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2026/06/25

CTC が全社共通の構成管理基盤として GitHub Enterprise Cloud を採用、データ保管場所に日本が指定可能となり、公共 / 金融部門での活用も可能に

幅広い産業分野に対して最適な IT ソリューションや SI サービスを提供し続けている伊藤忠テクノソリューションズ株式会社。ここでは開発されたソース コードなどの納品物のサプライ チェーン管理を徹底するため、構成管理基盤の全社統合が進められています。以前はプロジェクトごとに構成管理製品を採用していましたが、そのままでは現場エンジニアの力量や知識への依存度が高くなってしまい、成果物を全社で管理することもできないため、情報漏洩のリスクが高くなると懸念されたからです。

この問題解決のため全社共通基盤として採用されたのが、GitHub Enterprise Cloud です。その理由は、デファクト スタンダードであり社内エンジニアや顧客が納得しやすいこと、拡張性が高く DevSecOps の中核として活用できること、情報漏洩リスクに対する強度が高いこと、Microsoft のエンタープライズ契約でサポートやコスト メリットが期待できることなどが挙げられます。また「インナー ソース」文化を社内に取り込み、開発文化をより良い方向へと変革できることも期待されています。

試験的な導入・活用後、GitHub EMU により Microsoft Entra ID と密接に連携させ、アクセス コントロールを厳格化。2025 年 12 月に GitHub が日本においてデータ レジデンシーに対応した GitHub Enterprise Cloud の一般提供開始を発表したことに伴い契約を変更し、国内第 1 号ユーザーになりました。これによりデータ保管に厳しい公共 / 金融部門でも活用可能に。全社共通基盤として 4,000 人が使う基盤になると見込まれています。

ITOCHU Techno Solutions Corporation

納品物のサプライ チェーン管理徹底を目指し構成管理の全社統合へ

大手システム インテグレーターとして、幅広い産業分野に対して最適な IT ソリューションや SI サービスを提供し続けている伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 (以下、CTC)。8,000 人を超える数多くのエンジニアが、多種多様な顧客案件や高度なシステム開発を手がけています。このような業務を安全かつ効率的に進めていくには、ソース コードの適切な管理が重要になります。そのために CTC が取り組んでいるのが、構成管理システムの全社統合です。

「以前はどのように構成管理を行うかは、各プロジェクトに任されていました」と語るのは、CTC SIプロジェクトサポート統括部で部長を務める内藤 勉 氏。2000 年代には SVN (Subversion) や Git を個別に導入するプロジェクトがあった一方で、ファイル サーバーにそのままソース コードを保存するケースも少なくなかったと振り返ります。「一言でいえば『てんでんバラバラ』という状況でした。CTC は SIer (システム インテグレーター) なので、お客様の環境に深く入り込んで開発業務を行っています。そのため、そのときどきのお客様のご要望に対応する必要があり、現場エンジニアの力量や知識に依存する傾向が強かったのです」。

このようなアプローチはプロジェクトごとの最適化が行いやすい一方で、顧客に提供する IT サービスや納品物の「サプライ チェーン」を総合的に把握することが困難です。その結果、情報デブリ (放置された古いデータ) がそのまま残りやすくなり、長期的な品質管理やセキュリティ、ライセンス遵守に関するリスクも生じやすくなると、内藤 氏は説明します。

このような危機感から、2014 年には情報システム本部主催のワーキング グループで、構成管理の全社統合に向けた検討がスタート。その検討の過程で CTC が注目したのが、GitHub の存在です。ちょうどこの頃 (2015 年 6 月) に米 GitHub が、同社初の海外拠点として「ギットハブ・ジャパン合同会社」を東京に設立。その日本法人の担当者を介して「インナー ソース」という考え方を知り、これを社内に浸透させることで開発文化をより良い方向へと変革できると評価されたのです。

内藤 勉 氏, SIプロジェクトサポート統括部 部長, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

“GitHub は世界的なデファクト スタンダードであり、今では 1 億 8,000 万人以上のユーザーがいます。圧倒的な知名度と信頼性があるため、社内エンジニアはもちろんのこと、お客様にも納得いただけると考えました。また拡張性が極めて高く、DevSecOps の中核として活用できることや、情報漏洩リスクに対する強度が高いこと、Microsoft の エンタープライズ契約でサポートやコスト メリットが期待できることも重視しました。”

