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印西市教育センター

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掲載日: 2012 年 6 月 6 日

教職員と児童、生徒それぞれに Microsoft Office 365 for Education を導入。
教職員間の連携を Microsoft Lync Online で強化し、
児童や生徒は ICT 授業で Microsoft SharePoint Online を利活用

市民の約 6 割が千葉ニュータウン地区に集中する千葉県印西市では、市内の小中学校における ICT (Information and Communication Technology) 活用を重視し、さまざまな取り組みを行ってきました。そうした中で、印西市教育センターはシステムの段階的なクラウド移行を見据え、2012 年 4 月から、Microsoft Office 365 for Education の利用を開始。Lync Online を各学校の校長、教頭、養護教諭、事務職員同士の横の連携に利用し、SharePoint Online は教員と児童、生徒の双方で利用しています。教員は教材や指導案の作成用に使用することで、仕事の生産性向上を目指しています。一方、児童生徒は撮影した写真や原稿などを蓄積、共有し、日常的な ICT 活用促進のために活かしています。また、クラウドの利点を活用して、運用コストの抑制、災害対策、自宅からのアクセスなども実現しました。

<導入背景とねらい>
センター サーバーの運用コスト抑制が課題に浮上。
災害対策、学校外からのアクセス対応も不可欠に

千葉県印西市は千葉県北西部に位置し、2010 年 3 月に印旛村および本埜村との合併をした人口約 9 万人の自治体です。市西部の台地上には千葉ニュータウンがあり、市民の約 6 割がニュータウン地区に住んでいます。

印西市立内野小学校
教頭
(前 印西市教育センター指導主事)
松本 博幸 氏

市内の小中学校を支援する印西市教育センターでは、教育現場における ICT 活用を重視し、授業、教材作成、校務処理、保護者と地域とのコミュニケーションの 4 つの領域で、さまざまな取り組みを行ってきました。2009 年度末には校務処理システム用のセンター サーバーを教育センターに導入。教員はそれにアクセスする形で校務処理を行うようになりましたが、システムの稼働から約 2 年、学校現場でのシステム利用が定着する中で、課題も明らかになってきました。まず、オンプレミスのため、メンテナンスや運用にかかる時間が長くなり、コストが増加する可能性が出てきたことです。また、2011 年 3 月に発生した東日本大震災では、センター サーバーは被害を受けなかったものの、今後起きる可能性があるとされる巨大地震に備えた災害対策が不可欠となりました。さらに教員は教材作成などを学校外で行うケースが多いにもかかわらず、学校外からセンター サーバーへアクセスが許可されていないため、学校外で作業が行えないという不便な状態が続いていました。印西市立内野小学校 教頭 (前 印西市教育センター指導主事) 松本 博幸 氏が語ります。

「校務処理システム導入の段階でクラウドのメリットは説明されていましたし、私たちもそれは理解していました。しかし、当時はまだ学校現場での事例も少なかったため、万一に備えて教材作成や指導案作成といった児童や生徒の個人情報に関わらない部分から、段階的にクラウドに移行していこうと考えました。それを念頭に、当時は校務処理システムをセンター サーバー方式にしたのです」。

<導入の経緯>
Office 製品や BPOS の延長線上であること、
セキュリティや学外アクセスなどの観点から Office 365 for Education を導入

こうした考え方に基づき、印西市教育センターでは、学校現場でのコミュニケーションや情報共有からクラウド サービスの利用を始めることを検討。そして、マイクロソフトが教育機関向けに Office 365 for Education をリリースすることを聞き、導入することに決めました。Office 365 for Education を選んだ理由は、今まで学校現場で Office 365 の前身である Microsoft Business Productivity Online Suite (BPOS) を使っており、利用時のテクニカル サポートを高く評価していたこと、そして、今まで使ってきた Office 製品と BPOS の延長線上で、教職員が違和感なく使えるという 2 つの点でした。
そして、Office 365 for Education の導入にあたって、Exchange Online と Lync Online、SharePoint Online を利用することにしました。「Exchange Online は自分たちでメール システムを運用するよりもはるかに楽に使えます。また、セキュリティを確保した上で、ネット環境さえあれば学校の外からでも自由にアクセスできることも大きなメリットでした」(松本 氏) 。

また印西市では 2011 年度、試験的に Lync Online の前バージョンである Microsoft Office Communicator を学校事務職員用に使用しており、大変好評だったという経緯があります。

