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2026/02/05

Sky株式会社が Microsoft Fabric と Microsoft Foundry でデータ基盤を確立、AI エージェントによるデジタル ワーカー実現を目指す

2025 年 10 月に「AIとともに、まだ見ぬテクノロジーの空へ。」へとコーポレート メッセージを変更した Sky株式会社。それまでも生成 AI の活用は積極的に行っており、これと並行してデータ分析の民主化を進めるためのデータ基盤も構築していました。しかしそのデータを RAG + 生成 AI で活用しようとしたところ、「人が活用すること」を前提にしていたことから、複数の課題に直面。AI-Ready なデータ基盤を改めて構築する必要が生じていました。

課題解決に向け、マイクロソフトと共に新たなデータ基盤の検討を開始。マイクロソフトを選んだのは、AI の未来を明確に指し示すと共に、その実現に向けた各種製品を他社に先駆けて提供していることを評価したからです。検討の結果、Microsoft Fabric と Microsoft Foundry の PoC に着手。同社で毎週行われている社員向けアンケート調査の結果を、自動的に取得・要約する仕組みを実現しました。PoC はわずか 1 か月で完了し、2025 年 8 月には本番運用が始まっています。

PoC で構築されたデータ基盤と AI エージェントは、以前はアンケート調査結果の要約で必要だった人手でのデータ整理を不要にしました。その結果、アンケート調査結果をより多くの社員が活用できるようになり、AI 活用のアイディアも続々と出てくるようになりました。すでに活用アイディアは 100 本以上出ており、それらを実現するため 2 週に 1 回のペースでのリリースを実施。将来は AI エージェントを増やすだけではなく、人と協働するデジタル ワーカーの実現も目指しています。

Sky

データ分析民主化のためにデータ基盤を整備、しかし AI による活用でさまざまな課題が発生

大阪と東京に本社を構え、「SKYSEA Client View」や「SKYPCE」などの提供で顧客のビジネスを支援すると共に、SI 事業にも注力している Sky株式会社。全国 26 拠点を展開し、社員数は現在 4,000 人を超えています。2025 年 10 月には「AIとともに、まだ見ぬテクノロジーの空へ。」へと、コーポレート メッセージを変更。同時期に「AI Innovation Lab」という専門組織も立ち上げています。

しかし「AI への取り組みはこれ以前から着々と進められてきました」と語るのは、Skyスタイル部 AI Innovation Labで課長代理を務める須藤 康正 氏です。

まず、GPT 3.5 をベースとした社内チャットボット「SKYAI」の開発を 2023 年末から開始し、2024 年 3 月に Microsoft Azure 上でリリース。これはすでに約 8 割の社員がアクティブ ユーザーとなっており、その回答スピードは業務スピードに直結するようになっていると言います。

「生成 AI を動かす環境は重要なインフラとなり、安定したスループットが求められるようになりました。そこでマイクロソフトが提供する PTU (Provisioned Throughput Units) も予約購入し、AI インフラへの投資を加速させました」。

これと並行してデータ分析の民主化を進めるため「Skyデータ ポータル」も整備。これは ETL やデータ カタログも包含したデータ基盤であり、同社の各種システムが稼働する AWS (Amazon Web Services) 上で構築されました。

さらに、Azure 上の GPT に RAG 機能を組み込んだ「問い合わせボット」の開発にも着手。しかしここで大きな課題に直面することになります。

「データ基盤として Skyデータ ポータルを構築していましたが、これは『人が活用すること』を前提としていたため、AI が使うにはメタ情報などが不足していました。また RAG の検索結果をそのまま AI に渡してしまうと、コンテキスト サイズが大きくなり、トークン数が膨れ上がってしまうという問題もあります。さらに、テキストをそのままベクトル化するのでは、関係ないドキュメントもヒットすることがわかりました。そのため『AI-Ready』なデータ基盤を、改めて構築する必要が出てきたのです」。

須藤 康正 氏, Skyスタイル部 AI Innovation Lab 課長代理, Sky株式会社

“AI が今後どうなるのか、わずか 3 年後の予測も困難な状況です。そのような中、マイクロソフトは次の世界がどうなるのかを明確に示しており、その実現に必要なテクノロジーも他社に先駆けて実現しています。また AI-Ready なデータ基盤は継続的なメンテナンスが必要ですが、これも Fabric なら迅速に行えます。このようなことは、長年にわたって企業と共に成長してきたマイクロソフトだからこそできることです。”

須藤 康正 氏, Skyスタイル部 AI Innovation Lab 課長代理, Sky株式会社

マイクロソフトと共に PoC を実施し Fabric + Foundry で AI-Ready なデータ基盤を確立

そのための議論をマイクロソフトと進める中で、2025 年 1 月にマイクロソフトが Microsoft Fabric と Microsoft Foundry (旧 Azure AI Foundry) について説明。具体的な方向性が明確になっていきました。その翌月にはマイクロソフトが PoC の実施を提案。2025 年 4 ~ 5 月にさらなる検討を進め、2025 年 6 月には AI エージェントの PoC に着手しています。

