お客様の声
システムインテグレーターとして豊富な実績を持つ ミツイワ、安心・安全に活用できる生成 AI サービス MAKOTO を Azure OpenAI Service で構築
サマリー
開発の経緯と効果
ミツイワでは社内業務の効率化を目的として生成 AI を活用した SaaS を開発し、年間 40 人日分の作業量削減を想定。その成果を基に安心・安全に利用できるセキュア生成 AI サービス「MAKOTO」としてリリース。問い合わせ対応や文書要約などの業務で高い効率化を実現しています。
Azure OpenAI Service を選定したポイント
最新の AI モデルによる高品質な LLM を利用するために Azure OpenAI Service を採用。セキュリティ機能、開発や運用の容易さ、 Entra ID 連携による管理効率化など、マイクロソフトの製品ポートフォリオを幅広く活かせる点も高く評価しました。
今後の展望
伴走型支援によるカスタマーサクセスを重視しているミツイワでは、 顧客要望をもとに MAKOTO の機能を継続的に拡張しています。 2026年 1 月にも大型アップデートを行い、 UI の大幅な改善や機能の追加を行いました。日本の中小企業のノンコア業務削減による生産性向上を目指し、企業全体 DX の加速に貢献しています。
事例本文
1964 年創業、 62 年間にわたって成長を継続し、ベンチャー精神を忘れることなく 100 年企業を目指している実績豊富なシステムインテグレーターである ミツイワ株式会社(以下、ミツイワ)が生成 AI を活用した新サービス「 MAKOTO 」を発表した際には業界内で話題となりました。
ミツイワは PC やサーバーの販売、ネットワーク機器の設置工事、運用保守サポートを生業とするシステムインテグレーターとして全国に拠点を持っており、社員数は約 850 名。半導体デバイスを取り扱う商社としての機能も有し、業績は堅調に伸び続けています。
「先知」を社訓として「 Sustainable Growth 」を掲げるミツイワは、オンプレミスからクラウドへと移行していく時代の変化にも柔軟に対応してきました。これからは AI や IoT の活用によるアプリケーション領域での新サービスが、事業ポートフォリオの新しい柱になると期待しています。
同社はマイクロソフトのパートナーとして、 Microsoft 365 Business の導入支援で多くの実績を有しています。ミツイワのサービスの特徴は、顧客に寄り添い、大きなカスタマーサクセスの実現を目指す伴走型であること。ミツイワ自身がマイクロソフトのソリューションのユーザーであり、蓄積したナレッジの積極的な提供で顧客から厚い信頼を獲得しています。
ミツイワ株式会社
最新の AI モデルを社内で安心・安全に使える生成 AI サービス「 MAKOTO 」
生成 AI の高度なチャット機能を活用したサービスが次々と登場している昨今、サービスをどのように差別化して特徴を打ち出すかにおいて、各社さまざまな工夫が見られます。ミツイワが重視したのは安心・安全に活用でき、セキュリティを心配することなく生成 AI を活用できること。かつ、セキュアな環境での運用においても、ユーザー企業の負担を小さく抑えること。このコンセプトのもと開発された SaaS が、同社の「 MAKOTO 」です。
MAKOTO のこうしたコンセプトを実現すべく、基盤としてミツイワが採用したのは Azure OpenAI Service でした。ユーザー専用環境で動作する生成 AI を実現するためにユーザーは自社で Microsoft Azure を契約。ユーザー固有のデータや情報を自社所有のストレージに保管する形態とすることで、セキュリティ対策を万全にします。
つまり MAKOTO はデータが通過・処理される UI であり、データ資産はあくまでユーザーの環境の中を移動します。これは、自社の営業機密や個人情報を厳重に守りながら、最新の生成 AI のパワーを最大限に利用できる仕組みだと言えます。
生成 AI 活用で作業時間を最大 48 分の1 に削減
MAKOTO のプロダクトオーナーとして設計開発をリードしたミツイワ株式会社 取締役 CDO の稲葉善典氏は、 MAKOTO を開発した経緯を次のように説明します。
