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2008 年 1 月 21 日

Dynamic IT に向けて仮想化の力を活用する


ビジネスの成功を推進するために、IT の可能性が現在ほど大きかったことはありません。ソフトウェア、ハードウェア機器、ネットワークの進化が、企業におけるコミュニケーションの効率化の方法、プロセスの自動化の方法、そして、新たな機会に対応するために必要な情報や機能への従業員のアクセス方法を変革しています。

同時に、IT の複雑性が現在ほど高かったこともありません。ビジネスの成功における企業のコンピューティング資源への容易なアクセスの必要性がますます高まっています。インスタント・メッセージング、ソーシャル・ネットワーキング・サイトなどの最近登場したコミュニケーションのテクノロジーを家庭で利用している人々が、同様のツールを業務でも使えるようになることを期待しています。

この結果、相反する要件の数が増しています。たとえば、アクセス容易性とセキュリティ/コンプライアンス、パフォーマンスとコスト、イノベーション/俊敏性と信頼性/業務継続性などです。これらの緊張関係は、従業員にビジネス上の成功を推進させるための柔軟性と、企業に資産保護・法令準拠・業務継続性を提供するための統制機能とを同時に達成できる基盤を構築する上で本質的な問題であり、その解決こそが IT プロフェッショナルにとっての真の課題です。

企業が適切なバランスを見つけられるよう支援することが、マイクロソフトにとって最も優先順位が高い案件のひとつです。この目的のために、マイクロソフトは、コンピューティング資源と戦略目標の整合性を取り、変化するビジネスの条件に自動的に適合できる柔軟性と知性を有するシステムを構築できるようにするためのテクノロジー・イノベーションにフォーカスしています。マイクロソフトはこのビジョンを“Dynamic IT”と呼んでいます。より効率的で、柔軟で、コスト効率性が高い IT システムを構築するための新しいツールを提供する仮想化テクノロジーは、この新しいビジョンを現実のものとする上で重要な役割を果たします。

以前の Executive E-mail において、ビル ゲイツとスティーブ バルマーは、コミュニケーションを革新し、生産性を向上し、企業の情報活用を変革している技術進化について論じました。 マイクロソフトのサーバー & ツール ビジネス担当シニアバイスプレジデントとして、私は以下の点について自分の考えを述べたいと思います。まず、仮想化がIT部門におけるコスト削減、ビジネス継続性向上、コンプライアンスにどのように貢献しているかという点、そして、長期的に見て、仮想化がビジネスによる IT の活用法にどのような影響を与えるのかという点です。仮想化という重要なテクノロジーはまだ初期段階にありますが、最終的には、変化するビジネス要件に対してより柔軟かつ迅速に対応できるITシステムを構築し、ビジネスの俊敏性を向上する上で重要な役割を果たすでしょう。


仮想化を理解する

仮想化とは 異なる階層(ハードウェア、ソフトウェア、データ、ネットワーク、ストレージ)を互いに隔離するようにコンピューティング資源を展開するというアプローチです。今日見られる典型的なケースでは、オペレーティング・システムはコンピュータ・ハードウェア上に直接インストールされており、アプリケーションはオペレーティング・システム上に直接インストールされています。ユーザー・インターフェースは、ローカルのマシンに直接接続されたディスプレイを介して提供されます。そして、ひとつの階層を変更すると他の階層に影響が及び、変更の実現が困難になっています。

これらの階層を互いに隔離するソフトウェアを使用することで、仮想化が実現され、変更の実現が容易になります。その結果、管理が単純化され、IT 資源の利用効率が向上し、適切なコンピューティング資源を必要な時に必要な場所に提供できる柔軟性が得られます。

仮想化にはいくつかの種類があります。マシン仮想化はソフトウェアを使用して、ハードウェアのサービスと機能をエミュレートする仮想マシンを作成します。これにより、複数のオペレーティング・システムをひとつのマシン上で稼働可能になります。このアプローチは、サーバーにおいてはサーバー仮想化と呼ばれ、エンドユーザーの PC においてはデスクトップ仮想化と呼ばれています。

