現在、Windows Azure Management Portal (英語) を通じ、VM ロールと XS インスタンスのベータプログラムを提供しています。
Windows Azure は、地理的に分散したデータ センターを基盤として構築された、インターネット スケールのホスティング環境を提供します。このホスティング環境は、マネージ コードのランタイム実行環境を提供します。Windows Azure コンピューティング サービスは、1 つ以上のロールから構成されます。ロールとは、実行環境で実行される可能性のあるコンポーネントを定義するものです。Windows Azure 内では、サービスは 1 つのロールの 1 つ以上のインスタンスを実行することができます。サービスは、1 種類以上のロールで構成することができ、また、それぞれの種類のロールを複数含むことができます。
Windows Azure は、3 種類のロールをサポートします。Web ロールは、Web アプリケーションのプログラミング用にカスタマイズされており、IIS 7 をサポートしています。Web ロールは IIS7 を実行します。Worker ロールは汎用的な開発に使用され、Web ロールのバックグラウンド処理を実行できます。仮想マシン (VM) ロールは、Windows Server 2008 R2 仮想マシンのイメージ、つまり仮想ハード ディスク (VHD) を実行します。この VHD は、オンプレミスの Windows Server マシンを使用して作成された後、Windows Azure にアップロードされます。クラウドに保存されたら、VHD を VM ロールにオン デマンドで読み込んで実行することができます。利用者は、VM ロールに OS を構成して管理し、Windows サービスやスケジュールされたタスクなどを使用することができます。
マイクロソフトは PDC 10 で、Web ロールおよびWorker ロールに関する拡張を発表しました。特権の昇格とフル IIS が導入されることで、Windows Azure を使用して、より包括的なアプリケーションを開発できるようになります。Web ロールおよびWorker ロール向けの新しい特権の昇格機能により、開発者にとって、クラウド アプリケーションの開発、展開、および実行における柔軟性と管理性が向上します。Web ロールにはフル IIS 機能も追加されるため、Web ロールごとに複数の IIS サイトを有効にすることや、IIS モジュールをインストールすることができるようになります。Windows Azure では、リモート デスクトップ機能も提供され、利用者は、自社のアプリケーションまたはサービスを実行中のインスタンスに接続し、アクティビティの監視や一般的な問題のトラブルシューティングを行えるようになります。
VM ロールの機能は、既存の Windows Server アプリケーションを Windows Azure に移行するプロセスを、より容易かつ迅速にするために導入されます。これは特に、インストールに時間がかかる、インストールをスクリプトで処理できない、またはインストールに注意が必要で失敗しやすい Windows Server アプリケーションを移行する場合に有用となります。VM ロールによって管理性と柔軟性が向上する一方で、Windows Azure の Web ロールとWorker ロールは、VM ロールを上回る利点をもたらします。開発者は、基本となるオペレーティング システムの管理ではなく、主にアプリケーション開発に集中できます。特に、Visual Studio は、Web ロールやWorker ロールの作成、テスト、展開のために最適化されており、すべてを短時間に行うことができます。また、開発者がより高い抽象化レベルで Web ロールとWorker ロールを処理することで、Windows Azure では、基本となるオペレーティング システムを自動的に更新することができます。
VM ロールおよび特権の昇格機能は、今日の開発者がアプリケーション環境を完全に管理できない原因となっている障害物を排除します。IIS の構成や MSI のインストールなどの小規模な変更については、特権の昇格による管理者アクセスの機能を使用することを推奨します。このアプローチは小規模な変更に最適であり、これにより開発者は、ゲスト OS およびアプリケーションのレベルで、サービスの自動管理を維持できます。一方、カスタマイズの件数が多い場合や自動化できない変更が必要な場合は、VM ロールの使用を推奨します。VM ロールを使用する場合、ゲスト OS の修正プログラムの適用を除き、サービスの自動管理 (負荷分散およびフェールオーバー) の利点がほぼ維持されます。
これらの Windows Azure 機能が利用可能になったとき、および VM ロール、XS インスタンス (ベータ)、Windows Azure Connect CTP の登録の受け付けを開始したときに通知を受け取りたい場合は、こちらをクリック(英語)してください。ロールの設計と開発の詳細については、「Building Windows Azure Services (英語)」を参照してください。
