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株式会社 ビービーシステム

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掲載日: 2014 年 10 月 10 日

システム インテグレーション業務の検証基盤を Windows Azure パックでプライベート クラウド化
検証環境の大幅な運用効率アップに加え、ハイブリッド時代への布石を展開

写真:株式会社 ビービーシステム

株式会社 ビービーシステム

システム環境の柔軟な運用や管理の一元化、そしてコスト削減といったクラウドのメリットに着目しつつも、利用シナリオやセキュリティへの懸念から、パブリック クラウドの利用をためらう企業は少なくありません。一方、せっかくプライベート クラウドを構築しても、将来的なパブリックとの連携の可能性を考慮しなければ魅力は半減してしまいます。株式会社ビービーシステムでは、パブリック/プライベート クラウドをシームレスに連携させ、ハイブリッド利用に向けた環境を実現する Windows Azure パックの将来性に注目。これまで個々に運用していた検証環境をプライベート クラウドに統合し、管理効率の大幅な向上や、リソースの標準化と共有化、そして大幅な管理コストの削減に成功しています。

<導入の背景とねらい>
個別運用されていた検証環境の統合に向け
プライベート クラウドの可能性を検討

株式会社ビービーシステム
取締役
常務執行役員
管理本部
本部長
奥村 郁生 氏

株式会社ビービーシステム
管理本部
ビジネス推進グループ
プロジェクトリーダー
繁田 基史 氏

かつての「クラウドか、オンプレミスか」といった単純な二者択一から、用途やビジネスのシナリオに合わせて両者を最適な組み合わせで利用する「ハイブリッド クラウド」の実現に向け、先進的な企業は既に導入に向けた取り組みを進めています。しかし一方で、両者を実際に組み合わせるためには、ユーザー インターフェイスの問題やソフトウェア自体の連携など、実装面での細かい問題が数多く残っています。そうした課題を、パブリック クラウドである Microsoft Azure と共通のユーザー インターフェイスを備え、機能面でもシームレスな連携が可能な Windows Azure パックによって解決。自社のシステム インテグレーション業務の検証環境をプライベート クラウド化すると共に、将来のハイブリッド クラウド導入に向けた基盤構築を進めているのが株式会社ビービーシステム (以下、ビービーシステム) です。

今回、自社の基盤に Windows Azure パックを導入したねらいについて、株式会社ビービーシステム 取締役 常務執行役員 管理本部 本部長 奥村 郁生 氏は、コア ビジネスであるシステム インテグレーションの基盤整備と品質向上が大きなテーマだったと語ります。

「当社の業務は、ほぼ 100% がマイクロソフト ソリューションのシステム インテグレーションであり、常に最新のテクノロジーを採り入れて、お客様にシステム インテグレーションとして提供するのが使命です。その品質を維持、向上させるためにも、常に新技術やソリューションを社内のインフラに適用し、トライ & エラーでノウハウを積み重ねて自社のエンジニアに展開していかなくてはなりません。そのためにも、検証環境の整備と品質向上、そして効率化は急務でした」。

しかし、これまでは部門ごとに検証環境を構築、管理しており、管理の一元化と運用の一般化を実現するうえで問題になっていたと、株式会社ビービーシステム 管理本部 ビジネス推進グループ プロジェクトリーダー 繁田 基史 氏は明かします。

「管理が非常に非効率的なうえ、構成変更によるトラブルもしばしば起き、そのたびに対応に追われるなど業務品質面でも問題でした。そこで管理の一元化と自動化に向けて、まずは Microsoft System Center を導入しました。その後、OS が Windows Server 2012 にアップグレードした時点で、パブリック クラウドの Azure とシームレスに連携できる点に注目し、ハイブリッド化に備えたプライベート クラウドの可能性を検討し始めたのです」(繁田 氏)。

実は同社では、既に基幹業務の基盤を Azure によってクラウド化済みであり、管理効率の点からも、そこに検証基盤も統合した完全な一元管理を目指していました。しかし当初は実装上の制限や、すべてのシステムをパブリックの IaaS に乗せてしまうとランニング コストがかさむといった問題が避けられず、同じしくみをオンプレミス側で実現できる方法はないかと検討を続けていました。

「そうしたところ、2013 年秋にリリースされた Windows Azure パックが Azure と共通のユーザー インターフェイスを利用できると日本マイクロソフトから聞き、これならば使えるのではないかと判断したのです」(繁田 氏)。

<導入の経緯>
やがて来るハイブリッド化を見すえて
Windows Azure パックの採用を決定

繁田 氏が Windows Azure パックに注目したのは 2013 年 12 月。すぐに具体的な検討、検証を始め、2014 年 1 月には正式採用を決定しました。続く同年 3 月までの評価を経て、4 月からはエンジニアによる実装開発がスタート。並行して、システム プランの実行範囲とスケジュールの検討も進められました。

