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2025/08/18

千代田区が職員の「考える時間」を生み出すために Microsoft 365 Copilot を採用、Microsoft Unified を活用しながら全庁展開を推進

DXをさらに推進していくため、「常識を書き換える 人とデジタルで創造する『  』な未来」をミッションとして掲げている千代田区。行政サービスの多様化を進めていくには業務を効率化し、職員の「考える時間」を作ることが重要だと考えています。そのための重要なツールとして生成 AI に着目し、2024 年には ChatGPT の活用を始めました。しかし日常業務で利用しているマイクロソフト製品と連携して使うには、テキストのコピー & ペーストが必要になるなど、効率性に制約があるという問題に直面。また AI を安全に利用するためには、土台となる環境の整備も必要でした。

 

そこで、マイクロソフト製品との親和性が高い Microsoft 365 Copilot の導入を検討。まずは 150 人規模の実証実験を行い、その効果を検証した結果、調べ物や文書作成などの時間が月平均で 300 時間削減されることや、利用者の「心理的な安心感」が増大することが判明。ユーザーへのアンケート調査でも「今後も使い続けたい」が 99% に達するなど、高い評価となりました。また AI を安全に利用する土台を整備するため、Microsoft Unified も導入しています。

このような結果から、2025 年 10 月に全庁展開することを決定。その最大の目的は、より広い職種かつより多くの職員が利用することで、扱える情報の厚みや範囲を拡大し、さらなる効果を引き出すことです。また、オンプレミスの Microsoft Active Directory とクラウド上の Microsoft Entra ID を連携させた新たな認証基盤など、Microsoft 365 Copilot の安全な利用を支える土台も Microsoft Unified を活用しながら構築しています。

Chiyoda City

※本お客様事例に記載された情報は取材当時 (2025 年 4 月) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。

質の高い多様な行政サービスの実現に必要な「考える時間」、その確保のため生成 AI の活用に着手

皇居を中心に、官庁街・オフィス街・商店街・住宅街など個性豊かなまちを有している千代田区。そこで活動する多様な人々に対して、それぞれにあった質の高い多様な行政サービスを提供していくことが求められています。

ここで積極的に活用を進めているのが生成 AI です。その背景と目的について、千代田区 政策経営部 デジタル政策課でデジタル政策係長を務める岡本 翼 氏は次のように語ります。

「近年は社会の多様化が進んでおり、その中で描かれる幸せは 1 人 1 人異なっています。多様化するニーズに対応していく必要がありますが、そのための重要なツールになるのがデジタル技術だと考えています。千代田区では DX への想いを『常識を書き換える』『人とデジタルで創造する』といったミッションの形で明確化していますが、その 1 つとして『「  」な未来』も掲げています。「  」の中が空欄なのは、個人や地域がデジタルの無限の可能性を活かしながら、それぞれが思い描く多様な未来を創造していく、ということを意味しています」。

そしてそのためには、区の職員の「考える時間」を増やしていく必要があるのだと説明。しかし従来の働き方は、毎年の文書更新を人手で行っており、議事録も録音から人が起こしている、という状況だったと言います。このような業務を省力化して「考える時間」を増やしていくには、生成 AI の活用が有効だと考えられたのです。

生成 AI 活用の検討が始まったのは 2023 年 (令和 5 年) 7 月ころ。そのきっかけとなったのは、2022 年 (令和 4 年) 11 月に ChatGPT が公開されたことでした。2024 年 (令和 6 年) には ChatGPT の利用も行われていましたが、そこである問題に直面したと岡本 氏は振り返ります。

「庁内では日常業務の多くをマイクロソフト製品で行っており、2022 年 3 月には Microsoft 365 の導入も済ませていました。しかし ChatGPT をマイクロソフト製品と連携させるには、プロンプトに必要な情報や生成された回答をコピー & ペーストする必要があります。この手間を削減することで、より効率的に活用したいと考えていました」。

岡本 翼 氏, 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係長, 千代田区

“実証実験を行ったことで、Microsoft 365 Copilot は大きな効果をもたらすことがわかりました。ただし、一部の職員が使うだけでは、生成 AI 活用内容が限定されてしまい、効果も限定的になってしまうでしょう。効果をさらに高めるには、全庁展開によってより幅広い職種、より多くの職員が利用できるようにすることで、業務で活用できる内容を厚く広くしていくことが重要です”

