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2026/04/06

Microsoft 365 Copilot の全社展開と Copilot Studio による内製開発で、AI 活用を当たり前とする企業文化を醸成する OBC の取り組み

基幹業務システム『奉行クラウドシリーズ  』を通じて顧客の DX と業務効率化を支援してきた OBC。近年はクラウドと AI を成長  と変革の中核と位置付け、製品への AI 実装に加え、自社内でも業務変革を自ら実践する方針を明確化した。AI 活用を定着させるため、全社員が日常的に AI を活用できる状態を目指し、Microsoft 365 Copilot の全社展開と Copilot Studio による開発内製化に着手し現場起点での業務改善を継続的に生み出す基盤づくりを進めている。

マイクロソフトとのパートナーシップを最大限に活かした製品・サービスを展開し、社内業務においても Microsoft 365 を全社導入していることもあり、マイクロソフト製品との親和性が高い Microsoft 365 Copilot を軸に AI 活用を推進している。スモールスタートで経営層を含め社内への AI 認知度向上を図り、段階的に利用範囲を拡大。さらに Copilot Studio による AI 開発の内製化にも着手し、AI ネイティブな企業風土の醸成を進めている。

2026 年 2 月現在、Microsoft 365 Copilot を1,115 ライセンス導入し全社展開を完了。月間利用率は90%前後を維持しており、投資したAIが日常業務で継続的に活用される状態を実現している。さらに Copilot Studio による内製開発をサポート業務改革から開始したことで、各部門から具体的な業務改善ニーズが集約。外部依存を抑えつつ、社内リソースで AI を改善・展開できる体制が整い、AI 活用を継続的な投資価値につなげる基盤が構築されつつある。

OBC

トップダウンで全社的な AI 活用を推進するためのプロジェクトがスタート

「業務にイノベーションを お客様に感動を」というミッションを掲げ、創業以来、顧客第一主義を貫いてビジネスを展開し続けるオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)。同社主力製品であり、累計 82 万以上の導入実績を誇る基幹業務システム『奉行クラウドシリーズ』は 中堅・中小企業向け ERP として国内トップシェアを誇ります。2014 年には、日本マイクロソフトと基幹業務システムのクラウド運用におけるパートナーシップを締結。SaaS モデルとして提供を開始した『奉行クラウドシリーズ』の基盤には Microsoft Azure が採用され、セキュアで信頼性の高いサービスを提供しています。また、2025 年には『奉行クラウドシリーズ』における A I実装の取り組みが評価され、「Microsoft Japan Partner of the Year 2025(Build and Modernize AI Apps アワード)」を受賞。Microsoft Azureを基盤としたクラウドに加え、AIを活用した業務の高度化にも注力しています。

同社では、経営方針として AI を「成長と変革の中核」と位置付けており、主力製品である『奉行クラウド』では、常に先進技術を取り込んだアップデートが図られ、AI エージェントを活用した業務の自動化・効率化機能が次々にリリースされています。その一方で、社内における AI 活用も積極的に推進しており、全社的な AI 活用、すなわち“全社員が AI を当たり前のように利用する”企業文化を醸成するためのプロジェクトが始動。社内の情報システムを統括し、本プロジェクトにおいても中心的役割を担った OBC 開発本部 ICT センター 情報システムグループ 次長の岡 寛之氏は、その経緯を次のように語ります。

「弊社では『AIとセキュリティ』が近年の大きなテーマとなっており、トップダウンで全社的な AI 活用を推進するためのプロジェクトがスタートしました。当初は AI でなにができて、どのような効果が得られるのか、経営層としても懐疑的な部分があり、いきなり全社展開するのではなく、対象となる部署・メンバーを絞り込んで細かな実績を積み上げ、AI の認知度を高めていくというアプローチで進めていきました」(岡氏)