PoC のユースケースとなったのは、社員に対するアンケート調査の結果を、生成 AI で分析・要約するためのデータ フローを構築することです。Sky株式会社では毎週 1 回従業員に対する各種アンケート調査が実施されており、全社的な傾向分析が行われているのです。

「以前はユーザーからの問い合わせがあった際に、Excel を使った手作業でのデータ整理を行っていました。この作業には半日程度かかるため、経営層のニーズにしか対応できませんでした」 (須藤氏)。

PoC ではこの作業を自動化するため、マイクロソフトが提供する On-Premises Data Gateway で Azure と AWS を接続し Fabric にデータを取得。Fabric Data Agent と Foundry 上の複数の AI エージェントが連携しながら要約し、ユーザーに回答するという仕組みを構築しています。

実際に開発作業を担当した、Skyスタイル部 AI Innovation Lab サブチーフ 西村 太陽 氏は次のように語ります。

「Fabric Data Agent は、対象スキーマを GUI で指定して自然言語で指示するだけで複数テーブルを結合した SQL を簡単に作成でき、サンプル指示で精度を改善することも容易です。また Foundry 上の AI エージェントにナレッジとして統合できるため、ベクトル ストアと区別することなく扱えます。精度とパフォーマンスを高める事前処理も行っていますが、記述したコードはわずか数百行程度。非常にいい開発体験でした」。

データの取得には Fabric のショートカット機能も活用されています。これは実データをコピーすることなく仮想的に参照するものであり、データの多重化を最小限に抑えられる点が高く評価されています。

西村 太陽 氏, Skyスタイル部 AI Innovation Lab サブチーフ, Sky株式会社

“Fabric Data Agent は、対象スキーマを GUI で指定して自然言語で指示するだけで複数テーブルを結合した SQL を簡単に作成でき、サンプル指示で精度を改善することも容易です。また Foundry 上の AI エージェントにナレッジとして統合できるため、ベクトル ストアと区別することなく扱えます。精度とパフォーマンスを高める事前処理も行っていますが、記述したコードはわずか数百行程度。非常にいい開発体験でした。”

西村 太陽 氏, Skyスタイル部 AI Innovation Lab サブチーフ, Sky株式会社

社員のアイディアを続々と実現、将来は AI エージェントをデジタル ワーカーに

着手した翌月には PoC が完了し、2025 年 8 月に実運用を開始。内製 AI プラットフォーム「AI Division」をフロントエンドとし、最初の AI エージェントとして PoC で作成されたアンケート要約機能が提供されています。

これによって、アンケート要約のためのデータ整理を人手で行う必要がなくなりました。そのため経営層だけではなく、どの部署の社員も、自分の部署の業務に関係ある結果を抽出・要約することが可能になっています。

「これを使ってもらうことで、『AI にどの業務をやらせるのか』というアイディアも社員から続々と出るようになりました」と須藤 氏。提供開始からわずか 4 か月で、その数は 100 を超えていると言います。「これらを順次実現していくため、2025 年 9 月からは 2 週に 1 本リリースするという方針で開発を進めています」。

ここまでの経緯を読んで、読者は大きく 2 つの疑問を持たれたのではないでしょうか。第 1 は、AWS をメイン クラウドにしていた Sky株式会社が、なぜ AI 基盤にマイクロソフトを選んだのか。第 2 はなぜ「わずか 1 か月」という短期間で、AI エージェントという最新技術の PoC を完了できたのか、ということです。

第 1 の疑問に対しては、須藤 氏が次のように説明しています。

「AI が今後どうなるのか、わずか 3 年後の予測も困難な状況です。そのような中、マイクロソフトは次の世界がどうなるのかを明確に示しており、その実現に必要なテクノロジーも他社に先駆けて実現しています。また AI-Ready なデータ基盤は継続的なメンテナンスが必要ですが、これも Fabric なら迅速に行えます。このようなことは、長年にわたって企業と共に成長してきたマイクロソフトだからこそできることです」。

また第 2 の疑問に対しては「Fabric と Foundry だけでバックエンド システムを構成できたことと、これらを主に GUI で操作できたことが短期化のポイントです」と西村 氏が回答。また充実したドキュメントに従って検証を進めることができ、疑問が生じた際にはマイクロソフトに気軽に質問できたことも大きかったと言います。「熟練エンジニアがデータ基盤を構築するのは他社クラウドでもできると思いますが、マイクロソフトならデータ エンジニアリングやプログラミングを経験していなくても、簡単に実現できると感じました」。

今後は AI エージェントを増やしていくだけではなく、それらをデジタル ワーカーにしていきたいと須藤 氏。そのためには、エージェント管理や権限付与を適切に行うことが重要になると指摘します。「マイクロソフトはすでに Microsoft Entra Agent ID などを提供しています。各エージェントの業務スコープを限定し、それぞれに適切な権限を与えていくことで、人との安全な協働が可能になると考えています」。

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