.NET で、その頃には既に無料版の Visual Studio もリリースされていて、恵まれた環境で楽しくプログラミングを学ぶことができました。これまで様々な言語や環境に積極的に触れてきましたが、やはり今一番好きだと思えるのは .NET でした。
そして 2 つ目は、コミュニティに参加することの楽しさをより多くの人に伝えることです。コミュニティが主催する勉強会の参加などを通して得られる知識や参加者とのコネクションに、私自身がかなりお世話になってきたので、私もそれに貢献したいと思っています。

宇留野 私は、Office 365 コミュニティと Japan SharePoint User Group に参加しています。参加した理由は、上司が勉強会に参加していた影響が大きいです。あと、技術的なことを、いろいろ覚えたかったし、自分のブログの認知も拡げたいという想いもあったからです。

栂井  僕のきっかけは Windows Phone IS12T のコンテストに参加したことです。当時珍しかった Microsoft XNA で Windows Phone のゲームをつくったら、エバンジェリストの高橋忍さんに「天才だ」って目をつけられ、それでコミュニティの存在を知りました。今は Center CLR っていう .NET の勉強会に参加しているのと、JAZUG (Japan Azure User Group) の学生支部を主催しています。

物江  コミュニティでは、どのようなことに力を入れていますか。

五十嵐 私がセッションでお話しするときは、初心者も取り入れたいので、なるべく楽しさが伝わるようにデモ多めで構成しています。また、私が主催しているコミュニティ「サトヤ仙台」では、単に参加者に技術を広めるだけではなく、参加者の中から発信できる人を増やしたいとも思っています。サトヤに参加して楽しく学び、LT (Lightning Talk) などにも気軽に挑戦してもらい、情報共有の場を盛り上げたいです。

宇留野 Office365 は、実際のユーザーさんや管理者さんに使われることが多いので、そういう方に向けで新機能を紹介しています。また、活用する際の注意点、OneDrive の活用方法など、業務に役立つテーマを選んで登壇し、答える活動に力を入れています。

栂井  オンラインでは MVP 活動の一環として、入門サイトをまとめて見られるインデックスをつくったり、初心者でも入りやすいサイトを作成したりしています。オフラインでは、参加者の求めるものを提供することに力を入れています。
たとえば、学生は、将来ちょっと役立てばいいとか遊び感覚で参加する人も多いので、ハンズオンの資料を用意したり、あとからウェブ サイトで落とせたりする形にして、誰でも理解できるような活動を心がけています。

― MVP 受賞のきっかけと受賞後のメリット

物江  MVP 受賞のきっかけを教えてもらえますか。

五十嵐 コミュニティ活動を続ける中で、自分の活動の価値を客観的に測りたいと思うようになり、応募を続けたところ受賞をすることができました。

物江  活動を指標化するために応募するというのは、おもしろい考え方ですね。

宇留野 私は毎週 2 回ブログを更新しているのですが、多くの方に見てもらえたことが、受賞のきっかけになったのだと思います。あとは勉強会で登壇したことも評価されたと思います。

栂井  僕は MVP という名前にあこがれ、MVP になりたいという理由で活動してきました。

物江  マイクロソフトの社員として、そう言ってもらえるとすごくうれしいですね。

栂井  MVP を目指して活動するうちに UWP (Universal Windows Platform) に愛着がわき、それが生きる証になり、その結果が MVP につながりました。

物江  MVP 受賞後に感じたメリットを教えてもらえますか。

五十嵐 技術者の方々とのコネクションをつくれたことが一番のメリットです。

物江  なるほど。ところで五十嵐さんは就職についてはどう考えていますか。

五十嵐 私は大学院へ進むので就職は先のことになりますが、MVP を受賞したことで、技術者の方々と多くのコネクションをつくれたので、これが就職にも活きると考えています。

物江  MVP は横のつながりは強いですからね。一緒に本を書いたり、起業したり、結婚した人までいますから。

宇留野 私は、社内で評価してもらえたことが一番のメリットでした。
それから、お客様から「MVP 受賞されているのですね」とか「いつもブログを見ています」とおっしゃっていただいたり、ブログをきっかけに活用/開発のご相談を新たに受けたりすることも増えました。
そういう意味でも価値があると思います。

栂井  若手技術者に限るかもしれませんが、MVP になるとコミュニティでの注目のされ方が変わりますね。本の出版依頼や、登壇の話も増えました。自己紹介で MVP というと懇親会で話しかけられ、知名度も飛躍的に上がったとこ感じます。

― MVP 受賞後の変化

物江  MVP 受賞後の変化って何かありましたか。

五十嵐 様々な製品が無料で使えるようになったり、マイクロソフト本社の開発チームとのメーリング リストに参加して、最新の情報を入手したり直接フィードバックを送れるようになったことは、大きな変化です。

宇留野 私の知らないカテゴリやあまり縁のなかった開発系の方など、MVP のお友だちが増えました。ブログを見てくださる方の実数も増えています。

栂井  僕は今 MVP 継続の審査期間中ですが、1 年に 1 回自分の活動を見直し、技術を客観視する機会が与えられることは、すごく良い変化だと思います。

物江  MVP 受賞後の印象的なエピソードって何かありますか。

栂井  僕はあまり英語が得意じゃないので、年に一度世界中の MVP がマイクロソフトの米国本社に集うグロサミ (MVP Global Summit) ※ に参加したとき不安だったのですが、周りの MVP の方から「自分でつくったアプリを見せればいいんだよ」と言われたので見せたら、カナダの Microsoft RD と呼ばれるトップ技術者がすごく気に入ってくれて、それ以来「今年は来ないの?」とか連絡がくるようになって、すごくうれしかったです。

物江  技術者同士ってコンテキストが同じだから言葉が通じなくてもコミュニケーションできるのですね。

※ グロサミ (MVP Global Summit):
Microsoft 米国本社にて年 1 回開催される MVP イベント。製品開発グループによる 600 を超える技術セッションが開催され、毎年 1,800 名程度の MVP が参加するイベントです。

― 若手技術者へのメッセージ

物江  同世代あるいは下の世代の技術者に向けたメッセージをお願いします。

五十嵐 まずは自分がおもしろいと思うものを追いかけることが一番だと思います。追いかけた先に .NET や Microsoft のテクノロジがあるならば、是非私たちのコミュニティに一度参加してみてください。コミュニティ活動への参加を通して自身の世界を広げ、いろんな人とコネクションをつくってほしいと思います。

宇留野 若手の MVP って少ないですよね。Office 365 は特に少ないので一緒にコミュニティを盛り上げられる同年代の MVP が増えてほしいですね。先輩の MVP の皆さんはやさしいし、いろいろ教えてくれるので、MVP 受賞はすごく良い成長の機会になりますから、ぜひチャレンジしてください。

栂井  「コミュニティに行きましょう」とお願いしたいです。今コミュニティに参加する学生は Mac とか Ruby の人が多いのですが、Windows のプログラムやっている人も一定数いるので、Windows の技術情報を交換するためにも、ぜひコミュニティに来てハンズオンに参加してもらいたいです。

物江  技術は 1 人でコツコツやるのもいいのですが、みんなでやったほうが伸びますし、誰かがかみ砕いて説明してくれたこととか自分の知っていることをシェアしたほうが絶対的に知識も深まりますよね。社会に参加することは、人と関わることなので、いろいろな人と関わるという意味でも、若い世代がコミュニティに参加する意味はあると思いますね。ぜひ MVP 受賞にチャレンジしていただきたいです。

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