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2025/07/10
SBテクノロジー Microsoft 365 Copilot を全社導入し、社内実践の知見をお客さまに還元

クラウド、セキュリティ、AI を強みに躍進する SBテクノロジー。人材不足の中、経営方針として掲げる「大きく成長する」を実現するためには、知見やノウハウの言語化・ナレッジ化による仕事の質とスピードの向上が不可欠であり、生成 AI の活用実現が求められた。

Microsoft 365 E5 のセキュアな環境のもと Microsoft 365 Copilot (以下 Copilot)を利用するため、全社導入はスムーズにおこなわれた。また、社内データは SharePoint Online に一元管理されており、機密情報などセキュリテイレベルに応じてアクセス権限を設定。全社導入を決断し 1 カ月後には全社員が Copilot の利用を開始した。

全社導入で Copilot 利用率 ※92% という高い数字を達成。営業部門は訪問前調査、資料準備、商談準備など営業プロセスのステータスに応じて Copilot を活用。Copilot に素案を作ってもらうことで精度向上に集中する時間を創出。また技術部門、人事部門などでもさまざまに活用し業務効率化を図った。

SB Technology Corp

生成 AI を活用し社内実践の知見をお客さまに還元

「情報革命で人々を幸せに~技術の力で、未来をつくる~」という経営理念のもと、新しい価値を提供し続ける SBテクノロジー。ソフトバンクのグループ内の ICT リーダーを担い、法人・公共向けに事業を展開しています。経営方針として掲げているのが「大きく成長する」です。セキュリティ分野 3 市場で 2023 年度ベンダー別売上金額シェア 1 位を獲得※し、国内トップクラスのクラウド導入実績、マイクロソフトのパートナーアワードも多数受賞。AI 市場でもトップを目指すべく注力しています。(※ 出典:ITR「ITR Market View:エンドポイント・セキュリティ対策型/情報漏洩対策型 SOC サービス市場2024」 -SIEM運用分析サービス・Microsoft 365 運用監視サービス・ID管理セキュリティ運用監視サービス

2012 年から約 10 年間で、同社の売上高は 3 倍に拡大。「課題は、事業成長のスピードに人材育成が追いつかないことです」と SBテクノロジー ソリューション営業本部 本部長 上原郁磨氏は話し、こう続けます。

「本来、人材育成には時間がかかります。人材不足の中、新人にも早い段階で即戦力になることが求められます。ポイントは、知見やノウハウ、経験の言語化・ナレッジ化です。それを利用することで、新人もベテランの知恵を生かし仕事の質を向上できます。しかし、言語化・ナレッジ化には分散したデータの収集・加工など手間と時間を要します。生成 AI は、自らデータを探し出しナレッジ化したかたちで提供してくれます」

人材が成長することで、顧客満足度が向上し、収益が拡大。それにより給料が上がり、優秀な人材が集めやすくなるといった好循環が生まれると捉えており「生成 AI により『人材を軸とする成長ループ』を持続的にまわすことができると考えています」と上原氏は付けくわえます。

同社は、Azure 上で生成 AI サービスを利用できる Azure OpenAI Service を活用した生成 AI サービス「dailyAI」を開発・提供し、お客さまの業務スタイル変革に寄与しています。自社の日常業務変革では、2024 年 9 月に Microsoft 365 Copilot (以下 Copilot)の全社導入を決定しました。理由について上原氏は説明します。

「PC やスマートフォンのように、もはや生成 AI のビジネス活用は当たり前になってきています。AI のトップベンダーを目指す当社において、Copilot の導入は自社課題解決と、IT事業の両面で必然でした。実践で蓄積した知見やノウハウは、SIer としてお客さまの Copilot 導入支援に生かしています」

上原 郁磨 氏, ソリューション営業本部本部長, SBテクノロジー株式会社

“PC やスマートフォンのように、もはや生成 AI のビジネス活用は当たり前になってきています。AI のトップベンダーを目指す当社において、Copilot の導入は自社課題解決と、IT事業の両面で必然でした。実践で蓄積した知見やノウハウは、SIer としてお客さまの Copilot 導入支援に生かしていきます”

上原 郁磨 氏, ソリューション営業本部本部長, SBテクノロジー株式会社

Copilot 導入決断後、わずか 1 カ月で全社員が利用を開始

同社では、Copilot 全社導入を 2 週間で決断。2 カ月後の 2024 年 11 月には  、全社員 1,100 人が Copilot の利用を開始。このスピード感を実現できた背景について、SBテクノロジー ソリューション営業本部 ソリューション営業企画統括部 第3営業企画部 坂口遥子氏は話します。