当時は事務職員が各学校に 1 人しかいなかったため、業務についてわからないことがあっても校内で質問できる人がいない状況でした。そのため Office Communicator を利用することで、他校の事務職員の在席状況を確認と簡単にメッセージのやり取りもでき、わからないことを質問できるなど、事務職員の方々から業務効率向上の効果があるという報告がありました。それを踏まえて校長、教頭、養護教諭、事務職員の横のつながりを広げるために今回新たに Lync Online を活用することにしたのです。

さらに SharePoint Online は教員と児童生徒の両方で利用する予定です。「教員に対しては授業準備のための資料や教材、毎週作成する週指導計画 (週案) を SharePoint Online のサイトに置いて、必要に応じてアクセスできるようにしようと考えました。一方で子どもたちに対しては、日常的な ICT 活用の促進のために使いたいと考えました。現在、子どもたちは PC 教室に行かないと PC を使えず、時間的にも空間的にも制限されています。その制約を取り払い、自宅からもアクセスして授業の続きができるよう、各教室にも PC を置いて情報共有に利用しようと考えたのです」 (松本 氏) 。

<システムの概要>
教育現場に合わせたウェブ サイトとテンプレートを開発。
修正作業もオンライン上で行い、作業効率が向上

Office 365 for Education の導入は順調に進み、2012 年 4 月から、Exchange Online は全教職員、Lync Online は校長、教頭、養護教諭、学校事務職員、SharePoint Online は教員全員と試験運用先として選ばれた 4 つの小学校での利用が始まりました (図) 。

導入過程で一番工夫したのは児童や生徒が使う SharePoint Online のウェブ サイトとテンプレートの開発です。そこでは日常的に ICT を活用できる環境を作るというコンセプトのもと、普段から情報の収集と発信の活動ができることを目指しました。例えば、毎日の学校生活や学校行事の際に、写真を撮ったり文章を書いたりして発信する。そして地域の人たちや親にそれを見てもらい、コメントをもらうなど交流を深めていけるようにするというものです。

システム構成図

図 印西市校務システム概要図 [拡大図]新しいウィンドウ

「現在、子どもたちがブログを使用しているという学校はいくつかありますが、学校のサイトのブログ スペースに、日常生活の様子や総合的学習の時間にまとめたものを投稿する形です。私たちが考えているのはそういうやり方ではなく、子どもたちがサイトの企画、運営も含めて、すべてを行うというものです。サイトに記事を投稿するためにはさまざまな情報が必要になりますので、下書き原稿や撮影した写真などを SharePoint Online に保存し、共有します。そうすれば、子どもたちは自宅からでもアクセスして作業ができますし、家族に相談しながら作ることもできます」(松本 氏) 。

インフォシェア株式会社
代表取締役社長
西岡 真樹 氏

印西市_大森小 写真共有

画面 1 各校で運用中の SharePoint サイト。撮影した写真などを SharePoint Online に保存し、共有できる [拡大図]新しいウィンドウ

画面 SharePoint Online で構築されたウェブ サイトのテンプレート

画面 2 SharePoint Online で構築されたウェブ サイト [ [拡大図]新しいウィンドウ

株式会社インフォザイン
CMS グループ
ディレクター
永田 智孝 氏

株式会社インフォザイン
Web マーケティンググループ
デザイナー
林 敬子 氏

このような考え方に基づいて、SharePoint Online のシステム全体と教員、児童や生徒が使うウェブ サイトの設計をインフォシェア株式会社が行いました。インフォシェア株式会社代表取締役 社長 西岡 真樹 氏が語ります。
「SharePoint Online を教育用として使用することは今までにない活用法でしたので、最初は情報量を少なくした形で始め、使い方に慣れてきたら機能を少しずつ追加していくという方法を取ることにしました。また、特に子どもたちが目的のファイルを簡単に見つけ出せるよう、直感的に使えることを心がけました」。

一方、各サイトのテンプレートは株式会社インフォザインが開発を担当しました。株式会社インフォザイン Web マーケティンググループ デザイナー 林 敬子 氏が語ります。
「子どもたち向けのテンプレートは、木目を基調にして、学年やクラス名が焼き印風に表示されるようにし、教育現場に馴染むようなデザインにしました。そして、先生たち向けのテンプレートは、Office ソフトと同じような操作の流れにすることにより、今までの延長線上で、自然に使えるようデザインしました」(画面 1、画面 2)。

また、クラウドを利用することで開発作業やテンプレートの修正もオンライン上で簡単に行うことができ、導入までのスピードも速くなりました。株式会社インフォザイン CMS グループ ディレクター 永田 智孝 氏が語ります。
「従来のオンプレミスのシステムですと、わずかな変更作業であってもセンター サーバーが設置されている教育センターまで出向き、作業を行う必要があったのですが、Office 365 for Education はクラウド サービスですので、オンラインでアクセスして作業ができました。そのため、変更や修正等の作業を簡単に行うことができ、大変助かりました」。

