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お客様の声

Azure を基盤とする、画期的な保育園給食トータルサポートシステム 「 MIRAwithキッチン」誕生秘話

サマリー

開発の経緯と効果

給食業務の人手不足や安全管理強化、煩雑な事務作業を解消するべく、 Nプランニングでは保育園運営のノウハウを集約して「MIRAwithキッチン」を開発。徹底して現場の声に寄り添う開発プロセスによって、給食トータルサポートシステムとして完成。保育園 DX に貢献するソリューションとして期待されています。

Microsoft Azure を選定したポイント

柔軟なデプロイ環境、スケーラブルな構成、 API 接続性、迅速な検証・リリースを可能にする PaaS としての優位性から Microsoft Azure を採用。 App Service や Database for MySQL を中核に、セキュリティ・運用監視も Azure で統合。マイクロソフトのポートフォリオの幅広さが決め手になりました。

今後の展望

給食業務の DX を基盤として、プライベートブランド商品や EC サイト、保護者向けアプリなども展開予定。給食の新しいエコシステム構築を目指して生成 AI やデータ活用も視野にあり、 Nプランニングのさらなる事業成長や「三方よし」モデルの実現として期待が寄せられています。

事例本文

N-Planning logo

埼玉県を中心に保育所(保育園)の運営を手掛ける株式会社WITHと、経営コンサルティングを担当する株式会社WITHホールディングス、保育園運営支援や教育関連サービスを提供する株式会社Nプランニングは、質の高い保育・教育サービスを提供する企業グループとして知られています。

なかでも Nプランニングが2025年10月にリリースした、保育園・こども園の給食運営を支援する給食トータルサポートシステム「MIRAwithキッチン(ミライズキッチン)」は、 100 施設以上の保育園・学童を運営するWITHグループのノウハウが結集された画期的なシステムです。

給食は、栄養管理に基づく献立作成や食材発注、衛生管理、アレルギー対応、帳票作成、食育プログラムなど多数の業務の連携によって成り立っています。しかし現場の人手不足の深刻化に加え、安全管理や監査の厳格化、バラバラのITツールの利用による事務作業の煩雑さが現場にとって大きな負担となっていました。

いま保育給食の現場で求められているのは、標準化された仕組みによる効率性と安全性の向上、教育的価値(食育)を一気通貫で実現すること。MIRAwithキッチンは、そうした課題の解決を目的として企画、設計、開発された統合サービスです。給食に関する保育現場の負担を軽減し、スタッフが「子どもと向き合う時間を生み出せる」と期待が寄せられています。

このMIRAwithキッチンの基盤として採用されたのが Microsoft Azure です。開発を担当したのはマイクロソフト専業ベンダーであるAZPower株式会社( Microsoft AI Cloud Partner Program のソリューションパートナー)。マイクロソフトの広範なポートフォリオが、本サービスの裏側を支えています。

ウィズ・グループと株式会社Nプランニングのクリアな看板の前に立つ2人の男性。

給食運営のニーズに寄り添い、保育園 DX に貢献するシステム

当初、給食システムの企画はWITHグループ内の保育園の業務フロー改善を目指す取り組みとして検討されました。しかし保育園の課題は全国共通であり、標準化されたサービスならばあらゆる保育園で活用できます。日本の給食現場の DX に貢献できる SaaS として MIRAwithキッチンは設計されました。

給食システムは非常にニッチなサービスであり、コアなコンテンツ(栄養士のレシピ情報や給食提供に関する運用全般の情報)を持っている現場ユーザー(栄養士やスタッフなど)の知見やアイデア、実際の使われ方に即した意見を取り入れて設計しなくてはなりません。

たとえば、献立づくりにおいては「午前のおやつ・昼の給食・午後のおやつ」のそれぞれで栄養価別に並べて表示したり、栄養士のニーズに合わせて帳票形式を整えたりできる機能が不可欠です。デジタル情報をアナログへと変換する帳票出力は難易度の高い開発ですが、現場の使いやすさに直結するため多くのリソースを投入して開発されました。

MIRAwithキッチンの開発をリードした株式会社WITHホールディングス コーポレート本部 情報システム部 部長 山崎 泰考氏は、開発のプロセスを次のように振り返ります。