アプリケーション仮想化は、アプリケーションをオペレーティング・システムから分離し、アプリケーション間の干渉を最小化することで、その展開とアップグレードを単純化します。プレゼンテーション仮想化は、あるコンピュータ上で稼働するアプリケーションを別のコンピュータから制御できるようにします。
またストレージ仮想化という考え方もあります。ストレージ仮想化により、保管場所を気にせずにアプリケーションやデータにアクセスすることができるようになります。さらに、ネットワーク仮想化により、リモート・ユーザーがあたかも物理的に接続されているかのように企業内のネットワークにアクセスすることができるようになります。
仮想化の考え方自体は新しいものではありません。1960 年代の初頭に IBM がメインフレーム・コンピュータ向けに最初の仮想マシンのテクノロジーを開発しました。マイクロソフトの Windows NT には仮想 DOS マシンの機能が含まれていました。1997 年には Connectix が Virtual PC を 市場に投入しました(2003 年にマイクロソフトは同社を買収しています)。EMC 傘下の VMware は、1999 年に最初の製品である VMware Workstation を出荷開始しています。Softricity は、2001 年に最初のアプリケーション仮想化製品である SoftGrid を提供しています(マイクロソフトは2006 年に Softricity を買収しています)。

仮想化が長期間にわたって存在しているにもかかわらず、現在のところ、業界アナリストは、仮想化が利用されているサーバーは全サーバーの10 パーセント以下であると推定しています。しかし、今日の大量生産・低価格のハードウェアをターゲットとした仮想化製品が投入されるにともない仮想化の重要性は増大しています。現在も、複数のサーバーのワークロードを1台のマシンに集約することで、コストを削減している企業の数は増え続けています。


仮想化: Dynamic IT の基盤

コストの削減も重要ですが、それはサーバー仮想化が提供する利点の一部でしかありません。マイクロソフトは、きわめて効率性が高く、ビジネスの条件が変化した際にも自動的に適合できる自己認識性を有したITシステムの構築を可能とするために、仮想化が重要な役割を果たすと考えています。

コンピューティング・スタックの階層を分離することで、仮想化されたIT環境は、構成設定作業を行うことなく新しい機能を展開することを可能にします。仮想化されたIT環境では、テストの要件やアプリケーションの互換性に関する問題が減少し、プロセスの自動化が容易になり、災害対策の実現も容易になります。

データセンターにおいては、仮想化はサーバー統合をサポートするだけでなく、需要が変動した際にもコンピューティング要件にリアルタイムで正確に合致できるように、自動的にワークロードの追加や移動が行われるようにすることができます。これにより、俊敏性・ビジネス継続性・資源の利用効率が向上します。

デスクトップにおいては、アプリケーション仮想化がコストを削減します。さらに、オペレーティング・システム、アプリケーション、データ、ユーザー設定がすべて仮想化されている場合には、ユーザーが任意の場所で任意のマシンからコンピューティング資源にアクセスすることが可能になります。その結果、従業員にとっては柔軟性の向上が、IT 部門にとっては効率性と俊敏性の向上が提供されます。


マイクロソフトの仮想化製品と Dynamic IT のソリューション


各階層における仮想化も重要なメリットを提供しますが、仮想化の真の力は、企業がIT基盤全体にわたる統合された仮想化戦略を実現した時に得られます。現在、マイクロソフトは、以下のように、データセンターからデスクトップに至るまでの総合的な仮想化製品、ツール、サービスを提供しています。

サーバー仮想化: Microsoft Windows Server 2008 の新機能である“Hyper-V” によってサーバー仮想化はオペレーティング・システムの機能の一部として利用可能になります。マイクロソフトの設計アプローチにより仮想化の効率が向上しており、優れたパフォーマンスが提供されます(このテクノロジーは Microsoft Hyper-V Server として独立した製品としても利用可能になる予定です。)。 現時点で利用可能な Microsoft Virtual Server 2005 R2 と同様に、Hyper-V テクノロジーは、サーバー統合、レガシーのオペレーティング・システムやアプリケーションの新規ハードウェア上でのリホスティング、 ハードウェア・プラットフォーム間のアプリケーションのポータビリティに基づいた災害対策などをサポートします。

アプリケーション仮想化: Microsoft SoftGrid Application Virtualization は、アプリケーションを集中管理された仮想サービスに変換し、必要な時に必要な場所のデスクトップ、サーバー、ラップトップに配信することができます。SoftGrid は、アプリケーション管理のライフサイクルを単純化することで、アプリケーションの展開、アップグレード、 パッチ適用を劇的に迅速化します。

