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AI の活用で金融サービス業界の変革を推進

※本ブログは、米国時間 2024 年 10 月 24 日に公開された Accelerating financial services transformation with AI – Microsoft Industry Blogs (英語) の翻訳です。

生成 AI のパワーと豊富な業界データを組み合わせて活用することで、金融サービス業界の意思決定者は、重要なインサイトにすばやくアクセスし、より効率的に、的確な情報に基づいて意思決定を行えるようになります。

Microsoft Cloud for Financial Services

これを実現するのが、Microsoft Cloud for Financial Services に追加された最新ソリューション Meeting Prep for Financial Services (プレビュー) です。マイクロソフトと LSEG (ロンドン証券取引所グループ) の長期にわたる戦略的パートナーシップから生まれたイノベーションであり、Microsoft Teams と Microsoft 365 Copilot 向けに構築、最適化されています。LSEG の次世代型データ & アナリティクス ワークフロー ソリューション「LSEG Workspace」との密接な連携と相互運用を可能にし、ワークフローを強化します。

Meeting Prep for Financial Services は、クライアントとの会議に向けた準備時間の短縮、クライアントへの提案や意思決定の改善、クライアントとのコミュニケーションの効率化を促進することにより、投資銀行やクライアント対応担当者を支援します。Microsoft Teams のライセンスと LSEG Workspace のライセンスをお持ちの場合、このアプリを使用してコラボレーション ワークフローを促進し、生産性を向上させることができます。現在はパブリック プレビュー中 (英語) で、一般提供は 2024 年 12 月に開始されます。Meeting Prep for Financial Services は、2022 年に締結された LSEG とマイクロソフトのパートナーシップにおける重要なマイルストーンであり、データとアナリティクスに特化した新しい製品やサービスを共同で開発することを目的としたものです。

「お客様からは、Meeting Prep for Financial Services を使用したことで大幅な時間節約と効率化につながったと好意的な反応をいただいています。LSEG Workspace に蓄積された豊富な市場データと分析結果をマイクロソフトの生成 AI 機能と統合することで、金融業界の皆様がクライアントとの会議をより充実したものにするために適切に準備を行い、より適切な情報に基づいて意思決定を行うことが可能になっています」

Nej D’Jelal 氏、LSEG Workspace プラットフォーム グループ責任者

金融サービス業界のお客様とパートナー様による AI 活用の進化

お客様、マイクロソフト、そのグローバル パートナーの連携は、金融サービス業界のあらゆるところでイノベーションを生んでいます。Gartner が発表した「2025 年 CIO アジェンダ: 銀行業界の最優先課題とテクノロジ計画」によると、テクノロジ投資において大きな変化が見込まれるのは、生成 AI (39%)、サイバーセキュリティ/情報セキュリティ (34%)、AI (33%) です1。これらのイノベーションには、セキュリティ、プライバシー、信頼性に関する強力な基盤が必要になることから、マイクロソフトはデータの保護、強固なプライバシー対策、責任ある AI の原則への取り組みに特別な注意を払っています。セキュリティはマイクロソフトの全社的な最優先事項であり、当社のセキュア フューチャー イニシアチブは、製品やサービスに組み込まれたセキュリティを継続的に進化させるという取り組みを反映しています。

Microsoft Cloud for Financial Services は、金融サービス業界向けのサービスとソリューションを上記の基盤に提供するものであり、カスタマー エクスペリエンスの変革、従業員の業務支援、リスクとコンプライアンスの管理、基幹システムの最新化といったインパクトのあるビジネス成果を企業が速やかに達成できるよう支援します。イノベーションを促進し、レジリエンスを高めるには、目的に合ったプラットフォーム サービスを活用することが重要です。また、AI 搭載分析プラットフォームである Microsoft Fabric を活用すれば、社内のデータを統合し、コラボレーションを改善し、AI 開発のコストや労力を削減しながら、ガバナンスを簡素化し、セキュリティを強化することができます。

カスタマー エクスペリエンスの変革

カスタマー エクスペリエンスにおけるデータの重要性は、顧客が金融機関と接するあらゆる場所、時間、チャネル、つまり、カスタマー ジャーニーという観点ではいっそう大きくなります。優れたサービスと有意義なやり取りを実現するには、一貫性のあるシームレスな体験を創出し、顧客との関係の全容を把握できるようにする必要があります。

そうしたニーズに対処した好例が、マイクロソフトと資産運用会社 BlackRock のパートナーシップ (英語) です。同社の Aladdin 投資管理プラットフォームは全体が Microsoft Azure で運用されており、この提携ではその次世代型ソリューションの開発に取り組んできました。同社は昨年、プライベート マーケット プラットフォーム向けに新しい生成 AI ツールを発表し、最近では新たに、重要なビジネス意思決定や適切な判断に役立つ回答を瞬時に提供する Aladdin Copilot を発表しています。

