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リモート ワーク (テレワーク) で「コミュニケーション不足」が発生。課題を解決するには?

2021 年 9 月 13 日



リモート ワーク (テレワーク) は業務効率化や生産性の向上などの大きなメリットがある一方、コミュニケーション不足による問題が発生しがちです。この記事では、リモート ワークにおけるコミュニケーションについて、従来のオフィス ワークでのコミュニケーションとの違いと比較しながら、課題とその解決策を紹介します。

テーブルを囲む 8 人のチームメンバーの手元

1. リモート ワークが抱えるコミュニケーション上の課題とは?

最初に、リモート ワークの概要と、コミュニケーションにおけるオフィス ワークとの違いや課題について解説します。

1-1. リモート ワークとは

リモート ワークは、海外では特に IT 系企業で以前より導入されているワーク スタイルで、従業員がオフィスに出社することなく、自宅やコワーキング スペース、カフェなど、会社のオフィス以外の遠隔の場所 (remote) で業務を行う (work) 働き方を指します。

日本では 2019 年より始まった「働き方改革」を推進するために取り入れられ、2020 年の新型コロナ ウイルスの感染拡大により、都心部への人口の集中、長時間の通勤や密になりやすいオフィス環境を避けることが奨励されるようになり、急速にリモートワーク (テレワーク) 導入を積極的に進める企業が増えていきました。

1-2. オフィス ワークのコミュニケーションとの違い

リモート ワークでは、オフィス ワークと比較してコミュニケーション不足が発生しやすくなります。その原因は、オフィス ワークとリモート ワークの違いにあると考えられます。

ここで、オフィス ワークとリモート ワークのコミュニケーションにおける違いをいくつか見ていきましょう。

視覚的な情報の取得のしやすさ

オフィス ワークの場合、社内でのコミュニケーションは主に対面での会話になります。一方、リモート ワークの場合、メールやチャット ツールなどの、コミュニケーション ツールを用いたコミュニケーションが中心です。

対面での会話は、相手の反応や表情の変化などの視覚的な情報も読み取ることができますが、リモート ワークの場合はテキスト以外の情報を得ることが難しい傾向にあります。

また、相手の反応が見えにくいため、発信者の意図と異なる形で情報を受け取られる可能性があるという悩みもあります。

話しかけるタイミングのつかみやすさ

オフィス ワークでは、相手の表情から都合の良さそうなタイミングを見計らって、ちょっとした雑談や相談も気軽にできます。しかし、リモート ワークでは相手の状況がわかりにくく、話しかけるタイミングをつかみにくい場合があります。

タイム ラグの有無

オフィス ワークでは、急ぎの質問や相談は直接話しかけることで確認できますが、リモート ワークの場合は相手の状況がわかりにくく、すぐに返事が返ってくるとは限りません。

上記のような状況を理由に、リモート ワーク下ではコミュニケーションを躊躇することなどが重なり、結果としてコミュケーションそのものが不足していく可能性があります。

2. コミュニケーション不足が招く問題点

リモート ワークのコミュニケーション不足が招く問題には、主に以下のようなものがあります。

孤独感、ストレスなどメンタルへの影響

上司や同僚とのコミュニケーションが不足するだけでなく、外出する機会も減り、人と接する機会が少なくなることで、孤独や不安を感じやすくなります。

また、報告、連絡、相談や世間話といったコミュニケーションをオフィスにいるときと同じように気軽にできないため、ストレスを感じやすくなります。

さらに、互いの状況が見えづらいことや、相談や連絡をする前に電話やメール、チャット ツールなどで確認を要することから、積極的にコミュニケーションをとること自体に気後れを感じることもストレスの一因となります。

モチベーションの低下

上司や同僚と直接会って話をする機会が減ったことによって、自宅でだれとも話さずに仕事をする毎日を送っている人も増加しました。ある調査によれば、Web 会議などでのコミュニケーションも一切ない状況下でリモート ワークを続けた結果、仕事に対するモチベーションが低下したという事例も少なくありません。