自社の業務基盤と親和性の高い「Microsoft 365 Copilot」を採用し、段階的に AI 活用の運を醸成

同社では、「マイクロソフトのテクノロジーにフォーカスする」ことをコアコンピタンス(競合他社との差別化につながる“コア”となる強み)の 1 つとして明確化しており、マイクロソフトとのパートナーシップを最大限に活かした製品・サービスを展開しています。社内業務においても、Microsoft Office や Microsoft SharePoint、Microsoft Exchangeといったオンプレミス製品を活用してきた時代からマイクロソフトのエコシステムが全社的に浸透していました。その延長線上でクラウドシフトを進めるにあたり、 Microsoft 365 を全社導入しています。こうした背景から、AI の全社的な活用を目的とした本プロジェクトにおいても、マイクロソフトが提供する法人向け AI ツールである Microsoft 365 Copilotの導入を前提に検討が進められました。

「プロジェクトのスタート時には、すでに Microsoft 365 をベースに社内の情報基盤を構築しており、Microsoft Excel、Microsoft Word、Microsoft PowerPoint といったオフィスアプリケーションをはじめ、Microsoft Outlook や Microsoft Teams といったコミュニケーションツールも全社的に活用。業務に関するデータに関しては、すべてマイクロソフト製品で管理されているような状況でした。AI 活用で必須といえる“社内データの参照”が容易に行え、普段の業務の延長として AI が使えるという意味で、Microsoft 365 Copilot の採用は必然といえました」(岡氏)

パートナーとして、“責任ある AI”を掲げ、セキュリティと安定性を担保した AI ソリューションを展開しているマイクロソフトの姿勢を熟知していたことも、Microsoft 365 Copilot の採用を後押ししたと岡氏。実際、同社では他の選択肢を検討することもほとんどなく、ほぼ一択で Microsoft 365 Copilot の採用を決定しています。

こうして Microsoft 365 Copilot を全面的に活用し、AI 活用の促進に向けたプロジェクトは本格始動します。購入ライセンス数の制限が緩和されたタイミングだったこともあり、まずは部門ごとに検証協力メンバーを選定。50 ユーザーにライセンスを付与し、日常業務のなかでの Microsoft 365 Copilot 活用を検証していきました。

「各部門の責任者にヒアリングをして検証メンバーを選定し、マイクロソフトが公開しているゴールデンプロンプトなどの情報を参考に、プロジェクトメンバーがブレストした活用アイデアを共有しました。そのうえで、日常業務での AI 活用を検証してもらい、フィードバックを収集しました。その結果『Microsoft 365 Copilot がないと困る』『継続して利用していきたい』といった声が多く寄せられ、拡大フェーズに移行できるという手応えを感じました。特に『Teams で行った会議の記録・要約が本当に楽になりました。もはや Microsoft 365 Copilot なしでの会議は考えられません』というコメントは印象に残っています」(岡氏)

初期評価フェーズでは、要約や文字起こしといった作業への適用や、Web 検索の置き換えといった使い方が多かったと岡氏は振り返り、ライセンスを増やした利用拡大・活用促進フェーズへの移行にあたり、社員の要望を聞いてプロジェクトチーム(ICT センター)が AI 開発するという内製化の取り組みを開始したと話を続けます。

「AI 活用の促進を考えた際、いくら現場にリクエストしても、そう簡単に AI 開発が進められるわけではありません。そこで、プロジェクトメンバーが、現場にヒアリングしたうえで AI 開発を進める内製化に向けた取り組みに着手しました。それに合わせて、Teams 上に情報を提示し、率直な意見を収集するチャネルを作ったほか、Word 編、Excel 編、PowerPoint 編など、Microsoft 365 Copilot の使い方を解説するショート動画を作成し、AI 活用の機運醸成を図っていきました」(岡氏)

岡 寛之氏, 開発本部 ICT センター 情報システムグループ 次長, 株式会社オービックビジネスコンサルタント

“業務に関するデータに関しては、すべてマイクロソフト製品で管理されているような状況でした。AI 活用で必須といえる“社内データの参照”が容易に行え、普段の業務の延長として AI が使えるという意味で、Microsoft 365 Copilot の採用は必然といえました。”

岡 寛之氏, 開発本部 ICT センター 情報システムグループ 次長, 株式会社オービックビジネスコンサルタント

全社展開に向けた施策と併行して、Microsoft Copilot Studio を活用した内製開発支援による業務改善にも着手

こうして AI 開発の内製化に舵を切ったプロジェクトチームは、メンバーの拡充を図ります。そこでジョインしたのが、OBC 開発本部 ICT センター 主任の矢向 俊太郎氏です。

