クレジットカードと JAL のマイレージプログラムを組み合わせたオリジナリティのあるサービスで、他のクレジットカード会社とは一線を画した事業を展開する JALカード。同社では、会員一人ひとりの潜在ニーズを引き出す最適なコミュニケーションを模索してきましたが、JAL が持つマイレージ情報や同社が持つカード利用履歴などの顧客データから分析を試みるものの、表面的な理解に留まり、顧客を深く理解できないことが課題でした。そのために「顧客立体化構想」に着手。さまざまなアイデアが検討されていきました。
その中で具体的に取り組んだのが、クラスタ化された会員データを基に「AI ペルソナ」を生成し、それらにグループ インタビューを行うことで、顧客行動の裏にある心理を深掘りする、というアイデアです。AI ペルソナどうしのディスカッションの場としては、NTTデータが提供する「LITRON® Multi Agent Simulation (以下、LITRON MAS)」を活用。その製品には Azure OpenAI が利用されています。
AI ペルソナに対するグループ インタビューの実証実験を行ったところ、人間どうしでは難しい「忖度のない議論」が展開され、従来のマーケターの先入観を覆す結果が得られました。これを基にしたターゲティングにプロモーション販売を行ったところ、購買率はそれまでの 1.7 倍に上昇。購入率が低かった高額商品の販売拡大にも成功しています。JALカードと NTTデータの共同検討と検証は現在も続いており、トップライン向上やエモーショナルな領域での生成AI活用が目指されています。
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