「Microsoft 365 E5 のセキュアな環境のもとで Copilot を利用するため、当社のセキュリティポリシーをスムーズに満たすことできました。また、社内データは情報管理コラボレーションツール SharePoint Online に一元管理されており、機密情報などセキュリテイレベルに応じてアクセス権限を定めています。Copilot もユーザーのアクセス権限の範囲でデータ活用をおこなうため、セキュリティルールから逸脱することはありません。生成 AI に関する社内教育も実施しました」

全社導入で課題となるのは、Copilot 活用の定着化と文化づくりです。何から、どのように取り組むべきか。「Copilot 活用の機運を一気に高めるため、最初にアクセルを踏むことにしました」と上原氏は話し、こう続けます。

「2024 年 12 月、全社員を対象に賞金 100 万円の生成 AI 活用ビジネスコンテストを実施しました。個人、チームいずれも参加可能で、Copilot の活用案を含み応募総数は 490 以上でした。1 位は、サービス化に向けて検討がおこなわれています。2 位、3 位は、業務効率化に関するアイデアで、実現にむけた開発が進行中です。また、2025 年度から営業部門では、評価制度(MBO)に Copilot の活用を必須項目として組み込みました。営業担当者は Copilot 活用事例の提出を必須とするなどが評価ポイントとなります」

定着化に向けて、社員に寄り添い支援する地道な活動もおこなっています。サポート内容について、同社 ソリューション営業本部 ソリューション営業企画統括部 第3営業企画部 北爪圭澄氏は話します。

「全社員参加必須の Copilot 活用勉強会をオンラインで開催しました。また、初心者向け勉強会の実施や、個別の質問への回答や使い方のレクチャーをおこなうなど、スキルや活用の仕方が異なる社員 1 人ひとりのフォローにも力を入れています。さらに、従業員の働き方を可視化する Viva Insights を使って、高頻度で Copilot を活用しているユーザーを見つけ出してヒアリングを実施し、社内ポータルを通じて成功事例を共有しています。さらに成功事例集も作成し、社内はもとよりお客さまへの展開も視野にいれています」

坂口 遥子 氏, ソリューション営業本部ソリューション営業企画統括部第3営業企画部, SBテクノロジー株式会社

“「Microsoft 365 E5 のセキュアな環境のもとで Copilot を利用するため、当社のセキュリティポリシーをスムーズに満たすことができました。また、社内データは SharePoint Online に一元管理されており、セキュリテイレベルに応じてアクセス権限を設定しています。全社員が Copilot をすぐに利用開始できました」”

坂口 遥子 氏, ソリューション営業本部ソリューション営業企画統括部第3営業企画部, SBテクノロジー株式会社

営業プロセスのステータスに応じて Copilot を活用

同社は、営業部門における Copilot の徹底活用を進めています。営業部門が収益を生むフロントだからです。「一般的に、要約や文書作成などCopilot活用による業務効率化は進んでいます。これからの重要テーマの1つが収益化につながる活用だと思います。当社が強化しているのは、営業の効率化から生まれる売上・利益の最大化です」(上原氏)

具体的にどう業務に落とし込み、受注率や収益の拡大につなげていくか。同社は営業部門に対し、訪問前調査、資料準備、商談準備といった、営業プロセスのステータスに応じて「Copilot を具体的にこう使っていこう」という方針を示しました。

営業部門で最も多い Copilot 活用シーンが資料準備におけるナレッジ検索です。従来、営業担当者は資料を準備する際、自分で時間をかけて情報を収集していました。「Copilot なら、たとえば日本語の自然会話で『製造業に提案するための AI 関連資料を探して』と頼むと、社内データから類似情報を見つけ出し一覧表示してくれます。ポイントは、『どこに格納されているかわからない』情報を探し出せるという点です。私もよく利用しています」(上原氏)

提案書作成では、読み手に内容を的確に伝えるリード文は重要なポイントとなります。Copilot に PowerPoint の提案書データをアップロードし、「資料の内容を 200 文字程度で説明したいです。要約して」といったプロンプトを書くだけで要約文が出てきます。それをベースに修正することで効率化と質の向上が図れます。「Copilot に言葉の統一と誤字チェックによる修正文だけでなく、訂正理由も示してもらうようにしています。回答が正しいのかを判断しやすくなるからです」(上原氏)