「AI 開発の知見やノウハウはまったく持っておらず、AI 活用プロジェクトに参画してから Microsoft 365 Copilot に触れて、何ができるのかを考えていきました。現在は Microsoft Copilot Studio(以下 Copilot Studio)での内製開発支援にも携わっています。社員の皆さんと同じ目線で取り組めたことは、AI の利用促進、認知度向上を図るという意味で非常によかったと感じています」(矢向氏)

矢向氏をはじめ、新メンバーが加わったことで、利用拡大・活用促進フェーズに入った本プロジェクトは加速していきます。初期評価フェーズの評価レポートから AI の活用価値が高いと判断した部門向けに 154 ライセンスを追加したほか、“全社員が AI を当たり前のように利用する” 企業文化を醸成する AI ネイティブ育成の取り組みとして、新入社員 104 人全員にライセンスを貸与しています。

「入社時から AI ネイティブな人材に育てていくという社長の思いもあり、2025 年度からすべての新入社員に Microsoft 365 Copilot のライセンスを貸与し、研修段階から AI の使い方について解説しています。2026 年度以降も、同様にライセンスを貸与するほか、研修内容も拡充していく予定となっています」(岡氏)

さらに全社員への利用促進・認知度向上を図るため、動画配信による全社講習を実施。ライセンスを追加するとともに AI 利用ガイドラインの策定や役職者・責任者経由のライセンス申請フローの構築など、利用拡大に向けた施策を次々と講じていきました。そのなかでも、ユニークかつ実践的な施策が、Teams 会議の議事録精度向上の取り組みです。

「Microsoft 365 Copilot 活用において、オンライン・オフラインを問わず Teams 会議内容の記録・要約は社員からの評価も高く、もはや議事録作成のデファクトスタンダードとなっています。このため、各会議室にスピーカーが設置されているかを確認するとともに、Teams会議に最適化されたMicrosoft 認定スピーカーの比較検討を実施しました。さらに、Microsoft Teams の音声認識(話者識別)機能を活用するため、社員に音声プロファイルを登録し、議事録における話者判定の認識精度向上を図りました。」(矢向氏)

また、全社展開を進めるなかでMicrosoft 365 管理センター(Copilot 利用状況ダッシュボード)で、利用状況のモニタリングも行い、長期間にわたり Microsoft 365 Copilot を利用していないユーザーに関しては、ライセンスの貸与を取りやめるといった施策も実施しています(再貸与も可能)。ただ、新入社員のなかでライセンスを外されたケースはなく、若手を中心に AI ネイティブなの育成は確実に進んでいると岡氏は手応えを口にします。

「社員によって利用頻度の違いは確かにありますが、先ほど話した Teams のチャネルやショート動画で、利用促進はある程度できていると考えています。現在は Copilot Studio を使った内製開発支援に注力するほか、生成 AI を単なる高度な検索ツールとして使うのではなく、パートナーとして壁打ち相手になってもらうような使い方も周知しており、各社員が生産性向上を図れるようにしていきたいと考えています」(岡氏)

さらに同社では、こうした活動を踏まえて、Copilot Studio を活用したサポート業務改革に着手します。これまで電話を中心に運用を続けてきたサポートセンターでは、問い合わせ対応で社内の過去事例・ナレッジを参照しづらいといった課題が顕在化しており、AI アシスタントがサポート担当者の求める情報へと導く AI サービスを導入。ある程度の業務効率化は図れたものの、運用コストの高さに悩まされていたといいます。そこで同社の AI 活用プロジェクトチームは、Copilot Studio を利用し、同等サービスの内製開発に着手。矢向氏を中心に約半年をかけて開発とチューニングを行い、既存サービスからの移行を実現しています。