他の多くの企業も、生成 AI を活用してカスタマー エクスペリエンス、製品、サービスの提供方法を再構築しています。保険会社の ERGO Insurance (英語) は、マイクロソフト パートナーの EBO が Azure を基盤として開発した AI 仮想オペレーターを使用して、わずか 4 か月でカスタマー サービスを刷新しました。英国のデジタル バンク Virgin Money (英語) は、Microsoft Dynamics 365 Customer Service に統合された Microsoft Copilot Studio で仮想アシスタントを開発し、オムニチャネルのカスタマー エクスペリエンスを強化しました。この仮想アシスタントは賞も獲得しています。また、南アフリカの大手銀行 First National Bank (英語) は、Microsoft Copilot for Sales を活用して顧客とのコミュニケーションを改善し、顧客の要望に的確に応えられるようになりました。さらに、オーストラリアのメガバンク CommBank (英語) は、生成 AI を活用してカスタマー エクスペリエンスをパーソナライズすると共に、詐欺や不正行為、金銭的搾取の防止につなげています。

従業員の業務支援

適切なコミュニケーション ツールやコラボレーション ツールがあれば、従業員はより効果的にビジネス ニーズに対処し、顧客にサービスを提供することができます。生成 AI のメリットを最初に、そして最も強く実感できるのが、Microsoft 365 Copilot です。最近、複数の新機能が追加され、Microsoft 365 アプリの Copilot が強化されました。マイクロソフトの委託により Forrester が実施した最新の Total Economic Impact (TEI) 調査によると、Copilot を 3 年間使用した場合、112 ~ 457% の ROI を見込むことができ、新規採用者の研修期間を 30% 短縮できます2

Copilot の他にも、Azure OpenAI Service を使用すれば、カスタムのオペレーターや生成 AI アプリを構築することができます。ROI もきわめて優れています。マイクロソフトが Forrester に委託した金融サービスおよび保険業界の TEI 調査では、Azure OpenAI Service でソリューションを展開する組織は、3 年目までにクライアントあたりの収益が平均 3 ~ 7% 増加し、効率化によってコンテンツ作成時間が 30 ~ 60% 短縮されることが期待されています3

金融サービス業界全体を見渡しても、マイクロソフトのお客様は、AI イノベーションの重要なメリットである生産性向上を実感しています。たとえば、米国の民間格付け会社 Moody’s は Copilot を社内向けにカスタマイズ (英語) することで、従業員 14,000 人の生産性を向上させ、イノベーションを促進しています。この社内ツールは 1 か月もかからず稼働されました。

「金融機関はデータが著しく増える中でも、即座に知見を引き出すことが求められます。マイクロソフトの Azure と生成 AI ソリューションは、この課題に対処するうえできわめて重要な役割を果たします。Copilot を利用すれば、データへのアクセスが簡素化され、データ活用のハードルが下がります。これにより、クライアントはかつてない量のデータを圧倒的なスピードで処理できるようになりました」

Nick Reed 氏、最高製品責任者、Moody’s Analytics

また、英国の金融サービス会社 Hargreaves Lansdown (英語) では、ファイナンシャル アドバイザーが新しい AI ツールを使用することでクライアント向けの文書を以前の 4 倍の速さで作成できるようになり、週に平均 2 ~ 3 時間を節約しています。フランスの保険・金融グループ AXA (英語) は、Azure OpenAI Service を使用して AXA Secure GPT プラットフォームを 3 か月で開発し、データの安全性を高く維持しながら、責任を持って生成 AI を活用しています。さらに、トルコの大手商業銀行 Akbank のスタッフ (英語) は、数秒で 10,000 件のレコードを検索できる新しいチャットボットを活用して 1 回の顧客サポートあたり 3 分を節約しています。

リスクとコンプライアンスの管理

金融サービス企業で事業運営やイノベーションにおけるテクノロジ利用が活発化するにつれ、活用するシステムの規制要件への準拠 (英語) や業界で求められる信頼性、回復力、セキュリティの確保がますます重要になってきます。

テクノロジへの傾倒が進むと、規制を設ける動きは世界中に広がっていきます。その一例が、金融サービス業界の安定性とセキュリティの強化を目的とした欧州連合のデジタル オペレーショナル レジリエンス法 (DORA) です。DORA を始めとする重要な取り組みに関して、マイクロソフトは規制当局と積極的に協力し、お客様のスムーズで包括的な規制準拠を支援しています。たとえば、Fintech Open Source Foundation (FINOS) (英語) などのコンソーシアムに参加して、他の業界のリーダーと共に金融機関向けの画期的な AI ガバナンス フレームワークの策定に取り組んでいます。