導入にあたっては最初から Windows Azure パックに絞り、他のプライベート クラウド基盤を選択することは考えませんでした。全社的にマイクロソフト テクノロジーを手掛けるビービーシステムにとってはごく自然な流れですが、加えてビジネスの将来性も十分に考慮しての選択だったと繁田 氏は指摘します。

「一般のお客様を見ても、現在はオンプレミスならオンプレミス、クラウドならクラウドといったように、個別にシステムを構築するケースがほとんどです。しかし近い将来、必ずハイブリッド化の大きな流れがやってきます。その時にすぐに対応できるよう、将来性も見据えて Windows Azure パックの採用を決めたのです」。

繁田 氏は、他の仮想化基盤製品と比べて Windows Azure パックの GUI は一般ユーザーにも理解しやすく操作性も抜群であること、また、パブリック クラウドの Azure と共通の操作環境を社内で利用できることは、ハイブリッド化への布石という視点からも非常に大きなメリットだったと評価します。

2014 年 6 月にはプレ運用を開始して、ユーザーからのフィードバックを基に改良を進め、7 月 14 日に全環境の移行を完了しました。さらに 8 月の時点では、Windows Azure パックの仮想ネットワークを Azure 側の仮想ネットワークと接続するための基盤も構築が完了し、ハイブリッド化への備えは着々と進行中です。

「ハイブリッド化へのチャレンジとして、まずは仮想ネットワークから接続してパブリック / プライベート クラウドのシームレスな検証環境を、IaaS としてどのように展開できるかというのをテーマに、トライアルを進めていきたいと考えているところです」(繁田 氏)。

現在は、250 台の検証用 Hyper-V ホストと約 1,000 台仮想マシンが稼働しており、月平均でおよそ 70 件のプロジェクトを遂行しており、それに付随する仮想ネットワーク、そして、 200 名規模の検証エンジニアを支えています (図参照)。システム構成は、仮想マシンを案件ごとに独立させて、ホスト、ネットワークの監視には Microsoft System Center 2012 R2 Operations Managerを導入しています。

「さらに、パブリックとプライベートの接続における堅牢なセキュリティとシングル サインオンの利便性を共に担保するため、Azure と Windows Azure パックの接続においては、マイクロソフトの提唱する "ハイブリッド アイデンティティ" のコンセプトを実装に盛り込んでいます」(繁田 氏)。

<導入効果>
導入 1 か月で管理工数が約 40% 削減。
運用品質向上とエンジニアの負荷軽減も両立

本事例の取材時点ではまだ本稼働から 1 か月ですが、既に現場での成果は十分に表れていると繁田 氏は語ります。「そもそもの目的は、案件の検証のたびに環境を立ち上げたり削除したり、また保管しておいてお客様へのサポートに活用するような、フレキシブルな検証環境を構築したいということでした。そうした変更、増設、削除が容易にできる柔軟さとスピードが実現できたことが、Windows Azure パック導入の最大の成果です」。

仮想マシンの立ち上げ作業も、従来は 1 台立ち上げるのに手作業で 1 時間程度必要だったのが、Windows Azure パックではサービス テンプレートを使って Web ブラウザーから指示するだけで、15 分程度で完了できるようになりました。このサービス テンプレートは、OS だけでなく、Microsoft SharePoint など使用頻度の高いソフトウェア用に各種用意されています。またこうした一連のワークフローは、Microsoft System Center Virtual Machine Manager (VMM) や Service Provider Foundation (SPF)、System Center Orchestrator によってすべて自動化されています (図参照)。この結果、案件対応のリード タイムを短縮して検証のアジリティを向上させると共に、手作業では避けられなかったミスの発生や人的コストの抑制を実現しているのです。

「1 か月の管理工数でみると、これまでは 33.6 人日だったのが、Windows Azure パックと System Center の組み合わせが稼動してからは 20 人日に減少しました。現在は、管理者 2 名で 50% 未満の稼働で推移しているのでほぼ 1 人月の計算になりますが、これは導入した直後のままの状態で出た数字です。今後、運用に熟練していくにつれて、おそらく半減または 3 分の 1 まで削減できるのではないかと予測しています」(繁田 氏)。

こうした成果に対して、経営陣からも高い評価が寄せられています。奥村 氏は、「社長を始め取締役にも報告したところ、営業系の取締役からは特に良い反応をもらえました。コストなどの数字の改善はもちろん、検証現場の効率がアップすることで、お客様への製品やサービス提供といったビジネスの最も重要な部分に直接貢献できるのではと考えています」と手応えを語ります。