「当時は参照できるコンテンツも少なく、手探りの状態で開発を進めていきました。Copilot Studio は、他のマイクロソフト製品と同様の思想で作られたツールという印象があり、UI を含めて使い勝手は非常に良好でした。基本的な機能自体は既存サービスと大きく変えていないものの、Copilot Studio 上でエージェントを設計し、トピックやフロー処理を組み合わせることで、ナレッジを抽出できる点が特徴です。さらに、エージェントビルダーを活用することで、抽出したナレッジをお客さまへの回答文として使える形に成形するツールを内製で開発しています。こうした周辺機能を柔軟に作りこめる点は、Copilot Studio の大きなメリットだと感じています。内製開発に切り替えた結果、既存ツールと比較して、1/2程度の運用コスト削減を実現しています」(矢向氏)

矢向 俊太郎氏, 開発本部 ICT センター 主任, 株式会社オービックビジネスコンサルタント

“周辺機能を柔軟に作りこめる点は、Copilot Studio の大きなメリットだと感じています。内製開発に切り替えた結果、既存ツールと比較して、1/2程度の運用コスト削減を実現しています。”

矢向 俊太郎氏, 開発本部 ICT センター 主任, 株式会社オービックビジネスコンサルタント

最新の技術やサービスを常にキャッチアップし、“終わりのない”AI 活用を先導していく

こうした成果を踏まえ、OBC では今後も日常的に生成 AI(Copilot)を使う文化を社内に根付かせるための取り組みを推進していく予定です。2026 年 2 月現在、1,115 のライセンスを導入しており、MAU(月間アクティブユーザー数)も 90%前後を維持しているといいます。Copilot のダッシュボードに搭載されたシミュレーション機能で試算したところ、過去 6 カ月の支援価値は約 5.75 億円、6 カ月合計のライセンス費用が約 3.22 億円で、1.78(178%)の高い ROI(投資対効果)が見込めるという結果が出ています。

「ライセンス数でいえば、すでに全社展開がほぼ完了している状況です。AI 活用プロジェクトについては経営層も常に着目しており、サポート業務改革で得た Copilot Studio の知見を活かし、AI により受注処理の自動化・効率化を図れないかというリクエストも出ています。AI の活用を通じて業務を改善するといった取り組みに関しては、今後も継続的に続けていく予定で、内製開発のサイクルを回していきたいと考えています」(岡氏)

矢向氏も、「マイクロソフト製品全般にいえますが、Copilot Studio も常にアップデートがかけられており、立ち上げる度に機能が追加されている印象があります」と頻繁な機能アップデートに言及し、マイクロソフトからの情報提供と、内製開発におけるサポートを期待しています。

「Copilot Studio を活用した内製化支援は継続しており、現在は営業部門のリクエストで、商談があったお客さまについて Web 上に公開されている企業情報や過去の問い合わせ履歴、見積情報などの社内情報を瞬時に探し出せる AI エージェントの開発に取り組んでいます。いろいろな問題に直面しているのですが、マイクロソフトのサービスリクエストで解決を図っています。今後も同じような状況が発生すると思いますので、マイクロソフトの手厚いサポートと、最新情報の提供を期待しています」(矢向氏)

立ち上げ時から本プロジェクトに携わっている岡氏は、今後の展望について次のように語ります。

「AI 活用はゴールがない世界で、常に継続し、成長させていく必要があると感じています。常に新しい技術やサービスがリリースされている状況のなか、できるだけ取りこぼさずキャッチアップし、われわれが先導者となって、現場に落とし込んでいければと考えています。これまで定着させたものを落とすことなく、さらに上のステージに引き上げることができれば、より良い業務環境を実現し、ひいてはお客さまへの提案活動やサポート品質の向上など、パートナーやエンドユーザーに対する還元できる効果も得られるのではないかと思っています」(岡氏)

岡 寛之氏, 開発本部 ICT センター 情報システムグループ 次長, 株式会社オービックビジネスコンサルタント

“AI 活用はゴールがない世界で、常に継続し、成長させていく必要があると感じています。常に新しい技術やサービスがリリースされている状況のなか、できるだけ取りこぼさずキャッチアップし、われわれが先導者となって、現場に落とし込んでいければと考えています。”

岡 寛之氏, 開発本部 ICT センター 情報システムグループ 次長, 株式会社オービックビジネスコンサルタント

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