コンプライアンス ニーズへの対応に関する支援

マイクロソフトは、お客様がコンプライアンス要件を満たしながら生成 AI でイノベーションを推進できるよう支援しています。

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テクノロジは、規制準拠においても重要な役割を果たします。そこで、コンプライアンス ニーズに特化した安全でスケーラブルなクラウド基盤である Azure ランディング ゾーンをベースとした、新しい FSI ランディング ゾーンを紹介します。このコードとしてのインフラストラクチャの提供開始は 2024 年 11 月を予定しており、基本的なガバナンス、回復力、セキュリティ、自動化、規範的ガイダンスの提供を通じて、金融サービス企業と当社のパートナー様が金融業界の厳格で妥協の許されないコンプライアンス要件を満たせるよう支援します。

クラウドへの移行も、効果的なリスク管理を促進します。たとえば、カナダのメガバンクであるモントリオール銀行 (英語) は、市場リスク管理プラットフォームを Azure に移行したことで、分析時間を 6 分の 1、業務スピードを 2 倍にしたほか、30% のコスト削減を実現しました。また、ベルギーの銀行 Belfius (英語)Microsoft インテリジェント データ プラットフォームを導入し、リスク評価、規制基準への適合、異常な操作の迅速な検知を行っています。

セキュリティの強化

セキュリティ面では、世界でも特に金融サービス企業が標的にされています。調査会社 Cybersecurity Ventures の予測によると、サイバー犯罪の被害額は、3 兆ドルだった 2015 年から増え続け、10 年後の 2025 年には年間 10.5 兆ドルに達する見込みです4。このように脅威のリスクが増す中、企業は重要なシステムを適切に保護し、データ保護を強化し、多くの規制に準拠し続けることが求められています。

そこで慢性的な人材不足のサイバー防衛チームの業務を支援するのが、Microsoft Copilot for Security です。これを使用すれば、アナリストは組織のセキュリティ態勢を迅速に見直し、これまでよりもはるかにスピーディーに有益な知見から解決策を打ち出せるようになります。イタリアの銀行グループ Intesa Sanpaolo (英語) は、Copilot for Security を導入したことで、脅威ハンティング チームの業務スピードを向上させ、若手スタッフの育成期間を劇的に短縮することに成功しました。また、国際的な金融グループである Barclays (英語) では、マイクロソフトのセキュリティ ソリューションを活用して、セキュリティ脅威の検出、調査、対処、防御の態勢を改善しています。

基幹システムの最新化

多くの企業は、AI への期待の高さからレガシ システムの利用について再考し、ミッション クリティカルなワークロードをクラウドに移行して、Microsoft Fabric などの最新のデータ分析プラットフォームを採用することを決断しています。マイクロソフトのお客様も AI や仮想オペレーターへの投資を急激に増やしており、堅牢なデータ資産戦略の必要性がさらに高まっていることがうかがえます。

そうした中で、マイクロソフト、パートナーの Quantexa、ヨーロッパの銀行 Novo Banco の 3 社による提携は、AI 時代のデータ資産の最新化の好例と言えるものです。この提携では、Quantexa の Decision Intelligence プラットフォームのパワーと Microsoft Fabric の高度な分析機能を組み合わせています。

こうした最新化は、俊敏性、回復力、コンプライアンス、コストの面でも大きなメリットをもたらします。シンガポールの不動産投資運用会社 CapitaLand Investment (英語) は、統合データ プラットフォームへの移行によって全事業部門のデータ運用を効率化し、100 万シンガポール ドル以上のデータ プラットフォームの運用コストと、年間 10,000 人日以上の労働時間を削減しています。ドバイ商業銀行 (英語) では、アプリケーション インフラストラクチャを Azure にアップグレードし、顧客基盤を 4 倍増加させました。新サービスの展開までにかかる期間も 3 か月からわずか 1 日にまで短縮されました。スロベニアの大手保険会社 Zavarovalnica Triglav (英語) は、応答の自動化と顧客からの問い合わせのスマートな再ルーティングにより、スロベニア国内の保険契約ワークフローを刷新し、特定の問い合わせの半分ほどは人による対応が不要になりました。

今後の展望

ここでご紹介した事例はごく一部ですが、AI は、顧客、取引先、規制当局、組織内関係者との信頼関係を損なうことなく、ビジネスのあらゆる側面のイノベーションを可能にするものであることがおわかりいただけたでしょうか。マイクロソフト、そしてマイクロソフトのパートナーは、金融サービス業界のお客様に信頼していただけるソリューションやサービスを提供し、共に歩み続けていきたいと考えています。

  • Meeting Prep for Financial Services の詳細についてはこちらをご確認ください。パブリック プレビューへの参加方法などが示されています。
  • Microsoft Cloud for Financial Services の最新ドキュメントは、こちら (英語) をご覧ください。お客様がビジネス価値を創出し、顧客との関係を強化できるよう支援する、金融サービス業界向けのスケーラブルなプラットフォームの詳細をご確認いただけます。
  • マイクロソフトによる金融サービス業界のお客様の DORA 対応準備の支援については、ブログ記事「DORA の新たな規制への対応を進める金融業界へのマイクロソフトの 3 つの支援策」をお読みください。

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