「 Microsoft Azure は、アプリケーションを柔軟にデプロイできる環境を提供してくれます。このメリットを最大限に活用したことで、モックアップを現場のメンバーに見てもらって改善点を指摘してもらい、作りながら動作をチェックし、フィードバックを修正しながらまた作っていくというアプローチを取ることができました」(山崎氏)

この開発手法は、フェーズを 1 つ 1 つ手堅く進めるウォーターフォール型開発とユーザー部門からのレビューを取り入れながら修正と開発を繰り返すアジャイル開発手法の両者のメリットを取り入れたハイブリッド的な開発プロセスだったと言えます。

グレーのスーツと白いシャツを着た男性が白いテーブルに座り、手を組んで微笑んでいます。部屋には縦型のブラインドが見えます。

株式会社WITHホールディングス コーポレート本部 情報システム部 部長 山崎 泰考氏

給食関連業務を全体最適するMIRAwithキッチンの基盤は Azure 一択

給食を一気通貫で支援するトータルサポートシステムを掲げている通り、MIRAwithキッチンは帳票出力を自動化、米・調味料を含む食材の一括発注、地域業者の登録、調理・献立・書類づくり・人員不足への対応など、園のごとの現実運用に合わせられる柔軟性を持っています。同時に、食材配送サービスは単体でも利用できるなどの選択肢もあり、まさにMIRAwithキッチンは「全体最適のための業務基盤」となっています。

こうした現場の細かいニーズは週次ミーティングで集約され、開発者とユーザーの認識合わせを丁寧に進めながら実際の開発へ落とし込まれました。こうした開発が可能だったのは、WITHグループが自社で多数の保育園を運営していて職員の声を幅広く集めることができ、テストできるフィールドが社内にあるからこそ実現できたことだといえます。

MIRAwithキッチンは、 Azure の PaaS を基盤とした Web アプリケーションとして設計されています。その中核には Azure App Service を採用し、 RDB には Azure Database for MySQL が選択されました。

この開発プロジェクトで PM 的役割を果たしたAZPower株式会社 営業本部 マネージャー 木内 航氏は、開発の裏側を次のように話します。

「このサービスに接続する機能を段階的に増やしていきたいという将来構想を企画段階からお聞きしていましたので、構成で最優先したのは複雑化させないことと、スケーラブルな構成にすることでした。先の展望を持って開発していくには、 API の接続性や、新機能をすぐに取り入れられる柔軟性が求められ、その要件には PaaS が圧倒的に優れています。よって選択肢は Azure 一択でした」(木内氏)

マイクロソフトのポートフォリオの総合力を引き出した開発

 MIRAwithキッチンのフロントおよびネットワークでは、 Azure Front Door をグローバルな入口として設計。将来的な全国展開を見据えると、アジア リージョンとして大きく立てることができる Azure Front Door に優位性があります。同時にこれは災害時の復旧対策としても有効です。 Web 攻撃対策には Azure Web アプリケーション ファイアウォール (WAF) ポリシー、独自ドメイン管理は Azure DNS を採用しています。

 Web アプリケーションで中核に採用したのは Azure App Service です。これは立ち上げやすさやスピード、拡張性といった点での評価に加え、デバッグや検証環境の準備を素早く行えることがポイントでした。検証環境からの段階的リリース、そして本番環境へと進める上で複数のデプロイ スロット( dev 、stg など)を用意しやすかったこともメリットです。

「試行錯誤しながら開発を進める本プロジェクトと Azure は、非常に相性がよかったと言えます」(山崎氏)

また、データおよび周辺サービスでは、 Azure Database for MySQL ( Flexible Server )を複数の Storage Account で運用し、メール送信は高い到達率が特徴の SaaS 型メール配信サービス SendGrid が採用されました。

監視と運用は Azure Log Analytics ワークスペースを使い、メトリックアラートとアクショングループの組み合わせで障害検知と通知をしています。現在猛威を振るっているランサムウェアの脅威に対抗するためにも、マイクロソフトのセキュリティ対策は有用であると判断されました。

