ゆりか先生のセキュリティひとくち講座
マルウェアからコンピューターを守ろう

マルウェアとは、悪意のあるソフトウェア (Malicious software マリシャス ソフトウェア) のことで、コンピューター上で被害を起こすように設計されたソフトウェア全般を示す言葉です。よく耳にする、「ウイルス」、「ワーム」、「トロイの木馬」などを総称してマルウェアと呼ばれています。
サイバー犯罪者は、マルウェアを利用して、人々のコンピューターから情報を盗んだり、コンピューターを破壊したりするなど、さまざまな悪事を働きます。

■マルウェアに感染するとどうなるの?

マルウェアに感染する (コンピューターにマルウェアがインストールされてしまう) と、コンピューター上でさまざまな悪事を働きます。たとえば、こんな被害に遭ってしまう可能性があります。

  • オンライン バンキングを利用している場合、不正送金被害に遭う
  • ソーシャル ネットワーク サービスやブログで利用しているパスワードが盗まれてしまい、アカウント乗っ取りの被害に遭う
  • オンライン ショッピングに登録しているクレジット カード情報が盗まれてしまい、知らない間に不正利用されてしまう

また、マルウェアに感染してしまうと、犯罪者に自身のコンピューターを操られ、知らない間に、他人にも被害をもたらしてしまう可能性もあります。

  • 友人に迷惑メールを送信してしまう
  • 家族のコンピューターに、マルウェアを感染させてしまう
  • 企業のウェブ サイトへのサイバー攻撃に加担してしまう

■マルウェアはどこから感染するの?

マルウェアは、知らず知らずのうちにコンピューターに入り込みます。
代表的な感染事例としては:

  • インターネットでみつけた「無料のソフト」をダウンロードしたら感染した
  • 知らない人から出されたメールに添付されていたファイルを開いたら感染した
  • インターネットを見ていると、ダウンロード ボタンが表示されたのでクリックしたところ感染した
  • 有名な企業のウェブサイトを見ていると、企業サイトが改ざん被害に遭っていたようで、ウイルスに感染した

また、マルウェアは感染してしまった人のコンピューターから、他のコンピューターへ感染を広げようと、USB などに忍び込んでいる場合があります。

  • 友達から借りた USB メモリを利用したところ感染した
  • インターネット カフェに置き忘れられていた SD カードを使ったところ感染した
  • 家族のコンピューターをホームネットワークで共有したところ感染した

その他にも、SD カード、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、そして外付けハードディスクなどの記憶媒体も、マルウェアの「運び屋」となって感染を広げる場合があります。

図: 知らない間にウイルスは感染を広げてしまいます

図: 知らない間にウイルスは感染を広げてしまいます

■マルウェアからコンピューターを守るには

マルウェアから身を守るためには、まずは、3 つの基本対策を徹底しましょう。

  1. セキュリティ対策ソフトウェアを利用する
    「ウイルス対策ソフト」「マルウェア対策ソフト」とも呼ばれているセキュリティ対策のためのソフトウェアを利用することで、既知のマルウェアがコンピューターに入り込むのを自動的に防ぎ、すでに入り込んでしまったマルウェアを削除してくれます。
    Microsoft と提携しているマルウェア対策プログラム (Microsoft ヘルプとサポートのウイルス対策ソフトウェア ベンダーの一覧) や、マイクロソフトが提供している無償のマルウェア対策ソフトウェア Microsoft Security Essentials、あるいは Windows Defender を利用しましょう。また、セキュリティ対策ソフトウェアも最新に保つことが重要です。
  2. サポート対象の製品を利用する
    サポートが終了してしまった製品は、製品のセキュリティ更新プログラムが提供されないなど、セキュリティのリスクが高まり、マルウェアに感染しやすくなります。また、万が一、ウイルスの被害に遭ってしまったとしてもサポートを受けることができません。サポート対象の製品を利用するようにしましょう。
  3. コンピューターやソフトウェアを最新版に保つ
    Windows を利用している場合は自動更新機能を使用してオペレーティングシステムおよびソフトウェアを常に最新版に保ちましょう。そのほか、追加で利用しているアプリケーションも、更新しておきましょう。

