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晴れた日の最高裁判所の建物

裁判 IT 化の成功は日本社会の変革につながる

Microsoft Teamsでの菊池氏(左)と佐藤氏(右)の会話

菊地 裕太郎

菊地総合法律事務所 弁護士
前日弁連会長。東京大学法学部卒。1981 年東京弁護士会登録。東弁副会長を経て 2013 年東弁会長兼日弁連副会長。(公財) 日弁連法務研究財団専務理事・ (一社) 日本法律家協会副会長 (歴任)

佐藤 知成

日本マイクロソフト株式会社 執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長。日本アイ・ビー・エム株式会社、SAP ジャパン株式会社などを経て、2018 年 1 月に日本マイクロソフト株式会社に入社し現職に就任

菊地氏 (左) と佐藤 (右)。対談は Microsoft Teams を使って行われた。

日本全体の IT 化を促進する、裁判手続等 IT 化

――菊地さんのお仕事について紹介をお願いします。

菊地 2020 年 3 月末まで日本弁護士連合会 (日弁連) の会長を務めておりました。日本橋に事務所を構えており、所属は東京弁護士会です。企業法務を中心に、さまざまな事件を扱っております。今回、日本の民事裁判の IT 化に向けた第一歩を刻むときに、日弁連の会長として立ち会えたということに大きな喜びを感じると同時に、プロジェクトの成否に関わる責任の一端を担う立場であるという自覚を持って取り組んでまいる所存です。

 

―― 2020 年 2 月から全国 9 カ所の地方裁判所で争点整理における Microsoft Teams (以下 Teams) の運用が始まっていますが、弁護士の皆さまのご感想はいかがでしょうか?

菊地 私自身は会長職から実務に戻ったのがつい最近ですので、まだ Web 会議などの経験はないのですが、私の事務所に所属する弁護士はすでに Teams を使った業務を始めておりまして、遠方まで往復しなくても済むので大変便利だと喜んでいます。また、昨今は私の事務所でもテレワークが浸透し始めていますので、所員同士が Teams を利用して事務所と自宅とでやりとりするといった、働き方の変化も起きています。

Teams を使用して試用効率を向上させ、コストを削減する方法を示す図

Teams を使うことで裁判の効率化、コスト削減が可能となる。

佐藤 私も、弁護士の皆さまには活発に Teams をご利用いただいていると伺っています。また、菊地さんがおっしゃったように、日常業務でも役立つというフィードバックをいただいており、嬉しく感じているところです。

菊地 裁判の IT 化の背景には、司法関係者の強い危機感があると思います。世界銀行のビジネス環境評価における司法の利便性については、極めて低い評価です。日本の裁判における IT 化の遅れについて政府の取り組みが加速されたという背景がひとつ。それに加えて、日本の民事訴訟事件数は少しずつ減少しているという事実を見逃すわけにはいきません。これは、世の中から紛争が少なくなっているからではないんです。データを見ても、法律相談等を含めて事件そのものは増加しています。なのに、訴訟は増えていない。つまり、民事訴訟という紛争解決手段が機能しなくなり始めていることの証左なのではないかと、私たちは危惧しています。ADR (裁判外紛争解決手続) や ODR (オンライン紛争解決) といった様々な紛争の解決手段も導入され、AI がさらに発達してこれらの手段がより現実的になってくると、私たちは、国民の皆さんがやがて裁判の手続きを利用しなくなってしまうのではないか、という危機感を抱かざるを得ないのです。そういう意味では、IT 化の流れは必然ですし、今回のプロジェクトは IT 化を全国に普及させる国家事業とも言えると思いますので、ぜひマイクロソフトさんにはさらなるご助力をお願いしたいと考えています。

近年、民事裁判の件数が減少傾向にあることを示す図。 (出典:日本弁護士連合会ホームページ「弁護士白書2019年版」)

民事裁判の件数はここ数年減少傾向にある。

(出典: 日本弁護士連合会ホームページ 弁護士白書 2019 年版)

佐藤 それはもちろんです。今回のプロジェクトは、裁判に関わる皆さまの利便性やスピード感、国際競争力を高めるという観点からも意義深いですが、その波及効果として、地方の格差をなくす、非常に大きなマイルストーンになり得ると思っています。また、行政や地方自治体、教育機関においてはなかなか IT 化が進まないなかで、最高裁が先んじて IT 化を進めるということは、他業界の皆さまにとっても勇気を持てるできごとですし、ひいては日本全体の IT 化を加速するトリガーになるのではないかと思っています。

公的機関向けのクラウドの利用を促進するための Microsoft プログラムを示す図。

マイクロソフトは公共機関に向けたクラウド利用促進プログラムを展開している。

誰もが安心して使え、誰もが取り残されない制度設計を

――弁護士の皆さまの、Teams を使ってみての所感はいかがでしょうか?

