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Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK を使った Windows Media サポートの追加

作成者 : Jay Loomis
マイクロソフト ニュー メディア プラットフォーム部門
2002 年 11 月


はじめに

Microsoft Windows Media 9 シリーズによって、カスタム アプリケーションを作成するためのさまざまな方法が提供されます。Windows Media Player 9 シリーズ SDK、Windows Media エンコーダ 9 シリーズ SDK、および Windows Media サービス 9 シリーズ SDK はすべて、Windows メディアの機能を拡張することができます。しかし、Windows メディアへの低レベルなアクセスが必要なアプリケーションもあり、Windows Media フォーマット SDK を使うと、そうしたニーズを満たすことができます。
概要
この文書は、Microsoft® Windows Media® フォーマット 9 シリーズ ソフトウェア開発キット (SDK) について説明します。また、SDK アーキテクチャの概要についても説明します。

この文書は、Windows Media フォーマット SDK と、すべての Windows Media ファイルで使用されるファイル形式である ASF (Advanced Systems Format) の関係について説明します。また、Windows Media フォーマット SDK の一般的なアーキテクチャについても説明し、Windows Media 9 シリーズの強力な新機能をいくつか紹介します。

この文書では、以下の項目について取り上げます。
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Windows Media フォーマット SDK とは何か

Microsoft Media フォーマット SDK は、ASF ストラクチャを使ってデータを処理する、低レベルのアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) セットです。ASF は、デジタル メディアの保存と配信を行うため、Windows Media で使用される拡張可能な形式で、コンテンツに依存しません。

Windows Media フォーマット SDK は Windows Media の中核で、コア ファイル I/O、ネットワーキング、およびデジタル著作権管理 (DRM) サポートを提供するため、Windows Media Player、Windows Media エンコーダ、および Windows Media サービスで使用されています。次のイラストは、Windows Media Player の Windows Media フォーマット SDK に対する依存度を示しています。 

diagram showing the dependency Windows Media Player has on the Windows Media Format SDK

Windows Media フォーマット SDK は、入力デバイスからのコンテンツのキャプチャに対するサポートや、出力デバイスへのコンテンツのレンダリングに対するサポートを提供するものではないという点に注意してください。Windows Media フォーマット SDK を使ってアプリケーションを作成する場合、デジタル メディアのキャプチャやレンダリングに、好きな方法を使うことができます。

前掲のイラストに示したように、Microsoft DirectShow® SDK によって、Windows Media Player に対して、コンテンツのレンダリング サポートが提供されます。アプリケーション開発を簡単にするため、Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK には、DirectShow SDK と併用する新しいフィルタが含まれています。Windows Media SDK を DirectShow と組み合わせると、エンコード アプリケーションや再生アプリケーションを作成するためのエンドツーエンドなソリューションが提供されます。

Windows Media フォーマット SDK の最も重要な機能の 1 つが、Windows Media Audio/Video 9 シリーズのコーデックとのインターフェイスです。この 2 つのコーデックにより、最先端の圧縮技術が実現され、高品質のデジタル メディアを保存するために必要なサイズを減らすことができます。

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Windows Media フォーマットとは何か

ASF コンテナ形式は、すべての Windows Media ファイルで使用されますが、Windows Media という用語は、もっと限定的な構成を意味しています。次のイラストに示すように、Windows Media フォーマットは、コンテナ形式に、コーデック、DRM、およびプロトコルを組み合わせたものです。注意しなければならない重要な違いは、すべての Windows Media ファイルで ASF が使用されていますが、ASF が使用されているすべてのファイルが Windows Media ファイルとは限らないということです。たとえば、サードパーティ製のコーデックを使って圧縮されたデータがファイルに含まれている場合、そのファイルは ASF ファイルに分類されますが、Windows Media ファイルには分類されません。

diagram showing the technology that constitutes Windows Media Format

一種の整合性によって、このような違いが発生します。Windows Media ファイルでは、.wma および .wmv というファイル名拡張子が使われていますが、サードパーティ製のコーデックによって圧縮したデータが含まれているファイルでは、.asf というファイル名拡張子が使われます。Windows Media 形式の定義をせばめることによって、アプリケーション開発者は自分のプログラムが Windows Media ファイルで動作すると確信することができます。.asf というファイル名拡張子の付いたファイルには、すべての再生アプリケーションで利用できるとは限らないデータが含まれている可能性があると認識され、個別に処理されます。

