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2025/11/05

カプコンが主力ゲームのバックエンド システムに Azure PlayFab を採用、安定した P2P 接続やユーザー規模拡大への対応を実現

2023 年 6 月に最新作としてリリースされた「ストリートファイター6」。この格闘ゲームは「クロスネットワーク プレイ」を「P2P 接続」で行えることが大きな特長となっています。ここで課題になったのが、クロスネットワーク プレイ対応機種の拡大と P2P 接続の成功率を高めることでした。また 2025 年 2 月にリリースされた「モンスターハンターワイルズ」では、クエストに参加する 4 人のプレイヤー間の P2P 接続を安定して行うことが求められました。

これらを解決したのはいずれも Azure PlayFab でした。そもそも P2P 接続に対応したバックエンド システムの中で、カプコンの主力ゲームに対応できる規模感まで要件に加えると Azure PlayFab が適切だと判断できました。「ストリートファイター6」では 2021 年 8 月に採用を決定、その後「モンスターハンターワイルズ」でも採用を決めています。なおカプコンではこの 2 タイトルの他にも数多くのタイトルで Azure PlayFab の機能が活用されています。

「ストリートファイター6」は、マッチング後の P2P 接続率が 87.02% を達成。接続試行 (P2P またはリレー) の 99.66% が成功しており、クロスプレイに対応するゲーム機も拡大できました。「モンスターハンターワイルズ」ではリリース直後の 100 万人を超える同時接続にも耐え、4 人のプレイヤー間で難しい P2P 接続も 86.69% の成功率を実現。接続試行の 95.36% が成功しており、再試行を含めると 99.88% のプレイヤーが正常に接続できています。

CAPCOM

クロスネットワーク プレイの幅を広げ P2P 接続率を高めるために Azure PlayFab を採用

35 年以上の歴史を誇る「ストリートファイター」シリーズの最新作として、株式会社カプコン (以下、カプコン) が 2023 年 6 月にリリースした「ストリートファイター6」。前作の「ストリートファイターV」からは 7 年ぶりとなる作品であり、革新的なゲーム プレイ機能や大幅に進化したビジュアルが、ユーザーから高く評価されています。リリースから 2 年後の 2025 年 6 月には、累計販売本数が全世界で 500 万本を突破。シリーズ累計販売本数は 5,600 万本を超えており、近年では e スポーツにおける対戦格闘ジャンルの牽引役としても、大きな存在感を発揮しています。

このストリートファイター6 のプレイヤー間の接続のためのバックエンド システムとして活用されているのが、Microsoft Azure PlayFab (以下、Azure PlayFab) です。その目的について、カプコン CS第二開発統括 開発二部 第一ゲームプログラム室でリードエンジニアを務める坂本 佳士 氏は、「クロスネットワーク プレイの幅を広げると共に、P2P 接続率も高めること」だと説明します。

クロスネットワーク プレイとは、異なるゲーム プラットフォーム (ゲーム機) のプレイヤー同士が、同じオンライン マルチプレイヤー ゲームを一緒にプレイできる機能のこと。P2P とは「Peer to Peer (ピア ツー ピア)」の略であり、サーバーを介さずにプレイヤーどうしが直接通信してゲームをプレイすることを意味します。P2P 接続はレスポンス スピードが高いためプレイ フィールが快適になる一方、サーバーを介さずに直接プレイヤー間で通信を行うため、接続先のプレイヤーのネットワーク環境によっては「接続できない」こともあります。そのため「接続率」が重要な指標になっているのです。

「ストリートファイターV でも P2P でのクロスネットワーク プレイはできていましたが、対応プラットフォームが少なく、P2P の接続率をもっと高めたいという想いもありました」と坂本 氏。しかしこれらの課題をクリアできるシステムを自社開発することは難しいため、ストリートファイター6 の開発を開始した 2021 年には、社内の RE ENGINE開発チームに相談しながら外部サービスを探し始めていたと振り返ります。

「調べてみた結果、P2P に対応するサービスはほとんどありませんでした。そこでマイクロソフトに相談したところ、Azure PlayFab で対応する予定という回答をいただきました」 (坂本 氏)。

