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2025/10/29

デジタル価値創造企業のクレスコが選択。Microsoft 365 Copilot 導入で生まれた時間をお客様と自社の変革へ投資。お客様とより大きな価値を共創へ

生成 AI をどのように活用しビジネスを変革するか悩む企業は多い。独立系システム インテグレーターのクレスコは、生成 AI に関する競争力を強化すべく、社内に「生成 AI ビジネス変革研究室」を設置。自社の業務変革と、お客様への価値提供という 2 つの視点を両立させるための環境づくりに取り組んでいます。

クレスコの生成 AI ビジネス変革研究室では実務への適用推進において、お客様の「仕事の仕方の変革」を目的に自社でも生成 AI の活用を積極的に進めています。その一環として、Microsoft 365 Copilot を全社導入し日常業務における生成 AI の活用と実践、さらに、生成 AI 活用を前提としたシステム開発プロセスの推進に向けて Azure OpenAI、GitHub Copilot などを活用し、用途に応じて最適なツールを使い分けています。

Web 会議の要約・議事録、ドキュメント探し、報告書作成、レビュー評価など、あらゆる場面で「まず Copilot に聞く」という仕事の仕方が定着。効率性・生産性向上、時間の有効活用が進む。また市民開発でも Copilot を活用。今後、実践で得た知見を生かし、お客様とより大きな価値を共創していく。

CRESCO

自社変革、顧客への価値創出に向けて「生成 AI ビジネス変革研究室」を設置

生成 AI は、あらゆる産業において、ゲーム チェンジャーとなる可能性を秘めています。業界を問わず、多くの企業が大きな変革への対応に危機感をいだいています。1988 年創業、情報化社会の一翼を担う独立系システム インテグレーターとして活躍するクレスコも例外ではありません。クレスコが他社と一線を画すのは、自社の成長だけでなく、お客様の成長に関わるという点です。

2022 年に、ChatGPT をはじめとする生成 AI が世間を席巻し、自然言語による対話という新しい体験が世界中の注目を集めました。この変化をいち早く感じ取ったのが、クレスコ社内の AI エバンジェリスト達です。彼らは有志を募り、社長に次のようなプレゼンテーションを行ったと言います。

「生成 AI の普及により、システム インテグレーターのビジネスはもとより、システム開発のプロセスも、お客様から求められるものも大きく変わります。もっと未来を考えることが必要です。従来型の手組によるソフトウェア開発だけでは、IT 業界の中で生き残れないのではないでしょうか」

有志の思いを受け止めた社長は、生成 AI の取り組みをスタートさせました。その判断の背景には、現在も同社の根幹で息づく、創業時に作成されたクレスコ憲章がありました。

一、クレスコは人間中心、実力本位の会社である。
一、クレスコは自由、若さ、夢を持つ会社である。
一、クレスコは最高の技術を発揮する会社である。
一、クレスコは皆が経営する会社である。
一、クレスコは世界で生きる会社である。

生成 AI へのチャレンジは憲章の考え方に沿うものでした。

クレスコは、2023 年に社員向け生成 AI チャットサービス「CrePT (クレプト)」を開発、社内で運用をスタート。

その後、2024 年 7 月に社長直轄の部門横断組織『生成 AI ビジネス変革研究室』が誕生しました。有志の思いが形になった瞬間です。

同研究室は、『技術・デジタル ソリューション』を拡張する『基礎研究』と、『デジタル変革』を実現する『実務適用推進』の 2 つのチームで構成されています。現在の重点テーマは、1.顧客への新たな価値創出、2.生成 AI を利用した社内デジタル変革、3.生成 AI 時代に向けた人財育成の 3 つです。

クレスコ 取締役 常務執行役員 経営戦略担当 寺村 孝幸 氏は同研究室の重点テーマのひとつである『人財育成』について、想いを話します。

「システム インテグレーターの当社における資本は人財です。生成 AI は、従業員ひとりひとりの能力を拡張し、人的資本経営の強化につながります」(寺村氏)

クレスコグループ長期ビジョン「CRESCO Group Ambition 2030」では、目指す姿として「IT・技術を通じてお客様の競争優位を創出し、ともに社会を前進させるデジタル価値創造企業」を掲げました。生成 AI ビジネス変革研究室を中心とした取り組みは、ビジョン実現の推進力となります。同社が生成 AI を戦略的に活用するインフラとして選択したのが、マイクロソフト製品でした。

