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株式会社三井住友銀行

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掲載日: 2012 年 3 月 15 日

セキュアで運用効率の高い PC ネットワーク基盤を確立
銀行業務を支える 45,000 台のクライアント PC を Windows 7 と Office 2010 へ移行、Windows Server 2008 R2、System Center によりサーバー台数を既存台数の 1/8 に集約

株式会社三井住友銀行

株式会社三井住友銀行

日本を代表する 3 大金融グループの 1 つである三井住友フィナンシャルグループ (SMFG) の中核企業として、価値の高い金融サービスを提供し続けている株式会社三井住友銀行 (以下、三井住友銀行) 。ここでは現在、Windows Server 2008 R2 と Windows 7、Microsoft Office 2010、Microsoft System Center によって、新たな PC ネットワーク基盤が構築されています。最大のねらいは情報セキュリティのさらなる強化と運用性、可用性の向上。約 500 拠点に設置されていた 800 台を超えるサーバー群を 2 拠点のセンターに集約すると共に、System Center によって運用オペレーションを統合しています。WAN 経由のアクセスに伴うレスポンス低下のリスクは、サーバー メッセージ ブロック 2.0 (SMB2.0) と Windows 7 の組み合わせによるファイルおよびデータ転送効率向上で解決。国内だけで約 45,000 台にのぼるクライアント PC の Windows 7 および Office 2010 への移行を、2013 年までに完了する予定です。

<導入の背景とねらい>
運用性とセキュリティを高めるため
800 台以上の国内拠点サーバーをセンター集約

株式会社 三井住友銀行
情報システム企画部
グループ長
江藤 敏宏 氏

株式会社 三井住友銀行
情報システム企画部
部長代理補
松村 圭太 氏

情報セキュリティの強化や運用性向上を実現するうえで、拠点サーバー群のセンター集約は効果的なアプローチだと言えます。すべてのサーバーがセンターに集約されていれば、各拠点から情報が漏えいするリスクを軽減でき、サーバー保守やデータ バックアップのために各拠点で作業を行う必要がなくなるからです。またサーバーが 1 か所に集まることで、リソースをさらに有効活用できる可能性も高まります。しかし膨大な数のクライアントが多数の拠点に設置されている場合、WAN の負荷増大等のリスクも考慮しなければなりません。このようなリスクを回避しながらサーバー集約を実現したのが、三井住友銀行です。

「以前は約 500 拠点に 800 台以上のサーバーを設置し、ファイル共有やドメイン管理を拠点ごとに行っていました」と振り返るのは、三井住友銀行 情報システム企画部 グループ長の江藤敏宏氏。そのためサーバー運用に大きな負荷がかかっていたと説明します。「特に大変だったのがテープによるデータ バックアップで、各拠点に負担をかけていました。またテープ ドライブは故障が発生しやすく、その対応も大変でした」。

その一方で「クライアント PC の資産管理やパッチ配布にも手間がかかっていました」と言うのは、三井住友銀行 情報システム企画部 部長代理補の松村圭太氏です。三井住友銀行で使用されているクライアント PC の数は国内だけで約 45,000 台。以前は拠点ごとに資産管理やパッチ管理を行う必要があったため、センターからのコントロールが簡単ではなかったと説明します。また各拠点にデータが存在することも大きな課題でした。情報漏えいを防止するしくみは導入されていましたが、セキュリティをさらに徹底するには、データをセンターに集約することが求められました。

三井住友銀行ではこれらの課題を解決するため、サーバーを Windows Server 2008 R2 へと移行してセンター集約を行うと共に、運用管理の基盤として System Center を導入。さらにクライアント OS を Windows 7、Office を Office 2010 へと移行する取り組みを進めています。これによって PC ネットワークを全面的に刷新し、これまで以上にセキュアで運用性の高い基盤を確立しつつあるのです。

<導入の経緯>
重要要件への対応を事前検証で確認
要件定義とシステム設計には マイクロソフト コンサルティング サービスが参画

PC ネットワーク刷新の検討が本格化したのは 2009 年 4 月。約 1 年かけて移行に必要な要件を洗い出し、2010 年 3 月に要件定義を明確化しました。そこで重視されたポイントは大きく 3 点です。

1.サーバー運用コストの削減
2.WAN 越えでのレスポンス速度の確保
3.既存システムやアプリケーションの継続利用 (移行性)