「当社は ICT の幅広い分野でお客様へサポートサービスを提供しており、カスタマーエンジニアとオペレーターの業務効率化の改善が長年の課題でした。オペレーターへの問い合わせにはチャットを利用しますので、ここに生成 AI を使えばオペレーターの業務量(回答に要する作業量)を減らせるのではないか。そう考えて 最新の AI モデルを用いて社内向けのチャットサービス『 MAI ( Mitsuiwa-AI )』を開発して展開したところ、調査・資料作成が8時間から10分になった・提案資料の作成が半日から1時間になった、などの声が寄せられました。業務効率を劇的に改善するこのサービスを、ぜひお客様にもご利用いただきたいと考え、 MAI をさらに改良した MAKOTO として正式にリリースしました」(稲葉氏)
MAKOTO がリリースされたのは 2024 年 10 月。ユーザーの声を反映した機能を継続的に拡張 しており、 2026 年 1 月には大幅アップデートが行われました。より直感的に使える UI デザインへの刷新やプロンプトテンプレートの提供、 AI アシスタントのカスタマイズ機能などが実装されました。
インターネットを使っていない企業がもはや存在しないように、将来的に AI はあらゆる企業で使われる技術になると予測されます。 AI による業務効率の改善を企画したとき、 AI ソリューションをすでに実践的に活用して成果を出しているミツイワは最適な相談相手です。
ミツイワ株式会社 マネージドサービス本部 デジタルマネージドサービスセンター デジタルビジネス部 AI イノベーション課の長嶋啓太氏は、「生成 AI の活用定着ナレッジご提供や、お客様の現場の皆様が AI に習熟するためのサポートなど、当社は伴走型支援を重視しています。一般的なチャットサービスはユーザー自身の自力習得を前提とする代わりに安価に抑えられていますが、『 All for Our Customers 』をスローガンとする当社は、カスタマーサクセスを伴うことが大切だと考えています。お客様からは価格以上の価値があると、ご好評をいただいています」と、説明します。
ミツイワ株式会社 取締役 CDO 稲葉 善典氏
社内利用率 78%、 AI 活用により 6 時間を要した業務の手間が「ほぼゼロ」に
MAKOTO によって効率化された業務の例としてまず挙げられるのは、情報システム部門や経理といったノンコア領域の規定集を生成 AI に覚えさせ、問い合わせ対応に掛かっていた 30 分/日の作業時間を 0 分にしたこと。つまり、問い合わせする側が AI から回答を得ることで、自己解決できるようになりました。
問い合わせでのチャットの内容も AI を使って Q&A 形式に再編集することで、 FAQ を自動で生成。 1 つの効率化がさらなる効率化を生む好循環を実現しています。
一般文書の要約は、特に AI の得意とする作業です。長文の資料も AI にまとめさせることで、重要情報の把握が格段に早くなります。多忙な役員には、こうした要点整理のメリットが特に高く評価されています。
ミツイワでは、メール作成や企画関連の作業に AI を活用し、どの程度の時間を削減できたか定量的な効果測定を行っています。その結果として、ミツイワ社内での活用率は 78% 、従来は 6 時間を要した事務作業を「ほぼゼロ」にしたユースケースもありました。こうして蓄積した活用例を他のユーザーがすぐに取り入れて実践できるところが、 MAKOTO を使い続けたくなるポイントです。
マイクロソフトの製品ポートフォリオの相乗効果
MAKOTO の基盤として Azure が採用された理由は複数あり、いずれのポイントにもマイクロソフトのソリューションが持つ強みが発揮されています。
MAKOTO にとって、 LLM (大規模言語モデル)の選択はサービス品質に直結する最重要ポイントでした。稲葉氏の率いる開発チームは Azure OpenAI Service が実装している最新の AI モデルを特に高く評価しており、マイクロソフトが OpenAI と戦略的パートナーシップを締結している点も考慮して、基盤として Azure を選定しました。
また開発者の視点で評価すると Azure Cosmos DB は開発のしやすさ、チューニングのしやすさの点で、我々にとって他社サービスよりも優位性があり、特に Azure Synapse Analytics は SQL データウェアハウスとビッグデータ分析がシームレスに統合できることから、開発効率の点でメリットがありました。
