ゲーム開発を支えている「ゲームエンジン」は、開発に必要なさまざまな機能が集約されており、その全体を隅々まで理解することは簡単ではありません。スクウェア・エニックスの内製ゲームエンジン開発部門にも、社内ユーザーである他部門のゲーム開発者から日々数多くの質問が寄せられており、担当者の負担増につながっていました。その一方で、質問しやすさ・気軽さの向上も課題になっていました。そこで、ゲームエンジンの活用支援を効率化するために着目されたのが、質問を容易にする生成 AI チャットボットの活用でした。
国内サーバーが利用でき海外へのデータ流出の心配がないなどの特長を評価し、生成 AI として Azure OpenAI Service (GPT-4) を採用。Slack と連携して質問に回答する AI チャット「ひすいちゃん」をわずか 3 日で構築し、2024 年 2 月にリリースしました。その後も、機密性の高い質問をクローズドな状態で行えるローカル アプリや、「データ生成を行う Python コード」の自動生成も実現。さらに 2024 年 6 月には、これらの生成 AI 機能をゲームエンジンと統合しています。
ゲーム開発者が気軽に質問できるようになり、ゲームエンジン担当者の負担も軽減しました。またデータ作成についても生成 AI に相談しやすくなり、自動生成されたデータがどのような表現になるのかも、ゲームエンジン上で即座に確認できるようになっています。新人開発者はこれをチュートリアル代わりに活用しており、プログラマー以外の開発者もデータ生成の Python コードを作成することも可能に。ドキュメント作成に対するゲームエンジン開発者のモチベーションが向上したことも、大きな効果だと評価されています。
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