内藤 勉 氏, SIプロジェクトサポート統括部 部長, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

共通基盤として GitHub Enterprise を採用、アクセス制御厳格化のため EMU も活用

2018 年頃になると、業界全体でセキュリティを内包した「DevSecOps」の推進が求められるようになり、構成管理の領域にとどまらず、現場に散在する多様なツール群を全社で標準化したいという要望が高まっていきます。これに対応するため、CTC における GitHub 導入に向けた動きは、一気に加速することになります。

ここで GitHub を選択した理由について、内藤 氏は次のように説明します。

「GitHub は世界的なデファクト スタンダードであり、今では 1 億 8,000 万人以上のユーザーがいます。圧倒的な知名度と信頼性があるため、社内エンジニアはもちろんのこと、お客様にも納得いただけると考えました。また拡張性が極めて高く、DevSecOps の中核として活用できることや、情報漏洩リスクに対する強度が高いこと、Microsoft の エンタープライズ契約でサポートやコスト メリットが期待できることも重視しました」。

もちろん前述の「インナー ソース文化」が醸成可能になることも評価。さらに最近では、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度「ISMAP」 の取得に向けた準備が進められていることも、重要な評価ポイントになっていると指摘します。

2019 年には本格的なトライアル計画が策定され、2021 年にはその計画にもとづき、GitHub Enterprise の検証がスタートします。当初はクラウド ベースではなく、オンプレミス版である「GitHub Enterprise Server」を、約 300 ユーザー限定で社内提供。しかしその情報が開発現場に伝わると「ぜひ自分たちのプロジェクトでも使わせてほしい」という要望が、次々と沸き起こることになります。

その後、GitHub Enterprise のライセンスで、クラウド版とオンプレ版の両方が利用できたこともあり、実際の顧客案件での活用が急増。社内調査で約 2,000 人が使っていることが判明します。このままでは、各開発現場において、どのような社外ユーザーがどのリポジトリに招待されているのかといった利用実態の把握が十分ではなく、ガバナンスおよびセキュリティの両面で懸念が生じました。

この問題を根本から解決するため、2025 年には GitHub Enterprise Managed Users (EMU) を導入し、社内のアイデンティティ基盤である「Microsoft Entra ID」と密接に連携。社員番号で識別された正当な社員アカウントでなければログインできないようアクセス コントロールを厳格化し、退職時は自動的にアクセス権が消失する仕組みを構築しました。そしてGitHub Enterprise Cloud が社内標準になるよう推進しています。

汪 軍 氏, ビジネスアプリケーションシステム部 アプリケーションシステム第4課, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

“EMU で Microsoft Entra ID と連携させることでパートナー様を含む CTC の社員番号保有者でなければアクセスできなくなり、アクセス コントロールがより厳密になりました。また権限を『エンタープライズ全体』と『各部署のオーガニゼーション』の 2 層に分けて管理できることも重要です。これによって情報システム本部が全社共通の強固なセキュリティを担保した上で、各部署のオーナーがお客様やプロジェクトごとの要件に対して、柔軟かつ確実に対応できるようになりました。”

汪 軍 氏, ビジネスアプリケーションシステム部 アプリケーションシステム第4課, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

分散型への移行で開発スピードが向上、高い拡張性で DevSecOps も実現も容易に

「GitHub のような分散型構成管理へと移行していったことで、中央のサーバーへのコミットや他者のファイルロック解除を待つ必要がなくなり、開発スピードが向上しました」。このように語るのは、CTC ビジネスアプリケーションシステム部 アプリケーションシステム第4課の汪 軍 氏です。また運用担当者としての立場から、EMU 導入後の GitHub Enterprise Cloud の利点について、次のように述べています。

「EMU で Microsoft Entra ID と連携させることでパートナー様を含む CTC の社員番号保有者でなければアクセスできなくなり、アクセス コントロールがより厳密になりました。また権限を『エンタープライズ全体』と『各部署のオーガニゼーション』の 2 層に分けて管理できることも重要です。これによって情報システム本部が全社共通の強固なセキュリティを担保した上で、各部署のオーナーがお客様やプロジェクトごとの要件に対して、柔軟かつ確実に対応できるようになりました」。

その一方で、デファクト スタンダードであることや拡張性の高さによって得られるメリットについて語るのは、CTC SIプロジェクトサポート統括部 SIプラットフォーム推進課で課長を務める鈴木 義昭 氏です。

