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2022/12/28

Microsoft 365 Business Premium により 60% のコスト削減を実現

リモートワークが一般的になりつつある昨今、企業は従業員が自宅でも働くことのできる環境の整備を迫られています。しかし、リモートワークやハイブリッドワークの実現には、クラウドの活用やセキュリティの確保など、考えることは無数に存在し、多くの情シス担当者の頭を悩ませているのが現状です。

システム開発会社である株式会社アクトは、オンプレミスで運用していた従来の IT インフラを全面的にクラウドに移行しました。Microsoft 365 Business Premium の導入により、セキュアな環境を担保しながら Office 製品や Microsoft Teams を活用して DX を推進しています。同社の客先常駐という、クライアントの意向や体制に大きく左右される業態的に導入が難しかったリモートワークも可能になり、働き方が大きく変化しています。

ACT

BCP の観点から IT インフラのクラウド移行を検討開始

2020 年から IT インフラのクラウド移行を検討し始めたアクト社。当時、社内では BCP (Business Continuity Plan) の観点でサーバーのオンプレミス運用に危機感を感じていたと、株式会社アクト 専務取締役の田部浩史氏は振り返ります。

「当時は新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の発生直後で対面での業務が難しい状況もあり、リモートワークを推進していく必要がありました。その中で、個人情報漏洩などのコンプライアンス面をどうしていくのか、同時に、自然災害時における BCP の観点から事業継続をどのようにしていくかなどが社内で議論になっていました。そうして、これまでオンプレミスで運用していた当社の IT インフラのクラウドへの移行を検討しはじめたのです」(田部氏)

また、当時利用していたパッケージ版の Office 製品のライセンス管理が煩雑になっていたことや、運用していたオンプレミスのファイルサーバーのリース切れが迫っていたことも、移行を検討し始めた理由のひとつでした。

「マイクロソフトのサービス以外の選択肢も含めて検討を進めましたが、ビジネスでの使用頻度を鑑みると、現実的に Office 製品の利用は外せませんでした。検討の結果、日常業務で継続的に利用する Office アプリに加えて、シングル サイン オンや多要素認証、条件付きアクセスといった管理が可能になる Azure Active Directory (Azure AD) といった、包括的なセキュリティ強化ができる機能が含まれた Microsoft 365 Business Premium の導入に踏み切りました」(田部氏)

こうして始まった同社の IT インフラ クラウド移行プロジェクトについて、移行を支援した株式会社ソフトクリエイト 営業本部 営業統括部の淀谷駿介氏は当時を振り返ります。

「2020 年 11 月にお話しをいただき、オンプレミスの AD もリース切れになるとのことでしたので、状況を踏まえて Microsoft 365 Business Premium の導入及び Azure AD への移行をご提案させていただきました。提案を受諾いただき、2021 年 3 月までにメールシステムの移行を完了し、その後 1 年ほどかけてファイルサーバーの SharePoint Online への移行と、Azure AD 環境の構築を完了するスケジュールで移行を実施する運びとなりました」(淀谷氏)

1 番の難関は "ガラパゴス化" したデータ

移行プロジェクト全体を通して、1 番の難関はデータでした。当時、オンプレミスのファイル サーバーは社内の各部署が割り当てられたエリアを自由に使える状態でした。そのため、部署によっては極端にフォルダ名が長い、階層が深い、ファイルサイズが大きいなどの問題があったといいます。株式会社アクト 情報管理部 システム管理室の河本雅子氏はこの問題について説明します。

「部署ごとに扱うデータの特性も多岐に渡るため、移行しようとするとエラーが頻発しました。長年にわたるオンプレミス サーバー運用で、データの整理を全くしていなかったので、各部署でデータが "ガラパゴス化" していたのです。移行するデータ、破棄するデータを精査し、フォルダ名の変更などの指示を部署単位で細かく指示を行いましたが、これにはとても苦労しました」(河本氏)

なんとかデータ移行を終え、現在はデータ保存の指針の作成を進めているといいます。そもそも、同社の情報システム部はたったの 3 名で、兼任を除くとわずか 2 名でプロジェクトを進行しなければならず、なおかつ、グループ会社を含めた全社の IT インフラの管理をこの人数で担っています。情報システム部の人数が少ない状況での IT インフラ移行プロジェクトで頼りになったのは、ソフトクリエイト社のサポートと、同社が運営するユーザー コミュニティでした。約 1,500 社、2,000 人以上が参加する大規模なコミュニティです。

「ソフトクリエイト社が運営する Microsoft 365 のユーザーコミュニティ『ソフクリ365倶楽部』が非常に役立ちました。さまざまな企業の情報システム部の方々が、具体的な障害などの悩みと解決策を日々投稿されており、現在でもこまめにチェックしています」(河本氏)

トータルで 60% のコストダウンを実現。リモートワークも順調な滑り出し

Microsoft 365 Business Premium 導入の効果として、田部氏は「大幅なコストダウンに成功した」と語ります。

「もともとメールシステムやサーバー、Office 製品のライセンスなどの予算は別立てでしたが、Microsoft 365 Business Premium に一本化したことで、トータルで 60% のコスト削減ができました」(田部氏)