プレゼンテーション仮想化: Microsoft Windows Server Terminal Services により Windows のデスクトップ・アプリケーションを共用のサーバー・マシン上で稼働し、そのユーザー・インターフェースを、デスクトップ・コンピュータやシン・クライアント等のリモート・マシン上で表示することができます。

デスクトップ仮想化: Microsoft Virtual PC は、1 台のマシンで複数のオペレーティング・システムを稼働することで、デスクトップ PC 上のオペレーティング・システムと互換性がないアプリケーションを稼働可能にします。また、新しいソフトウェアやシステムのテストと開発を迅速化します。さらに、ホステッド・デスクトップ・アーキテクチャ(「仮想デスクトップ・インフラストラクチャ」とも呼ばれます)向けの Windows Vista Enterprise Centralized Desktop のライセンスにより、 デスクトップ全体をサーバー上にホストし、他のデスクトップ・コンピュータにリモートで提供することができます。

従業員と顧客が必要とする機能を、必要な時に、必要とされる場所で提供する柔軟な基盤を構築するための基盤テクノロジーを企業に提供することが、マイクロソフトの目標です。


統合管理の重要性

仮想化された環境では、物理資源および仮想資源を監視し、管理するための総合的なアプローチがきわめて重要になります。Dynamic IT の実現のためには、管理ソリューションがビジネス条件の変動に合わせて資源の割り当てを自動化できる基盤を提供していなければなりません。Dynamic IT 環境の基盤を提供するのは、複数のコンピューティング階層で稼働し、ひとつのツールで管理される仮想化テクノロジー群です。

Microsoft System Center は、IT プロフェッショナルが、仮想資源と物理資源のすべてを管理できるようにするための管理ソフトウェアを提供します。System Center は、デスクトップとサーバー、アプリケーションとオペレーティング・システムを包含する仮想環境と物理環境に対するプロビジョニング、モニタリング、バックアップのツールを提供します。System Center により、企業ユーザーは、自社の基盤、ポリシー、プロセス、ベスト・プラクティスに関する情報を照会し、運用を自動化し、コストを削減し、アプリケーションの可用性を向上することができます。


サーバーからデスクトップにわたる Dynamic IT

仮想化テクノロジー自体は 40 年以上にわたり存在してきましたが、ソフトウェア業界がこの重要なテクノロジーの真の意義を理解し始めたのは最近のことです。 複数マシンを 1 台のサーバーに集約するサーバー仮想化が今日利用されている最も一般的な仮想化の形態ですが、この形態も普及サイクルのごく初期の段階にあります。マイクロソフトは、近い将来に、サーバー仮想化がきわめて一般的な存在になると考えています。他形態の仮想化の採用も始まっていますが、その潜在的価値はまだほとんど活用されていません。

この重要なテクノロジーをより使いやすくするために、マイクロソフトは仮想化のコストを削減し、複雑性を減少させるためのイノベーションを提供しています。また、業界のパートナーと協力し、あらゆる規模の企業が仮想化の価値を最大限に発揮できるようにするための、新規製品とサービスの開発を積極的に行っています。

すでに、マイクロソフトとパートナーの仮想化製品は、企業ユーザーのコンピューティング機能をビジネス要件に合致させるために貢献しています。たとえば、あなたの会社の従業員が、どのマシンであってもどの場所からであっても、自分のデスクトップにユーザー設定を変えることなくアクセスできるとしたらどうでしょうか。あなたの会社のデータセンター内のサーバーで稼働するワークロードが、ある業務の需要が突然高まった時に自動的に再割り当てされるとしたらどうでしょうか。壊滅的な大停電があった後でも、IT 基盤全体が瞬時に復旧できるとしたらどうでしょうか。

マイクロソフトのテクノロジーを使うことで、これらの Dynamic IT のシナリオが今日においてもすでに実現可能になっています。マイクロソフトは、サーバーからデスクトップに至るまでの 真の意味でダイナミックな基盤の構築を支援するために仮想化とシステム管理における新たなイノベーションを継続的に提供していきます。これにより、近い将来には上記のシナリオも当たり前のことになっているでしょう。

ボブ マグリア
 

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