菊地 初期の設定が少し難しいという声も聞かれます。また、弁護士は情報セキュリティに非常に敏感ですから、安全性についてクライアントや市民の皆さまから質問があったときにお答えできるような知識を得られるガイダンスなどがあるとありがたいですね。

佐藤 安全性に関しては、私たちは絶大な自信を持っています。日々、数千名のマイクロソフト セキュリティの専門家がお客様を守っています。先進的な AI 技術を駆使して世界中から発せられる膨大なシグナルを分析し、脅威を検出し対処しています。また、クラウド コンプライアンスという観点では、90 を超えるコンプライアンス認定資格を保有しており、その中には、米国、欧州、ドイツ、日本、英国、インド、中国など各国に固有のコンプライアンス認定資格も含まれています。さらに、医療機関、政府機関、金融業、教育機関、製造業、メディアなど、主要産業に必要となる固有のコンプライアンス認証もあります。激変する市場によって新たに生じるコンプライアンス要件もカバーしており、マイクロソフトは、グローバルに政府、規制当局、規制標準化団体、非政府組織とも連携していますので、世界最先端の知見が常に製品ロードマップにも取り入れられる環境というわけです。ですから、皆さまにはぜひご安心いただきたいと思っています。また、利便性に関しては、今回のプロジェクトを成功させる大きな要因だと思っていますし、本社も含めて一体となって対応させていただく体制ですので、ぜひ皆さまのフィードバックをいただければと思います。

菊地 ありがとうございます。私たちもそういったお話を周知して、クライアントにアピールしていきたいと思いますし、マイクロソフトさんの研修や説明会などのご協力を得ながら、段階を追って、IT 弱者と呼ばれる層に至るまでひとりも取り残されないような制度設計をしていきたいと思っています。

Microsoft Teamsでコラボレーションする菊池さんと佐藤さん。

対談を通してお互いの連携を確かめ合った菊地氏と佐藤。

社会全体の IT 化の嚆矢となる画期的なプロジェクト

――今後、さらに IT 化が進むなかで、おふたりはどのようなビジョンを描いていますか?

佐藤 いま最高裁で検討されているロードマップで必要とされている機能に関しては、おおむねマイクロソフトが現時点で持っているソリューションで対応できますので、ご安心いただければと思います。また、Teams は医療機関や教育機関など幅広い分野で活用されていますので、この裁判手続等 IT 化が、国民の皆さん一人ひとりの生活に IT が浸透していく起爆剤となれるように取り組んでいきたいと思っています。

菊地 私たちが、Teams をうまく活用することで、大きな波及効果が出てくるということですね。社会全体が IT 化に向かうためのひとつの力になれるのは、とても嬉しく思います。民事裁判 IT 化が進むと、いまは裁判資料を書面で作成・提出しなければならないものが、デジタルで作成・保存できるようになり、保管や廃棄の手間、さらには資源の問題も解決できるようになります。それに加えて、デジタル化された裁判例や判例をビッグデータ化できますから、それを活用した、より精度の高い司法サービスの提供につながると期待しています。さらに、IT 化の次のステップとして、業務の効率化により空いた時間を使って、私たち弁護士が、いかに創造的な知的生産活動に勤しめるか、自分たちが弁護士として活躍できる分野をどう開発していくのかといったところを見据えていかなければいけないと思っています。

佐藤 今の菊地さんのお話を聞いて、Teams を介して裁判が身近になり、裁判を制度としてより活用できるようになることで、正しい物事がきちんと判断される、私たち国民にとってよりよい社会に進んでいけるのではないかと感じました。今回のプロジェクトは、司法制度の IT 化のみならず、社会全体に対して IT 環境を提供していく、画期的な試みになるのではないでしょうか。このプロジェクトは、マイクロソフトとしても非常に挑戦的な取り組みです。本社の製品技術陣をはじめ、世界でも最高峰のナレッジを持つメンバーを巻き込んで、日本の社会を変える第一歩になるという意識のもと、全力で取り組んでいきます。

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