■よくある疑問

Q. ウイルスに感染しそうな「怪しいサイト」は見ていないのでウイルス対策ソフトは必要ないと思っているのですが・・・
A. いいえ。マルウェアは、一見怪しくは見えないインターネットのサイトや、改ざん被害に遭ってしまっている正規のウェブサイトからもインストールされてしまう可能性があります。また、USB メモリや CD/DVC などのインターネット以外の経路からも感染する可能性があります。自分で気を付けるだけでは限界がありますので、ウイルス対策ソフトを利用して、自分自身では気が付かない感染経路もきちんと対策を行うことが肝心です。

Q. コンピューターの動作は普段と変わらず問題がないようです。マルウェアには感染していないと思っているのですが・・・
A. 代表的な症状として、コンピューターの動作が遅くなる、ポップアップがたくさん表示される、などの場合は、マルウェアに感染している可能性があります。しかし、最近のマルウェアは、ひそかにコンピューターで動き、コンピューターの動作には変化がない場合も多くあります。動作に問題が見られない場合でも、セキュリティ対策はきちんと行い、マルウェアの感染を未然に防ぎ、知らない間に感染しているマルウェアの対策をしましょう。

Q. マルウェア対策ソフトはインストールしていますが、オンライン ゲームをするときは、コンピューターの動作が遅くなるので無効にしています。ちょっとの時間なので大丈夫だと思っているのですが・・・
A. いいえ。少しの間でもマルウェア対策ソフトがインストールされていない場合は、マルウェアに感染する危険性があります。マイクロソフトの調査では、「マルウェア対策が常に無効」のユーザーと、「マルウェア対策がときどき無効」のユーザーは、同じようにマルウェアの感染率が高い傾向にありました。マルウェア対策ソフトは、常に有効にしていることが大切です。

マルウェア対策ソフトの利用状況別 マルウェア感染数

Q. サポートが終了した製品を使っていますが、マルウェア対策ソフトを利用しているのでセキュリティは万全だと思っています。大丈夫でしょうか?
A. いいえ! マルウェアによる攻撃を防御するためには、マルウェア対策ソフトに加え、OS そのものの堅牢性が重要な役割を果たします。実際に、マイクロソフトの調査では、サポートが終了した製品のマルウェア感染率は、サポート対象内の製品に比べ、約 2 倍も高いことがわかりました。最新の脅威から身を守るには、セキュリティ更新プログラムを日々適用し、最新の状態に保つことがとても重要です。

Q. 新しくコンピューターを買ったところ、試用版のマルウェア対策ソフトがついていました。これを使い続けても問題ないですか?
A. 新規のコンピューターを購入した場合などに、試用版のマルウェア対策ソフトが付属している場合があります。信頼できるベンダーから提供されている場合は利用しても問題ありません。ただし、試用版の多くは、「使用開始から 30 日まで」など使用期限が設定されている場合があります。期限を過ぎてしまうと、効果がなくなり、マルウェアに感染してしまう場合があります。期限切れになる前に、忘れずに、試用版から製品版への切り替えなどを行っておきましょう。

Q.インターネットで見つけた「無料のウイルス対策ソフト」を利用しても問題ないでしょうか?
A. 無料のソフトウェアでも、信頼できるベンダーから提供されている場合は利用しても問題ありませんが、注意が必要な場合があります。「無料」を謳っているセキュリティ ソフトの中には、実際にはセキュリティ対策の効果がない「偽もののセキュリティ ソフト」が紛れ込んでいたりする場合もあります。必ず、利用する前に、信頼できるベンダーから提供されているか、他に利用している人の評判はどうか、確認をしましょう。信頼できるベンダーから提供されている有料版のセキュリティ対策ソフトは、より細かくセキュリティ設定を行うことができたりするなど、無料版よりもより充実した機能を提供している場合があります。ご自身の利用状況に合わせて検討をしましょう。

■ひとりひとりが気を付けよう

マルウェアに感染してしまうと、深刻なセキュリティ被害に遭ってしまう可能性があります。また、友人や家族のコンピューターに感染が広がり、被害に遭う可能性もあります。ひとりひとりが、マルウェア対策ソフトを常に有効にし、最新の状態のコンピューターを利用することを心がけましょう。