Teams 電話 コラム
Teams 電話で電話の管理がラクに。オフィスのフリーアドレス化も推進
前回は、電話を使う営業などの現場職の方、および電話の取り次ぎをする事務職の方にフォーカスし、Microsoft Teams (以下、Teams) の電話機能でどのように業務が効率化できるかをご説明しました。Teams 電話なら、Teams が導入されているスマートフォンやパソコンがあれば、自宅でもどこでも会社の外線電話が受発信できるので、さまざまなシーンにおいて生産性向上を支援します。
今回は、電話を管理する方の視点で、Teams 電話の利点をご説明します。そして Teams 電話を導入してオフィスをフリーアドレス化するメリットについても考察します。
目次
- 総務・管理編:従来型の電話環境の課題を Teams 電話で解決!
- 電話の設定変更に時間・手間・コストがかかる!
- PBX の保守、運用が大変!
- 電話応対業務の可視化ができない!
- オフィスのレイアウト―フリーアドレスが導入できない!
- オフィスのフリーアドレス化が進まないのはなぜ?
- フリーアドレスのメリット
- 目の前にいない部下をどうやって管理する?
- 固定電話番号や代表電話番号にかかってきた電話を誰が受ける?
- Teams 電話を活用して BYOD の推進も可能
- Teams 電話を活用した BYOD スマートフォン戦略のメリット
- BYOD で TCO 削減
- BYOD+Teams 電話で電話代の経費精算が不要
- Teams 電話で総務・管理部門の負担を削減し、リモートワーク、オフィスのフリーアドレス化も実現できる環境へ
総務・管理編:従来型の電話環境の課題を Teams 電話で解決!
企業、組織には電話全体を管理している部門の方がいらっしゃいます。今回は「総務・管理編」と称して、電話網の設定、電話システムの運用などをされている総務部門や管理部門の方を想定してご説明します。
こういった部門の方は、従来の電話にどのような課題をお持ちで、Teams 電話でそれらをどのように解決できるか、一つずつ見ていきましょう。
電話の設定変更に時間・手間・コストがかかる!
PBX を利用した電話回線では、組織改編のたびに行う設定変更が負担ではないでしょうか。PBX ベンダーに工事の手配をするのに煩雑な作業が発生し、依頼してから工事をして設定完了まで 1 カ月程度かかるのが通常です。コロナ禍もあり、時代の変化に合わせて迅速に人員を再配置しても電話が使えるまでに時間がかかるのでは生産性も落ちてしまいます。また一般に、設定変更のたびにコストも発生します。
Teams 電話なら工事が不要。各種設定も管理者の方が Teams の管理者用メニューから簡単に変更いただけます。第 1 回のブログでもご説明したとおり、横河レンタ・リース様では数百回線をお一人で管理されているそうです。
PBXの保守、運用が大変!
皆様の会社には PBX が何台導入されているでしょうか。各拠点に大小さまざまな PBX があり、その維持管理の工数、コストが課題ではありませんか。日常的なメンテナンスのほか、今後も大きな組織改編や拠点のオープン / クローズ、オフィスの引っ越しがあれば、その都度、手間をかけ機器や工事のコストを払い続けなくてはなりません。
Teams 電話を導入すれば、PBX の管理は不要になります。運用負荷の軽減とともに、省スペース、省電力にもなります。
電話応対業務の可視化ができない!
従業員から電話の使用状況について質問が来たとき、あるいは人事考課のため電話応対の状況を知りたいとき、旧来の電話回線では得られる情報があまりなかったのではないでしょうか。Teams は、レポート機能が充実しており、管理者の方は電話応対について図のような情報を得ることができます。
これは、自動応答および通話キューの状況を可視化したレポートです。誰が長時間応対しているかなどが、グラフで一目でわかります。
こちらはメール、チャット、Web 会議、外線通話のログのイメージ。そのほか通話品質ダッシュボード、通話分析レポートなどの機能も提供しています。このように管理者は視覚化された見やすい情報を得られ、コンプライアンス遵守やセキュリティ対策のためにもご活用いただけます。
オフィスのレイアウト―フリーアドレスが導入できない!
コロナ禍で出社する人数が減ったこともあり、オフィスの固定席を廃止しフリーアドレス制を検討している会社も多いようです。例えば週に 1 日しか出社しない従業員のために、専用の席を確保するのは非効率。それよりも、いかに出社している従業員が快適に仕事ができるかを考え、固定席を廃止してどこでも業務出来るような環境を整備したほうが合理的です。
フリーアドレス制導入の阻害要因はいくつかありますが、その一つが固定電話です。会社の電話に出る必要があるので、これまでは電話機のあるオフィスに出社することが必須で固定席を廃止することが困難でした。全社員にスマートフォンを配布するにはコストがかかりますし、固定電話番号は残ります。では、私用の携帯電話を業務に使えば良いかというと、それにもこの後ご説明するようにいくつかの課題があります。
Teams 電話を導入すれば、スマートフォンなどで固定電話番号を使えますので、オフィスのフリーアドレス制にも最適です。次章から詳しく見ていきましょう。
オフィスのフリーアドレス化が進まないのはなぜ?