<導入効果と今後の展望>
災害時には Lync Online で他校との連携が可能に。
職員同士の横のつながりも強化され、生産性の向上を実現

Office 365 for Educationを 2012 年 4 月から利用開始。導入前にあったさまざまな制約がなくなったことで、教員は自宅で仕事ができ、教職員間の横のつながりも強くなりました。例えば、東日本大震災の時には電話が不通になったため、他校の校長や教育委員会との、連絡が不可能な状況に陥りました。その結果、校長は児童や生徒を学校で待機させるのか、家に帰すのかといった判断を、他校と連携して決めることができませんでした。しかし、今回の導入で Lync Online が使えるようになったことから、電話が使えない状況でもインスタント メッセージを活用することで、他校との連絡も可能になりました。

また、団塊の世代が大量定年を迎える一方で、若い事務職員や養護教諭も増え、わからないことがある場合には Lync Online の在席情報を見て、電話やメッセンジャーを利用して問い合わせを行う教職員も増えるなど、業務の生産性向上にもつながっています。

SharePoint Online の教員向けサイトには、教材と学習プログラムである指導案が掲載されます。指導案は教員が自宅に持ち帰り作成するケースが多く、その際にグループウェア上のデータを利用できないというのが各教員の悩みの種でした。しかし、SharePoint Online に移行したことで自宅でもグループウェア上にあるデータを利用した作業が可能となり、蓄積されている情報を活かして指導案を作成できるようになります。さらに、児童や生徒向けの SharePoint Online では日常生活や行事の記録を児童や生徒自身がサイトにアップロードし、共有して情報発信に活用しています。
「Office 365 for Education 導入の最大のメリットは、先生や職員の業務面における生産性が高まることです。コミュニケーションの強化や情報の共有で全体のレベルが高まり、それが子どもたちに対する教育の質の向上として返ってきます。マイクロソフトを信頼して、Office 365 for Education を導入したことで、災害対策やコストの抑制も含め、期待通りの結果を出すことができたことに大変満足しています。今後は SharePoint Online と Microsoft OneNote を組み合わせて、テキストや画像、映像、音声を複数人で共有しながらひとつの作品を仕上げる "バーチャル模造紙" としての活用や Microsoft Outlook を使ったスケジュール管理との連携にも取り組みたいと考えています」 (松本 氏)。

印西市教育センターでは今回の導入を皮切りに、今後、校務処理システムも含めて、市のポリシーに沿う形で情報を切り分け、クラウド化を進めていく方針です。そして、いずれ保護者が自分の子どもの情報にアクセスできるような時代が到来することを見通して、次期システムでのクラウド活用を図っていく考えです。

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ソリューション概要

プロファイル

千葉県印西市は千葉県北西部に位置し、2010 年 3 月に印旛村および本埜村との合併をした人口約 9 万人の自治体です。市西部の台地上には千葉ニュータウンがあり、市民の約 6 割がニュータウン地区に住んでいます。印西市では教育現場における ICT 活用を重視し、授業、教材作成、校務処理、保護者と地域とのコミュニケーションの 4 つの領域で、さまざまな取り組みを行ってきています。
(印西市教育センター外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きます)

導入メリット

  • 教職員の業務生産性の向上
  • Lync Online 利用による校長、教頭、養護教諭、事務職員の横のつながりの拡大
  • SharePoint Online 利用による、自宅からのアクセスも含めた、教員の教材や指導案の作成の効率化
  • SharePoint Online 利用による児童生徒の日常的な ICT 活用の促進
  • クラウド サービス導入による運用コストの抑制、災害対策の実現

ユーザーコメント

「Office 365 for Education 導入のメリットは先生たちの業務面における生産性が高まったことです。コミュニケーションの強化や情報の共有で、全体のレベルが高まり、それが子どもたちに対する教育の質の向上として、返ってきます。Lync Online で、校長、教頭、養護教諭、学校事務職員の他校との横のつながりが広がりましたし、SharePoint Online で教員の教材作成や指導案作成が効率的に行えるようになりました。また子どもたちは SharePoint Online で撮影した写真や原稿などを蓄積・共有し、日常的な ICT 活用の促進を図ることができるようになりました。マイクロソフトを信頼して、Office 365 for Education を導入したことで、災害対策やコストの抑制も含めて、期待通りの結果を出すことができて、とても満足しています」

印西市立内野小学校
教頭
(前 印西市教育センター 指導主事)
松本 博幸 氏

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