岡本 翼 氏, 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係長, 千代田区

150 名規模の実証実験で Microsoft 365 Copilot の効果を検証、活用拡大の施策も実施

この問題を解決するために検討されたのが、Microsoft 365 Copilot の導入です。2024 年 6 月にマイクロソフトからその紹介を受け、2024 年8月には実証実験をスタート。150 名の職員が参加し、実際に Microsoft 365 Copilot が始まったのです。

Microsoft 365 Copilot の活用検討や支援を行うための、組織横断型のプロジェクト チームも発足。参加メンバーは Microsoft Teams で情報を共有しながら、活用促進のためのさまざまな取り組みを実施しています。

その具体的な内容について「まず 2024 年 8 月には Microsoft 365 Copilot 活用の基礎を学んでいただくため、Microsoft 365 に含まれるさまざまなアプリケーションについての基本的な説明会を 2 回開催しました」と、プロジェクトチームを事務局として支えている、千代田区 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係の山崎 柊 氏は説明します。 

またこれと同時期に「なんでも相談会」もスタート。Microsoft 365 Copilot 活用に関する疑問などを解決したり、各自の活用例を共有してもらったりするため、2024 年 8 ~ 10 月は毎週、11 月は隔週、その後は月に 1 回のペースで開催されてきました。

さらに 2024 年 10 月にはさらなる活用促進のため、ユーザーが作成したプロンプトを登録してもらい、優れたプロンプトに賞を授与する「いいね選手権」も開催。約 20 件のプロンプトが登録され、「副区長賞」や「視点がいいね賞」、「発想がいいね賞」などが授与されています。「このようなイベントを行ったことで庁内の職員間で事例が共有され、新たな発見や機能の認知向上につながりました」と山崎 氏は振り返ります。

ユーザー数 150 名規模の実証実験は、2024 年 11 月まで実施。翌年度にはユーザー数を 300 名に拡大し、さらなる検証が進められています。

山崎 柊 氏, 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係, 千代田区

“この実証実験に参加したユーザーを対象に、2024 年 11 月と 2025 年 3 月にアンケート調査を行なっていますが、アクティブ ユーザー率は 2024 年 11 月の調査で 92% だったものが、2025 年 3 月には 95% に上昇しました。また『今後も使い続けたい』と回答した職員の割合も、2024 年 11 月の 97% から 2025 年 3 月には 99% へと上昇。好意的な評価の割合が増加しています”

山崎 柊 氏, 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係, 千代田区

業務時間が削減され心理的安心感も向上、ユーザーの 99% が「今後も使い続けたい」

この実証実験でまず注目したいのが、定量および定性の両面で大きな成果が得られていることです。

まず定量的な効果としては、ユーザー全体で月平均約 300 時間の業務時間が削減されています。これは 1 人あたり 2 時間の削減効果ですが、調べ物や文書作成、議事録作成などが自動化/効率化された結果だと岡本 氏は説明します。しかしこれ以上に重要なのが、数値で表現することが難しい「心理的な効果」だと指摘します。

その具体的な内容について、山崎 氏と共に Microsoft 365 Copilot の活用検討プロジェクトチームを事務局として支える、千代田区 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係の松岡 美那 氏は、次のように説明します。 

「調べ物に Microsoft 365 Copilot を使うことで、限られた時間内でも幅広い資料を調べることができるため、十分に調べて文書を作成したと自信を持つことができ、安心感が高まりました。またこれまで『相手の時間を取ってしまって申し訳ない』と思いながら先輩職員に聞いていたことも、Microsoft 365 Copilot ならいつでも気軽に聞くことができます」。

また山崎 氏も「先ほどの『いいね選手権』で『視点がいいね賞』を受賞した新人職員は、『Microsoft 365 Copilot はもう 1 人のチューター』だと表現していました」とコメント。千代田区には、先輩職員が入庁 1 年以内の新人職員を指導する「チューター制度」がありますが、このような「人間のチューター」に加えて、Microsoft 365 Copilot がもう一人の「AIチューター」として、重要な役割を担うことができるのだと言います。

そしてもう 1 つ注目したいのが、ユーザーからの評価も高いことです。

「この実証実験に参加したユーザーを対象に、2024 年 11 月と 2025 年 3 月にアンケート調査を行なっていますが、アクティブ ユーザー率は 2024 年 11 月の調査で 92% だったものが、2025 年 3 月には 95% に上昇しました。また『今後も使い続けたい』と回答した職員の割合も、2024 年 11 月の 97% から 2025 年 3 月には 99% へと上昇。好意的な評価の割合が増加しています」 (山崎 氏)。 

