180年以上もの間、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、常識に挑戦し、顧客に喜びを提供することで、事業の繁栄に成功してきました。歯磨き粉や石鹸、ペーパータオル、洗濯洗剤など、P&Gの幅広い家庭用製品は、地球上のあらゆる国々の多くの家庭で使用されています。
P&Gは、その革新的な社風どおり、データとアルゴリズムを、自社の運用方法を建設的に破壊し、成長に繋げる手段だと捉えています。P&Gは、将来の成功を支えるために会社が下すあらゆる決断に情報を与える、マルチクラウド主導のデータ戦略とデータ文化を構築しました。
“P&Gが、消費者を理解し消費者に最高のサービスを提供するためには、データ主導の文化を推進し、経営上の主要な意思決定にアルゴリズムを組み込むことを可能にする必要があります”
ガイ・ペリ氏, チーフデータ&アナリティクスオフィサー, P&G
「私たちが企業として卓越性を追求するためには、適切な製品、適切なパッケージをお客様にお届けし、適切なコミュニケーション、店内での適切な業務遂行を実現する必要があります」と、P&Gのチーフデータ&アナリティクスオフィサー、ガイ・ペリ氏は言います。「お客様に対してこれを実現する方法、そして当社製品を購入してくださるお客様は変化しています。その変化に遅れを取らないためには、データとアルゴリズムが重要になります」
多くのデータはあるがアクセスできない
P&Gは事業範囲が広く、長い歴史があるため、売上の推進要因や製品選好など、ビジネスに関する多くのデータポイントを持っていました。しかしデータは地理的に分散され、サイロ化されている上、P&Gのレガシーシステムは分散された何百ものデータタイプをリンクできないため、総合的なインサイトを得ることができませんでした。
P&Gは、こうしたサイロを解消し、ビジネスユーザーに単一のビューを提供できるプラットフォームを求めていました。同時に、同社のリーダーは、データ主導の文化、つまりデータと分析を前面に押し出す成長型マインドセットを育てる必要があることに気付きました。真のデジタルリーダーになるためには、AI、機械学習、高度な分析のすべてが重要だと考えられていました。
P&Gは、Azure Synapse Analytics、Azure Data Lake、Power BIなどの、Microsoft Azureの強力なデータおよびAIソリューションと共に何が必要なのかを見つけました。「Azureは、ノーコード機能によるAIの民主化やPower BIの埋め込み機能など、P&Gにおけるデジタル化の効果の最適化を支援します」とペリ氏は言います。「私たちは、Azureの拡張性、柔軟性、分析能力を高く評価しています。スタックは、ビジネスニーズに基づいて拡大/縮小することができます。さらにAzureでは、SynapseのバックエンドとフロントエンドのPower BIツールの両方の、最先端のデータおよびアルゴリズム機能を使用できます」
“私たちにとって重要なのは、「パフォーマンス」と「スケール」という2つの変化する要素だけです。私たちはコスト効率の良いレートで拡大/縮小できますか?Azure、そして連携して行った協調的な革新により、「パフォーマンス」と「スケール」両方でプラスの成果を得ることができます”
ガイ・ペリ氏, チーフデータ&アナリティクスオフィサー, P&G
P&Gは、これらの拡張性に優れた動的なデータソリューションを使用して、3つの主要な課題(回復力のあるサプライチェーンの構築、小売業務の改善、優れた製品とパッケージングの提供)において、データの力を活用しています。
回復力のあるサプライチェーン。
P&Gのデータサイエンティストとビジネスアナリストは、データレイク内にある既存および新規のデータソースの情報を組み合わせて、消費者が必要なときに必要な製品を入手できるよう支援するための予測を立てます。
小売業務の改善。
P&Gは、きめ細かい分析機能を使用して、小売パートナーが消費者の前に適切な製品を適切に陳列できるようにしています。
優れた商品とパッケージング。
P&Gは、製品とパッケージにデータと分析を活用し、ポイントインタイムで評価を行うアプローチから、リアルタイムで感知して反応するアプローチに移行しています。この移行で鍵となるのは、データを自動収集して分析を促進するグローバルアーキテクチャです。これにより、インサイトを明らかにし、イノベーションプロセスを加速し、製造可能性とコスト最適化を判断します。
「世界の勢いのあるスタートアップ企業に対抗するには、俊敏に行動する必要があります」とペリ氏は言います。「しかし当社の規模を活かして競争上の優位性を得るには、正確に行動する必要もあります。データアルゴリズムがその両方をサポートしてくれます。そのため、意思決定者へのデータインサイトの提供が早ければ早いほど、競争力が高くなります」
地域レベルの分析とスマートな販売
P&Gは、世界レベルだけでなく地域レベルでも重要なインサイトを得ています。「地域レベルの分析」と呼ばれる取り組みにより、P&Gは、消費者の買い物の仕方や消費者が必要としているものを地域レベルで把握できます。P&Gは外部と内部のデータソースを組み合わせることで、より効果的に小売客と提携し、消費者向けの特定のカテゴリを拡大することができます。
「スマートな販売」と呼ばれる2番目の取り組みにより、P&Gは、成長の見込まれる市場での販売業者の取り組みを把握できます。P&Gは、ビッグデータとAIを活用して、販売業者が製品を正確に発注できるよう支援しています。「当社がこれらのツールを使用して、より正確な情報を得ることができた好例には、新型コロナウイルスがあります」とペリ氏は言います。「私たちは、Azureの分析機能と新型コロナウイルス関連のデータを組み合わせて、最大のリスクである在庫切れが発生する場所や、全商品のニーズが予想される場所を正確に把握しました」
データ主導の文化の構築
P&Gは、特定のユースケースだけでなく、Azureを使用して従業員にデータの力とデータの使用方法を日々意識させる、強力なデータ文化を構築しています。
Azureの使いやすい操作性により、P&Gのデータ文化をテクノロジーの側面から実現できます。従業員は簡単にデータを理解、操作し、データを使用して重大な意思決定を行うことができます。こうした意思決定は、P&Gが消費者により良いサービスを提供する能力に影響を与え、企業の運用方法を建設的に破壊します。
「当社のデータ文化は、データテクノロジー、作業プロセス、報酬システムを組み合わせたものです」とペリ氏は述べています。「このうち1~2つしか持っていない場合、望む成果を出すことはできません。私たちは、現場リーダーおよび業務リーダーと緊密に連携して、運用方法を建設的に破壊する方法で変革を実現しました」
将来に対する基盤
P&Gは将来に備え、より多くのデータタイプを接続し、顧客、そして自宅をP&G製品で満たしている消費者を喜ばせる新しい方法を探しています。またデータ文化の強化を続け、会社全体の主要な意思決定プロセスにアルゴリズムを組み込むことを可能にします。プロクター・アンド・ギャンブルは創業およそ183年ですが、その未来はかつてないほど明るいものになっています。
“私たちが処理しているデータ量を考えると、私たちの大規模なニーズを満たすベンダーはほとんどありません。Azure Synapse Analyticsなら、それが可能です。そしてマイクロソフトが持つ、業務拡大方法に関するビジョンは、業界最高水準です”
ガイ・ペリ氏, チーフデータ&アナリティクスオフィサー, P&G
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