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2022/04/11

対面とオンラインを同時におこなう「ハイフレックス型授業」をSurface Hub 2S で実現!

現在の教育現場は、矛盾するような課題に直面しています。一方的に教え込むのではなく、ディスカッションやグループワークなどの「能動的な学習」をできるだけ提供すること。
「密」な環境をつくらずに、新型コロナウイルスの感染リスクを極力抑えること。この両者を、どうすれば同時に満たせるのでしょうか?

日本大学文理学部の取組は、その課題を解く鍵となるかもしれません。同大学は、デジタル ホワイトボードである Surface Hub 2S をアクティブ ラーニング教室に導入し、対面とオンラインを同時におこなう「ハイフレックス型」の講義をスタートさせています。

Nihon University

これからのアクティブ ラーニングに必要なデバイスとは?

「文と理の融合」を教育理念に掲げ、総合的・学際的な教育に取り組む日本大学文理学部。哲学科・社会学科・数学科などの計18学科に、8,000名もの学生が在籍しています。戦前は中等学校の教員養成機関である「高等師範科」だったことから、今でも教員養成の特色が強く、令和3年度教員採用試験の合格者数が中学・高校共に日本一となっています。

今、日本の教育は大きく変わりつつあります。中学校では2021年から、高校は2022年から、新しい学習指導要領にもとづく外国語教育やプログラミング教育が始まりました。こうした変化を踏まえ、日本大学文理学部においても今後の教員に必要な力を身に付けるために、2020年度から新カリキュラムをスタートさせています。また、同時期に、ICT教育のための施設「メディア・ラボ」も、新たな学習スタイルに対応するためのリニューアルを実施しました。

ディスカッションやワークショップなど学生が能動的に取り組む学習スタイルを「アクティブ ラーニング」と呼びます。メディア・ラボの「アクティブ ラーニング教室」の設計を担当した日本大学文理学部助教、大川内 隆朗氏と田中 絵里子氏の両名は、そのコンセプトを次のように語ります。

「アクティブ ラーニングのための教室には、さまざまな授業形式に対応できる部屋づくりが必要でした。机や椅子が可動式なことは当然として、我々としては、グループワークのために『大きなモニターを使いたい』と思っていました。他大学の事例を見ると壁や柱にモニターが設置されていることが多いのですが、これでは学生の集まる場所が固定されてしまいます。大型モニターも移動可能のほうが、班ごとに分けたり、2つ並べて表示したり、より柔軟な使い方ができると考え、検討を進めていったのです」(大川内氏)

「学生が一人で作業をしてプレゼンするだけならば、大型モニターは不必要かもしれません。しかし、グループで作業や作戦会議をするには、一つの画面を囲んだ方が絶対効果的です。調べていくと、単なるモニターではなく、Surface Hub 2S のようにコンピューターを内蔵したデジタルホワイトボードがあることを知りました。そしてこちらの方が、さまざまな学科での授業ニーズに適していると直感しました」(田中氏)

効果的なグループ ワークを可能にする"Surface Hub 2S"

Surface Hub 2Sは、50 インチのモニター上で PC のように、Office アプリケーションの編集や、タッチ操作で書き込んだメモやイラストをすぐに保存・共有できることはもちろん、高性能なマイクやカメラを備えており、その部屋にいるメンバーとオンライン先のコミュニケーションに臨場感をもたらしてくれます。

アクティブ ラーニング教室の設備としてSurface Hub 2Sを選んだ理由について、大川内氏、田中氏はそれぞれの視点からこう語ります。

「Windows 内蔵であるという点が、Surface Hub 2Sの利点だと考えました。学内のほとんどの PC は Windows であり、教職員も学生も操作に慣れています。また、Surface Hub 2S だけで Word や PowerPoint などの Office アプリケーションや、ブラウザが動きますから、ノート PC をわざわざ繋がなくても、これだけで授業が可能です。今後、多くの教員・学生に活用してもらう上で、こうした利便性の高さは魅力でした」(大川内氏)

「カタログで製品を見比べていた時から、Surface Hub 2S はデザインが凄いと感じていました。ただのモニターではなく、まるで画家の使うキャンバスのようにオシャレで、触ってみたくなるのです。導入を決めたあとは、Surface Hub 2S のデザインに合わせて、アクティブ ラーニング教室に必要な他の設備を選んでいきました」(田中氏)

こうして、アクティブ ラーニングの象徴となるべく、5 台の Surface Hub 2S が日本大学文理学部に導入されました。ところが、新型コロナウイルス感染症の拡大がその活用を阻みます。

2021年末現在、日本大学文理学部では基本的にはオンラインで講義がおこなわれており、対面授業は実技や実習、実験など限られたものだけ。地方の学生は上京せず、リモートで受講しているケースが数多く見られます。こうした状況のため、Surface Hub 2S は授業ではなく、まずは学内外の打ち合わせや学会などのオンライン会議の場で利用されていきました。