マイクロソフトコーポレーションの調査 The Work Trend Index によると、ビジネスの意思決定者の 66% が、「ハイブリッド作業環境に、より適切に対応するために物理的なスペースを再設計すること」を検討しています。もはや従業員の人数だけでオフィスを設計できません。人数とオフィスの面積は比例せず、「どのような働き方をするか」が非常に重要になってきています。
最近、ABW (Activity Based Working:アクティビティ ベースト ワーキング) という考え方が注目されています。ABW では、仕事を何種類かのアクティビティに分類して考えます。例えば、「複数人で打ち合わせをする」「集中して考える」「リラックスしてアイディアを出し合う」「作業する」のようなアクティビティに分けることが多いようです。当然、行うアクティビティの内容によって、最適な場所も変わってきます。大手事務機器メーカーの株式会社イトーキでは、ABW を「企業とワーカーの相互信頼に基づき、”自己裁量”を最大化することで、ワーカー自らが仕事の仕方を自律的にデザインする働き方戦略」と定義しています。最大限のパフォーマンスを出すために、その時々に適した働き方ができるように、フレキシブルに対応できるフリーアドレス制が必要なのです。
しかし、オフィスをなかなかフリーアドレス化できない現実もあります。
フリーアドレスのメリット
まずはフリーアドレスのメリットを挙げてみましょう。固定席を設けず、好きな場所で仕事をするフリーアドレスにはさまざまなメリットがあります。
- コミュニケーションの活性化
必要に応じてチームで集まって、作業したりアイディアを出したりすることができます - 業務の効率化
静かな場所でじっくり考えたり、広い場所で資料を広げたりできます - オフィスの美化と物理的セキュリティの強化
私物はロッカーにしまうので、オフィスがすっきりし、盗難や紛失のリスクも減少します - ペーパーレス化の推進
紙を置く場所が減るため従業員の意識が変わり、ペーパーレス化が加速します - オフィス スペースの有効利用
オフィスに出社している従業員の分だけスペースを確保して無駄なスペースをなくします
このようにオフィスのフリーアドレス化には多くのメリットがありますが、一方で導入しても問題なく運用できるか疑問を持つ方も多いようです。以下 3 種類の疑問についてお答えします。
目の前にいない部下をどうやって管理する?
フリーアドレス制導入を検討しているお客様からよく聞かれるのが、「部下や仕事仲間が目の前にいないため状況が分からず不安」という声です。確かに実際に目の前にいる状況とは異なりますが、それでも Teams のようなツールを使うことでかなりの部分を解決できます。
Teams のプレゼンス機能で在席しているか、応答可能かどうかが分かります。また、すぐにチャットや通話 (Teams電話) で連絡を取ったり、Teams 会議を開いて資料を画面で共有しながら説明をしたりすることもできます。また、Teams ではサードベンダーのアプリをアドイン機能として使うことができ、お客様のご要件に合わせてさまざまなアプリを付加することも可能です。例えば 「PHONE APPLI PEOPLE」 (旧称:連絡とれるくん) を使えば、在席状況のほか社内の専門家や社外のお客様の電話番号も Teams 上で一元管理することができます。
参考:「PHONE APPLI PEOPLE」のMicrosoft Teamsアプリ版をリリース | ニュース | 株式会社PHONE APPLI
固定電話番号や代表電話番号にかかってきた電話を誰が受ける?