「CTC ではお客様への提出前にコードの脆弱性を洗い出すため、SAST や SCA を活用しています。これまではこれらを手作業で利用していましたが、GitHub Enterprise は代表的な SAST / SCA ツールとの連携も容易であり、2026 年 8 月までには連携させる予定です。これが実現すれば GitHub にソース コードを入れるだけで脆弱性がチェックされ、問題箇所をピンポイントで把握できるようになるでしょう」。

鈴木 義昭 氏, SIプロジェクトサポート統括部 SIプラットフォーム推進課 課長, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

“CTC ではお客様への提出前にコードの脆弱性を洗い出すため、SAST や SCA を活用しています。これまではこれらを手作業で利用していましたが、GitHub Enterprise は代表的な SAST / SCA ツールとの連携も容易であり、2026 年 8 月までには連携させる予定です。これが実現すれば GitHub にソース コードを入れるだけで脆弱性がチェックされ、問題箇所をピンポイントで把握できるようになるでしょう。”

鈴木 義昭 氏, SIプロジェクトサポート統括部 SIプラットフォーム推進課 課長, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

日本でのデータ レジデンシー対応で、公共  / 金融部門での活用も可能に

このようにさまざまなメリットをもたらしている GitHub Enterprise Cloud ですが、2025 年時点ではまだ正式な全社共通基盤にはなっていませんでした。データの保管場所が海外であるため、中央省庁など公共部門の顧客や金融機関の要求に対応できなかったからです。しかし 2025 年 12 月に、この問題を根本から解決できる発表が行われます。それが GitHub Enterprise Cloud における日本でのデータ レジデンシー提供開始です。つまり GitHub Enterprise Cloud を利用する際に、データの保管場所として「日本」を指定できるようになったのです。

この発表を受け、CTC は即座にその契約を締結。日本国内の「第 1 号ユーザー」になっています。2026 年 4 月には、旧環境であるトライアル枠の先行ユーザーを、より安全な国内環境へと移行開始。2026 年 6 月には全社に向け、GitHub Enterprise Cloud を全社共通基盤とする正式展開のアナウンスを行っています。

「これによって GitHub Enterprise Cloud を、金融部門や公共部門でも利用可能になりました」と言うのは、CTC 西日本SI第2部 インテグレーションアーキテクト第4課で公共部門を担当している山野 真奈 氏。そのメリットについて次のように語ります。

「これまでは国内でのデータ保管のため、プロジェクトごとに個別のサーバーを用意して構成管理を行っていました。また構成管理のツール選定も行う必要があり、その際にはセキュリティ要件に関するチェック シートへの記入・提出も不可欠でした。しかし全社共通基盤の GitHub Enterprise Cloud が使えるのであれば、これらの手間はすべて不要です。そのため迅速にプロジェクトを立ち上げることが可能になります」。

山野 真奈 氏, 西日本SI第2部 インテグレーションアーキテクト第4課, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

“これまでは国内でのデータ保管のため、プロジェクトごとに個別のサーバーを用意して構成管理を行っていました。また構成管理のツール選定も行う必要があり、その際にはセキュリティ要件に関するチェック シートへの記入・提出も不可欠でした。しかし全社共通基盤の GitHub Enterprise Cloud が使えるのであれば、これらの手間はすべて不要です。そのため迅速にプロジェクトを立ち上げることが可能になります。”

山野 真奈 氏, 西日本SI第2部 インテグレーションアーキテクト第4課, 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

今後 CTC では GitHub Enterprise Cloud を核とし、AI 駆動開発をさらに強化していく計画です。すでに GitHub Copilot の活用が始まっており、その利用範囲をさらに拡大していこうとしているのです。また開発プロセスの自動化や、サプライ チェーン管理の確立も視野に入っています。2026 年 8 月に予定されている SAST / SCA との連携も、その一環として進められています。

「日本でのデータ レジデンシー提供開始によって、GitHub Enterprise Cloud は CTC にとって、構成管理に関する唯一の全社共通基盤になりました」と内藤 氏。今後は啓蒙・普及活動を積極的に展開し、エンジニアに限らずさらに増やしていくと言います。「近い将来、4,000 人規模で活用する基盤になるでしょう。これによってインナー ソース文化を社内に浸透させると共に、安全かつ効率的な DevSecOps も実現していきたいと考えています」。

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