昨今はゼロデイ攻撃が多く、それゆえにマイクロソフトは対応力・開発力の面で高い信頼を得ています。 OS 、アプリケーション、 ID 管理や検索エンジンなどを自前で持っていることから、マイクロソフトに届くシグナルの量はセキュリティ専業企業よりも多いと推測されます。これらのシグナルをすぐに反映できているところに、マイクロソフトの強みがあります。

山崎氏と木内氏は、そうしたマイクロソフトのセキュリティの強さに信頼を寄せていると話します。

「AZPowerとしては、マイクロソフトが提供しているベストプラクティスに則っています。 NIST (米国立標準技術研究所)のガイドラインに当てはめ、対応済みかどうかも一眼でわかるようになっていますので、関係項目をつぶしていくことで、ベストプラクティス環境が完成します。このように『あるべき姿』を維持し続けることが最良のセキュリティであると考えています」(木内氏)

今回、マイクロソフト製品で構成された理由として、第一にAZPowerがマイクロソフトの専業ベンダーとして、マイクロソフトの製品群に精通していることがポイントでした。 MIRAwithキッチンは市場ニーズに合わせてサービスをカスタマイズしていく予定のため、 Web サーバーやデータベース、 AI 、セキュリティ、 Git も統一的に提供できることが重要です。必要な製品群がそろっている Azure は、 Nプランニングの現状・要望・展望の 3 つの観点でニーズに対応できると判断されました。

マイクロソフト製品に特化した技術者集団、AZPower

本プロジェクトがこれほど広くマイクロソフトのポートフォリオを活用できたのは、AZPowerに所属するエンジニアがマイクロソフト製品の知識と技術に特化しており、製品のポテンシャルを十分に引き出すことができるからです。AZPowerは様々な条件を満たしたダイレクトの Microsoft CSP ( クラウド ソリューション プロバイダー プログラム )のパートナーであり、直接のリレーションを有しているため、彼らは常にマイクロソフトの最新技術情報に触れています。

また、山崎氏はMIRAwithキッチンを開発するパートナーとして、AZPowerの総合力も評価したと話します。

「AZPowerはクラウドプラットフォームを使いこなせる会社であり、クラウドネイティブ時代の現代においてインフラ構築とアプリ開発の両方を任せられる技術者集団です。保育園の現場は Office を日常的に使用していますので、すでにある業務と新しい給食システムをうまくリンクさせて保育園 DX を推進するうえで、 Azure はベストな選択だったのです」(山崎氏)

眼鏡をかけ、坊主頭で黒いブレザーを着た男性が、会議室でバーティカルブラインドを背景に話しながら身振り手振りしている様子。

AZPower株式会社 営業本部 マネージャー 木内 航氏

園児と保護者、保育園、地域業者の三方よしのエコシステムへ

2026 年 1 月現在、MIRAwithキッチンは改修作業を継続しつつ、給食業務(献立・発注・配送・帳票・食育)を一体で支える価値のさらなる向上を目指しています。

今後の展開としては、MIRAwithキッチンをプラットフォームとしてプライベートブランド商品の取り扱いや EC サイトの構築、保護者向けアプリの提供などが予定されています。給食を軸にした、全体的なエコシステム構築をゴールと考えるならば、MIRAwithキッチン単体の達成状況は 90% 以上ですが、今後の展開を含めると進捗は 60% ほどであると山崎氏は説明します。

Nプランニングでの運用を進めながら、AZPowerはソフトウェア保守(問い合わせや不具合への対応)とインフラ保守(監視に基づく障害検知やサービスの安定稼働のための運用支援)の 2 系統のサポートを提供しています。

「AZPowerとしては、給食サポートシステムの稼働はエコシステム全体の入口だと考えています。さらなるデータ活用や生成 AI の導入へと視野を広げており、開発メンバーがそのまま保守に参加するなど、改修をすばやく行える体制を維持しています」と、木内氏はAZPowerもこのシステムに大きく期待をしていることを語ります。

WITHグループ内でもMIRAwithキッチンへの評価は高く、このシステムが広がれば園児と保護者、保育園、地域の納入業者にとって「三方よし」のモデルが実現可能となります。同時に、外販可能なこのサービスは事業成長の新たな牽引役にもなると期待されています。マイクロソフトは Nプランニング様が目指す保育園 DX をソリューションの面から引き続きサポートしてまいります。

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