明らかなことは、すべての Windows Media ファイルで DRM やプロトコルが必要というわけではないということです。この 2 つのコンポーネントはオプションですが、ファイルにこれらのコンポーネントを含めても、ファイルの形式分類は変化しません。

Windows Media フォーマット SDK を使って作成されたすべてのファイルに共通していることは、ASF コンテナが使用されているということです。このファイル形式は、共通のプレゼンテーション時間によって、インタリーブされた任意のデータを保存するために設計されたものです。そのため、これらのファイルはネットワークを介したストリーミング データに最適です。

ASF コンテナの基本構造は非常に簡単です。ファイルはファイルに保存されたデータの目次が記載されたヘッダ セクションで始まり、その後にデータが続きます。ファイルの最後はオプションのインデックス セクションで、データ セクション内の対応するポイントに関連付けられ、ユーザーにとって役に立つユニットから構成されています。次のイラストに、ASF の構造を示します。

diagram illustrating the structure of the ASF container

ASF ファイルのヘッダ セクションには、ファイルの個々のストリームの構成に関する情報と、ストリーム間の関係が含まれています。たとえば、一度に 1 ストリームしか配信されないように、相互に排他的なストリームが存在する場合もあります。ヘッダ セクションには、メタデータや、コンテンツに関する解説データが含まれている場合もあります。

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書き込みおよび読み取りアーキテクチャ

Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK には、ASF ファイルを処理する機能が数多く用意されていますが、中心となる機能は、ファイルの書き込みと読み取りです。このセクションでは、この 2 つの基本タスクの後ろに潜むアーキテクチャの概要を解説します。

書き込み処理
次の図は、Windows Media フォーマット SDK のファイル書き込みアーキテクチャを要約したもので、複数のビット レートを使ってエンコードされたビデオを含んだファイルに対する処理を示しています。

diagram showing the basic writer architecture

Windows Media フォーマット SDK を使って作成されたアプリケーションでは、未処理のメディア サンプルがライタへ受け渡されます (イラスト左部分参照)。ライタでは、プロファイル オブジェクト内で指定された設定を使って、ファイルがエンコードされます。イラスト上部に示されているプロファイル オブジェクトでは、各ストリームに関する詳細情報、ストリームの処理方法 (例 : 相互に排他的なストリーム) など、エンコードされたファイルの形式が定義されています。

ほとんどのオーディオおよびビデオ ストリームは、Windows Media コーデックのいずれかによって処理されます。ただし、ライタ マネージャでは最初に複数のコンバータの 1 つを使ってデータが処理され、圧縮の準備がされます。サンプルをファイルへ収録する準備ができると、サンプルはマルチプレクサへ渡された後、プレゼンテーション時間に従って全ストリームからサンプルがインタリーブされ、データがパケットへ組み込まれます。

マルチプレクサによって作成されたビット ストリームは、シンクへ配信され、最終配信先 (ディスク上のファイル、またはインターネットや他のネットワークを介したブロードキャスト) への I/O が処理されます。

読み取り処理
次のイラストは、Windows Media フォーマット SDK の読み取りアーキテクチャを要約したものです。

diagram showing the basic reader architecture

読み取りプロセスは、書き込みプロセスと非常によく似ていますが、処理が逆方向です。リーダーは、ソース (ファイル、ネットワーク接続、カスタム ソースなど) にアクセスします。ファイルのデータ セクションはスプリッタによって処理され、個々のストリームのサンプルに分割されます。次にサンプルはパックを解除され、DRM を使って保護されている場合は、適切な Windows Media コーデックを使って処理されます。オーディオ ストリームは、レンダリングされるまでオーディオ データの暗号化を維持する Microsoft ソース オーディオ パス (SAP) によって保護されていることもあります。

前掲のイラストでは、3 番目のストリーム タイプが、HTML データを含んでいるとして表されています。Web ストリームというこのストリーム タイプは、Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK で新たに追加されました。Web ストリームを使うと、Web ページを構成しているファイルをファイルへ保存し、同じくファイルに保存されているイベントに対応して、クライアント コンピュータ上のブラウザへロードすることができます。

サンプルを配信する準備ができると、プレゼンテーション時間の順に、リアルタイムでキューへの登録と配信が行われます。サンプルはライタから配信されたときと同じような処理でリーダーから未加工データとして配信されます。次にデータはユーザーの望む方法でアプリケーション処理ができます。Windows Media フォーマット SDK は、データをレンダリングする方法は提供しません。

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Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK の新機能

Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK には、拡張性と柔軟性を中心に、以前のリリースに対する改善点が数多く追加されています。以前のリリースに多くの新機能を追加したり、改良を加えたりすることで、SDK は以前よりも広い範囲の開発者にとって、使いやすいものとなりました。

新機能
以下に、Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK のエキサイティングな新機能の一覧の一部を示します。
  • 同期読み込み
    • マルチスレッドなしのオンデマンドのサンプル取得


  • IStream のサポート
    • カスタム ソースからのメディア読み込み


  • インデックス作成の拡張
    • 特定のビデオ フレームへ高速にアクセスするためのフレームベースのインデックス作成
    • ソースのタイム コードによってビデオを識別するためのタイム コード (SMPTE ベース)


  • プロファイルの拡張
    • 帯域幅共有による、ストリームの帯域幅と変動が激しいビット レートの結合
    • ストリームの優先順位により、リーダがストリームをドロップする順番を決定


  • デバイス準拠のテンプレート
    • 対象とするハードウェアに対するコーデック設定の標準化


  • コーデックの拡張
    • 低いビット レートでの品質向上を目的としたフル 2 パス エンコード
    • Windows Media Video 9 Image コーデックを使った、静止画像から高品質ビデオへの変換


  • マルチ ビット レート (MBR) のサポートの拡張
    • さまざまな画像サイズのストリームを含む MBR オーディオおよびビデオに対する除外サポートの追加


  • スマートな再圧縮を使った変換
    • デバイスに対する高ビット レートからの変換の最適化


  • メタデータのサポートの拡張
    • ストリーム固有の属性
    • ID3 互換属性のサポートの拡張
    • インデックスに基づいたメタデータのタグ (同一名の複数タグが可能)
    • 64 キロバイト以上の関連データが付加された属性
    • 複数言語の属性
    • 事前定義された数多くの新属性 


  • 動的なピクセル縦横比
    • 異なるピクセル縦横比の入力デバイスからのビデオを、単一ストリームへ結合


  • ビデオ ストリームのインターレース化
    • セットトップ ボックスなどのデバイス用にインターレース化されたビデオ コンテンツのエンコードと配信


  • DirectX ビデオ アクセラレータ
    • Windows Media ベース コンテンツのハードウェア デコードのサポート (ハイエンド マシン不要)


  • ASF 形式での複数言語のサポート
    • ストリームへの複数言語の割り当てと、DVD スタイルのエクスペリエンスに対する再生音声の選択


  • マルチチャネル オーディオ
    • マルチチャネル オーディオのエンコードと再生 (6 チャネルおよび 8 チャネル)


  • 透かし
    • セキュリティ用にデジタル透かしを埋め込んだ ASF 形式ファイルのエンコード


  • HTML のストリーミング
    • ストリーム内にユーザー コンテンツと一緒に配置されている Web ページのコンポーネントの保存


  • DirectShow フィルタ
    • 既存の DirectShow ベースのアーキテクチャが活用できるだけでなく、ASF ファイルの読み取りおよび書き込みに対するサポートの追加が可能
改良点
以下に、Windows Media フォーマット SDK の以前のリリースに対する改良点の一覧を示します。
  • ストリーミング エクスペリエンスおよびダウンロード エクスペリエンスの向上
    • ファスト ストリームによるバッファリング時間の短縮
    • 可変ビット レート (VBR) ストリーミングとプログレッシブ ダウンロードの最適化
    • MBR オーディオとマルチレゾリューション MBR ビデオにより、動的に選択したコンテンツを単一ファイルへ保存することが可能


  • 大幅に向上したパフォーマンス
    • 同期リーダー インターフェイスにより、アプリケーション編集のコーディング オーバーヘッドが減少
    • 640 x 480、30 fps 非圧縮ビデオの多重化を、1 GHz のマシン上でリアルタイムに処理


  • 拡張性
    • 任意のストリーム タイプにより、ASF ファイルへ任意のデータを含めることが可能
    • 標準的な COM インターフェイスである IStream を使ったカスタム ソース
    • カスタム メタデータの堅牢なサポート

アプリケーション開発者による使用を拡大するために
Windows Media フォーマット 9 シリーズ SDK によって、開発のすべての段階において、メディア プロフェッショナルのニーズに最適な改善や改良が提供されます。アプリケーション開発者は、Windows Media テクノロジを使って、次世代のデジタル メディアを推進するソフトウェアを作成することができます。次のイラストは、この新しいバージョンの Windows Media フォーマット SDK を利用できる、広い範囲にわたるアプリケーションを示しています。

diagram showing the potential professional video uses of the Windows Media Format SDK

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