MAKOTO は技術的にはマルチクラウドでの提供も可能な設計となっており、システム構成の選択肢を幅広く検討できます。事実として Azure Cosmos DB は一定のタイミングでバッチ処理を行うため、リアルタイム処理は得意ではありません。しかし MAKOTO のような業務用の SaaS には、秒単位での集計は不要です。結果的に開発性や保守性などでも Azure に軍配が上がりました。
運用の観点でも、ユーザーが Microsoft Entra ID (旧 Azure Active Directory )を利用している場合は、システム間の連携が容易になります。たとえば、ユーザー企業で退職者が出た場合、人事システムだけでなく MAKOTO の登録からの削除も必要となります。しかし Entra ID 連携がされていれば、ボタン1つで同期が完了します。
「私はセキュリティ分野の専門家でもあり、実運用を見越した設計を重視していました。 Entra ID ならばシングルサインオン(SSO)やユーザーグループの一元管理ができますし、ミツイワでは各自の PC に証明書が入っていますので外部からの不正利用をシャットアウトできます。 Azure を基盤とすることでセキュリティ強化と管理コスト節約を両立できるなど、マイクロソフトの広範な製品ポートフォリオによる相乗効果を発揮できています」(稲葉氏)
また、 Azure 上で MAKOTO は稼働しているためサーバーレス構成であり、データベースを含めてすべてマネージドサービスで運用されます。 Azure の SLA に基づく可用性と堅牢性の高さはもちろん、ユーザー側の情報システム部門にとっても、導入に向けた稟議処理や社内ネットワークへ接続するための手続きなどを大幅に簡略化できます。
中小企業の AI 活用と利用の定着には、伴走型支援が有効
ミツイワは中小企業を主な顧客層としていることから、日本の中小企業がどのような点で AI 活用に悩むのか、その解決方法も含めて熟知しています。
特に AI の活用では、社内のリテラシー向上に同時進行で取り組む必要があります。導入しても、使われなければ成果が出ず、生産性向上に寄与しません。そのためにはまずトライアル(試験運用)しながら自社のどの業務に AI が効くのか、生産性や働き方はどのように変化するかの見極めが大切です。
「ミツイワの伴走型支援では、お客様と定例会議を重ねながら利用促進策をご提案しています。あるお客様では、社内勉強会を実施いただいたところ 1 カ月で AI 利用が 4 倍に跳ね上がった例もあります。 IT 関連のマニュアルがすべて紙のお客様でも、それらをスキャンして MAKOTO に読ませれば、全自動で OCR でテキストデータ化されます。ミツイワは生成 AI 使用のガイドライン整備も支援しており、 AI を軸とした全社的な DX の推進をサポートしています」(長嶋氏)
AI 利用が急増し、業務効率の改善が加速するきっかけは、実は人間系の施策に掛かっています。トライアルを通じて、成功体験につながりそうだという感触を得ることが、 AI で成果を生むための第一歩です。
ミツイワの社内でも、生成 AI の利用促進のためのコンテストを開催したところ、 若手社員を中心に 132件のエントリーと報告があり、たくさんのユースケースが集まりました。まさに AI 活用においてユーザーの自発的な創意工夫を引き出した取り組みといえます。
最後に稲葉氏に、生成 AI 活用と DX 推進のコツを伺いました。
「導入しただけで業績が劇的改善するような魔法のツールは存在しません。特に大切なのは、導入後に何をするかです。筋肉は使うことで鍛えられるように、生成 AI も使いながら慣れていくことでジワジワと効果が出てきます。ノンコア業務が削減されて、コア業務に使える時間が増える。そこにお客様の業績改善に向けた DX の本質があります。 MAKOTO は企業内のあらゆる部署で活用いただける汎用ソリューションですし、その基盤は Azure なので安心・安全です。セキュア生成 AI サービス MAKOTO をまずはトライアルしていただけたら嬉しいです」(稲葉氏)
ミツイワ株式会社 マネージドサービス本部 デジタルマネージドサービスセンター
デジタルビジネス部 AI イノベーション課 長嶋 啓太氏
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