メリットはコストダウンにとどまりません。アクト社では、客先常駐でのシステム開発という業態を取っていることや、業務に不慣れな若手社員のリモートワーク下での精神的な孤立といった悪影響もあるため、これまでリモートワークを積極的に推進していませんでした。

そんな中、突如訪れた新型コロナウイルス感染症の影響により、顧客の要望に沿う形でリモートワークを限定的にスタートします。グループ会社も多い同社において、Microsoft Teams によるコミュニケーションが潤滑油として大いに役立っていると語るのは、株式会社アクト 情報管理部 システム管理室の湯淺千花氏です。

「コロナ禍に入社して現在 2 年目となりますが、ある程度は出社してコミュニケーションを取りたい一方で、リモートワークでも Teams を使うことでメールよりも連絡がしやすいですし、絵文字やステッカー、投票機能もあるので気軽な意思表示もしやすく助かっています。部活動などの業務外活動においても Teams 上でのコミュニケーションが活発に行われています」(湯淺氏)

また、ファイルサーバーを SharePoint Online に移行したことも、同社にとって大きなメリットでした。河本氏は、SharePoint は同社のリモートワーク導入を大いに助けたと語ります。

「1 番大きな変化は、SharePoint Online によってファイルサーバーにいつでもどこからでもアクセスできるようになったことです。これまではリモートでファイルサーバーにアクセスする際、仮想デスクトップを経由してアクセスしていました。接続できる台数も限られていたので、急なログアウトや回線の取り合いが頻発していたのです。SharePoint Online を利用するようになったことで、端末のみで作業できるようになったことは大きなメリットでした」(河本氏)

まだまだ使いこなせていない機能はたくさんある。マイクロソフト サービスを通じた DX

アクト社は、Azure AD による条件付きアクセスも積極的に活用しています。SharePoint Online のファイルサーバーには社員のみにアクセスを許可し、同社のビジネス パートナーに対しては Exchange Online のアカウントのみを付与するなどして、ガバナンスを効かせています。

条件付きアクセス利用の際には、ソフトクリエイト社に非常に助けられたと、株式会社アクト 情報管理部 部長の深瀬欽正氏は語ります。

「以前使っていたサービスではそもそも条件付きアクセスの仕組みがなく、条件付きアクセスに関する知識が全くありませんでした。そのため、スケジュール的に無理なご相談や、エンジニアの方に “できる、できない” のレベルからあれこれ質問をさせていただきました。おかげさまで今ではセキュリティが大幅に向上したと感じています」(深瀬氏)

深瀬氏は、同社内で DX の機運が高まりつつあるとも語ります。これまでは部署単位で業務効率化の動きはあったものの、バラバラに動いており、全体最適を追求できていなかったのだといいます。

「部長陣を中心に、統一した動きとして DX をやろうという意識が高まってきた実感があります。すでに Microsoft Teams で業務効率化に向けたワーキング グループも立ち上がっており、議論が活発に行われています。開発現場に出向いているメンバーが多いので、チャットでのディスカッションがメインですが、アイデアが活発に投稿され、DX に向け着実に一歩ずつ進んでいると感じています」(深瀬氏)

同時に、Microsoft 365 Business Premium の中でも、まだ使い切れていない機能についてもより積極的に活用していきたい、と強調します。

「Microsoft 365 Business Premium には、トータルでかなり満足していますが、まだまだ使えていない機能も多くあります。運用の土台やセキュリティの確保ができたことで、これから徐々に生産性向上のための活用に踏み込んでいきたいと考えており、今年中には Azure Virtual Desktop の活用も視野に入れています」(河本氏)

ソフトクリエイト社も、今後のアクト社のマイクロソフトのサービスを活用した DX に、大きく期待を膨らませます。

「アクトさま社内で、生産性向上に向けた Microsoft 365 Business Premium の活用がされていくことに高い期待感を抱いています。今後、Azure Virtual Desktop をはじめとした Microsoft 365 Business Premium の諸機能をご活用いただけるよう、サポートをさせていただく予定です」

また、淀谷氏は Microsoft 365 Business Premium について、中小企業における導入メリットをこのように続けました。

「Microsoft 365 Business Premium は、コミュニケーション、業務アプリ、セキュリティがすべてまとまっており、使いこなせれば 1 ライセンスですべての業務を完結できるパッケージです。ご利用いただくことで、多くの企業の DX に貢献できると確信しています」(淀谷氏)

アクト社では、情報システム部からの発信のみならず、従業員からも積極的に使いたい機能の提案を募集しているといいます。今後も、同社のマイクロソフトのサービスを通じた DX から目が離せません。

“日常業務で継続的に利用する Office アプリに加えて、シングル サイン オンや多要素認証、条件付きアクセスといった管理が可能になる Azure Active Directory (Azure AD) といった、包括的なセキュリティ強化ができる機能が含まれた Microsoft 365 Business Premium の導入に踏み切りました”

田部 浩史 氏, 専務取締役, 株式会社アクト

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