資料作成後に、Copilot を上長に見立てて仮想的レビューもおこなっています。「上司は顧客目線と、わかりやすさを大切にしています。上司からどの箇所に指摘が入るか、想定して。合わせて理由も教えて」と入力し壁打ちすることで、部下と上司双方の効率化が図れます。上原氏は、「部下がレビューを受けに来た時に、Copilot と相談してきたかを聞くようにしています。相談していない場合は、すぐにわかります。文章が長く、整理整頓がされていないのです」と付けくわえます。

商談準備では、アジェンダ作成はもとよりトークスクリプトの作成、顧客の質疑予測と回答の提示といった仮想のお客さまとの壁打ちなどでも Copilot を活用しています。

他の部門でもさまざまな用途で Copilot 活用が広がっています。技術部門において、開発では生成 AI が最適なコードを提案してくれる GitHub Copilot による生産性向上にくわえ、見積もりに影響する工数の妥当性確認などで利用されています。

またドキュメントを多く使う人事部門では、Copilot の有効活用が進んでいます。Copilot を利用し、若手社員との面談議事録から楽しさや業務量など必要項目をレベルに分けて抽出し、従業員満足度やエンゲージメントの把握に役立てています。

北爪 圭澄 氏, ソリューション営業本部ソリューション営業企画統括部 第3営業企画部, SB テクノロジー株式会社

“全社員参加必須の Copilot 活用勉強会をオンラインで開催しました。また、初心者向け勉強会を実施し、個別の質問への回答や使い方のレクチャーをおこなうなど、スキルや活用の仕方が異なる社員 1 人ひとりのフォローにも力を入れています。さらに、社内ポータルを通じて成功事例を共有しています”

北爪 圭澄 氏, ソリューション営業本部ソリューション営業企画統括部 第3営業企画部, SB テクノロジー株式会社

Copilot を相談相手に選択する習慣づくりが重要

Copilot の導入効果について上原氏は、「営業企画部署にいるリサーチ部門が定性的・定量的に測定し分析を実施しています。 大切なのは、時間の削減ではなく、時間の使い方の変化にあると考えています」と指摘し、こう続けます。「これまでは素案作成に時間をかけすぎて、精度向上に集中する余裕がないケースもありました。いまは Copilot に素案を作ってもらい、それをベースに精度を高めることで仕事の質とスピードの両方を向上できます」

Copilot 活用の今後について、SBテクノロジー  ソリューション営業本部 ソリューション営業企画統括部 第3営業企画部 部長 今村裕貴氏は話します。「日常業務で Copilot を当たり前に使うように、利用の頻度や質を高めていくことが今後のテーマです。また、事業部専用の Copilot エージェントの導入検討を進めています。さらに『dailyAI』を含め、当社の強みであるセキュリティやデータ活用と、Copilot を組み合わせ、お客さまの業務変革に寄与する提案に力を入れていきます」

同社は、全社導入で Copilot 利用率 ※92% という高い数字を達成。成功に導くポイントについて上原氏は言及します。「情報収集、確認、相談など、わからないことがあった時は第三者に聞くというのが一般的です。この常識を取り払い、Copilot を相談相手に選択する習慣づくりが、導入成功に向けた第一歩になると思います。『身構えることなく、まず Copilot に聞いてみよう』ということは、社内でよく話しています。また、当社は 2018 年に全社員で意見交換や議論を重ね、翌年に2030 年のあるべき姿として新しくビジョンとバリューを加えた経営理念を定めました。一丸となって社員が主体性をもって変革に取り組む体制がベースにあると考えています」

「情報革命で人々を幸せに ~技術の力で、未来をつくる~」という経営理念実現に向けて前進する SBテクノロジー。Copilot を活用し自社と社会の発展に寄与していきます。

※MAU/月間利用率(1 カ月の間に 1 度でも Copilot を利用した人)

今村 裕貴 氏, ソリューション営業本部ソリューション営業企画統括部 第3営業企画部 部長, SBテクノロジー株式会社

“日常業務で Copilot を当たり前に使うように、利用の頻度や質を高めていくことが今後のテーマです。また、事業部専用の Copilot エージェントの導入検討を進めています。さらに、当社の強みであるセキュリティと Copilot を組み合わせ、お客さまの業務変革に寄与する提案に力を入れていきます”

今村 裕貴 氏, ソリューション営業本部ソリューション営業企画統括部 第3営業企画部 部長, SBテクノロジー株式会社

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