トライアルを通じて Copilot により仕事の仕方が大きく変わると確信

2024 年 4 月、クレスコは Microsoft 365 のアプリに組み込まれた AI アシスタント「Microsoft 365 Copilot (以下、Copilot)」のトライアルを開始。クレスコ 品質・プロセス統括本部 本部長 鈴木 誠 氏は、Copilot の導入背景を振り返ります。「社内コミュニケーションは Microsoft Teams で行っており、Word や Excel なども日常業務で利用しています。Office 製品と AI アシスタントが統合されているという点が非常に魅力です。生成 AI に取り組む際、画面を切り替えたり、連携の仕組みを考えたりといった手間がかかりません。従業員の使いやすさ、情報システム部門の管理・統制のしやすさの両方の面でアドバンテージがあると思います」(鈴木氏)

続けて鈴木氏はセキュリティ面についても高く評価しています。

「マイクロソフトは公平、信頼、安全と、プライバシーやセキュリティなど『責任あるAI』を掲げています。収集したデータを学習データとして使用しない、またマイクロソフト自身も閲覧できないなど具体的施策を発表しています。最初からエンタープライズ向けに設計されている点を高く評価しました」

トライアルは、品質・プロセス統括本部、開発推進室を中心に、実際に業務で利用して実施。「日常業務で役立つという話をトライアル メンバーから聞いて、私も使ってみました」と寺村氏は語り、効果について言及します。

「役員による新入社員の最終面接を担当することがあります。面接終了後に、自分が書いたメモをデータとして残すため、システムに入力するのですが、面接人数も多く作業は大変でした。Copilot を使った Teams の会議要約によりベースをつくって修正することで、30 分かかっていた作業を 5分まで短縮できました。30 ライセンスを追加し、他の役員にも提供した結果、『これは便利だ』となり、今では役員全員が利用しています。また、管理職登用試験のレポートに関して、Copilot に要約やポイント、良い点・ダメな点を出してもらっています。最終評価は、当然私がするのですが、全部読むのではなく概要を掴むことで時間を有効活用できます」(寺村氏)

2024 年 7 月、トライアルにおける Copilot の効果検証を実施。利用したユーザーに行ったアンケートで 10 時間/月の削減効果があるとの結果が出ました。成果を受け、経営層に全社導入が提案されました。「トライアルは 30 ライセンスでした。全社導入は 1,000 ライセンスに拡大するため経営層内で議論はありました」と寺村氏は明かし、こう続けます。

「私は、自身の体験を通じて Copilot で仕事の仕方が大きく変わると実感しました。当社だけでなく、お客様の業務を変革し新たな価値を創出する、強力なソリューションになるとの確信を得ました。自らの体験を伝えながら、『クレスコは最高の技術を発揮する会社』というクレスコ憲章の精神に基づく先行投資であると説明しました。新入社員面談で利用している役員の賛同もあり、最終的には社長も含め全役員の総意のもと 2025 年 1 月に Copilot の全社導入が決断されました」(寺村氏)

鈴木 誠 氏, 品質・プロセス統括本部 本部長, 株式会社クレスコ

“マイクロソフトは公平、信頼、安全と、プライバシーやセキュリティなど『責任あるAI』を掲げています。収集したデータを学習データとして使用しない、またマイクロソフト自身も閲覧できないなど具体的施策を発表しています。最初からエンタープライズ向けに設計されている点を高く評価しました。”

鈴木 誠 氏, 品質・プロセス統括本部 本部長, 株式会社クレスコ

あらゆる場面でまず Copilot に聞くことが当たり前に

Copilot 全社導入に向けた教育について、クレスコ 開発推進室 室長 大新 智行 氏は話します。「2023 年に、全従業員に対し生成 AI に対するルールや、ハルシネーションといった注意点などの教育を行いました。Copilot 全社導入に際しては、マイクロソフトから提供してもらった e ラーニングを実施しました。また、Teams を使って AI 専用チャネルを開設し、そこでユーザーの投稿により Copilot に関する知見やノウハウの共有を行っています。さらに、人事、法務など、IT に馴染みのない管理部門に対し、テーマを設定したハンズオンも継続的に開催しています」

全社導入から半年が経過し、Copilot の利用率は 90% を超えています。利用状況のモニタリングから、主な活用シーンとしては、Web 会議の要約・議事録、ドキュメント探し、報告書作成などがあげられました。「あらゆる場面で、まず Copilot に聞くことが当たり前になってきました。これまで製造現場から法務部門に対し『この契約書で問題がないか』という問い合わせが多く寄せられていました。今は、製造側が Copilot に契約書の不備を聞いてから、法務部門に持ち込むフローに変えました。問い合わせや、修正箇所も減り、双方の負荷軽減が図れました」と鈴木氏は話し、こう続けます。

「私も提案書をレビューする時に、Copilot に読み込ませて、『お客様の立場に立ったら、この提案をどう思うか』などを聞いています。自分の視点とは異なるコメントで“気づき”を得ています」