「Surface Hub 2S には、Windows 10 Team という専用の OS がインストールされていて、Microsoft Teams のビデオ会議をすぐに使うことができます。ただ、会議によっては他のビデオ会議用のアプリを使う必要があるため、Windows 10 Enterprise に入れ替えて利用しています。これにより他のビデオ会議用のアプリも使えるようになるので、Surface Hub 2S だけであらゆるビデオ会議に対応することができました」(大川内氏)

日本大学文理学部教授の小林 貴之氏は、オンライン会議におけるSurface Hub 2Sを次のように評価します。

「Surface Hub 2S は音も画質も良く、処理も速くてストレスを感じさせません。思った通りに動いてくれない、というシーンが無いのです。ビデオ会議がとてもスムーズになりました」(小林氏)

新カリキュラムをハイフレックス型で実施

2021年12月末、日本大学文理学部の新カリキュラム「アルゴリズムとプログラミング基礎」において、講義では初めて Surface Hub 2Sが利用されました。このカリキュラムは、文系・理系問わず受講できる基礎教育科目の講義であり、今回は、レゴのロボットによるプログラミング実習をおこないます。

学生達に出された課題は、レゴで車を作り、プログラムを組み込み、マップ上で迷わずにゴールにたどり着くこと。アクティブ ラーニング教室に登校した学生がロボットを組み立て、オンラインで受講している学生と共に自動制御プログラムを組む。お互いを繋ぐのはSurface Hub 2S。新たな時代の学びがここにありました。

「アルゴリズムとプログラミング基礎」を担当した田中氏は、"ハイフレックス型"の講義に対する感触をこう話します。

「対面とオンラインを同時におこなうハイフレックス型のグループワークでしたが、初対面にも関わらず学生同士でのインタラクションがあり、手応えを感じました。Surface Hub 2S は事前に会議での利用で慣れていたこともあって、想定通りの動きでしたが、改めて"集音性"に優れているなと驚きました。自分のノート PC でオンライン授業をするときは『音が悪い』と言われてしまい、マイクを別途付ける必要があるのですが、Surface Hub 2S は教室の音をよく拾ってくれて、そのまま話すだけで画面の向こうの学生にもきちんと届けることができます」(田中氏)

学びの可能性を拡げていく

学生が能動的に取り組む「アクティブ ラーニング」と、対面とオンラインを同時におこなう「ハイフレックス型」の講義。2つの新たな教育スタイルを実現させた大川内氏と田中氏は、今後のSurface Hub 2Sの活用について次のように展望します。

「この先も、対面とオンラインを併用するという授業スタイルは続いていくことでしょう。両者の学習効果に差が出てしまうことは避けねばなりません。音声・映像面の両方で、まるで対面で授業を受けているような環境を提供する事が必要だと思います。映像においても、教室全体や黒板の板書など、教室にいるときのように自分が見たい場所に視点を切り替えられるような活用ができればと考えています。」(大川内氏)

「Surface Hub 2Sを選んだとき、『いろんな教育ニーズに対応できる』ということを考えてはいたのですが、まさかこんなにもオンライン授業が前提になるとは思いませんでした。しかし Surface Hub 2S ならば、ハイフレックス型授業も可能となります。そして Windows 端末ですから新たなソフトを導入したり、場合によっては開発することによって、さらに活用を拡げていけます。講義で使ってみて、特に小規模のグループワークに向いているなと感じました。実際にアクティブ ラーニング教室をゼミで使いたいという要望が複数届いていますので、来年度以降は教室調整が大変になるかもしれません」(田中氏)

また小林氏は、Surface Hub 2Sが多くの課題を抱える大学の助けとなると話します。

「来年度は対面を前提として計画をしていますが、状況がどう変わるかは分かりません。そんな中、どうやって質の良い教育を提供していくべきか。おそらく、どこの大学も同様の悩みを抱えていることでしょう。Surface Hub 2Sのようなデバイスを備えた教室が1カ所でもあれば、対面とオンラインを融合させたハイフレックス型講義ができるだけでなく、同時に、教室に収容する人数を減らすことも可能となるのです」(小林氏)

激変する教育環境の中で、日本大学文理学部はSurface Hub 2Sを使ったハイフレックス&アクティブ ラーニングという学びのスタイルを可能としました。近い将来、同大学を卒業した若き教員達が、デジタルの力を駆使した創造性を日本中にもたらしてくれることでしょう。

“Surface Hub 2S は音も画質も良く、処理も速くてストレスを感じさせません。思った通りに動いてくれない、というシーンが無いのです。ビデオ会議がとてもスムーズになりました”

小林 貴之 氏, 教授, 日本大学 文理学部

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