2021 年 8 月には Azure PlayFab の採用を決定。P2P への対応に加えて、規模が大きいため安心して使えることも評価したと言います。それでは Azure PlayFab の採用によって、どのようなメリットが得られたのでしょうか。坂本 氏は次のように説明します。

「Azure PlayFab によって接続率は非常に高くなりました。P2P とリレーを含めると 99.66% を達成しており、これまでの経験では考えられない高い数値です。また対応プラットフォームも多く、Nintendo Switch2 ではゲーム機の発売時からクロスネットワーク プレイが可能になりました。応答遅延も少なく、障害もほとんど発生していません」。

深沢 巧太 氏, システム基盤部 エンジニア 副部長, 株式会社カプコン

“Azure PlayFab は安定性が高く、大規模な利用にも耐えられるという特長がありますが、技術アップデートが速く、未来に向けて進化し続けている点も大きな魅力です。またマイクロソフトと直接対話できるのも安心材料となっています。バックエンド システムの選定はタイトルごとに最適なものを選ぶべきですが、Azure PlayFab には大きな優位性があると評価しています。”

深沢 巧太 氏, システム基盤部 エンジニア 副部長, 株式会社カプコン

モンスターハンターワイルズでは 100 万人超同時接続時の安定したゲーム プレイを実現

カプコンで Azure PlayFab を採用しているのは、ストリートファイター6だけではありません。2025 年 2 月に発売された「モンスターハンターワイルズ」でも、バックエンド システムとして活用されています。

このゲームは、雄大な自然の中で 巨大なモンスターに立ち向かうハンティング アクション ゲーム「モンスターハンター」シリーズの最新作。4 人のプレイヤーがパーティを組んでクエスト (達成すべき目標) をクリアするようになっていますが、このパーティの編成 (プレイヤー間の接続) に Azure PlayFab の機能が利用されているのです。また、シリーズで初めてクロスネットワーク プレイが導入されていることも、大きな特長となっています。

「モンスターハンターワイルズは、シリーズで初めて世界展開を視野に入れたクロスネットワーク プレイ タイトルです」と語るのは、カプコン CS第二開発統括 システム基盤部 ネットワーク開発室 室長 兼 開発四部 ゲーム基盤室 室長を務める西谷 宜記 氏。そのため当初からユーザー規模が大きくなることが想定されており、その対応が最重要課題だったと振り返ります。

これに加えて、過去シリーズの販売状況や、モンスターハンターワイルズに対する販売前の反響の高さから、特にリリース直後のユーザー規模が過去最大になることも想定されました。実際に発売から 1 か月後の 2025 年 3 月には、過去最高のペースで全世界での販売本数 1,000 万本を達成しました。

これらの課題をクリアするため、2020 年の開発当初から外部サービスの検討を開始。その後、ストリートファイター6 が Azure PlayFab の採用を決めたと聞き、2021 年にはマイクロソフトとの会話を始めていたと言います。

ここで注目したいのが、モンスターハンターワイルズとストリートファイター6は、ゲーム性が大きく異なっているということです。ストリートファイター6は格闘ゲームということもあり、プレイ中のレスポンス スピードがゲーム フィールに大きな影響を与えます。これに対してモンスターハンターワイルズでは、アクションや協力プレイの体験を中心に設計されています。また、多数のユーザーが同時にプレイすることを前提としており、サービス全体の安定運用が求められました。

「モンスターハンターワイルズでの Azure PlayFab 採用の決め手は大きく 3 点あります。第 1 は大規模ユーザーに安定して対応できること。マイクロソフトは Xbox network というきわめて大規模なオンライン サービスを提供しており、Azure PlayFab にもそのナレッジが反映されています。第 2 はコスト。自社構築に比べて Azure PlayFab の方が安価であり、長期的な利用に向いています。そして第 3 はボイス チャット機能があることです」。

以前のモンスターハンターシリーズでもチャット機能は提供されていましたが、ゲーム機の SDK を利用していたため機種依存となっており、プレイヤーの中には他のチャット サービスを利用するケースも少なくなかったと西谷 氏。モンスターハンターワイルズでは、チャットをゲーム世界の中に取り込みたかったのだと言います。