市民開発でも Copilot を活用していると鈴木氏は話します。「標準パッケージによる基幹システム刷新で、アドオン開発をしないという方針を立てました。しかし、どうしても必要なものに関して市民開発で対応することにしました。コーディングをやったことがない管理部門に対し、Copilot の使い方を説明し開発してもらっています。問い合わせ窓口を用意していますが、Copilot に対し『こういうことがやりたいけれど、Excel で実現するとしたらどうしたらよい』など質問し、教えてもらうのが前提です。自己解決できている若いスタッフもおり、問題解決のためにCopilot の助けを借りながら考えるという文化は定着しつつあると思います」

クレスコのコア業務であるシステム開発現場では、生成 AI モデルを利用できる Azure OpenAIや、コーディングを支援する GitHub Copilot なども活用。「用途に応じて生成 AI を使い分けています」と大新氏は話します。

Copilot 導入に関して削減時間など定量的な効果測定を実施。ROI (投資利益率) もクリアできるレベルに達しています。「定性的効果で重視しているのは、仕事の仕方が変わるということです。例えば、自分がメインではないWeb 会議は Copilot に出席してもらい、後で議事録を確認することで、生産性を高めることができると思います」(大新氏)

クレスコは、「生成 AI 活用 基本方針」を定義。あらゆる局面で生成 AI を活用することで生産性・競争力を最大化し、社会に新たな価値を創造していくという方針を明確にしました。

大新 智行 氏, 開発推進室 室長, 株式会社クレスコ

“当社が取り組んでいるのは、生成 AI の活用を前提とする AI 駆動型開発です。開発プロセスに生成 AI を組み込み、生産性を高めることで従来よりも少人数でより質の高い開発を実現していきます。”

大新 智行 氏, 開発推進室 室長, 株式会社クレスコ

使い方や成功・失敗モデル、ルール、教育などをセットで提案

今後の開発のあり方について「当社が取り組んでいるのは、生成 AI の活用を前提とする AI 駆動型開発です。開発プロセスに生成 AI を組み込み、生産性を高めることで従来よりも少人数でより質の高い開発を実現していきます」と大新氏。AI 駆動型開発は、人的資本経営の観点で重要なテーマになると寺村氏は話し、説明します。「下流工程は AI に任せ、上流工程でエンジニアが創造性を発揮します。人財不足が深刻化する中、人財の有効活用、モチベーション向上を図り、開発競争力を高めていきます」

企業がクレスコに求める提案要望も変わってきたと寺村氏は話します。「大手自動車メーカー様から、生成 AI を活用する環境はあるけれど、どのように使いこなし自分たちのビジネスに価値をもたらすかが、わからないという話をお聞きしました。当社は共創パートナーとして、お客様に寄り添い、一緒に試行錯誤しながら生成 AI 活用による課題解決に取り組んでいます。このケースに限らず、生成 AI も含めて提案してほしいというニーズが増えています。マイクロソフトとのビジネス面での連携をさらに強化し、お客様のご要望に応えていきたいと思います」

寺村 孝幸 氏, 取締役 常務執行役員 経営戦略担当, 株式会社クレスコ

“下流工程は AI に任せ、上流工程でエンジニアが創造性を発揮します。人財不足が深刻化する中、人財の有効活用、モチベーション向上を図り、開発競争力を高めていきます。”

寺村 孝幸 氏, 取締役 常務執行役員 経営戦略担当, 株式会社クレスコ

クレスコは、Copilot 導入・展開で得た知見やノウハウを、生成 AI ビジネス変革研究室にフィードバックし、お客様の価値創造に生かしていきます。「導入だけでなく、実践を通じて使い方や成功・失敗モデル、ルール、教育、啓蒙などをセットで提案できるのが当社の強みです」と大新氏。Copilot 導入の本質について寺村氏はこう指摘します。「重要なのは単なる効率化ではありません。Copilot によって生まれた時間の使い方です。真の共創パートナーとなるために、その時間でお客様のことを深く学び、理解を深めるために使ってほしいと考えています」(寺村氏)

クレスコのグループビジョン「人が想い描く未来、その先へ」。Copilot をはじめとするマイクロソフトの生成 AI は、クレスコとともに歩み、同ビジョン実現に貢献することで企業や社会の持続的成長に貢献します。

寺村 孝幸 氏, 取締役 常務執行役員 経営戦略担当, 株式会社クレスコ

“重要なのは単なる効率化ではありません。Copilot によって生まれた時間の使い方です。真の共創パートナーとなるために、その時間でお客様のことを深く学び、理解を深めるために使ってほしいと考えています。”

寺村 孝幸 氏, 取締役 常務執行役員 経営戦略担当, 株式会社クレスコ

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