このような結果を受け、千代田区は Microsoft 365 Copilot の全庁展開を決定。2025 年 10 月にはほぼ全職員をカバーできる 900 ライセンスに拡大する予定です。

松岡 美那 氏, 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係, 千代田区

“調べ物に Microsoft 365 Copilot を使うことで、限られた時間内でも幅広い資料を調べることができるため、十分に調べて文書を作成したと自信を持つことができ、安心感が高まりました。またこれまで『相手の時間を取ってしまって申し訳ない』と思いながら先輩職員に聞いていたことも、Microsoft 365 Copilot ならいつでも気軽に聞くことができます”

松岡 美那 氏, 政策経営部 デジタル政策課 デジタル政策係, 千代田区

全庁展開を視野に入れた認証基盤も構築、Microsoft Unified も活用し高い安全性を担保

「実証実験を行ったことで、Microsoft 365 Copilot は大きな効果をもたらすことがわかりました。ただし、一部の職員が使うだけでは、生成 AI の活用内容が限定されてしまい、効果も限定的になってしまうでしょう。効果をさらに高めるには、全庁展開によってより幅広い職種、より多くの職員が利用できるようにすることで、業務で活用できる内容を厚く広くしていくことが重要です」 (岡本 氏)。

全庁で生成 AI を安全に活用するための総合的な環境整備もスタート。この活動を支えるため 2024  年 11 月には Microsoft Unified も契約しています。

その一環として進められているのが、新たな認証基盤の整備です。既存のオンプレミスの Active Directory とクラウドの Microsoft Entra ID を連携させる「Microsoft Entra ハイブリッド参加」を活用した環境が構築されているのです。 

「この基盤が完成すれば、Microsoft 365 Copilot へのアクセス制御やデータ管理の安全性を担保しやすくなります」と語るのは、千代田区 政策経営部情報システム課 情報基盤係の今野 寿視 氏です。またマイクロソフトのサービスだけではなく、他社のクラウドサービスもより安全に利用できるようになると指摘します。「既にさまざまなベンダーが行政向けのサービスを提供していますので、それらと連携した活用が進むことにも期待しています」。

もちろんこの認証基盤の構築でも、Microsoft Unified が重要な役割を果たしています。

「認証基盤の設計や構築は別のパートナー企業が行っていますが、Microsoft Unified ではその設計内容をマイクロソフトのエンジニアがレビューを行い、セキュリティ上の問題があれば修正方法を示唆してくれます。また千代田区からの質問にも、月次定例会で適切なアドバイスがもらえ、ネットワーク保守事業者の週次定例会でユニファイドからの回答が役に立っています。このようなサポートがあることで、安心感がさらに高くなりました」 (今野 氏)。

Microsoft Unified が支援しているのは、認証基盤の構築だけではありません。マイクロソフト製品に関する質問であればどの製品でも問い合せが可能なため、Microsoft 365 Copilot に関する質問はもちろんのこと、他の製品に関する疑問解消にも役立っています。 

「2025 年 2 月には SharePoint Online 上で事例集を構築していますが、その技術支援もしていただきました」と言うのは松岡 氏。これによって迅速な立ち上げが可能になり、わずか 1 か月で公開できたと言います。「公開してからまだ 1 か月余りですが、既に 40 件近くの事例が集まっており、その数は日々増えています」。

今後は、学習済みの情報で回答を行うだけではなく、Copilot Studio を活用した「業務に特化した生成 AI」を実現することも計画されています。また AI エージェントの実装も視野に入っており、2024 年 10 月にはその試行も始まっています。

「今はまだ業務効率化に向けた活用がメインですが、今後は千代田区の DX ミッションにも掲げているように、生成 AI で古い常識を書き換えながら業務改革や制度改革につなげていくことを目指します」と岡本 氏。これによって多様な『「  」な未来』を生み出していきたいと語ります。

今野 寿視 氏, 政策経営部情報システム課 情報基盤係, 千代田区

“認証基盤の設計や構築は別のパートナー企業が行っていますが、Microsoft Unified ではその設計内容をマイクロソフトのエンジニアがレビューを行い、セキュリティ上の問題があれば修正方法を示唆してくれます。また千代田区からの質問にも、月次定例会で適切なアドバイスがもらえ、ネットワーク保守事業者の週次定例会でユニファイドからの回答が役に立っています。このようなサポートがあることで、安心感がさらに高くなりました”

今野 寿視 氏, 政策経営部情報システム課 情報基盤係, 千代田区

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