2025 年 2 月のリリース直後には、グローバルで 100 万人以上が同時接続。それでも安定した運用を実現できたと西谷 氏は振り返ります。またパーティ編成時の P2P 接続成功率は 86.69%、再試行も含めると 99.88% に達しており、マッチさせる人数が 4 人であることを考えれば十分に高い数値だと語ります。

坂本 佳士 氏, CS第二開発統括 開発二部 第一ゲームプログラム室 リードエンジニア, 株式会社カプコン

“Azure PlayFab によって接続率は非常に高くなりました。P2P とリレーを含めると 99.66% を達成しており、これまでの経験では考えられない高い数値です。また対応プラットフォームも多く、Nintendo Switch2 ではゲーム機の発売時からクロスネットワーク プレイが可能になりました。応答遅延も少なく、障害もほとんど発生していません。”

坂本 佳士 氏, CS第二開発統括 開発二部 第一ゲームプログラム室 リードエンジニア, 株式会社カプコン

バックエンド システムは「未来を見据えた選択」が重要

このように、クロスネットワーク プレイを P2P で行っているカプコンのゲームにおいて重要な役割を果たしている Azure PlayFab ですが、利用しているゲームはこれらだけではありません。

「実は 2019 年 9 月にリリースした『モンスターハンターワールド:アイスボーン』では、Azure PlayFab のテレメトリー機能を利用しており、ここから活用が広がっていきました」と語るのは、カプコン システム基盤部でエンジニア 副部長を務める深沢 巧太 氏。Azure PlayFab に関するマイクロソフトとの付き合いも、このころから始まっていたと振り返ります。「Azure PlayFab には多岐にわたる機能があるため、クロスネットワーク プレイや P2P ではないタイトルでも、さまざまな形で Azure PlayFab が利用されています」。

バックエンド システムを選ぶ際には、「知っているから選ぶ」にならないことが重要だと深沢 氏。各タイトルにとって何が最適なのかをしっかり探ったうえで、今後の動向も踏まえ、未来を見据えた選択を行うことが必要なのだと語ります。

「Azure PlayFab は安定性が高く、大規模な利用にも耐えられるという特長がありますが、技術アップデートが速く、未来に向けて進化し続けている点も大きな魅力です。またマイクロソフトと直接対話できるのも安心材料となっています。バックエンド システムの選定はタイトルごとに最適なものを選ぶべきですが、Azure PlayFab には大きな優位性があると評価しています」。

これに加えて坂本 氏は「問題が発生した場合にはマイクロソフト側で対処してくれることも大きなメリットです」と指摘。たとえば、P2P での接続が失敗する理由はさまざまなものが考えられますが、マイクロソフトが対応することによって、最終的に 87.02% という P2P 接続率を実現してくれたと言います。

今後は Azure PlayFab の利用機能を増やしていくことも検討されています。「最近ではアジア各国間のクロスネットワーク プレイが増えているため、チャットの自動翻訳機能に興味があります」と言うのは坂本 氏。また西谷 氏は「他のプレイヤーと交流するための『ロビー』は、現在は自社構築したものですが、将来的には Azure PlayFab が提供する Lobby 機能の活用も検討しています」と述べています。

カプコンで Azure PlayFab が果たす役割は、これからさらに拡大していくことになりそうです。

西谷 宜記 氏, CS第二開発統括 システム基盤部 ネットワーク開発室 室長 兼 開発四部 ゲーム基盤室 室長, 株式会社カプコン

“モンスターハンターワイルズでの Azure PlayFab 採用の決め手は大きく 3 点あります。第 1 は大規模ユーザーに安定して対応できること。マイクロソフトは Xbox network というきわめて大規模なオンライン サービスを提供しており、Azure PlayFab にもそのナレッジが反映されています。第 2 はコスト。自社構築に比べて Azure PlayFab の方が安価であり、長期的な利用に向いています。そして第 3 はボイス チャット機能があることです。”

西谷 宜記 氏, CS第二開発統括 システム基盤部 ネットワーク開発室 室長 兼 開発四部 ゲーム基盤室 室長, 株式会社カプコン

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