Teams 電話を導入すれば、固定電話番号だけでなく、代表電話番号もスマートフォンやパソコンで使えます。もちろん自宅でも外出先でも電話に応対でき、もうオフィスに高価な固定電話機を設置する必要はありません。これまで使っていた固定電話機に比べ、スマートフォンやパソコンは電話以外にも様々な業務に使え、コスト効果も高いはずです。
Teams 電話を活用して BYOD の推進も可能
これまで述べてきた通り、オフィスのフリーアドレス化にはスマートフォンが欠かせません。しかし「全社員にスマートフォンを支給するのはコストがかかる」とお考えの方も多いことでしょう。お客様先などに訪問し移動の多い現場職の方ならともかく、基本的にほぼオフィスまたは自宅で仕事をする事務職の方には、社給のスマートフォンは不要と判断する組織もあります。
そこで、ペルソナ別にスマートフォンと Teams 電話の使い方をご提案します。
まずは図の 1 番上、社給携帯・スマートフォンを配布済みのユーザーです。スマートフォンでの音声通話は基本的に使用せず、データ通信機能を使用します。電話は Teams 電話を使います。基本的に通話機能が不要になるため、携帯キャリア業者との契約を見直して、割安なプランに変更することも検討できます。
次に図の中央の方、社給携帯・スマートフォンは配布されておらず、PC 中心のリモートワークユーザーの場合です。PC で Wi-Fi ネットワークが使用できる環境で仕事をされていますので、電話もパソコンで受発信します。頻繁に電話をする方の場合、ヘッドセットがあると良いかもしれません。
最後に図の 1 番下、社給携帯・スマートフォンがなく、PC だけではなくスマートフォンでも連絡を取ることの多い方です。このような方は、BYOD (Bring Your Own Device:私的端末の業務利用) をおすすめします。私物のスマートフォンに Teams をインストールし、Teams 電話を使えばプライベートな電話とは別の、会社の電話番号を業務に利用できます。個人の携帯電話番号を知らせることなく、仕事相手に電話ができるので、プライバシーも守れます。また、SIM の入っていないスマートフォンやタブレットでも、ネットワークに接続していれば Teams 電話で電話をすることが可能になります。
個人のスマートフォンを使用しても、第 1 回でご紹介 したように Microsoft Intune などと組み合わせ、セキュアな BYOD 活用が可能です。
Teams 電話を活用した BYOD スマートフォン戦略のメリット
Teams 電話を活用した BYOD スマートフォン戦略にはさまざまなメリットがあります。
BYOD で TCO 削減
BYOD は会社がスマートフォン端末を用意する必要がありませんので、当然 TCO 削減になります。また紛失、故障などがあった場合でも、会社資産のスマートフォンに比べれば手続きがスムーズです。事務職の方などあまりスマートフォンを業務で多用しない一部の方のみ BYOD という会社もあり、お客様の要件によって部分的にでも導入可能です。
BYOD+Teams 電話で電話代の経費精算が不要
もし、BYOD 端末で普通の携帯電話番号を使った業務電話をした場合、その通話費用の清算はどうしたらよいでしょうか。厳密には業務電話として使用した分だけ、会社に請求することになりますが、そのためには携帯電話会社から通話料の明細書を出して毎月 1 円単位で請求するという煩雑な処理が必要となります。
Teams 電話なら、そういった処理は一切不要。Teams 電話でかけた分はそのまま会社に請求されますので、毎月の処理は不要です。
Teams 電話で総務・管理部門の負担を削減し、リモートワーク、オフィスのフリーアドレス化も実現できる環境へ
これまで見てきた通り、Teams 電話はオフィスのフリーアドレス化を推進します。通信料の削減、コミュニケーションツールの統合、PBX 更新・保守費用の削減といったメリットだけでなく、BYOD 戦略ならスマートフォンの機種代が不要で TCO 削減も可能。オフィスのフリーアドレス化、さらにはハイブリッドワークを成功させるためにも、ぜひ Teams 電話をご検討ください。
最後に、Teams 電話を導入してフリーアドレスを実現されている、横河レンタ・リース様の事例をご紹介します。
同社では Teams 電話でオフィスのフリーアドレス化も実現しつつ、「大幅なコストダウン」「円滑なテレワークの導入」「運用管理にかかる負担の大幅削減」に成功されています。
Microsoft Customer Story-PBX ベースの既存電話システムを Teams 電話 + UniTalk へと移行、コスト削減とテレワーク対応に加え、柔軟な組織変革も容易に
ABWについて詳しくはこちらのウェビナーをご覧ください。
これからのオフィスの在り方を考える! ハイブリッド ワークスタイル セミナー (microsoft.com)
次回は、Teams 電話の最新機能をご紹介します。
Teams や Teams 電話に関してのお問い合わせ、ご相談はこちら
セキュア リモートワーク相談窓口 | Microsoft 法人向けサイト
電話:0120-167-400
Microsoft Teams に関するオンラインセミナーも多数ご用意しております。
Microsoft Teams オンライン セミナー シリーズ
Teams 電話のプランと価格
音声通話とビデオ通話でつながる Microsoft Teams 電話は PC、タブレット、モバイル デバイス、固定電話で使用できます。
Teams 電話のお問い合わせ
お問い合わせは、セキュア リモートワーク相談窓口 0120-167-400 までご連絡ください。受付時間: 月曜日 ~ 金曜日 9:00 ~ 17:30 (土日祝日、弊社休業日を除く)