開発者は、アプリケーションのリソース要件に基づいて、アプリケーションを実行する VM のサイズを選択することができます。Windows Azure コンピューティングのインスタンスは、複雑なアプリケーションやワークロードに対応できる 5 つの独自のサイズで用意されています。企業の開発者向けに、開発、テスト、および試用のプロセスがさらに容易になるように、XS (Extra Small) サイズの Windows Azure インスタンスが導入される予定です。XS インスタンスの導入によって、このプラットフォームで比較的小規模なアプリケーションを実行したい開発者が Windows Azure をさらに手頃な価格で利用できるようになります。
| コンピューティング インスタンスのサイズ |
CPU | メモリ | インスタンス ストレージ |
I/O パフォーマンス | 時間あたりコスト |
| XS | 1.0 GHz | 768 MB | 20 GB | 低 | \4.37 |
| S | 1.6 GHz | 1.75 GB | 225 GB | 中 | \10.49 |
| M | 2 x 1.6 GHz | 3.5 GB | 490 GB | 高 | \20.98 |
| L | 4 x 1.6 GHz | 7 GB | 1,000 GB | 高 | \41.96 |
| XL | 8 x 1.6 GHz | 14 GB | 2,040 GB | 高 | \83.92 |
各 Windows Azure コンピューティング インスタンスは、それぞれ 1 つの仮想サーバーを表します。多くのリソースは特定の 1 つのインスタンス専用に用意されますが、ネットワーク帯域幅やディスク サブシステムなど、I/O パフォーマンスに関連付けられている一部のリソースは、同じ物理ホスト上のコンピューティング インスタンス間で共有されます。共有リソースの使用率が 100% でないときは、より高い共有比率でそのリソースを使用できます。
インスタンスの種類が異なれば、そのサイズによって、共有リソースから得られる最小パフォーマンスも異なります。前述の表に記述されているコンピューティング インスタンス サイズの I/O パフォーマンス指標が高いほど、共有リソースの割り当てが大きくなります。共有リソースの割り当てが大きいほど、結果的に一貫した I/O パフォーマンスが得られます。
Windows Azure VM ロールの価格モデルは、Web ロールおよびWorker ロールの既存の価格モデルと同じです。利用者は、コンピューティング インスタンスのサイズに応じて、時間レートで課金されます。VM ロールの実行に対する Windows Azure の料金には、使用量ベースであるかコミットメント ベースであるかにかかわらず、Windows Server ライセンス料が含まれます。
Windows Server 2008 R2 のライセンスは、Windows Azure VM ロールのライセンスを通じて賄われます。利用者は、ボリューム ライセンスを通じて (物理的または電子的に) 取得したデータを使用してイメージを作成できます。VMロールサービス開始時に、VM ロールで実稼働用として使用するために Windows Server 2008 R2 を展開できます。さらに、Windows Azure™ VM ロールのベータテスト期間中は、VM ロールで実稼働サービス用として 64 ビット版 Windows Server R2 を使用することができます。MSDN® ライセンスまたはサブスクリプションを通じて取得されたその他の Microsoft® ソフトウェアは、開発およびテストの目的でのみ Windows Azure VM ロールで実行できます。マイクロソフトは、お客様やパートナーが Windows VM ロールをどのように使用するのかについてのフィードバックを収集します。これらのフィードバックは、クラウド向けのより広範なライセンス シナリオの開発に使用されます。Windows Azure VM ロールにおける MSDN に関するこの条件は、ベータテストの継続期間に関係なく、2011 年 5 月まで提供されます。VM ロールでのサード パーティ ソフトウェアの使用は、当該ソフトウェアの使用権に準拠するものとします。
Windows Azure VM ロールへの接続については、Windows Server クライアント アクセス ライセンス (CAL) に関する要件はありません。また、他のライセンス プログラムを通じて取得された既存の Windows Server 2008 R2 ライセンスから Windows Azure VM ロールに使用権が移転することはなく、VM ロールから他のデバイスに移転可能な権利もありません。