もう 1 つの大きな成果は、「管理と利用を明確に分けられたこと」だと、繁田 氏は強調します。これまでは検証環境を利用するエンジニアが個々に環境を立ち上げ、検証業務も行えばメンテナンスも行うため、作業効率の面で問題になっていました。しかし Windows Azure パックと System Center を導入したことで管理業務が完全に管理本部側に分離され、検証業務にあたるシステム エンジニアは利用者としてのみ検証基盤に関わればよくなったのです。

「管理作業が部署ごとに発生して管理品質にばらつきがあったり、ノウハウが一般化されにくいなど非常に非効率的だった問題が、利用者と管理者の完全分離によって解消できました。管理者側でリソースの運用、利用をコントロールできるようになり、品質の点でもエンジニアの負荷軽減という点でも大きく貢献できたと自負しています」(繁田 氏)。

また同社では、熟練者に仕事が集中する=業務の属人性を排除するため、ノウハウやノウフーの共有化にかねてから取り組んでおり、「そうした点でも検証基盤の共有化と統合管理は、恰好の追い風となっている」と奥村 氏は指摘します。

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
コスト意識醸成のための課金化
そして新たな飛躍のステップ ボードとして

Windows Azure パックの今後の活用に向けた展望として、繁田 氏は検証環境の課金モデル化を挙げます。これまでビービーシステムでは、検証リソースの管理を Microsoft Excel を使って案件ごとに管理してきました。しかし今回の新しいシステムでは、仮想マシンの使用量を計測できるメータリングのしくみが組み込まれており、仮想マシン グループごとの使用量や CPU の使用率、パケット量などが具体的に計測できます。これを各プロジェクトに割り振っていけば、部門コストも簡単に算出できるのです。

「案件ごとにどれだけリソースを使っているか可視化して、ユーザー自身の目で確かめることで、プロジェクトのコストに対する意識を高めてもらいたいと考えています。また、将来的には課金モデルでの利用も進めていきたいという野望も持っています」(繁田 氏)。

一般に社内の仮想化システム基盤ではパブリック クラウドのような課金のしくみがないため、不要になったシステムをそのままにしてリソースを浪費するといったことが起きがちです。しかし同社では、単なる仮想化基盤から近い将来、サービス化や自動化、可視化を備えたプライベート クラウド基盤が一般化すると考えており、この技術を自社でいち早く導入することで知見を集積したいと考えているのです。

一方、奥村 氏は経営陣の視点から、自社の技術レベルの高さとマイクロソフト テクノロジーにおけるシステム インテグレーターとしての優位性を対外的に訴求していくための、技術基盤として Windows Azure パックを活用していきたいと語ります。

「これまで当社のシステム インテグレーション業務は、主にサブコントラクターとして縁の下の力持ち的なスタンスがほとんどでした。しかし今後はこれまで蓄えたノウハウや技術力を発揮して、より広い範囲のお客様に向け、ビービーシステムとして積極的にアピールしていかなくてはなりません。そのためにも、Windows Azure パックを基盤として存在感の強化に努めたいと願っています」。

これまでも自社のブランドで提供してきたパッケージ製品やサービスに加え、コア コンピタンスであるシステム インテグレーション力を、より鮮明に押し出すことで、ビジネスの新しい展開を同社では目指しています。

「ここ 5 年以上にわたって言い続けてきたのは、マイクロソフト ユーザーにとってのナンバーワン システム インテグレーターでありたいということ」と、力強く抱負を語る奥村 氏。真新しい Windows Azure パックの検証基盤をステップ ボードに、ビービーシステムはさらなる飛躍を目指して進みます。

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ソリューション概要

プロファイル

株式会社 ビービーシステム 外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開  きますは、1988 年に設立された、マイクロソフト テクノロジーに特化した独立系ソフトウェア ベンダーです。アプリケーション開発やシステム構築を続けながら、一方ではパッケージ製品やサービス提供にも注力。Microsoft Exchange Server 向けモバイル パッケージでは、15 年近い実績を持っており、Microsoft Partner of the Year を受賞しています。また、Microsoft Office 365 利用者に向けた独自のクラウド サービスは、そのサービス提供基盤に Microsoft Azure を採用。利用者は 2014 年 7 月に 15 万ユーザーを達成しており、マイクロソフト製品へ付加価値を提供する製品/サービスの提供を積極的に続けています。

ユーザーコメント

「案件対応の迅速化や、検証環境の管理工数および人的コストの削減といったコストの改善に加え、システム インテグレーションの検証現場の作業効率が大きくアップすることで、お客様への製品やサービス提供といった、当社のビジネスの最も重要な部分に直接貢献できるのではと期待しています」

株式会社ビービーシステム
取締役
常務執行役員
管理本部 本部長
奥村 郁生 氏

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