会社への帰属意識の低下

社員間のコミュニケーションが減ると、オフィス ワークでは容易に感じ取れた自分の立ち位置がわからなくなりがちです。また、上司や同僚との関係性の構築が難しくなることで、会社への帰属意識が低下したりします。

エンゲージメントの低下

出勤の機会が減ると、会社の雰囲気や方向性を肌で感じられる機会も少なくなりがちです。
経営理念や企業ビジョンといった会社の方向性が伝わりにくくなることは、モチベーションの低下のみならずエンゲージメント低下にもつながり、長期的には生産性や創造性の低下を引き起こします。

新しい発見やアイデアの減少

新しい発見やアイデアは、 雑談の中で自然に発生することが多いものです。雑談が発展して企画となり、チーム全体の業務が改善されたり、新たな事業のヒントが生まれたりすることは往々にしてあります。このような新しい発見やアイデアは、業務報告だけになりがちなリモート ワークでは発生しにくいと言えるでしょう。

オフィス ワークとの情報格差が発生しやすい

オフィスワークでは、同僚や上司、部下との会話だけではなく、社員間の会話や視覚的な要素などから有用な情報に触れることができます。一方リモート ワークでは、オフィスにいたからこそ実現できていた情報共有の機会が減ることによって、情報が一部に偏在するなど、情報格差が生じがちです。

労務管理が困難になる

オフィス ワークでは部下の業務への取り組みを間近で見ることができますが、リモート ワークでは、部下がきちんと業務に取り組んでいるか、あるいは働きすぎていないかなどが把握しにくくなります。リモート ワークに適したルールを設定している企業は少なく、社員の病気やけがのリスクにつながり得るような事態を避けるための労務管理が、リモート ワークでは難しくなります。

3. リモート ワークにおけるコミュニケーション課題と解決

コミュニケーションにおける上述のような課題を解決するためには、どのような対策が有効でしょうか。ここでは、リモート ワークのコミュケーション不足を解消する方法 2 つを紹介します。

3-1. ハイブリッド ワークを導入する

ハイブリッド ワークとは、オフィス ワークとリモート ワークを組み合わせた働き方のことです。

たとえば、週の初めにオフィス ワークとして出社し、対面で業務報告やプロジェクトの進捗状況、他のメンバーの業務状況などを確認し、プロジェクトの進行に必要な情報などの共有を行ないます。そして翌日からはリモート ワークで必要な作業を行なうなど、進行中のプロジェクトに応じて出社日を調整することも可能です。

このようなルールを設定し、状況に応じて働き方を組み合わせるという施策を実施することで、対面でのコミュニケーションの機会が生まれ、リモート ワークのコミュニケーション不足を解消することができます。

3-2. オンライン コミュケーション ツールを利用する

オンライン コミュニケーション ツールを導入することにより、リモート ワークのコミュニケーション不足を解消することができます。

リモート ワークのコミュニケーション手段には電話、SNS、グループウェア、チャット ツール、オンライン会議など多くのツールがあり、コミュニケーションの内容や目的に応じて選択できます。ただし、こうしたコミュニケーション ツールを導入しただけで自然とコミュニケーション不足が解消されるわけではありません。以下のポイントをおさえてコミュニケーションを図る必要があります。

意識的にコミュニケーションの時間を設定する

コミュニケーションを取るための時間を意識的に設定することが大事です。そのためには、ツールを使ったオンライン雑談やイベントを設けたり、オンライン コミュニケーションへの参加を促したりするなど、コミュケーション ツールに慣れるためのプロセスが必要です。たとえば、毎週決まった曜日の決まった時間にオンライン会議システムを使った定例ミーティングを設定することも良いでしょう。

積極的に複数のグループでコミュニケーションを取る

オンライン コミュニケーション ツールでは、全社、部署、プロジェクト チームなどのグループごとにコミュニケーションを図ることがおすすめです。

オンラインでさまざまなグループとつながることで、他の社員がどのような業務に取り組んでいるのか、どのような課題を解決したのかを具体的に知ることができます。また、他のメンバーの様子や成果、アイデアなども知ることができ、モチベーションアップにもつながります。