株式会社 日本総合研究所
第一開発部門
基盤システム開発第一部
次長
田口 修一 氏

まず、運用コスト削減については、Windows Server 2008 R2 によってサーバーをセンター集約するだけではなく、System Center を活用することで、ファイル配布や資産管理の負荷をできる限り軽減することが目指されました。サーバー ハードウェアを最新のものにしたとしても、集約前の時点で約 800 台にのぼっていたサーバー群の管理には、大きな負担がかかることが予想されました。またクライアント PC の数も膨大です。大規模環境に対応した運用管理システムを確立することは、長期的な IT 戦略の観点から見ても避けて通れない課題でした。

次に、レスポンス速度の確保も重要でした。サーバーをセンターに集約すれば、クライアントとサーバーのやり取りはすべて WAN 経由で行われることになりますが、これによるレスポンス速度の悪化を回避しなければなりません。プロジェクト マネージメントを担当した株式会社日本総合研究所 (以下、日本総研) の第一開発部門 基盤システム開発第一部 次長の田口修一氏は「Windows 7 と SMB2.0 を組み合わせれば、ファイルおよびデータ転送効率を大幅に向上できます」と説明。今回も事前に多様なケースでレスポンス検証を行うことで、WAN 経由でのアクセスでも問題が発生しないことを確認していると言います。

そして、これまで使用してきたアプリケーションやファイルが、従前通り使えることも重視されました。「エンドユーザーが、Office 上で作成したアプリケーションが 100 種類以上あります。また、銀行業務ではドキュメント類の長期保存が求められていますので、古いドキュメントを新しい環境で従来どおり利用できることが重要です。」と松村氏。「これに関しても事前に稼働チェックやファイル互換確認を行っており、Windows 7 と Office 2010 への移行を安心して行えると判断しました」。

要件定義とシステム設計には、マイクロソフト コンサルティング サービス (MCS) が参画。要件定義フェーズでは既存システムの改善点洗い出しを行い、設計フェーズではサーバー構成やソフトウェア配置、System Center の機能活用方法に関するアドバイスを行っています。

「MCS の仕事は非常にクオリティが高く、提出された成果物もしっかりしていました。特に 製品の活用やシステム構成のグランド デザインに関しては、一般的なシステム インテグレーターにはないノウハウを持っています」と田口氏。その一例が、BITS (バックグラウンド インテリジェント転送サービス) のクライアント設定に関する、豊富な知識だと言います。「システム構成に関するさまざまなご提案をいただいたこともあり、設計フェーズを短期間でスムーズに進めることができました。また今回は日本総研と共にシステム設計レビューも担当してもらいましたが、その時のレビュー内容も的確でした」 (田口氏)。

<導入効果>
System Center でシステム オペレーションの統合を実現
WAN 経由でもストレスなくファイルにアクセス

サーバー側のシステム構築が完了したのは 2011 年 9 月。新しいハードウェアへと移行することで、合計 800 台以上のサーバーを約 100 台に集約しています。これらのサーバーは2 つのセンターに分散して設置されており、各センター内ではほぼ全てのサーバーがクラスター化されています。またこれらのセンターは相互にバックアップ運用を行えるようになっており、BCP 対応も実現しています。バックアップ運用に対応するための機材も含めた現在のサーバー総数は約 400 台。万が一、一方のセンターがダウンした場合でも、すぐに切り替えられるようになっています。

2011 年 10 月には、Windows 7 と Office 2010 を搭載したクライアント PC の展開がスタートしています。営業店への展開を優先的に進めており、既に 2011 年末までに 100 拠点以上で PC リプレースが完了しています。

「サーバーをセンターに集約したことで、システムの運用性は飛躍的に高まりました」と松村氏。まずサーバー障害への対応や保守のために、各拠点に出向く必要がなくなりました。テープへのデータ バックアップも不要になったため、各拠点の負担も軽くなり、テープ ドライブの故障対応を行う必要もありません。またサーバー集約によって消費電力が削減され、クラスター化や BCP 対応が実現しやすくなったことも注目すべきポイントです。各拠点にサーバーを分散させた状態では、効果的なバックアップ運用を行うことは難しいのです。「昔は基幹系は専用端末、情報系や OA は PC といった使い分けがされていましたが、今では PC がポータル的な役割を果たしており、事務連絡にも不可欠な存在になっています。これが利用できなくなれば、業務にも大きな影響を与えることになるでしょう。クラスター化や BCP 対応によって PC ネットワークの可用性をさらに高めたことで、これまで以上に安心して IT を活用できるようになりました」 (松村氏)。

サーバー上のデータもセンターに集約されたため、セキュリティも向上しました。三井住友銀行では以前から、原則として外部メディアは使えないようにしており、PC にもデータを残さない運用を行っています。これに加えて各拠点からサーバーをなくしたことで、セキュリティ ポリシーをさらに徹底することが可能になったのです。

さらに「システム管理を System Center に統合できたことも、運用性向上に貢献しています」と田口氏は指摘します。以前は資産管理やパッチ配布など、管理内容ごとに異なるツールを利用しており、オペレーション方法もそれぞれ異なっていました。これによって運用担当者の負担も大きくなっていたのです。現在では全て同じオペレーションで一括して対応できるため、負担も軽減していると言います。「System Center の BITS によって、パッチなどのファイル配布もコントロールしやすくなりました。配布効率も向上しています」 (田口氏)。

クライアント PC を最新のものに入れ替えることで、処理速度が向上したことも大きなメリットです。またサーバーへのアクセスはすべて WAN 経由になりましたが、並行して進められた WAN 回線の増強と、Windows 7 と SMB2.0 の組み合わせによるデータ転送効率の向上によって、レスポンス スピードも十分に確保しています。「実際に使ってみると、サーバー上のファイルへのアクセス時間は、各拠点にサーバーがあった頃とほとんど変化していません。ストレスなく使うことができます」 (松村氏)。

Windows 7 への移行によって利用可能になった、新しいユーザー インターフェイスも、ユーザーの業務効率化に貢献することが期待されています。Aero 効果やタスク バーのサムネイル表示などの新機能の有効活用により、業務スピードの向上を見込むことができます。その一方で、使い慣れた操作方法を維持しなければならない場合の対応が求められるケースもあります。Microsoft Internet Explorer で動くアプリケーションでは、Internet Explorer の設定を変更することで、以前と同様の使い勝手を実現しています。

システム構成図

システム構成図 [拡大図]

<今後の展望>
2013 年には全ての PC を Windows 7 および Office 2010 環境へ。
生産性の向上とコミュニケーションの活性化を目指す。

引き続き、クライアント PC の展開を順次進めていき、2012 年 10 月までには全営業店、2013 年には国内の全てのクライアント PC を Windows 7 および Office 2010 に移行することになっています。またグローバルでの展開も計画されており、既にアジア・オセアニア地区では、サーバー集約とクライアント PC の Windows 7、Office 2010 化を実施が決定しています。

「今後の銀行業務を支える基盤として、新しい PC ネットワークの果たすべき役割は重要だととらえています。この基盤を活用し、社員の生産性のさらなる向上とコミュニケーションの活性化を目指しています」と江藤氏。これからのビジネス展開を支える新しいテクノロジの検討も進んでいます。その選択肢の 1 つとして、Microsoft SharePoint Server や Microsoft Lync、Microsoft FAST Search Server などのリサーチを進めていると言います。

「システム製品の選択肢は拡大していますが、その中でもマイクロソフト製品の信頼性は高く評価しています。今後も信頼できるパートナーであり続けて欲しいと思います」。

マイクロソフトの製品と支援を得て、これからも三井住友銀行はますます価値の高い金融サービスを展開し続けていくでしょう。

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ソリューション概要

プロファイル

株式会社三井住友銀行外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、平成 13 年 4 月にさくら銀行と住友銀行が合併して発足。平成 14 年 12 月、株式移転により銀行持株会社として三井住友フィナンシャルグループを設立し、その完全子会社に平成 15 年 3 月には、わかしお銀行と合併。三井住友銀行は、国内有数の営業基盤、戦略実行のスピード、更には有力グループ会社群による金融サービス提供力に強みを持ち、三井住友フィナンシャルグループのもと、他のグループ各社と一体となって、お客さまに質の高い複合金融サービスを提供しています。

導入メリット

  • Windows Server 2008 R2/System Center を基盤に、国内の拠点サーバーをセンター集約することにより、セキュリティ、運用性、可用性が向上し、BCP と省電力を実現した。
  • システム運用基盤として System Center を導入したことで、運用オペレーションが統合され、運用性向上に貢献している。
  • クライアント OS を Windows 7 Enterprise を採用したことで、SMB2.0 と組み合わせた時のファイルやデータの転送効率が向上し、WAN 経由のサーバー アクセス時のレスポンス速度を確保することができた。クライアント PC 更改に合わせ、生産性向上のため Office 2010 Professional Plus も導入。

ユーザーコメント

「システムの選択肢は拡大していますが、その中でもマイクロソフト製品の信頼性を高く評価しています。今後も信頼できるパートナーであり続けて欲しいと思っています」

株式会社 三井住友銀行
情報システム企画部
グループ長
江藤 敏宏 氏

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