カメラ機能を利用してコミュニケーションを取る

オンライン会議ではできる限りカメラをオンにして参加するように促すことも効果的です。お互いの顔を見ながら積極的にコミュニケーションを取ることで、オフィスでのコミュニケーションに近い環境を作ることができ、帰属意識やエンゲージメントの低下の解消にもつながります。

このように、業務状況やプロジェクトの進行状況の報告などを目的としたものだけではなく、従業員への教育や啓蒙など、さまざまな目的に応じてコミュニケ-ションの機会を作ることが重要です。なお、新しいツールの導入や使い方を覚えることにストレスを感じる人もいるので、わかりやすい運用上のルールを設けたり、適宜サポートを行うことも意識しましょう。

4. リモート ワークの総合コミュニケーションに役立つ Microsoft Teams

Microsoft Teams Web サイトのスクリーンショット

(画像引用元:Microsoft Teams Web サイト)

ここでは、リモート ワークにおける悩みを解決し、円滑なコミュニケーションを実現するツール「Microsoft Teams」を紹介します。

4-1. Microsoft Teams とは

Microsoft Teams は、1 対 1 から最大 300 人のグループでのビデオ会議、チャット、メール、通話などさまざまな機能を備えたデジタル コミュケーション ツールです。さらに、グループやプロジェクト チームでの情報共有や共同作業にも活用できます。また、Microsoft アカウントがあれば無料で利用可能な点も魅力です。

4-2. Microsoft Teams でできること

Microsoft Teams には次のような機能と特徴があります。

ビデオ会議とチャット

リモート ワークにおけるコミュニケーション手段には、ビデオ会議やチャット、電話、メールなど、多くの方法があります。そのため、目的ごとにツールやシステムを使い分けると手間がかかります。

一方、Microsoft Teams にはこれらの機能がすべて実装されており、Teams を立ち上げるだけですべての連絡手段を利用できます。

Microsoft Teams を利用していないユーザーとのビデオ会議も可能です。また、Teams と Microsoft Outlook からビデオ会議を予約できる機能があり、スケジュールを設定しやすいことも特長です。

チームとチャネル

コミュニケーションや情報共有するグループを部署単位や支店単位でグループ分けする「チーム」機能と、チームをプロジェクトごとなどに細分化する「チャネル」機能があります。これらを活用することで、組織体制ごとにコミュニケーションを図ることが可能です。

ファイル共有、情報共有

Microsoft Teams では、チャネルごとにファイルを共有することができます。また Wiki 機能もあり、チームごとに情報や知識の共有が可能です。

さらに、Microsoft Word、Microsoft Excel、Microsoft PowerPoint といったビジネスにおいてよく使う Office 製品で作成された共有ファイルを使う際は、専用アプリを起動する必要がありません。Teams 上で閲覧、編集でき、チームのメンバーで共同作業することができます。しかもセキュリティも万全。

プロジェクト管理やマーケティングなどの数多くの外部アプリとも連携できるので、あらゆる業界やビジネス ニーズに対応可能です。

あらゆる端末デバイスでの利用

Microsoft Teams には、PC ではブラウザー上で起動するオンライン アプリとダウンロードしてインストールするデスクトップ アプリがあります。Android や iOS のスマートフォン、タブレットなどにも対応しているので、外出先から気軽にオンライン会議に参加したり、最新の情報にアクセスしたりできます。

5. まとめ

リモート ワーク普及の過渡期にある現在、自宅や外出先などのオフィス以外で働くスタイルにはコミュニケーションの質や量における課題がつきものと言えます。とはいえ、今後このワーク スタイルが常態化していくことは容易に予想できるでしょう。

社員のモチベーションやアイデアなどの重要資産をコミュニケーション不足によってなくすことのないよう、コミュニケーションの場をていねいに整えていくことが重要です。

今回の記事を参考に、高機能なコミュニケーション ツールやハイブリッド ワークなどを上手に組み合わせながらコミュニケーション不足を解消し、より快適で効率的なリモートワークを実現しましょう。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

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